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映画『奇跡の人(1962)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『奇跡の人(1962)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『奇跡の人(1962)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『奇跡の人(1962)』の結末までのストーリー
  • 『奇跡の人(1962)』を見た感想・レビュー
  • 『奇跡の人(1962)』を見た人におすすめの映画5選

映画『奇跡の人(1962)』の作品情報


出典:https://video.unext.jp/title/SID0030046

製作年 1962年
上映時間 106分
ジャンル ドラマ
監督 アーサー・ペン
キャスト アン・バンクロフト
パティ・デューク
ヴィクター・ジョリイ
インガー・スヴェンソン
製作国 アメリカ

映画『奇跡の人(1962)』の登場人物(キャスト)

アニー・サリヴァン(アン・バンクロフト)
ヘレン・ケラーの家庭教師。彼女自身もかつては盲目であった。根気強い性格をしている。
ヘレン・ケラー(パティ・デューク)
病気により視力・聴力・言葉の三重苦を負わされることになった少女。わがままな性格だったが、サリヴァンの教育で徐々に心を開くようになる。
アーサー・ケラー(ヴィクター・ジョリイ)
ヘレンの父親。サリヴァンを雇う。事なかれ主義。
ケイト・ケラー(インガー・スヴェンソン)
ヘレンの母親。娘を愛しているものの、彼女を甘やかしてしまっている。

映画『奇跡の人(1962)』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『奇跡の人(1962)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『奇跡の人(1962)』のあらすじ【起】

1882年、アメリカ。
産まれてから2歳にもなっていないヘレン・ケラーはその夜、3つのものを失った。
聴力、視力、そして喋る機会だ。
患っていた病気によるものであり、彼女の過酷な人生が始まったのだった。

そこから5年後の1887年。
両親はヘレンにまともな教育を受けさせようとしなかったことから、彼女は非常に気が強く、わがままな子に育っていた。
そんなヘレンに両親も頭を抱えながらも、何も出来ないまま。
しかし、ヘレンが妹に対して暴力を振るったことが決定打となる。
娘には、しっかりとした躾が必要だと痛感したのだった。

最初はヘレンを施設に入れることも考えられたものの、母親のケイトが強く反対。
そこで父親のアーサーは、ヘレンに家庭教師をつけることにした。

雇われたのは、アン・サリヴァン。
もともとは盲目だったものの、手術で視力を取り戻した女性だった。
似たような境遇だからなのか、サリヴァンもヘレンの教育に意欲的だった。

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映画『奇跡の人(1962)』のあらすじ【承】

ヘレンと初めて会った日、その日からすでにサリヴァンはあることに気づく。
それは、彼女が本当はかなりの賢さを秘めていることだった。
家族ですら気づかず、それに最初に気づいたのはサリヴァンだったのだ。

教育の一環として、まずサリヴァンはヘレンに人形を与えてみた。
その人形の手でアルファベットの形を認識させたり、書くことも教えたのだ。
するとヘレンは、アルファベットの読み書きをみるみる習得していった。
ただそれは、「理解」には程遠いとも言えた。
ヘレンにとっては、単なる人形遊びでしかなかったからだ。

ある日の朝、サリヴァンはケラー家の人々と朝食を共にする。
わがままなヘレンは行儀も悪く、食卓でやりたい放題。
しかしそれ以上にサリヴァンが問題視したのは、家族全員がそれを黙認していた点である。
家族が甘やかす以上、自らがヘレンを厳しく躾ける必要があると感じるのだった。

映画『奇跡の人(1962)』のあらすじ【転】

ヘレンの再教育を徹底するため、サリヴァンはケラー家にある提案をする。
「敷地内にある小屋で2週間、2人きりで過ごす」
この提案は許可が降りた。
その過程でサリヴァンは、自分もヘレンと同じくらい頑固であることを自覚した。

ヘレンとサリヴァンの共同生活が始まり、サリヴァンも今まで以上にヘレンのことを知るようになる。
無理に彼女を抑えつけるのはかえって逆効果であり、意地を張ってしまうことに気付くのだった。
たった2週間ではあったが、2人は多くのことを学んだ。
それによりヘレンは、サリヴァンの言うことを聞くようになる。
自分で服を着ること、食事の際は手ではなく食器を使うこと。
さらには、とうとうアルファベットを理解するようにまで成長した。
ただ、まだ「アルファベットの形」を理解したに過ぎない。
「アルファベットで表現した言葉を理解する」までは、長い道のりになりそうだった。

映画『奇跡の人(1962)』の結末・ラスト(ネタバレ)

本当の意味で教育成功と呼ぶには、まだ早い。
しかしヘレンの両親は、今の時点での結果に満足してしまう。
サリヴァンは彼らを説得しようとするものの、聞き入れてはもらえない。
「あと1週間の共同生活」は却下され、ヘレンは家に戻されてしまった。

すると、サリヴァンが恐れていたことが起こる。
まだまだ完璧には躾けていなかったことから、ヘレンはわがままな子に逆戻りしてしまったのだ。
業を煮やしたサリヴァンは、ヘレンを外に連れていく。
そこにはポンプがあり、ひとまずサリヴァンはヘレンに水を汲ませようとした。
入れ物を持ったヘレンがポンプに近付く、まさにその時だった。
彼女は、サリヴァンの手を取ったのだ。
それだけではない。
「water(水)」と、サリヴァンの手で綴ったのである。
さらにヘレンは色々なものに触れては、それをサリヴァンの手で綴っていった。

感激したサリヴァンは、ヘレンの手を取った。
そして自分の顔を触らせ、自分を「teacher(先生)」と理解させたのだった。

映画『奇跡の人(1962)』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ヘレン・ケラーの教育に奮闘するサリヴァン先生の姿が心に強く残りました。特に食卓でのスプーンの奪い合いのシーンは、まるで戦争のようで、教育とはここまでの覚悟が必要なのだと驚かされました。最終的に「ウォーター」と理解した瞬間は、自分のことのように涙が溢れました。白黒映画ということを忘れるほど、感情に訴える演技が素晴らしく、演出も洗練されていました。(20代 男性)


子育てに悩む親として、この映画には多くの学びがありました。障害がある子どもを育てる親の苦悩と、そこに飛び込んできた教育者の信念。サリヴァン先生の厳しさは、愛情の裏返しであり、それがしっかりとヘレンに伝わっていく過程が見事でした。親として、ただ甘やかすだけではダメだということを改めて教えられました。(40代 女性)


サリヴァン先生の過去のトラウマと向き合いながら、ヘレンを導く姿が本当に胸を打ちました。彼女自身も「奇跡の人」であり、ただの教育者ではないことが明白です。クライマックスの井戸の場面では、「言葉」が人間を人間たらしめるということを痛感。ヘレンが世界と繋がった瞬間の喜びは、観る者すべての心に響くと思います。(30代 男性)


この映画はただの伝記映画ではなく、教育と愛の真髄を描いた名作だと思います。白黒でありながら、感情の彩りがとても豊かで、モノクロであることがむしろ登場人物の内面を際立たせています。サリヴァン先生の眼差しには、かつての自分への怒りと希望があり、それがヘレンへの情熱となって爆発しています。見応えのある名演でした。(50代 女性)


教育とは教える側の「根気」が試されるものだと、この映画を見て改めて思いました。ヘレンが言葉の概念を理解するまでのプロセスは、観ていてもどかしく、でもそこにリアリティがありました。私自身、教育関係の仕事をしていますが、この映画を観て初心を取り戻すことができました。教育の原点を描いた作品です。(30代 女性)


白黒映画に苦手意識があったのですが、見始めてすぐにその偏見が吹き飛びました。アン・バンクロフトとパティ・デュークの演技はまさに魂のぶつかり合いで、ヘレンが水を理解する瞬間は心が震えました。映像技術に頼らず、演技だけでここまでの感動を与えられるのかと驚かされました。まさに映画史に残る名作です。(10代 男性)


自分も視覚障害者として、ヘレン・ケラーの物語は何度も聞いてきましたが、この映画は彼女と教師の「人間性」に焦点を当てていて、とても共感できました。厳しさと愛は表裏一体であり、サリヴァン先生の葛藤にも深く感情移入しました。困難の中にある希望を、ここまで力強く描いた映画は他にあまりないと思います。(40代 男性)


母として、そして女性として、サリヴァン先生の毅然とした姿勢には心を打たれました。社会から期待されていない時代の中で、彼女が自分の信念を貫く姿勢は、今の女性たちにも大きな勇気を与えると思います。ヘレンとの関係が母娘のように変化していく過程も見どころで、何度観ても泣いてしまう名作です。(30代 女性)


60年以上前の映画でありながら、今でも十分に通じるテーマを扱っていることに驚きました。教育とは何か、人間にとって言語とは何かという根源的な問いに真っ向から向き合っています。サリヴァン先生の辛抱強さには脱帽ですし、ヘレンが「理解する」瞬間の表情は、人生で一度は見ておくべき名シーンだと思います。(50代 男性)


感情表現が激しい映画が苦手な私ですが、『奇跡の人』はその「激しさ」こそが作品の魅力でした。スプーンの争奪やベッドでのやり取りなど、身体を使った演技に圧倒され、言葉を持たない少女に対して、どうやって意味を伝えるのかという問題提起も深いです。演出も緊張感があり、ラストは号泣でした。(20代 女性)

映画『奇跡の人(1962)』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『奇跡の人(1962)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

レインマン(1988)

この映画を一言で表すと?

孤独な男と自閉症の兄の“心の距離”が縮まっていく感動のロードムービー!

どんな話?

利己的な男チャーリーは父の遺産を巡って、施設に入れられていた自閉症の兄レイモンドの存在を知る。金目当てで兄と旅を始めるが、次第に兄の純粋さに触れ、変わっていく自分に気づいていく。兄弟愛の再生を描く名作。

ここがおすすめ!

ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの名演が光る感情の揺れ動きに注目です。コミュニケーションが困難な人間同士が徐々に心を通わせる過程は、『奇跡の人』の余韻にぴったり。兄弟の成長と絆に深く心を打たれるはずです。

マイ・レフト・フット(1989)

この映画を一言で表すと?

身体に障害を抱えた青年が“左足だけ”で世界を切り拓く感動の実話!

どんな話?

脳性麻痺で体が動かせないクリスティ・ブラウンが、唯一動く左足で絵を描き、作家として活躍するまでの実話を描く。彼を支える家族、特に母親との絆も胸を打つ。限界を超える人間の可能性を描いた感動作。

ここがおすすめ!

ダニエル・デイ=ルイスが圧巻の演技でアカデミー主演男優賞を受賞。不自由な身体と闘いながらも表現者として生き抜く姿は、サリヴァン先生とヘレンの奮闘に重なります。障害を超えた才能と努力が希望を与えてくれます。

しあわせの隠れ場所(2009)

この映画を一言で表すと?

愛と信頼が人を変える…実話から生まれた心温まるヒューマンドラマ!

どんな話?

ホームレス同然だった黒人少年マイケルが、裕福な白人家庭に迎えられ、フットボールの才能を開花させていく。実際にNFLで活躍する選手のサクセスストーリーであり、育ての母親との愛の物語でもある。

ここがおすすめ!

一人の少年を信じて支える家族の無償の愛が涙を誘います。ヘレンとサリヴァン先生のような“信じ抜く力”と“育てる覚悟”が根底にあり、見る人の心を打つこと間違いなし。サンドラ・ブロックの熱演も必見です。

ギフテッド(2017)

この映画を一言で表すと?

天才少女と叔父が織りなす、“普通の幸せ”をめぐる感情の旅路。

どんな話?

亡き姉の娘である天才少女メアリーを育てるフランク。彼女の才能を巡って祖母と親権争いが起こる中、「天才」である前に「子ども」であることの意味を問い直す。家族の在り方と教育の選択を描いた心揺さぶる物語。

ここがおすすめ!

知性と感情のバランス、教育と人間らしさの狭間で揺れる登場人物の葛藤がリアル。才能ある子どもにどう接するべきかという問いは、ヘレンとサリヴァンの関係にも通じます。シンプルだけど心に響く作品です。

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019)

この映画を一言で表すと?

音を失ったドラマーが“静寂の中”で再び人生と向き合う感動の再生譚。

どんな話?

突如として聴覚を失ったメタルバンドのドラマー、ルーベン。パニックに陥りながらも、ろう者のコミュニティで新たな生き方を模索する。やがて彼は、“聞こえない世界”の中で本当の自己を見つけていく。

ここがおすすめ!

ろう者の世界をリアルに描写し、「音のない音響演出」が観る者をその世界に引き込みます。感覚を失う恐怖と、そこからの再生の過程が『奇跡の人』のテーマと共鳴。静かな感動に包まれる名作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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