この記事では、映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』の作品情報

出典:https://video.unext.jp/title/SID0071443
| 製作年 | 2021年 |
|---|---|
| 上映時間 | 135分 |
| ジャンル | ヒューマンドラマ |
| 監督 | 藤井道人 |
| キャスト | 綾野剛 舘ひろし 尾野真千子 北村有起哉 |
| 製作国 | 日本 |
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』の登場人物(キャスト)
- 山本賢治(綾野剛)
- チンピラだったが、柴咲博に命を救われたことで柴咲組に入る。
- 柴咲博(舘ひろし)
- 柴咲組組長。仁義を重んじる昔気質のヤクザ。
- 工藤由香(尾野真千子)
- 柴咲組がケツ持ちをするクラブのホステスで大学生。賢治と恋仲になる。
- 中村努(北村有起哉)
- 柴咲組補佐で、のち若頭。
- 細野竜太(市原隼人)
- 賢治の昔からの不良仲間で、柴咲組に入る。賢治が出所した後、就職を世話する。
- 大原幸平(二ノ宮龍太郎)
- 賢治の昔からの不良仲間で、柴咲組に入る。
- 木村愛子(寺島しのぶ)
- 賢治達の馴染みの韓国食堂店主。亡き夫は柴咲組若頭。
- 木村翼(磯村勇人)
- 木村愛子の息子。半グレになる。
- 加藤雅敏(豊原功補)
- 柴咲組と対立する侠葉会若頭で、のち会長。
- 川山礼二(駿河太郎)
- 侠葉会若頭補佐、のち若頭。
- 大迫和彦(岩松了)
- マル暴刑事。賢治とはチンピラ時代から顔馴染み。
- 工藤彩(小宮山莉渚)
- 工藤由香の娘。由香と賢治の間にできた子。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のあらすじ【起】
1999年。19歳の山本賢治はチンピラとしてその日暮らしの生活を送っていた。彼の父親は証券マンだったが、バブル崩壊後に転落。覚醒剤に手を出し、命を落とす。
賢治はすでに幼いころ母を亡くしていた。父親も死に天涯孤独の身となった山本は、衝動的に道で見かけた売人を殴り、覚醒剤と金を奪って逃走する。金は仲間の細野竜太と大原幸平と山分けし、覚醒剤は海に向かって投げ捨てた。
金が入った三人は行きつけの韓国食堂へと向かう。店主の木村愛子はチンピラの彼らにも優しく接してくれる。そこへ柴咲組組長・柴咲博が現れる。
しばらくすると、店内に数人の男が、柴咲博を狙って乱入してくる。柴咲の配下と乱闘が起き、襲撃者の一人が柴咲に向かって拳銃を向ける。すると賢治が、その男を殴り倒して事態は収拾する。
後日、柴咲組に呼ばれた賢治は組への加入を勧められるが、ヤクザに憎しみを持つ彼はそれを断る。賢治は柴咲の名刺を受け取りその場を後にする。
直後、賢治は細野と大原と共に侠葉会に拉致される。彼らが海に捨てた覚醒剤は、侠葉会のものだったのだ。三人はリンチされ殺される寸前だったが、侠葉会若頭・加藤雅敏が賢治のポケットから柴咲の名刺を見つけたことで命拾いする。
賢治は柴咲博と父子盃を交わし、柴咲組の組員となる。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のあらすじ【承】
2005年。賢治は、ヤクザとして街の顔役を務めるまでに成長していた。
ある日、柴咲組がケツ持ちをするクラブでトラブルが起きる。駆けつけた賢治は、トラブルの主、侠葉会・川山礼二の頭を瓶で殴る。賢治は手を切ってしまうが、ホステスの工藤由香にその傷を手当てしてもらう。由香が気に入った賢治は強引に関係を持とうとするも拒絶される。
翌日、賢治が川山を暴行した件で柴咲組と侠葉会の間で話し合いの場が持たれるが、柴咲博と加藤の話し合いは決裂する。
一方、由香は賢治に身体こそ許さなかったが、境遇が近いこともあり着実に二人の距離は近づきつつあった。
ある日、大原と柴咲、賢治の三人で釣りへと向かう車中。侠葉会のヒットマンに襲われ、大原は死亡。柴咲を庇った賢治も重傷を負い入院する。
親友を殺された賢治は敵討ちを願うが、柴咲に思い留まるよう説得される。納得できない賢治は、単身侠葉会の加藤や川山のいるクラブに乗り込む。川山に向かって拳銃の引き金を引こうとしたその時、柴咲組若頭・中村が現れ、包丁で川山を刺す。
賢治は組には若頭の中村が必要であると考え、彼を逃がす。自身も川山を滅多刺しにした後、現場から逃走した。賢治はその足で由香のアパートへと向かう。二人はその夜初めて結ばれた。翌日、賢治は川山殺害の罪で逮捕される。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のあらすじ【転】
2019年。賢治が出所する。中村の出迎えで、14年ぶりに組事務所を訪れた賢治だったが、改正暴対法施行の影響で、ヤクザは活動が制限され組員は激減。柴咲組は壊滅状態にあった。組長・柴咲も癌に侵され、かつての迫力は見る影も無くなっていた。
かつての仲間、細野は組を抜けて堅気の仕事に就き、結婚して子供も生まれていた。細野はどこかよそよそしく、賢治を避けるような態度をとる。それはヤクザである賢治といることで「反社」のレッテルを張られることを恐れての行動だった。
一方、幼いころから賢治を慕っていた食堂の店主愛子の息子・翼は、22歳となり半グレとして活動していた。侠葉会の加藤は翼を組に誘うが、断られる。腹いせに加藤は、翼の父である木村肇の死の真相を知っていることを仄めかした。翼は父を殺した人間を探り始める。
賢治は14年ぶりに由香と再会する。由香には14歳の娘・彩がおり、市役所で働いていた。賢治は組を抜けて、堅気として細野と同じ産廃業者で働き、三人で暮らし始める。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』の結末・ラスト(ネタバレ)
職場の同僚が賢治と細野が「元ヤクザ」であることをSNSにアップしたことで、二人は職場を追われてしまう。細野の家族は彼に別れを告げずに姿を消す。
賢治と暮らしていた由香も、元ヤクザと同居していることが問題視され、市役所をクビになり、社宅も追い出されてしまう。賢治は由香に責められるが、どうすることもできない。由香は娘と共に街を出る。
愛子の食堂に立ち寄った賢治は、翼から父親を殺した人間が分かったと聞かされる。賢治は「お母さんを悲しませるな」と翼に復讐を思い留まるよう諭し、食堂を出る。
翼は父を殺した加藤に復讐するべく、加藤とマル暴刑事大迫がいる店を襲撃する。しかし、すでに二人は山本の手によって殺害されていた。
賢治は波止場で血まみれのまま座っていた。そこへ細野が現れ、賢治を刺す。賢治が帰ってきたことでそれまでの平穏な生活が失われたことを恨んでのことだった。賢治は細野を笑顔で抱きしめた後、海へと落ちていく。
数日後、波止場にやって来た翼は、彩と出会う。父のことが知りたいと言う彩に、翼は笑顔で語り始める。
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
父親を亡くした青年・山本賢治が柴咲組に拾われ、ヤクザの世界で「家族」を得ていく姿がとても印象に残りました。前半は任侠映画らしい熱さがあり、組長との親子のような関係に胸が熱くなります。しかし時代が進むにつれ、暴対法や社会の変化によってヤクザの居場所がどんどん失われていく展開が切ない。出所した賢治が社会に適応できず、かつての仲間も散り散りになっている現実はかなり重いです。最後、息子の未来のために自分の生き方を終わらせるような選択をするラストは衝撃的でした。任侠の美学と現代社会の厳しさを同時に描いた印象深い作品です。(30代 男性)
この映画は単なるヤクザ映画ではなく、「家族とは何か」を問いかけるドラマだと感じました。賢治にとって柴咲組は本当の家族のような存在で、特に組長との関係は父と息子のように見えます。その温かさがあるからこそ、後半で組が衰退していく流れがとても悲しい。刑務所から出てきた賢治が社会から完全に孤立している描写は、現実の厳しさを突きつけてきます。息子と静かに向き合う場面や、最終的に彼が選んだ道は胸が締め付けられるほど切なかったです。時代の流れに取り残された人間の哀しさが強く残る作品でした。(20代 女性)
物語が1999年、2005年、2019年と時代を追って進む構成が非常に効果的でした。最初は昔ながらの任侠の世界があり、義理や人情が生きているように見えるのですが、年を追うごとにそれが崩れていきます。暴力団排除の流れの中で、ヤクザという生き方が完全に社会から拒絶されていく描写はリアルでした。出所後の賢治が仕事も居場所も見つけられない姿は、どこかやるせない。最後の事件とその結末は悲劇ですが、彼なりの覚悟を感じさせる終わり方だったと思います。重いテーマながら見応えのある一本でした。(40代 男性)
綾野剛の演技が本当に素晴らしかったです。若い頃の荒々しい賢治から、年齢を重ねて疲れや諦めを抱えた姿まで、同じ人物とは思えないほどの変化を見せてくれました。特に出所後の孤独感がにじむ演技は胸に刺さります。組長を失い、仲間も離れていき、社会からも拒まれるという状況はかなり辛いものがあります。そんな中で息子に会うシーンはとても静かですが感情が溢れていて印象的でした。ラストの悲劇的な展開も含めて、ヤクザという生き方の終焉を描いたような映画だと感じました。(30代 女性)
任侠映画の形を借りながら、日本社会の変化を描いた作品だと思いました。昔のヤクザ映画は義理や人情が強調されますが、この作品ではそれが時代とともに通用しなくなっていく過程が描かれています。賢治は組を「家族」と信じて生きてきたのに、社会のルールはそれを完全に否定してしまう。そのギャップがとても苦しい。出所後の生活の描写はリアルで、居場所を失った人間の孤独が伝わってきました。最後の出来事は衝撃ですが、彼の人生を考えると必然のようにも思えてしまいます。(50代 男性)
ヤクザというテーマなのに、暴力よりも人間関係に焦点が当たっているのが印象的でした。賢治が組長に拾われて家族のように受け入れられる場面は温かく、思わず感情移入してしまいます。しかしその関係が時代の流れの中で壊れていくのが本当に悲しい。特に刑務所から出てきた後の世界は別物で、かつての仲間たちの姿も変わっています。息子の存在が賢治にとって唯一の希望のように見えましたが、その未来を守るための決断があまりにも切なかったです。静かに胸をえぐる作品でした。(40代 女性)
正直、ここまで重いヤクザ映画だとは思いませんでした。序盤は若者が組に入り、男の世界で生きていく物語のように見えますが、後半は社会から排除されていく人間の物語に変わっていきます。暴対法によって組が弱体化していく描写や、出所後に普通の生活ができない現実はかなりリアルです。賢治が息子と会う場面では、彼が普通の父親になりたかった気持ちが伝わってきました。最後の結末は救いがあるとは言えませんが、その余韻がとても強く残る映画でした。(20代 男性)
任侠映画に詳しくなくても、純粋な人間ドラマとして楽しめる作品でした。賢治は決して善人ではありませんが、孤独な若者が居場所を求めて組に入る気持ちは理解できます。組長との関係や仲間たちとの絆は確かに「家族」に見えました。それだけに時代が進むにつれてその絆が崩れていく展開は辛いものがあります。出所後の孤独や社会の冷たさは観ていて胸が痛くなりました。ラストは悲しいですが、ヤクザという生き方の終わりを象徴しているようにも感じました。(30代 女性)
1990年代から現代までのヤクザ社会の変化を描いた点がとても興味深かったです。昔は組の結束が強く、若者がそこに人生を見いだすこともあったのかもしれません。しかし時代が変わり、その価値観が完全に崩れていく様子がこの映画では丁寧に描かれています。賢治はその変化についていけず、社会にも戻れない存在になってしまう。その姿はどこか哀れで、同時に悲劇的でした。最後の出来事はショックでしたが、彼の人生の行き着く先だったのかもしれないと考えてしまいました。(60代 男性)
タイトルの「家族」という言葉が観終わったあとに重く響きました。血のつながりではないけれど、賢治にとって柴咲組は本当の家族のような場所だったのだと思います。しかし社会はその存在を認めず、時代の流れとともにすべてが崩れていく。その過程がとても切なく描かれていました。出所後に息子と向き合う場面は短いながらも印象的で、彼が普通の人生を望んでいたことが伝わってきます。最後の結末は悲劇ですが、その余韻がずっと心に残る映画でした。(20代 女性)
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』を見た人におすすめの映画5選
孤狼の血
この映画を一言で表すと?
暴力と正義の境界線で揺れる男たちを描く、熱量あふれる極上のクライムドラマ。
どんな話?
1980年代の広島を舞台に、新人刑事の日岡は型破りなベテラン刑事・大上とコンビを組むことになります。大上は暴力団対策のためなら違法行為も辞さない危険な人物でした。日岡はそのやり方に戸惑いながらも、激化する暴力団抗争の中で現実の厳しさを知っていきます。正義と暴力の境界が曖昧になる世界を描いた、緊張感の高い犯罪ドラマです。
ここがおすすめ!
『ヤクザと家族 THE FAMILY』と同様に、日本の裏社会をリアルに描いた作品として高い評価を受けています。役所広司と松坂桃李の緊張感ある関係性が物語を強く引き締め、暴力団と警察の駆け引きが見どころです。激しい抗争の裏にある人間ドラマも深く、任侠の世界に生きる人間の葛藤を濃密に味わえる一本です。
アウトレイジ
この映画を一言で表すと?
裏切りと暴力が連鎖する、極限まで冷酷なヤクザ社会を描いた衝撃作。
どんな話?
関東の巨大暴力団組織の内部では、組同士の権力争いが絶えません。幹部の命令によって小さな抗争が次第に大きな争いへと発展し、組織の中で裏切りや策略が繰り返されていきます。誰が味方で誰が敵なのか分からない状況の中で、男たちは生き残るために冷酷な決断を重ねていきます。暴力団の世界を容赦なく描いたハードなクライム映画です。
ここがおすすめ!
『ヤクザと家族 THE FAMILY』が人間ドラマを中心に描いたのに対し、本作はヤクザ社会の冷酷さを徹底的に突き詰めています。北野武監督ならではの乾いた演出と緊張感ある会話劇が魅力で、裏社会の権力闘争の恐ろしさを強烈に体感できます。暴力団映画の現代的な代表作として、多くの映画ファンに支持されている作品です。
仁義なき戦い
この映画を一言で表すと?
実録スタイルで描く、日本映画史に残る伝説のヤクザ抗争ドラマ。
どんな話?
第二次世界大戦後の混乱期の広島を舞台に、元兵士の広能がヤクザの世界に足を踏み入れます。そこでは義理や人情よりも生き残ることが優先され、裏切りや抗争が次々と起こります。複数の組織が複雑に絡み合いながら、激しい権力争いが繰り広げられていく様子を、実録風のタッチで描いた作品です。
ここがおすすめ!
日本のヤクザ映画を語る上で欠かせない名作であり、多くの後続作品に影響を与えました。ドキュメンタリーのような臨場感と、登場人物たちのむき出しの欲望が強烈な印象を残します。『ヤクザと家族 THE FAMILY』のリアルな任侠世界に惹かれた人なら、その原点とも言えるこの作品の迫力にもきっと引き込まれるはずです。
すばらしき世界
この映画を一言で表すと?
社会に戻ろうともがく元ヤクザの人生を描く、静かで力強い人間ドラマ。
どんな話?
長い刑務所生活を終えた元ヤクザの三上は、普通の社会で真面目に生きようと決意します。しかし前科者である彼を社会は簡単には受け入れてくれません。仕事探しや人間関係に苦労しながらも、彼は不器用ながら前を向こうとします。社会の壁と向き合う一人の男の姿を丁寧に描いたヒューマンドラマです。
ここがおすすめ!
『ヤクザと家族 THE FAMILY』で描かれた「社会に戻れない人間」の苦しさに共感した人には特におすすめです。主演の役所広司が、粗暴さと優しさを併せ持つ複雑な人物像を見事に演じています。派手な事件は少ないものの、社会の冷たさと人間の温かさを静かに描き出す作品で、観終わったあと深い余韻が残ります。
極道の妻たち
この映画を一言で表すと?
ヤクザ社会の裏側を、女性の視点から描いた重厚な任侠ドラマ。
どんな話?
暴力団組長の妻として生きる女性たちは、華やかな世界の裏で多くの苦悩を抱えています。抗争や裏切りが続く中で、家族や組を守るために彼女たちは覚悟を決めて行動します。男社会の裏にある人間関係や感情を描きながら、任侠の世界に生きる女性たちの強さを描いた作品です。
ここがおすすめ!
ヤクザ映画というと男性中心の物語が多いですが、この作品は女性の立場から裏社会を描いている点が大きな魅力です。組織の抗争だけでなく、家族や愛情の問題も絡み合い、ドラマとしての深みがあります。『ヤクザと家族 THE FAMILY』の「家族」というテーマに惹かれた人なら、異なる視点から任侠世界を見られる本作も楽しめるでしょう。



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