B級映画の帝王ロジャー・コーマンが製作したカルトアクション映画。近未来を舞台に、大人気殺人ロードレースで死闘を繰り広げる5組のレーサーを描く。デヴィッド・キャラダイン他、ブレイク前のシルヴェスター・スタローンが出演。
映画『デス・レース2000年』 作品情報
- 製作年:1975年
- 上映時間:80分
- ジャンル:アクション
- 監督:ポール・バーテル
- キャスト:デビッド・キャラダイン、シモーネ・グリフェス、ハリエット・メディン、シルベスター・スタローン、ルイザ・モリッツ etc…
映画『デス・レース2000年』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★★
[miho21]
映画『デス・レース2000年』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『デス・レース2000年』のあらすじを紹介します。
近未来の西暦2000年、独裁国家として生まれ変わっていたアメリカでは大陸横断のデス・レースが国民的人気となっていた。レースはタイムの他、道中にひき殺した人間の数やその年齢によってポイントが加算されるという異様なものだった。そんなレースに参加する5組の中に、国民的レーサーのフランケンシュタイン(デヴィッド・キャラダイン)の姿もあった。助手のアニーを乗せてスタートするフランケンシュタイン。通行人をひき殺しながら熾烈な殺人レースが繰り広げられるが、レーサーたちが何者かの手によって罠にはめられ命を落としていく。実はレースの中止と平和な社会を求める革命軍が介入しており、アニーはそのスパイとして送り込まれていたのだ。それを知ったフランケンシュタインはアニーを受け入れる。実はフランケンシュタインもレースの観覧に来ている大統領の暗殺を企てていたのだ。
そしてついにライバルのジョー(シルヴェスター・スタローン)にも打ち勝って優勝したフランケンシュタインは、大統領に近づき暗殺しようとするも失敗してしまう。しかし実は失敗したのは変装したアニーであった。本物のフランケンシュタインはマシンに乗っており、油断した大統領をひき殺す。そして新大統領となったフランケンシュタインはデス・レースを廃止し、アニーと結婚するのだった。
映画『デス・レース2000年』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『デス・レース2000年』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
不謹慎のオンパレード!
大陸横断デス・レースなんて設定だけでぶっとんだ映画だが、ひき殺した人間につくポイントの配分がまたエグい。男性より女性の方が高く、大人より子供の方が高い。極めつけに75歳以上の老人は100ポイント! 要は弱者を殺してしまえという大会方針に空いた口が塞がらない。レースに便乗する連中もろくなやつがいない。病院の安楽死デーでは、看護婦たちが道路の真ん中に老人たちを並ばせる始末。要はレースに乗じて邪魔な年寄りたちに死んでもらおうという算段だ。全くもって道徳心の欠片もない! その完全に針の振り切れた不謹慎っぷりが爆笑を誘う。
現代アメリカ批判(?)
勿論ただただ不謹慎なだけでなく、時には外からちゃんと批判(?)してみせる。「競争と殺戮はアメリカの文化」と登場人物の1人が述べる。これにつけ加えるなら「競争と殺戮をショーにするのがアメリカの文化」と言えるだろう。作中で一番狂気を孕んでいるのは、レーサーではなく観客の方だ。バラエティ仕立ての番組でレースを観て狂喜している姿は異様の一言。ただこの映画の存在自体もまさに暴力をエンターテイメントにしたものだ。自己批判をしているのか、それともシニカルに笑い飛ばしているのか微妙なさじ加減になっている所もまた面白い。
ジェイソン・ステイサム主演の『デス・レース』は鑑賞したことがありましたが、過去にこんな作品があったとは知らずもっと早く見ればよかったと後悔しました。
倫理観を気にする方には絶対にオススメしません。設定がめちゃくちゃやばいです。デス・レースというタイトルの通り、人を殺すことでポイントを稼ぐレースなので老若男女問わずどんどん人を殺していきます。しかもそれが娯楽のようになっていて、殺すと盛り上がる観客も狂っていますよね。
しかし、その狂った世界に魅力を感じるコアなファンにはたまらないはず。カルト的な人気を誇る作品だと言うことにも納得です。(女性 30代)
映画『デス・レース2000年』 まとめ
登場人物の紹介シーンからして爆笑。コテコテのコスチュームにチープなマシン。中でもスタート早々観客に向かって機関銃をぶっ放すシルヴェスター・スタローンの姿はランボーと被ってそのギャップに唖然とする。レースが始まると今度は千差万別のやり方で通行人をひき殺していく。かなり惨い死に方もあるし血の量もかなりのものだが、残虐性を笑いが遥かに上回ってしまう。猛牛マシンの前に現れて、闘牛もどきを繰り広げる謎のマタドールに至っては最早意味不明だ。裏では革命軍が頑張っているのだが、そんなストーリーはおかまいなし。とにかく次々現れるトンデモキャラとトンデモな死に様に引っ張られて行く。B級映画らしくお色気シーンも適度に挿入されるという、まさにかゆい所に手が届く作品だ。
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