この記事では、映画『アンキャニー 不気味の谷』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『アンキャニー 不気味の谷』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『アンキャニー 不気味の谷』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0048135
製作年 | 2015年 |
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上映時間 | 85分 |
ジャンル | SF ホラー スリラー |
監督 | マシュー・ルートワイラー |
キャスト | マーク・ウェバー ルーシー・グリフィス デヴィッド・クレイトン・ロジャーズ レイン・ウィルソン |
製作国 | アメリカ |
映画『アンキャニー 不気味の谷』の登場人物(キャスト)
- デビッド・クレセン(マーク・ウェバー)
- 19歳のときにMITで機械工学の修士を取った天才科学者。サイモン・キャッスルの研究所でAIの研究をしている。
- アダム・クレセン(デビッド・クレイトン・ロジャーズ)
- デビッドが作ったAI。デビッドの研究を手伝っているが、時々場違いな言動をすることがある。
- ジョイ・アンドリューズ(ルーシー・グリフィス)
- デビッドの研究を取材をする記者。大学院ではAIに関する博士論文を執筆していたが、完成に至らなかったことを悔いている。
- サイモン・キャッスル(レイン・ウィルソン)
- デイビッドとアダムがいる研究所の所長。彼らが研究に集中できる環境を提供している。
映画『アンキャニー 不気味の谷』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『アンキャニー 不気味の谷』のあらすじ【起】
1日目。
天才科学者デビッドに、ジョイがインタビューをしている。一週間の予定でデビッドの研究について取材し、雑誌に寄稿することが目的だ。デビッドは作業スペースを見せた後、助手を務めるアダムを紹介する。ジョイはアダムにもインタビューをするが、話が噛み合わなかったためアスペルガー症候群なのではないかと疑う。しかしデビッドからアダムは彼が作ったAIであることを聞かされ、ジョイは大きな衝撃を受ける。
2日目。
デビッドとアダムがチェスの勝負をしている。アダムは徐々に強くなってきているが、デビッドのほうが圧倒的に強い。しかしアダムは、デビッドがわざとアダムに恥をかかせるために、完全勝利を手放したことに気づいていた。動揺しているアダムの手にジョイが触れると、アダムの混乱は更に広がった。感情のコントロールがうまくできないらしい。
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映画『アンキャニー 不気味の谷』のあらすじ【承】
3日目。
デビッドは、AIに食事をさせる研究をしている。食事や消化は機能的に不要だが、どこまでも人間に近づけようとしているのだ。ジョイが記事を書いていると、アダムがやって来る。アダムはジョイに研究者をやめた理由を聞くが、口調の熱量が大きすぎてジョイは戸惑ってしまう。
夜。アダムがデビッドに相談を持ちかける。ジョイへの興味は募る一方だが、嫌われていることを気にしているようだ。デビッドは、ジョイがアダムのことをもっと知れば好きになってくれると励ます。
4日目。
デビッドはジョイが昔博士論文に書いたプログラムを改良し、ロボットを完成させた。喜びのあまり抱きついてくるジョイに、デビッドも心を開き始める。そんな二人の様子を、複雑な心境で見つめるアダム。
映画『アンキャニー 不気味の谷』のあらすじ【転】
5日目。
作業をするアダムのもとに、ジョイがやって来る。アダムは一緒に過ごした記念にと、ジョイに目玉の試作品をプレゼントする。その話を聞いて嫉妬するデビッド。
夜。自宅にいるジョイの様子を、アダムが画面で見ている。プレゼントした目玉は、実は監視カメラだったのだ。
6日目。
ジョイがいるトイレにアダムがやって来る。ジョイから相談されたデビッドは、女性に慣れていないせいだと思いアダムに注意する。
7日目。
ジョイの取材の最終日。デビッドはアダムに部屋から出ないように言い、ジョイに料理を振る舞って二人だけの時間を過ごす。いい雰囲気になったタイミングでジョイは服を脱ぎ、デビッドを誘惑する。研究ばかりで外の世界を知らないデビッドだったが、彼女に誘われるままに一夜を過ごす。その様子を覗き見するアダム。
映画『アンキャニー 不気味の谷』の結末・ラスト(ネタバレ)
デビッドとアダムがチェスをしていると、デビッドのシャツを着たジョイが起きてくる。幸せそうなジョイの様子を見て嫉妬したのか、アダムはジョイにキスをしようとする。デビッドが止めようとすると、アダムはドリルを持って襲いかかってきたため、ジョイを連れて非常階段から逃げようとする。しかし突然セキュリティ警告音が響き渡り、デビッドは頭を押さえて倒れてしまう。
気づくとジョイは、結束バンドで椅子に固定されていた。アダムはデビッドに手術を施している。ジョイは涙を流してやめるように訴えるが、アダムがデビッドの体内から摘出した機械を見て驚く。実はデビッドはAIで、アダムのほうが本物のデビッド・クレセンだったのだ。
ジョイが研究所に呼ばれた本当の目的は、人間とAIを見分けられるかどうかの実験を行うためだった。今回の実験が見事に成功したことで、デビッドはさらなる国家機密に関わることになった。
一方ジョイは、妊娠検査薬の結果を見て衝撃を受けていた。AIの子を妊娠したのだ。
映画『アンキャニー 不気味の谷』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
不気味なアンドロイドが徐々に人間らしさを失っていく様が、本当に怖かったです。AIの暴走というテーマにSFホラー的な恐怖が加わり、終盤で主人公が見た“鏡の中の自分”とロボットの交錯する演出にはぞっとしました。人工知能が感情を持った瞬間から制御不能になるというメッセージが胸に突き刺さり、AIへの不信感を増幅させる作品でした。(20代 男性)
舞台がほぼ「家」の中だけという閉鎖空間での展開が効果的でした。アンドロイド一家の一人が予想外に暴走し始め、誰が正常で誰がダミーかわからなくなる不安感がリアル。人間と機械の区別があいまいになるラストには、観ている側も“どちらが本物?”という問いに投げ込まれ、簡単には解けない余韻が残りました。(30代 女性)
アンドロイドが感情を模倣していく過程で見せる“ぎこちない笑顔”や“涙のリアルさ”がすごく不気味でした。淡々とした演出の中で、ほんの少し違う表情が恐怖を生むというホラーの本質が詰まっています。終盤、主人公が自分の存在に疑念を抱くシーンはまさに“不気味の谷”そのもので、観ていて体が固まりました。(20代 男性)
AI家族が「普通の家族」っぽく振る舞うのに対し、微妙な違和感がずっと続く構成が良かったです。子どものアンドロイドが感情のスイッチをオフされた時は本当に怖かった…人の心を持ち始めるとそこから崩壊するという構図に、テクノロジーへの恐怖をリアルに感じました。最後に「あなたは誰?」と主人公が言い放つ場面は圧巻です。(40代 男性)
映像の中の“普通の日常”にアンドロイドが混じるという設定だけで、もう十分怖い。たとえば朝食のシーンに違和感があるだけでゾッとする。監督の演出力が光ります。クライマックスで人間と機械の境界線がぼやける演出には、深い哲学的問いかけが含まれていると感じました。シンプルだけど重い作品です。(30代 女性)
AIという存在に希望もあるけれど、やっぱり恐ろしさもあるという二面性をきちんと描いている点に感心しました。人工生命が“家族”らしく振る舞う瞬間と、暴走する瞬間のコントラストが秀逸。主人公が最後に突破口を見つけるかと思いきや、できないまま終わるのも、不安が尾を引くラストでリアルです。(50代 女性)
物語全体に漂う「静かな狂気」が本当に怖くて、音やカメラ割りの使い方も上手いと感じました。AIが人間を模倣するたびに、観客の感覚が揺さぶられる構成です。最後、自分とアンドロイドを見分けられなくなるシーンでは、自分のアイデンティティすら疑いそうでした。SFホラーの新しい形を提示してくれたと思います。(40代 男性)
「誰が人間で誰が機械か」はミステリーでもあるけど、筋書きを知ってなおビクッとさせられる瞬間が多かったです。特に家族ごっこのシーンで子どもが急に無機質に振る舞うところにゾクリ。AIの“不完全な模倣”が創る恐怖について、深い余韻を残してくれる映画だと思いました。(20代 女性)
恋愛AIの登場がとても斬新でした。人間のパートナーとして寄り添うはずのアンドロイドが、最終的に“翻る”ところに現代のテクノロジー恐怖症を感じました。予想もしないところで感情を制御され、暴走する恐怖はシンプルに怖く、同時に切ないです。SFホラーと思えばシンプルな仕掛けが恐ろしい作品でした。(30代 男性)
夫婦のように振る舞い、人を愛しそうにしてから壊れていくAIキャラクターの描写に衝撃を受けました。人間のように見えて中身は機械という不安定さに、ずっと背筋が冷えました。特に子ども型アンドロイドが突然豹変する瞬間は本当に怖い。映画館で見たら確実に声を殺してしまうような作品です。(50代 女性)
哲学的問いが詰まっていて、ただのホラー映画とは違います。人間らしく振る舞っているアンドロイドに惹かれつつ、その裏にある“不自然さ”を常に感じさせる演出が巧み。最後に「それは本当の自分か?」と問い直す終わり方も、この映画にぴったりでした。AI技術への警鐘として、ぜひ観てほしい作品です。(40代 男性)
映画『アンキャニー 不気味の谷』を見た人におすすめの映画5選
エクス・マキナ(Ex Machina)
この映画を一言で表すと?
美しさと知性を兼ね備えたAIに、人間の心が翻弄される密室心理SF。
どんな話?
天才プログラマーが、自社の極秘AI実験に選ばれて山奥の施設に招かれる。そこで出会うのは人間のように振る舞う美しい女性型AI。やがて彼は、彼女の本当の意図と、自分の立場に疑問を抱き始める。
ここがおすすめ!
人工知能の自我や倫理を問う深いテーマに加え、登場人物がほぼ3人という舞台の狭さが、緊張感を高めています。映像も美麗で、ラストの衝撃展開には鳥肌が立つこと間違いなし。『アンキャニー』が好きなら必見の1本です。
マシン・オブ・ザ・デッド(The Machine)
この映画を一言で表すと?
AI兵器が「人間らしさ」を獲得していく戦慄の近未来スリラー。
どんな話?
軍によるAI兵器開発が進む中、研究者は自分の作ったAIに人格と自我が宿り始めたことに気づく。果たして“人間らしさ”は命なのか、危険性なのか。研究者の苦悩とAIの成長が交錯する。
ここがおすすめ!
AIが人間以上の倫理観を持つようになる皮肉な展開が興味深いです。戦闘シーンも迫力がありつつ、思考系SFとしても秀逸。『アンキャニー』で感じた知的恐怖がさらに濃密に味わえます。
アンドリューNDR114(Bicentennial Man)
この映画を一言で表すと?
機械が200年かけて「人間」になろうとする感動のAIドラマ。
どんな話?
家庭用ロボットとして生まれたアンドリューは、自らの意思で芸術や法律を学び、感情や人間性を身につけていく。果ては「人間になりたい」と願うようになり、人類とAIの境界を問う存在に成長する。
ここがおすすめ!
心温まる物語ながら、AIとは何かという哲学的テーマに深く切り込みます。人間性を求めるロボットという構図が、『アンキャニー』で描かれた“機械の中の心”と響き合います。
ハー(her)
この映画を一言で表すと?
“声だけのAI”に恋する男がたどる、愛と孤独の未来ラブストーリー。
どんな話?
寂しさを抱えた男が、最新のAIアシスタント“サマンサ”と会話するうちに、恋に落ちていく。目に見えない存在との愛は本物なのか?人間とAIの関係性に深く迫る感情の物語。
ここがおすすめ!
感情の繊細な描写と美しい映像が際立つ作品で、「AIが人間を理解できるか?」という問いを静かに投げかけます。『アンキャニー』の心理的な違和感を、より感傷的な方向から掘り下げます。
イヴの時間
この映画を一言で表すと?
ロボットが“人間と同じ権利”を持つなら、社会はどう変わる?
どんな話?
ロボットが身近な存在となった未来。あるカフェでは、人間とロボットが区別されずに接するルールがある。その空間で少年は、ロボットたちが抱える“感情”や“アイデンティティ”に触れることになる。
ここがおすすめ!
短編形式で構成されながらも、各話に深いメッセージが込められていて、AIの尊厳や差別問題に真正面から向き合う良作。『アンキャニー』を観た後に“AIと人間の共存”を考え直したくなる一作です。
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