12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』

映画『ツーリスト』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ツーリスト』の概要:女はその男をただ偶然に選んだだけのはずだった。そしてその男はただのツーリストのはずだった。ロマンチックなベネチアを舞台に、女、警察、マフィアがたった一人の男を追う。そのラストに誰もが騙される・・・!

映画『ツーリスト』 作品情報

ツーリスト

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:103分
  • ジャンル:ラブストーリー、サスペンス、ミステリー
  • 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
  • キャスト:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン etc

映画『ツーリスト』 評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『ツーリスト』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ツーリスト』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ツーリスト』 あらすじ【起・承】

パリの街を颯爽と歩く美しい女性。彼女は毎朝の習慣で朝食を取りにカフェへと向かう。優雅に食事を楽しむ彼女だが、遠くから黒服の男たちが厳めしい顔で監視していた。

そこへ、彼女宛の郵便物が配達される。遠目からざわめき立つ男たち。本部に連絡を取り映像をリアルタイムで送ると、イギリスのアチソン警部は「奴からだ。」と確信を持った。

彼女が受け取った封筒には「AP」と刻印されていた。メッセージは、彼女への謝罪と今も愛しているという気持ち、そして警察の監視を巻きリヨン行の列車に乗って自分に似た体格の男を選べ、と記されており、また指示通りに手紙をその場で燃やしてしまうと、エリーズはその手紙通りにカフェをあとにし、行動を移した。

リヨン行の列車でエリーズは一人の男に目を付けた。彼の目の前に腰かけ言葉を交わすと彼はアメリカからのツーリストで名前をフランクと名乗った。

フランクは彼女の美しさに見惚れながらも食事に誘う。食堂で食事を楽しみながら二人は会話を楽しむが、ふと、フランクが深刻な顔で「あの男たちに見られている気がする。」とエリーズに目配せする。エリーズがそちらを見ると、彼女を監視する捜査員らしき二人が座っていたが、彼女は冗談に変えてしまうのだった。

映画『ツーリスト』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『ツーリスト』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『ツーリスト』 結末・ラスト(ネタバレ)

ベネチアに到着し、フランクが地図を広げていると、船に乗ったエリーズが声を掛け「乗って」と誘う。渡りに船とばかりにフランクはそこへ乗り込むが、連れていかれたのは高級ホテルだった。

夜、一緒に食事を取ったあとベランダに出ていたエリーズはカメラを抱えてこちらの様子を窺う人間がいるのに気づくと、まるで写真を撮らせるかのようにフランクにキスをしたのだった。

翌日、ソファで寝たフランクが目を覚ますとエリーズは出かけた後だった。どことなくがっかりするフランクだったが、事態は急転、銃を持った男たちが部屋へ押し入ってきた。

バスルームの窓から屋根伝いに逃げるフランク。どうやらエリーズの恋人と自分を取り違えられているらしいと命からがらマフィアからは逃げきったが、運悪く現地の警察に拘束されてしまう。

無実を訴えるフランクは担当の刑事に夜中釈放されるが、実は懸賞金を狙いフランクをマフィアに売り渡すつもりだったのだ。

そこを救ったのはエリーズだった。

エリーズは巻き込むつもりはなかったと謝罪をし、アメリカへ帰るよう懇願するとフランクを駅へ送り届ける。だが、彼女に恋に落ちてしまったフランクは、エリーズが「AP」から示された次の待ち合わせ場所に現れたのだった。

映画『ツーリスト』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ツーリスト』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

二度以上観ることを推奨

一度目は単純にそのストーリーやキャストの豪華さ、またラストの驚きを楽しめるだろう。だが、それだけでは「さすがハリウッド映画だね。」で終わってしまう。一度目を観て気に入ったなら、是非二度三度と観ることをお勧めしたい。一度目ではその情報量故見落としがちだった幾つもの細かな伏線に気が付くはずだ。

伏線で楽しむ

フランクがエリーズを初めて見て言った一言、去る時の彼女を見つめる目線を考えるとサスペンスミステリー映画として捉えるだけではもったいない程の切なさを感じることが出来る。
また、注目してほしいのはアチソン警部だ。彼はAPの逮捕に異常なこだわりを見せるが、それは全てエリーズへの恋心故である。そう考えると偉ぶった彼の言動が、途端に恋の実らない怒りを抱えた中学生男子のそれに見えてしまい実に傑作だった。

エリーズの衣装、絶世の美女設定

アンジェリーナ・ジョリーの衣装には特にこだわりが見えた。道行く人が思わず振り返るような美女、という設定であり大胆に胸元や背中の開いたドレスやウェストの細さが強調されたワンピースに身を包んだ彼女は魅力的だった。
一つ残念だったのは、舞踏会での彼女の化粧とヘアメイクだ。ここでももちろん男女問わず彼女を振り返っていたが、しかしマッシュルーム型にまとめた彼女の髪型とキツすぎる口紅の色は残念ながら彼女を十は老けさせていた。

本国での評価はどうあれ

製作までにキャストの降板、交代が噂され、また本国での批評家からの評判は一概に芳しいものではなかったらしいが、ゴールデングローブ賞の主演・女優共にノミネートされたという。しかし、それがコメディ部門だったということは、やはりこの映画は正当な評価を受けそこなったのでは、という印象を受けた。
間違いなくエンターテイメントな映画であり主要キャストの演技も素晴らしくベネチアの美しさも過不足なく映し出されていた。
何よりラストには皆が騙されたのではないか。一見ミステリアスだったのはエリーズ、だがその実、最もミステリアスで読めない男だったのはフランクだったのである。


セリフとか表情とかウィットに富んでいて、くすっと笑える要素があったのがおもしろかった。アンジェリーナ・ジョリーが綺麗で、謎の美女の役が嵌まっていたと思う。結末はそこまで予想外ではなかったので、あまり驚きはなかった。それでも、アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップ、大好きな二人のやり取りが見られて満足した気持ちになった。二人のファンには、おすすめしたい作品。景色も美しく、見て良かったと思う。(女性 30代)


アンジェリーナ・ジョリーは綺麗だし、ジョニー・デップはカッコいい。
そんなことばかり考えて観ていたからか、ラストは全くの予想外でした。

真相が分かったときは「ただのツーリストでいてくれたほうが良かったな」と思いました。何も知らない普通の人間がスリリングな状況に巻き込まれるほうが、ドラマチックに感じます。なぜ最後までエリーズに正体を明かさなかったのかも謎でした。

でも鑑賞後にいろいろと考えてみると、アレキサンダーからエリーズへの手の込んだサプライズのような気もします。たくさんの人を巻き込んだ、型破りな二人のラブストーリーだと思うとしっくり来ました。(女性 40代)


アンジェリーナ・ジョリー演じるエリーズがエレガントで美しくて、フランスやイタリアの街並みがとてつもなく似合っていた。映画の始まりはフランスのカフェから始まるのだが、その世界観がとにかく優雅でうっとりする。
この映画はミステリー映画に属されるが、変に緊張したりすることなく、リラックスして観ることができるので、背景の映像や建築物、衣装、音楽の洗練された世界に着目して鑑賞することも楽しいだろう。(女性 20代)


エレガントでゴージャス。ジョニー・デップのおどおどした役どころも面白いし、おとしまえ(?)のつけかたもスタイリッシュ。舞台であるパリやベニスはどこを切り取っても街自体が絵になる上、泊まるホテルは超高級、何から何までいちいち整っているので眺めて現実逃避をするのにはぴったりだ。そして現実逃避は映画に求められる重要な機能の一つだし、それがエンターテイメントというものだろう。決して心に残る何かがあるわけではないが、旅行自体が難しい昨今、こういった映像作品の中で旅をするのも悪くない。(男性 40代)


スタイリッシュでかっこよくて美しくて、面白いなあなんて見ているといつの間にかすっかり自分も騙されてしまう今作。初見よりも2度目、3度目のほうが面白く見られる作品だと思います。
アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップの共演と言うだけで満足なのですが、2人が並ぶ姿は圧巻。演技はもちろん秀逸ですが、2人が持つ雰囲気に引き込まれてしまうんですよね。
ラストの展開に驚き、もう一度最初から見直したくなるはず。男女ともに楽しめる作品でしょう。(女性 30代)

映画『ツーリスト』 まとめ

個人的意見としては非常に面白かった。確かに派手なアクションシーンはなく、サスペンスというにはぞわりと肌が泡立つような好奇心はそそられない。またミステリーというにしてもかろうじてミステリアスな女に翻弄されているらしい・・・というだけでラストを観ればそれされもハテナがつくのだ。もちろん純粋にコメディというのも違う。

あえて言うなら、エンターテイメントであろうか。どのジャンルの要素も少しずつ入っていて、それが殺し合わずむしろ引き立て合って一つのまとまった作品に仕上がっている、そんな印象なのだ。

だが、もしも主演がこの二人でなかったら、これほどまでにバランスの良い映画にはならなかったように思う。ジョニー・デップの一見シャイで素朴な男が美女に振り回されるというコミカルな芝居、そしてアンジェリーナ・ジョリーの微妙な女性心理を表した情感豊かな表情に非常に助けられた映画とも言えるかもしれない。

みんなの感想・レビュー