映画『ジュラシック・ワールド(2015)』の概要:ジュラシック・パーク跡地に建てられた恐竜テーマパーク、ジュラシック・ワールド。そこでは、遺伝子操作を施して生まれた新種の恐竜たちが展示されていた。生命の創造という神の領域に踏み込んだ科学者は、人間が手を付けられないほどの凶悪な怪物を生み出してしまう。
映画『ジュラシック・ワールド』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
監督:コリン・トレヴォロウ
キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ヴィンセント・ドノフリオ、タイ・シンプキンス etc
映画『ジュラシック・ワールド』の登場人物(キャスト)
- オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)
- 元海兵。遺伝子操作をして生まれた新種の恐竜の調教のため、ジュラシック・ワールドの運営会社に雇われた。
- クレア・ディアリング(ライス・ダラス・ハワード)
- ジュラシック・ワールドの運営管理者。仕事に夢中で、自分を訪ねにきた甥っ子たちよりもパークの経営状況を気にかけてしまう。
映画『ジュラシック・ワールド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ【起】
ザックとグレイは親元を離れ、船に乗ってイヌラ・ヌブラル島に向った。恐竜の島と呼ばれるそこは生きた恐竜を観ることができる一大テーマパーク、ジュラシック・ワールド。二人はそこに勤める叔母のクレアに招待された特別客だった。
クレアは投資家を集め、研究所を案内していた。遺伝子技術によって恐竜を蘇らせただけでなく、自分たちは新種の配合を成功するに至った。新種を展示する度、来場者数は上昇し続けている。クレアの話に闘志かは興味津々だった。
恐竜のホログラムや採掘現場のジオラマが展示された島内の博物館。展示物に目を輝かせるグレイに対し、ザックはあまり気乗りしていなかった。そこで二人はクレアと会う。忙しいクレアは、ザラという部下に彼らの世話を任せ、後で一般の来場者は見られないコントロール・ルームに案内すると約束して仕事に戻った。
クレアはコントロール・ルームでジュラシック・ワールドの様子を確かめた。そこでは迷子や熱中症で倒れた人の数、恐竜の置かれた環境までを把握することができた。
映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ【承】
クレアはヘリの発着場でジュラシック・ワールドの社長、マスラニと合流した。マスラニはクレアにパークの運営は順調かと尋ねた。クレハは増収率を自慢しようとしたが、マスラニが重視していたのは、恐竜たちの幸福と来場客の満足度だった。クレアはコストの削減を提案するが、マスラニはコストよりも恐竜たちを通して抱く教えが大事であり、それこそがパークの設立理由なのだと彼女を制した。
ヘリに乗ったマスラニとクレアが辿り着いたのは、近々完成予定のとある施設だった。そこには高度な知能を有した大型の新種の肉食竜が飼育されていた。マスラニはその新種の研究員として元海軍のオーウェンという男を雇ったと話す。利口な恐竜が逃げ出すような事態を避けるためだった。クレアは部外者の参加を快く思っていなかった。
オーウェンは他の職員の前で四棟の小型肉食竜の調教をしていた。彼が華麗に恐竜を操るのを見たインジェンス社の職員は、恐竜をドローンや兵器の代わりに軍事戦力として売り出そうと持ちかけた。しかし、オーウェンは野生動物を外に出すことを警戒していた。
映画『ジュラシック・ワールド』のあらすじ【転】
小型の草食動物と触れ合える広場にいたザックとグレイは、隙を突いてザラの監視から逃げ出した。
クレアは湖畔で暮らしているオーウェンに会いに向かった。クレアは自分以上にマスラニの信頼を得ているオーウェンのことが気に入らなかったし、オーウェンは恐竜を紙面上の数字としか考えないクレアのことが気に入らなかった。
クレアはオーウェンにインドミナス・レックスと名付けられた恐竜を紹介しようとした。クレーンで餌を吊るし、密林の中から誘き出そうとしたが、姿を現わさない。オーウェンは、壁にレックスが脱走したと思しき痕跡を見つけた。オーウェンたちは職員と共に中の様子を確かめようとした。しかし、それは恐竜の罠だった。痕跡に誘き出されたオーウェンの前に姿を現わしたレックスは、職員の一人を丸呑みにした。別の職員が門を開け逃げ出そうとしたところにレックスも続き、施設を脱走した。逃げ出した職員もレックスに食われたのを見たオーウェンは、レックスは眼だけでなく鼻も利くと気付き、車の下に隠れ、車体下のパイプを切断しオイルを浴びて自分の匂いを消すことで難を逃れた。
コントロール・ルームではレックスの脱走に絶句していた。このままでは観光客が危ない。職員は捕獲作戦に乗り出した。
映画『ジュラシック・ワールド』の結末・ラスト(ネタバレ)
レックスに埋め込まれていたGPSの信号を頼りに討伐に出かけた捜索隊。信号の発信源に辿り着くと、装置が埋め込まれた肉片が発見された。レックスは自分に埋め込まれたGPSのことを覚えているだけでなく、その機能まで理解していたのだ。木陰に潜んでいたレックスは捜索隊を殲滅した。その様子の中継をコントロール・ルームで見ていたオーウェンはクレアとマスラニに、島の閉鎖を進言した。クレアはオーウェンの忠告を聞き入れず退場を命じる。オーウェンは去り際にマスラニに恐竜の危険性を再度忠告し、コントロール・ルームを去った。クレアはレックスが発見された場所に近い、パークの北部の封鎖を命じた。しかし、彼女の指示は僅かに間に合わず、アトラクションに乗って一部の客が北部に出発してしまった。出発した客の中にはザックとグレイの姿もあった。
特殊なガラスにコーティングされた乗り物に乗って草食竜の群れの中を進んでいたザックとグレイは乗機から聞こえる帰還命令を無視して観光を楽しんでいた。戻ろうと言うグレイに対し、ザックは好奇心から立入禁止と書かれた柵を越えていく。コントロール・ルームにいたクレアはそれに気づき、職員に二人の救助を要請するが、人手が足りず、それどころではなかった。クレアはオーウェンに救助を頼み込む。
ザックとグレイは草食竜とレックスの戦いに巻き込まれ、乗機を壊されてしまった。レックスに追い掛け回された二人だが、途中で見つけた滝壺に飛び込み、レックスの追跡から逃れることに成功した。
クレアとオーウェンが封鎖されたパークの北部に着くと、レックスによって殺された草食竜の死体が沢山転がっているのを見つけた。レックスは獲物を食わず、殺しを楽しんでいた。更に二人が進んで行くと、破壊された乗り物とザックとグレイの足跡を見つけた。
レックス討伐のため、マスラニは自らヘリに乗り込み、密林を目指した。一方、ザックとグレイは密林の中でかつてそこがジュラシック・パークと呼ばれていた時代に建てられた拠点を見つけた。中に遺棄されていたジープを修復した二人はそれに乗ってパークに向った。
レックスはドーム状の施設、翼竜園を襲撃した。逃げ惑う翼竜たちはレックスがドームに開けた穴から一斉に逃げ出した。レックス討伐に向ったマスラニは翼竜の群れに巻き込まれ、墜落してしまう。
混乱した翼竜がパークの観光客を襲い始めた。パークは一瞬にして戦場と化す。クレアがザックたちと再会を果たす一方で、マスラニの死に乗じてインジェンス社がコントロール・ルームを占拠していた。インジェンス社はオーウェンが育てていた肉食竜を解き放ち、レックスと戦わせようとしていた。オーウェンは自分が育てた肉食竜への愛着から肉食竜の指揮を引き受けた。
四頭の肉食竜を引き連れ、夜の密林をバイクで疾走するオーウェン。その背後に武装したインジェンス社の職員が続く。肉食竜にレックスの肉の匂いを嗅がせ、標的を捜索させると思惑通り肉食竜はレックスを見つけた。しかし、肉食竜はレックスと会話し、オーウェンたちを裏切った。一斉射撃を行ったオーウェンたちはレックスに痛手を負わせることに成功するものの、一人、また一人と肉食竜の犠牲になっていった。肉食竜はオーウェンたちを追い詰めていく。睨み合うオーウェンと肉食竜。そこにレックスが戻ってきた。肉食竜はオーウェンとの絆を思い出すとレックスに立ち向かっていた。肉食竜と共闘するオーウェンだが、それでもレックスには歯が立たない。クレアは隙を見て、肉食獣の檻に向かい、Tレックスをレックスの元に誘き寄せた。Tレックスと肉食竜は力を合わせてレックスを倒すと、戦いで負った傷を癒やすためにそれぞれの住処に戻っていった。
映画『ジュラシック・ワールド』の感想・評価・レビュー
動物を扱ったこのような作品だけではなく、どんな作品にも賛否両論は付き物だが、個人的には非常に素晴らしい映画だったと評する。恐竜のDNAから新しい恐竜を生み出すなんて、人間は相変わらず素晴らしいと思うし、それを商売道具にしようとする姿は相変わらず醜いと感じた。このような感想を述べているが、現実で私も今作のような立場になったらどのような行動を取るのだろうか。次回作も恐竜たちのバトルや人間の愛情や友情の展開を観ることをとても楽しみにしている。(男性 20代)
ジュラシック・パークシリーズの続きにあたるこの映画は、時代とともに、さらに進化している印象を強く受ける。遺伝子操作で、より高度な恐竜を作り出すことに成功した結果、より知能の高い恐竜にしてしまった。人間の技術が起こしうる社会への影響なども反映しているといえる、大作映画に仕上がっている。従来よりもより迫力が増している、そして感動の要素も組み込まれてある映画だ。知能が高いゆえに取り戻した記憶なども、とても印象的なことは間違いない。(女性 30代)
新・ジュラシック・パークシリーズ三部作の一作目。
前半は、近未来的なジュラシック・パーク内の紹介、といった感じで進んでいくのだが、実際に存在すればいいのに!と思わせてくれるリアル感ワクワク感がたまらない。
後半は、ご期待通りのパニックムービーと化す。特殊部隊たちの死があまりにも呆気なく呆然としてしまう。
人間と恐竜、上司と部下、親と子、兄と弟、今作品は絆がテーマなのだろうなと感じた。特に兄弟の絆が結ばれていく描写に感動した。お兄ちゃんが弟を守るような兄らしい姿に成長していくのだ。(女性 20代)
生きている恐竜を間近で見られるのは、恐竜好きの人にとっても、そうでない人にとってもかなり刺激的な体験になるだろう。自分も現実にこのようなテーマパークがもしあったら、怖いが少し行ってみたいと感じた。
しかし、恐竜はかつて地球上を支配していた強い生物で、人間の管理下に置くことは非常に困難である。ただでさえ手に負えない恐竜をさらに改良(改悪?)し、新種を作り出したら、もう人間は恐竜に勝つことは出来ない。クレアがラストでティラノサウルスを放ち、インドミナスを倒させたのは、恐竜を制するのは恐竜なのだという事実を示すためだろう。
このシリーズに出て来る恐竜は皆魅力的だが、新種のインドミナスは非常に恐ろしい存在である。(女性 20代)
まるで映画のなかに居るような、終始迫力満載であった。人間と恐竜の信頼関係が見られたときは感動した。また、クレアの仕事熱心で少し傲慢なきつめの性格が、徐々にやわらかくなり、仲が悪かったオーウェンとの距離も縮まっていく所も好きだ。最後の、クレアがティラノサウルスを解き放ち、戦いの末凶暴化した恐竜を倒すことができたシーンが、息を飲むほど緊張し、同時にほっとした。兄弟の愛や、家族の愛なども深まり、ハッピーエンドだった。(女性 20代)
ジュラシック・パーク全体が映り流れるあのテーマ曲。オープニングから気持ちを高ぶらせてくれるサプライズ。今でも覚えているあのドキドキ感と恐怖、子供にも分かる「映画ってすごい」という気持ち。それを感じさせてくれたのが『ジュラシック・パーク』でした。その第一作目とは別物として考えて欲しいこの作品。あの感動は味わえません。でも、新しい感動や発見、あの感動を知っているからこそ味わえるサプライズがたくさんありました。
『ジュラシック・パーク』ではシリーズ屈指の悪役「ラプトル」そのラプトルと人間との関係性が素晴らしく、思わずなるほどと頷いてしまいます。(女性 30代)
スティーブン・スピルバーグ監督によるシリーズ4作目。
前作に登場したジュラシックパークは大企業に買収され、新たなテーマパークとして生まれ変わっていた。今回の強敵はこの中で飼育されているインドミナ・レックス。特定の知能が備わっているこの恐竜が施設から脱走し、それを主人公のオーウェンが追うという展開。
巨大生物たちの迫力満点のバトルは健在で、今回はさらに頭脳戦が加わり、サスペンス要素を盛り立てている。
スピルバーグのアイデアが所々に散りばめられ、パタン化していない。人気っぷりが伺えるシリーズである。(男性 40代)
『ジュラシック・パーク』の正当な続編と聞いて、これは見ざるを得ないと視聴。なるほど『ジュラシック・パーク』を彷彿させるシーンがいくつかある。
こういうパニック映画にありがちな、愚かな行動するキャラクターも多数。こんな施設をつくったら問題が起こることは分かり切っているのに、人間は前作から何も学ばない。
話の筋としては大方予想通りだったが、恐竜たちを最新技術で描き出してくれただけで、この作品には見る価値がある。3Dでの迫力は凄かった。(男性 30代)
筋肉ムキムキのかっこいいクリス・プラットが見れる。テーマパークとして成功したジュラシックワールドが見れるのは夢があって、迫力満点な様々な恐竜たちを見ることができてワクワクしたし、映画のような展開になったらもちろん困るのだが行ってみたいなと少し思った。自己中心的な人間たちと恐竜を相手に善良な主人公たちが奮闘する姿は相変わらずだった。ラプトルたちが主人公たちと共に活躍するのは今までのシリーズにはない演出でとても面白かった。(女性 20代)
関連作品
次作 ジュラシック・ワールド 炎の王国
前作 ジュラシック・パーク3
みんなの感想・レビュー
不朽の名作『ジュラシック・パーク』のリブート作品。『ジュラシック・パーク』を見た時の感動をずっと大切にしている私は、正直今作は全く期待していませんでした。しかし、この作品は想像していた以上に『ジュラシック・ワールド』としてしっかりと仕上がっていて、そこには最先端技術を駆使した新しい感動が待っていました。
『ジュラシック・パーク』と比べるのは間違っていると思います。クリス・プラットが演じる主人公にも魅力たっぷりで、見ていて飽きることはありませんでした。自然と続編にも期待してしまいます。
この映画を見た時の興奮は、今でも忘れられない。初めて『ジュラシック・パーク』を見たときの感動と驚きを大きく上回った。本当に実現されそうな世界観といい、よりリアルになった恐竜の姿をよりリアルな体験を味わえる。初めてこのシリーズを見たのは子供の頃だったが大人になった今でも、恐竜の生活する姿を見て興奮するとは思わなかった。それほどに素晴らしい作品だ。
しかし、ラプトルと共闘するシーンはあまり好みではなかった。一作品目が好きな私としては、恐竜の恐ろしさに圧倒される作品こそ『ジュラシック・パーク』シリーズの醍醐味だと思っている。
迫力、アクション、スピード感、全てが最高でワクワク感が止まらない。映像技術も素晴らしくインドミナスや他の恐竜たちの迫力や恐ろしさも見事に再現されていた。『ジュラシック・パーク』からのオマージュも所々に散りばめられており見つけると楽しい。オーウェンのバイクシーンはめちゃくちゃカッコ良い、アクションシーンや見せ場が続くので飽きも無く最後まで映画の世界観に引き込まれ、あっという間に見終わってしまう。映画を見たなぁ~という気分になれ、誰でも楽しめるザ・エンターテイメントな映画。
事故が起こった「ジュラシック・パーク」に代わって、新しくオープンした「ジュラシック・ワールド」を舞台とした物語。
ジャイロスフィアで巡る恐竜見学やモササウルスの水中ショーのシーンは、壮大なスケールでありながら、スリルと迫力満点でとてもワクワクした。
特にモササウルスは、ティラノサウルスと鯨を合体させたようなヴィジュアルが目を引く。更に、水中から獲物を捕らえる様子の凄まじさに見入ってしまった。
オーウェンや、新種のインドミナスやティラノサウルスを含む恐竜が動き回る姿がとにかくかっこよくて、エンターテインメントが満載の作品。
恐竜の王国ジュラシック・ワールドがついにオープン。その事実がUSJを思わせて、親近感を覚えました。モササウルスが肉に食いつくのはイルカショー的な感じなのだろうけれど、本当にあんなに大きな恐竜が目の前で姿を見せたら、きっと怖いと感じてしまいました。
そう言ったテーマパークの要素に新しさを感じさせつつも、ハイブリッド恐竜によるパニックは、初代ジュラシックパークの展開を思い出させる部分もあり、懐かしさも感じる作品でした。見終わった後には、自分もそのテーマパークにいたような気分になるリアルさがありました。
ジュラシックシリーズはやはり男性の好奇心をくすぐる夢のような作品である。特に今作では恐竜のテーマパークという男性の誰もが想像したことのあるような夢を映像で叶えてくれており、後半のインドミナス・レックスとの戦いよりもテーマパークの世界観に魅入られた方も多いのではないかと思う。気になった点として、シリーズを通して見ている方には申し訳ないが、純粋に世界観を楽しむために恋愛要素はいらないと感じた。
前シリーズ抜きにしても、素直に面白かったです。恐竜のテーマパークから脱走した恐竜たちが人々を恐怖に陥れます。
エンターテイメント作品として楽しむことはできますが、冷静に考えてみたらとんでもなく怖いことです。動物園からライオンが逃げるよりも何倍も危険なのですから。
ちなみに、字幕の訳が一部で誤訳と言われ話題となりました。回りくどい言い回しですが、伏線回収を考えればおかしくないように思います。
新たな恐竜の世界の始まり。現代の技術により実現したジュラシック・ワールド。リアルな実写で描かれています。
穏やかな恐竜との交流を描いたシーンから一転、インドミナス・レックスと名付けられたとても賢く、動くものすべてに襲い掛かる恐竜が逃げたことによって、パークはパニックに。大迫力の映像でどこからやってくるかわからない恐竜に自分も目を凝らし、その世界に入ったかのような気持ちになります。
低予算では多くあるが大作では滅多に観られない恐竜映画。恐竜が人間の真横を闊歩する映像は映画の醍醐味といって差し支えないスペクタクルを内包したものだが、スピルバーグが『ジュラシック・パーク』で答えにいきなり到達してしまったがためにフォロワーが少ない。もはや恐竜を使ってあれ以上のものは出来ないだろうと思ったが、同シリーズではありとあらゆる奇策を使ってこの難題に挑んでいる。バイクと並走するラプトル。人間との意思疎通。未知なるモンスターの出現。などなど、新鮮さやオリジナリティにおいてもはや後発組は戦える存在ではないが、神聖不可侵の存在に人間の知恵で挑みかかるようなこの挑戦に拍手を送りたい。
映画業界に大きな衝撃を与えた『ジュラシック・パーク』から22年後に本作が製作された。
あの衝撃が再びやって来るが、当時『ジュラシック・パーク』を観ていた人はもちろん、初めてこの世界に触れる人たちにも感動を覚えるだろう。
多くの人が好きな恐竜が実際に目の前で息をして、動いて、食べる姿を見るシーンからパーク全体が映し出されるシーンは素晴らしいの一言である。
そして、シリーズの概念を打ち破る禁断の遺伝子改造された恐竜、人間によって飼育される恐竜など、それまでとは違ったアプローチもまた面白い。
なんと言っても主人公とヴェロキラプトルとの絆が最も興味を惹きつける作品である。
「ジュラシック・パーク」のリブート作品。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮にまわり、監督を若手の新星、コリン・トレボロウが勤める。
「ジュラシック・パーク」公開当時に比べて格段に進歩したVFX技術により表現された恐竜たちに目が行きがちだが、これまでのシリーズ最大の規模で描かれるパニックの中で奔走する人々のドラマにも注目。
かつての失敗から何も学べなかった人の愚かさを表現していると共に、オーウェンとブルーのように人と恐竜でも絆を育む事が出来るというメッセージを感じた作品。
今まではTレックスが最強の恐竜のように描かれていた本シリーズだが、今回はインドミナスレックスという、様々な遺伝子を配合した反則級の恐竜が登場する。様々な恐竜の遺伝子の他、コウイカやアマガエルといった生物の遺伝子も持っている為、体温を変えたり、体の色を変えて、景色に溶け込んだりと恐ろしい能力を駆使して襲い掛かってくる。作中では旧作品の名残りが登場するシーンや、新旧最強対決、さらにはラプトルとオーウェンの人間と恐竜の絆などが見える為、とにかく見応え抜群の作品である。
怖い。本当に怖いです、こんなテーマ―パーク…。
あっても絶対に行きたくないなというのが率直な感想です。
設定が新たになって、クリス・プラットが登場したことによって子供達にもだいぶ親しみやすい映画になったと思います。勿論劇中で活躍する兄弟達も名演技を見せてくれます。特に弟役のグレイを演じたタイ・シンプキンス君の涙には、こちらも応援したくなってしまいます。クレアには皆イライラすることでしょう…。
いつになっても命を悪用する悪者がいるのは、このシリーズの変わらないところですが、映画の世界でなく、これが現実になることも起こりうるのでは…?と考えると本当に怖いです。
シリーズ1作目であり、大ヒットした有名な「ジュラシック・パーク」好きならわかる、小ネタの数々が登場する作品。
「ジュラシック・パーク」に登場したキャラクターのB.D.ウォン演じるヘンリー・ウー博士が、遺伝子操作された恐竜インドミナスレックスの生みの親として登場。
ラストに出てくるティラノサウルスは、1作目に登場してラプトルに傷をつけられたところと似た場所に、古傷が見える恐竜。
パーク内でインドミナスレックスに追いかけられたザックとグレイが逃げ込んだのは、見覚えのある空間と見覚えのある92年式の古いジープ。
パーク内のコントロールルームのスタッフ、ロウリーが着ているのは「ジュラシック・パーク」のロゴのTシャツ。
しかしこれは1993年のシリーズ1作目を知らなければ何の意味も持たないため、ファンサービスの一環にしかなっていない。
「ジュラシック・パーク」シリーズで一番の見どころといえば、やはり恐竜たちが大暴れするシーン。
VFX技術も格段に上がり、DVDやブルーレイでは楽しめないが3D映画でもあり、恐竜のリアリティや迫力は満点。
だが、恐竜たちがパーク内を暴れまわるまで30分以上の時間がかかっており、インドミナスレックスに関しての説明やラプトル調教の成功、どれだけ重要なプロジェクトかという解説だらけ。
遺伝子組み換え恐竜の中にラプトルのDNAが入っていたから訪れる危機や、ラプトルと共に戦うシーンのためには必要不可欠な説明もあるが、長すぎて飽きてしまう。
また、吹き替え版に俳優の玉木宏をオーウェン役、女優の木村佳乃をクレア役として抜擢しているが、プロの声優の吹き替えと俳優の行う吹き替えとの違いがにじみ出てしまって、違和感だらけになっている。
1作目「ジュラシック・パーク」の世界は1993年、本作「ジュラシック・ワールド」の世界は2015年と、現実と重なる年数に驚かされる作品。
22年前の「ジュラシック・パーク」のファンサービスをしながら、遺伝子操作によって最恐の恐竜を作り出すという斬新な展開に、かつての子供たちや今の子供たちは楽しめそう。
しかし、大ヒット作のシリーズ化は1作目を超えるのが難しいという定説の通りに、最初のハラハラドキドキした強いイメージから抜けきれていない。
スタッフ、キャストともに豪華で、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮という話題性もあったためなのか、次回作の噂も流れている。