R15指定作品。監督は蜷川実花。脚本は「電車男」の脚本も務めた金子ありさ。原作は岡崎京子による漫画作品「ヘルタースケルター」。主演・りりこ役を演じたのは「手紙」のヒロイン役を演じた沢尻エリカ。
映画『ヘルタースケルター』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:127分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:蜷川実花
- キャスト:沢尻エリカ、大森南朋、寺島しのぶ、綾野剛、水原希子 etc…
映画『ヘルタースケルター』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ヘルタースケルター』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ヘルタースケルター』のあらすじを紹介します。
女子高生が渋谷でりりこの話題をしているところから物語は始まります。それはりりこが「高校生で最もなりたい女性」に選ばれたからです。りりこが表紙の雑誌は多数あり書店の店頭に並べられてました。更にりりこはモデルとしての活躍に留まらず、連続ドラマや映画にも出演していました。
これだけの活躍をして恋人もいるまさに全盛期のりりこ…。実は彼女には世間に隠している大きな秘密がありました。それは全身のほとんどが整形でできている事…。
世間ではりりこをスター扱いしますが、りりこ自身は自分の美貌が壊れゆく事にうすうす感づいていきます。また周囲の人もその事実に感づいていました。ヘアメイク担当の沢鍋が身近でメイクに携わっているので早くその事実に気づきましたが当然といえば当然の事。
若者のカリスマとしての「りりこ」を保ち続けなければいけないりりこ。しかし、壊れていく事を止めることはできません。その時期から同じプロダクションで働く後輩のこずえに世間の注目が集まっていきます。トップ・モデルでいられる期間というのは短い期間であるという現実がありました。追い込まれていくりりこを更に追い込むのはドラッグによる幻覚症状。果たしてりりこの往く末は…。
映画『ヘルタースケルター』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ヘルタースケルター』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ストーリー設定
予告篇を強調しすぎた感があります。というのは、予告篇を見て想像できるストーリー内容でほぼ終わってしまいました。
結論、ストーリーに特別な期待は抱かない方がいいです。あくまで、旬の短いモデルの転落を赤裸々に描いた作品であると認識しておいて下さい。
結末自体はさすがに最後まで見ないとわからないと思いますが…。
ターゲット・集客
まず、トップモデルの現実感を極端に強調した内容である以上ターゲットが若者向け、尚かつ女性向けである事がうかがえます。
…にもかかわらずR15指定の作品です。もったいない作品だと私は感じました。しかし、ターゲットを極端に絞った事で根強いファンを獲得できたのではと思います。
どちらかというと私自身は共感というより、外部の目線で鑑賞する事となりました。
演出
監督の本職が写真家であり演出にこだわりがありました。各シーンごとの演出に目を奪われる作品でありました。りりこも役者とキャラクターがマッチしていて演出効果も上がっていました。りりこのみならず女性陣が際立っている作品でありました。
渋谷のスクランブル交差点や建造物109をシーンに取り入れる事によって日本の若者の最先端をリアルに表現出来ていると感じました。しかしながら私(20代後半男性)の視点だと新鮮さがないようにも感じました。身近な感覚が強すぎて映画に対して別次元を感じなかったからだと思います。
映画『ヘルタースケルター』 まとめ
一言で言えば「女性モデル」の追求だと思います。絶頂期~転落期を作品で忠実に扱っています。モデルの頂上に駆け上がるまでの作品にしなかった理由は色々あると思いますが、メリットとして主演のりりこを絶頂の状況から描けたこと、転落していく事に人間の本能に訴える事ができる作品となった事だと思います。一概にモデルはすべてこのようになるとは言えませんが、一つのリアルとしてうまく描かれていたと思います。
また、作品内容に対して監督・脚本・主演・周りスタッフがまとまりのある作品となったと思います。もちろん、役者の役もはまってました。
感想は、主演の演技力に惹かれました。常時の振舞からセクシーな場面、崩壊していくさままで…一人の役としてりりこを創り上げる事に成功したと感じました。
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