映画『クルーレス』の概要:ビバリーヒルズで暮らすリッチで能天気な女子高生の成長物語。主人公のシェールをアリシア・シルヴァーストーンが演じMTVムービー・アワード女優賞を受賞した。1995年製作。明るくポップな青春ラブコメ映画。
映画『クルーレス』 作品情報
- 製作年:1995年
- 上映時間:98分
- ジャンル:青春、ラブストーリー、コメディ
- 監督:エイミー・ヘッカリング
- キャスト:アリシア・シルヴァーストーン、ステイシー・ダッシュ、ブリタニー・マーフィ、ポール・ラッド etc
映画『クルーレス』 評価
- 点数:65点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『クルーレス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『クルーレス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『クルーレス』 あらすじ【起・承】
シェール(アリシア・シルヴァーストーン)はビバリーヒルズの豪邸で暮らすリッチな女子高生だ。父親はやり手の弁護士で、母親はシェールが赤ちゃんの時に死亡。実質父と二人暮らしだが、メイドもいるしお金は使いたい放題で、毎日ブランド物の服を着て親友のディオンヌと青春を謳歌している。
父は以前再婚したことがあり、その女性の息子ジョシュは血のつながりのないシェールの父を“パパ”と呼び慕っていた。ジョシュは高学歴の大学生で、弁護士になるためシェールの父の手伝いをしている。シェールとは趣味も考え方も正反対で、シェールはジョシュをダサい奴と軽蔑していたが、彼に頼り、彼の言葉に傷つくようなところがあった。
シェールはホール先生の授業で“C”を取ってしまう。交渉して成績を上げてもらおうとするが真面目なホール先生には通じない。そこで47歳独身のホール先生と同じく独身のガイスト先生をくっつけてしまえば2人はハッピーになって成績を上げてくれるだろうと考え2人を変身させる。作戦は見事成功して2人は恋に落ち、成績も上がる。そしてシェールは人を変身させる快感に目覚めてしまう。
転校生のタイは冴えないロック系女子で、シェールは次のターゲットをタイに決める。クラスで人気者のエルトンとタイをくっつけようとあれこれやってみるが、エルトンが好きなのはシェールで、結局タイを失恋させ傷つけてしまうことになる。
映画『クルーレス』 結末・ラスト(ネタバレ)
タイの次の彼を探している時、クラスにナイスガイのクリスチャンが転校してくる。それまで同世代の男を馬鹿にしていたシェールだが、おしゃれなクリスチャンには興味を持ち彼に近づこうとする。
シェールの作戦は成功し、2人でパーティへ行くことになる。ジョシュは浮かれているシェールのことが気になり自分もそのパーティへ行く。そのパーティにはタイも来ており、誰からも相手にされないタイをジョシュが誘って一緒にダンスをする。その様子を見てシェールはジョシュを見直す。結局クリスチャンはゲイだったことがわかり、2人は買い物友達となる。
そんな時、タイが男に絡まれ、その騒ぎが学校中に広まり彼女は一躍人気者になる。自分よりタイが人気者になってしまったことに寂しさを感じていたシェールは運転免許の試験にまで落ちてしまいひどく落ち込む。その上、タイはジョシュをゲットしたいと言い出す。
シェールはついに自分がジョシュのことを好きなのだと気付き、自分を変えようとする。派手な服装をやめ、ボランティア活動に精を出し、周囲の人を馬鹿にすることも止める。
タイには別の彼氏ができたが、シェールはどうしていいかわからず父に悩みを話し励ましてもらう。
ある晩、父の仕事の手伝いをしていたシェールのミスを父の部下がひどく責め、それをかばったジョシュと喧嘩になる。落ち込むシェールをジョシュは優しく慰め、ついに2人は互いの正直な気持ちを告白しキスをする。
ホール先生とガイスト先生の結婚式の日、シェールはジョシュの目の前で花嫁のブーケをゲットする。
映画『クルーレス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『クルーレス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
アメリカの女子高生はすごい
この映画の舞台はアメリカでも有名な高級住宅地ビバリーヒルズなので、これが一般的ではないのだろうが、それにしてもすごい。
住んでいる家もクローゼットの中の服や靴の量も乗っている車も何もかもが超リッチだ。
毎日学校へ行くために主人公のシェールも親友のディオンヌもクラスメイトも、ものすごいメイクとファッションでキメまくっている。しかもパーティでのアルコールとマリファナは当たり前のようで、何だかよくわからないが“さすが自由の国アメリカ”と妙に感心してしまう。
主人公シェールの魅力
アリシア・シルヴァーストーン演じる主人公のシェールの価値観は単純でわかりやすい。ジョシュに“利己的だ”と言われてシェールは傷ついていたが、その通りだろう。
しかし、シェールにはどこか憎めない魅力がある。それはとても素直だということ。卑屈で根暗なところが全くないのは“愛されて当たり前”という環境で育った人に見られる特長で、シェールはまさにそんな女の子だ。
一歩間違えると苦労知らずのバカ娘になりそうなシェールだが、中身は意外にしっかりしているし、父親には従順だ。そして結局、堅実で中身のあるジョシュを選んでいる。何より観客の共感性を呼ぶのは、彼女がちゃんと自分の非を認め、そこから学び成長していく姿勢だろう。
アリシア・シルヴァーストーンのルックスに品があるので、シェールがちゃんと育ちのいいお嬢様に見えるという点もこの主人公の大きな魅力になっている。
アメリカの女子高生はこんなにも大人で過激なのかと驚いてしまいました。ブランド品に身を包み、お金も好き放題使っていたら、それはワガママになるのは当たり前で結局嫌な女の子の話かと思っていましたが、シェールが心を入れ替えるのが意外と早かったので、不快にならずに見ていられました。
一見、能天気ななんとかなる精神の女の子だけど実は悩みを持っているというリアルな姿を見ると、少し勇気と元気を貰える気がします。(女性 30代)
映画『クルーレス』 まとめ
この映画は1995年製作の青春映画だが、それほどの古さは感じない。ただ、多分当時は最先端だった大きな携帯電話や分厚いパソコンには時代を感じ思わず笑ってしまう。
主人公のシェールには彼女なりの悩みがあり、それによって彼女は成長していくのだが、基本的にその悩みもとても軽いし(この年頃には深刻な悩みなのかもしれないが)サクサクと解決するので物語のトーンはずっと明るい。そして映像も明るい。
とにかく幸せな女の子の映画が観たければ、本作を観るといいだろう。
余談だが、この明るいトーンの映画の中でジョシュのお気に入りとしてレディオヘッドの音楽が何度か流れる。監督は“女子高生に嫌われる辛気臭い音楽”としてレディオヘッドを選んだのか、それとも“ジョシュが好むような中身のある音楽”として選んだのか、レディオヘッド好きとしては気になるところだ。
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アメリカの青春なんてロマンチックでいい