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映画『テルマ&ルイーズ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『テルマ&ルイーズ』の概要:気楽な女の2人旅に出たテルマとルイーズが、あるアクシデントから1人の男を殺してしまい逃亡を続けるうちにどんどん追いつめられていくロードムービー。1991年公開のアメリカ映画。

映画『テルマ&ルイーズ』 作品情報

テルマ&ルイーズ

  • 製作年:1991年
  • 上映時間:128分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:リドリー・スコット
  • キャスト:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット etc

映画『テルマ&ルイーズ』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

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映画『テルマ&ルイーズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『テルマ&ルイーズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『テルマ&ルイーズ』 あらすじ【起・承】

テルマ(ジーナ・デイヴィス)は18歳で結婚してからずっと専業主婦の世間知らず。親友のルイーズ(スーザン・サランドン)はレストランでウエイトレスをしているしっかり者だ。

2人は二日間の小旅行を計画していた。しかしテルマは出発の朝になっても亭主関白な夫のダリルに旅行のことを言い出せないまま手紙を残して家を出る。友達との旅行など初めてのテルマは大荷物の中に銃まで詰め込んでいた。ルイーズはそんなテルマに呆れながらも、彼女同様初めての2人旅に心を躍らせていた。

テルマは目的地の山荘へ行く前にナイトクラブへ入りたいと言い出す。ルイーズの心配をよそに彼女は酔っ払ってハーランという男と大はしゃぎする。

ハーランに外へ連れ出されたテルマは暴力を振るわれ、レイプされそうになる。そのピンチをルイーズが銃を使って助ける。脅しのつもりだったが、ハーランの侮蔑的な言葉に激怒した彼女はハーランを撃ち殺してしまう。混乱した2人は車で逃走する。

テルマとルイーズは重要参考人となるが、ハーランは評判の悪い男で、捜査を担当したハル警部は何か事情があると考えていた。

そんなことを知らないルイーズは自首したら終わりだと考えメキシコへ逃げる決心をする。恋人のジミーに事情は言えないと断って金の工面を頼み、ジミーは快くそれを聞き入れる。

金の振込場所のオクラホマへ向かう途中、テルマはダリルに電話をして彼の一方的な態度に傷つき、自分もメキシコへ行くとルイーズに告げる。

道中でヒッチハイカー(実は強盗)のJ.D.(ブラッド・ピット)を乗せてやり、無事オクラホマに到着する。指定されたホテルにはジミーが来ており、ルイーズは金をテルマに預けて彼の部屋へ行く。テルマは行き場のないJ.D.を部屋に泊め、ダリル以外の男と初めて寝る。

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映画『テルマ&ルイーズ』 結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、ジミーと別れたルイーズとテルマはカフェで会う。ルイーズはテルマからJ.D.の話を聞いて慌てて部屋に戻るが、そこには逃亡資金の金もJ.D.の姿もなかった。

絶望するルイーズを見て責任を感じたテルマは、J.D.に教えてもらった方法でスーパーで強盗を働き、金を奪う。

ハル警部は防犯カメラに記録されたテルマの犯行を見て、2人が追いつめられていると感じ何とか救ってやりたいと焦っていた。

しかし、テルマとルイーズは二度と後戻りはできないと思い込み国境線を目指す。

ルイーズはテルマの家で待機していたハル警部と電話で話し、警察が2人の目的地を知っていることに驚く。警察に捕まったJ.D.がテルマから聞いた話を全てバラしていたのだ。

逃走を続ける2人は、追いつめられながらも今まで感じたことのない高揚感と解放感を味
わう。特にテルマの方が積極的になり、スピード違反で止められた際には警察官を銃で脅し、彼の銃を奪うようなことまでしでかす。

ハル警部は再び電話をしてきたルイーズに“君たちを助けたい、まだ間に合う”と告げ、自首するよう説得する。しかしルイーズは“帰れない”というテルマと運命を共にする道を選ぶ。

ついに警察の捜査はFBIまで乗り出した大規模なものとなり、2人は罪を重ねた凶悪な指名手配犯として激しい追跡を受ける。必死で追跡を振り切った2人が行き着いた先は断崖絶壁のグランドキャニオンだった。

完全に取り囲まれ逃げ場を失った2人は、固く手を握り合いグランドキャニオンへ車ごとダイブする。

映画『テルマ&ルイーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『テルマ&ルイーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

秀悦な脚本

気楽な一泊旅行が思いがけない逃亡劇に発展してしまうこの物語。とにかく脚本がいい。

2人が旅に出るまでの数分で、テルマが横暴な夫と暮らす貞淑な妻であることやルイーズが気のいい姉御肌の女であることがスッとわかってしまう。短い会話の中で2人の親密さやそれぞれの性格を自然に理解できるから、観客は次の展開へ集中できる。

レイプ未遂からの殺人、逃亡の始まりから徐々に引き返せなくなっていく展開にもしっかりした伏線とそうなってしまった理由があるので、思いがけない方向へと進んでいく2人の旅に唐突感や違和感はない。何より人物描写が非常に丁寧なので、ルイーズが殺人を犯したことも、テルマが破滅への道を歩むことも、そしてそのテルマにルイーズが付き合うことも、そうなってしまう2人の気持ちが理解できる。

この逃亡劇で初めてテルマが生きていることを実感し解放されていく様子や、テルマの変化を素直に喜ぶルイーズの優しさと友情には胸を打たれる。すっかり2人に感情移入してしまった観客は、手に汗握り2人の無事を祈らずにはいられなくなるのだ。

ハル警部の存在

最初の事件発生から2人の捜査を担当したハル警部は最後まで一貫してこの2人を救いたいと願い続けている。テルマもルイーズも凶悪犯などではない、善良な普通の女性だとハル警部にはわかっているのだ。

たまたま不運な出来事に遭遇し、それまで積み重ねてきた平凡な日々が一転してしまうことはどんな人にも起こりうる不条理な現実だ。しかし、きっとどこかでハル警部のように救いの手を差し伸べたいと願っている人がいてくれると思いたい。

ハル警部は私たち観客の気持ちをずっと代弁してくれる。死のダイブへと向かう2人の車を必死で追いかけるハル警部の後ろ姿は、なんとも言えない余韻として心に残る。


女性への性暴力のアンチテーゼ的メッセージが込められた作品で、最後まで本当に面白かった。ここに出てきたジーンズファッションが凄い素敵だし、アメリカ南西部の砂埃舞う荒野の雰囲気がまさに理想のロードムービーという感じだ。同性愛的なものも仄めかされるけども、それ以上に心で価値観を共有し合って、友情を超えた何か特別な繋がりが築き上げられていったという方がしっくりくる。

脚本が女性によって書かれたので、センセーショナルに描きつつ、男女間での行き違う互いのジェンダー観とかも痛いほど表現されていた。最後まで屈しなかった2人に涙を抑え切れない。(女性 20代)


映画としてももちろん素晴らしいが、女性が女性として生きる上で感じる様々な感情を、否応なしに引きずり出されるような感覚がする作品だった。
たとえすべてを共感できなくても、同じ女性ならきっと誰もが、彼女たちを通して、考えたり、感じたりするものがあると思う。
そういう意味では、女性には一度は観てみてほしい作品である。
考えさせられるラストとは裏腹に、さわやかで美しい景色や時代特有のおしゃれなファッションはロードムービーとしても非常に見ごたえがある。(女性 30代)


エピソードだけ追えば非常に悲しくやりきれない気分になりそうな話なのだが、実際の映画のエンディングはどこか爽快で何かから解放された気分にすらなる不思議な作品。それはロケ地の開放感からくるのかもしれないし、主演2人の輝く魅力からくるのかもしれない。あるいは、本当はこれが唯一の解決方法であってはならないと思いはするが、これしか2人が自由になる方法はなかったのだろうとどこか納得させられてしまうのかもしれない。基本完全なハッピーエンドしか好きになれないのだが、この作品はなぜか繰り返し観てしまう。(男性 40代)


逃げる必要はなかったのに…と、テルマとルイーズの行動がどんどんエスカレートしていってしまう様子が心配で見ていられませんでした。
2人を助けようと手を差し伸べてくれる警部もいたし、そもそも正当防衛なのに逃げてしまったのはパニック状態だったのでしょう。
ラストはグランドキャニオンの崖から車で飛び込む彼女たち。最後まで逃げ切った決意の強さ感じると同時に、そんなことをしなくても…という虚しさが残りました。ハッピーエンドではありませんが、疾走感を感じられる作品です。(女性 30代)

映画『テルマ&ルイーズ』 まとめ

あらすじだけを読むと何だか気の重い話のようだが、鑑賞後そんな暗い印象は全く残らない。登場人物がみんなどこかカラッと明るく、会話もストーリー展開も非常にテンポがいいので単純に面白いし、結構笑えるシーンも多い。

テルマ役のシーナ・デイヴィスは世間知らずで能天気なテルマが徐々に強気で大胆な女性に変化していく様子をとてもキュートに演じているし、姉御肌で人のいいルイーズ役にスーザン・サランドンはぴったりのキャスティングだ。

劇的に変化していく運命に翻弄されながら、今まで経験したことのない解放感を味わい強くなっていく2人の女性を描くことで、女性差別やレイプの問題にもさりげない警告を発している。衝撃的な結末と共に、いろいろと考えさせられる内容の濃い映画だ。

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