映画『人生はローリングストーン』の概要:1978年ジョージア州生まれのインディーズ・シネマ界の新鋭ジェームズ・ポンソルト監督。そんな彼のオリジナル脚本による長編三作目の今作は、人気俳優ジェシー・アイゼンバーグを主演に据えた、急逝した作家デヴィッド・フォスター・ウォレスにまつわる実話ベースの感動作です。
映画『人生はローリングストーン』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:105分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:ジェームズ・ポンソルト
- キャスト:ジェシー・アイゼンバーグ、ジェイソン・シーゲル、アンナ・クラムスキー、メイミー・ガマー etc
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映画『人生はローリングストーン』 評価
- 点数:60点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『人生はローリングストーン』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『人生はローリングストーン』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『人生はローリングストーン』 あらすじ【起・承】
米ローリングストーン誌の若手記者であるデヴィッド・リプスキーは、大学時代の研究分野だったこともあり、紙面で特集する音楽以外に現代文学にも強い興味を持っていました。そんな彼が特に注目する作家がデヴィッド・フォスター・ウォレス。彼の1000ページ超えの最新作「Infinite Jest」は、特に若い世代に人気があり、大きな賞を獲得したばかりでした。リプスキーは彼の特集記事を組みたいと考えていました。
しかし上司は、音楽雑誌であるローリングストーン誌には不向きだと取り合いません。そんな上司を何とか説得し、偏屈な人間も多い作家という職業だけに、警戒してリプスキーはウォレスを訪ねます。
ところが、意外にもウォレスはリプスキーを和やかに歓迎します。確かに長く一人暮らしをしてきたであろう男の持つ、独特の不潔な雰囲気はあるものの、概ね好人物のようです。リプスキーは一目で彼を気に入ります。
ウォレスもまた、音楽雑誌の記者でありながら文学に深い造形を持つ青年を好意的に歓迎医師、インタビューは始まりました。
映画『人生はローリングストーン』 結末・ラスト(ネタバレ)
ウォレスが愛犬と暮す自宅に招待されたリプスキーは、様々な質問を彼にぶつけます。どんな思いで執筆したか、恋人はいるのか、家族構成や生い立ちは、など、質問は浅いものから深いものまで、世間話のように多岐に渡りました。
ウォレスは質問の中で、抱える深い孤独を吐露していきます。評価されればされるほど、自らの才能が疑わしくなること。自信がなくなること。リプスキーのように、社会を渡る才能や社交性をうらやみます。一方でリプスキーは、自らの文学的才能の無さに気付かされたウォレスの作品に深い嫉妬心を抱いており、ふたりはお互いを傷付けるような発言まで発展します。
そしてリプスキーは、今取材のキーポイントとなる質問を彼に投げかけます。
「あなたがヘロイン中毒であるというのは本当か?」
この質問にウォレスは激怒し、強く否定しますが、リプスキーはなおも食い下がります。過去にアルコール中毒や自殺未遂を繰り返しているウォレスになら、その経験があってしかるべきだと考えたからです。
しかし、ウォレスはその質問に最後まで否定を繰り返します。やがてリプスキーは、そんな彼の臆病で心優しい人柄に気付き始めます。ウォレスもまた、文学を心から愛する情熱を持った青年に信頼を寄せるようになります。
取材の最終日、リプスキーはウォレスに、自分の書いた本を渡します。「弟が兄貴にするようなことだろう。」そう言って照れ笑いをするリプスキーに、ウォレスも喜んで微笑み返します。記事は君に任せる、ありのままを書いてくれ、そう言って別れた二人はその後再開することはありませんでした。
ある日、42歳になったリプスキーのもとに訃報が入ります。ウォレスの自殺を伝えるその訃報に、リプスキーは涙します。彼は、彼の持つ孤独に耐えきれなかったのでしょうか。
映画『人生はローリングストーン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『人生はローリングストーン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
俳優、ジェイソン・シーゲル
ぜひ、実際のウォレスと劇中のシーゲルを見比べてみてほしいのですが、もう、そっくりなのです。しかもね、実際のウォレスの動画も残っているのですが、動きや仕草や話し方まで、見事にそっくり。ジェイソン・シーゲルという俳優さん、日本ではそれほど知名度がありませんし、わたし自身今作で初めて知ったくらいなのですが、あまりにも達者な方で驚きました。これから様々な作品で見かけることが多くなるかもしれません、要チェックです。
ひたすらに長い会話劇
このように、とにかくだらだら喋り続ける映画、わたしは嫌いではないのですが、おそらく多くの方はつまらないと感じるのではないでしょうか…。しかも残念ながら、画面に映るのは地味なおっさんふたり。ジェシー・アイゼンバーグは確かにイケメンで鳴らしていますが、今作の彼は地味なオタク風の青年です。派手さはありません。
話している内容も、小難しく哲学的で面倒くさいものばかり。場面展開もほとんどなく、冬のアメリカ郊外の風景が流れるのみです。そのような映画が好みでない方にとって、今作は苦痛にしかならないでしょう。
淡々とした冬の風景
前述した通り、今作は地味な映画です。その地味さを強調するような、冬の風景と淡々と静かなBGM。ローリングストーン誌の記者が主人公でありながら、軽快なロックンロールはほとんどと言っていいくらい流れません。特に後半は、ウォレスの鑑賞的な心情を表現するかのような、静謐な冬の情景が続きます。
今作の邦題に「ローリングストーン」の字が入っていますが、関係ないと思って問題ありません。原題は「the end of the tour」。ウォレスの賞ツアーの終りと、彼の人生の幕引きをかけての、鑑賞的なタイトルです。邦題ってどうして的外れなものが多いのでしょうね。
淡々と進む物語や、大きな盛り上がりがない作品は嫌いでは無いのですがこの作品は私には合いませんでした。もっと、笑えて楽しい作品かと思っていたのですが何としても「つまらない」話が「延々と」続くので、苦手だと思ってしまうと見るのが苦痛になります。
実話ベースということで、オチが強くない作品なのは仕方ないですが映画にするのであればもう少し見所があっても良いのかなと感じました。
主人公たちと同じ感性の人は楽しめるのではないかなと思います。(女性 30代)
映画『人生はローリングストーン』 まとめ
今作は友人の勧めで鑑賞したのですが、これは合わないひとは本当に合わないだろうな、というくらいに地味で淡々とした会話劇でした。しかし、意外なほどに退屈ではないのは、ウォレスとリプスキーの知性でしょうか。
とくに、何か夢を志した人、もしくは夢をあきらめた人に観てもらいたい映画です。文学的才能と言えば、誰しもが憧れる宝物のようなものですが、曽於の宝物故に深く悩み苦しむ人もいることを、自然に納得できるような豊かな台詞の応酬が見事です。
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