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映画『メランコリック』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『メランコリック』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『メランコリック』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『メランコリック』の結末までのストーリー
  • 『メランコリック』を見た感想・レビュー
  • 『メランコリック』を見た人におすすめの映画5選

映画『メランコリック』の作品情報


出典:https://video.unext.jp/title/SID0046772

製作年 2018年
上映時間 114分
ジャンル サスペンス
コメディ
ノワール
監督 田中征爾
キャスト 皆川暢二
磯崎義知
吉田芽吹
羽田真
製作国 日本

映画『メランコリック』の登場人物(キャスト)

鍋岡和彦(皆川暢二)
東大卒。定職に就いていない。実家暮らし。学歴でたびたびマウントを取る。銭湯「松の湯」で働くこととなる。
松本晃(磯崎義知)
金髪の青年。和彦と同時期に採用された「松の湯」の従業員。中卒。明るく人懐っこい性格。
東(羽田真)
「松の湯」のオーナー。穏やかな中年男性。個性豊かな「松の湯」の従業員たちを上手くまとめている。強い権力には逆らえない。
小寺(浜谷康幸)
「松の湯」の先輩従業員。無精髭を生やしている。無愛想で口数が少ない。
副島百合(吉田芽吹)
和彦の高校時代の同級生。時々「松の湯」を利用している。明るい性格でよくしゃべる。
田中(矢田政伸)
ヤクザ。利用できるものはとことん利用する冷酷な性格。
アンジェラ(ステファニー・アリエン)
田中の愛人。フィリピン人女性。日本語と英語が混ざった話し方をする。
田村(大久保裕太)
和彦の高校時代の同級生。昔は地味だったが、今ではビジネスで大成功している。

映画『メランコリック』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『メランコリック』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『メランコリック』のあらすじ【起】

東大を卒業したものの、アルバイトを転々として現在はニートで実家暮らしの鍋岡和彦。そんな息子を叱ることもなく、父と母は優しく接していた。ある日、和彦はたまたま訪れた銭湯「松の湯」で高校の同級生・副島百合に声をかけられ、話の流れで同窓会に行くことを約束する。

同窓会は同級生の田村がオーナーを務めるバーで行われ、和彦と百合は再会する。和彦が仕事の話をはぐらかすので、百合は彼が仕事に疲れて退職したのだと勘違いする。そして「松の湯」ならのんびり働けていいのではないかと提案する。和彦が面接に行くとあっさりと採用が決まり、その後にやってきた金髪の青年・松本晃も採用される。和彦は内心、中卒の松本を見下していた。

和彦は百合と飲みに出かけた帰り、遅くまで「松の湯」の明かりが点いていることに気がつく。翌日、バイト先でオーナーの東と松本が話していたので、何か不手際があったのかと気になり東に尋ねるが、首を突っ込むなと言われる。

バイトを終えて和彦が帰宅しようとすると「松の湯」の前に黒いワゴン車が入っていくのを見る。不審に思って裏口から中の様子を覗くと、そこには血まみれの遺体を見ながら会話する東と従業員の小寺がいた。

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映画『メランコリック』のあらすじ【承】

東はヤクザの田中に借金をしたことから、閉店後の「松の湯」で殺人を請け負う羽目になっていた。殺しを担当しているのは小寺だ。事情を知った和彦は、血まみれになった風呂場の掃除を命じられる。掃除を終えると東から特別手当を渡され、口止めされる。特別手当の金額に大きな達成感を得た和彦だった。

特別な仕事を任されて上機嫌な和彦。さらに百合との交際も始まった。デートの帰り道に「松の湯」の様子を見に行くと、血のついた服を着た松本が立っていた。なぜ松本にやらせるのかと東に不満をぶつけると、前回は仕方なく和彦に頼んだが、もともと松本にやらせるつもりだったと告げられる。和彦はその言葉に納得できない様子だ。

その後、殺しの仕事が忙しくなったため、小寺だけでなく松本も現場に呼ばれる。1人だけ残って掃除をすることになった和彦は、疎外感を抱いていた。現場に行った小寺と松本は次々と相手を倒していくが、小寺が銃で撃たれて亡くなってしまう。東は銭湯としての営業は続けたいが、殺しの稼業は辞めたいとこぼすのだった。

映画『メランコリック』のあらすじ【転】

愛人のアンジェラとともに「松の湯」へやってきた田中は、小寺の仕事を松本が引き継ぐように指示する。さらに和彦の学歴にも目をつけ、使えるように教育しろと東を脅すのだった。

先に帰った田中の代わりに松本がアンジェラを送ることになるが、彼女は車内で泣いていた。松本がティッシュを差し出すと、アンジェラは彼の手を握り「ありがとう」と言って車を降りる。松本はアンジェラを見送りながら何かを考え込んでいた。

翌日、松本は和彦の実家にやってくる。どうして家を知っているのかと驚く和彦に、裏の仕事をする覚悟が足りないと説教する松本。そして困惑する和彦に田中の殺害を提案する。それに同意した和彦を連れて松本は「松の湯」へ行き、東にも田中の殺害を提案する。田中の脅しに限界を迎えていた東も同意し、殺害計画を立てる。和彦は周囲の人間を巻き込まないために百合と別れ、特訓をすることとなった。

特訓後、居酒屋に入った和彦と松本。和彦は話していくうちに松本が殺し屋として覚悟を持って生きていることを知る。他愛のない会話で盛り上がりながら、襲撃前夜は穏やかに過ぎていった。

映画『メランコリック』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌日、一通りの流れを確認した後、松本は和彦に車で待つように指示する。実は、昨日の特訓は和彦の覚悟を見るためのもので、実際に連れていく気はなかった。

松本が田中の自宅へ侵入すると、1発の銃声が聞こえた。松本がその方向へ向かうと、そこには田中が倒れていた。そして、銃を持った東が立っており、松本に向けて引き金を引く。東は田中に寝返ったのである。田中は死亡しておらず、松本の気を引くための罠だったのだ。田中は襲撃について松本を問い詰める。そこへ銃声を聞いた和彦が駆けつけ、田中の頭を撃ち抜く。さらに、松本を撃った報復として東も射殺する。

アンジェラと共に松本を連れて実家に戻った和彦。この状況でも父と母は彼らを温かく迎え入れ、松本は無事に回復した。

その後「松の湯」は田村がオーナーとなり、和彦は雇われ店長、松本とアンジェラは従業員となった。百合と再会した和彦は、職歴がないことを隠していたと打ち明ける。すると、百合もガスや水道を止められて「松の湯」を利用していることを隠していたと言って笑い合う。営業後、和彦・松本・アンジェラ・百合の4人は「松の湯」で飲み会を楽しんでいた。和彦はこの時間を幸せに感じるのだった。

映画『メランコリック』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

銭湯でのバイトから始まる平凡な物語が、まさかの殺し屋の隠れ家だったという急展開に驚きました。ゆるい日常描写と、急に訪れる緊張感のギャップがクセになります。主人公・和彦の成長というか、社会との向き合い方の変化も見応えあり。最後には自分なりの答えを見つけたようで、ただのサスペンスではなく“青春ドラマ”としても楽しめました。(20代 男性)


全体を通して独特の空気感があって、いわゆる“邦画っぽさ”が心地よく機能していた作品です。最初はゆるい雰囲気に戸惑いましたが、殺しのシーンになると一転して緊張感が増し、予想以上に引き込まれました。何より主人公の成長と人間模様にリアリティがあって、単なる殺しの物語では終わらない深みが感じられました。(30代 女性)


主人公の冴えない感じがリアルで、妙に親近感が湧いてしまいました。銭湯で殺人が行われているという非日常が舞台なのに、妙に自然な会話劇と空気感で、どこかコメディ的な味わいもあって面白かったです。最終的に彼が“選ぶ側”になるラストも良かった。普通の青年が“裏社会”の一部になっていく過程がこんなにリアルに描けるのかと感心しました。(40代 男性)


終始、独特のテンポで進む映画でしたが、その緩急の使い方がとても上手く、退屈せずに最後まで観られました。ヒロインとの関係性も、ベタな恋愛とは違って自然体で好印象。殺しの仕事に対しても道徳や正義を語らず、淡々と描いているところが逆に怖くてよかった。日常と非日常の境目が曖昧になっていく感覚がクセになる一本です。(20代 女性)


殺し屋が出てくるのに、暴力性が前面に出てこない独特な演出が斬新でした。日常の中に潜む狂気が静かに描かれている感じで、和彦の葛藤もとてもリアル。特に後半、友人を救うために“殺しを引き受ける”展開は衝撃でした。普通の人間が踏み込んではいけない領域に足を踏み入れる恐ろしさと、それでも抗えない感情が共存していて見応えがありました。(30代 男性)


淡々とした空気感が続くかと思いきや、いきなり人が死ぬ展開で一気に引き込まれました。ギャグのようでいて、どこかリアルな殺しの現場。和彦の戸惑いや、どこかで“自分の居場所”を探している姿に共感。小さな銭湯という閉じた空間が、逆に世界の縮図のようにも見えて、観終わったあとに妙に考えさせられる映画でした。(40代 女性)


和彦が抱える社会への不適応感、モラトリアムな感じがとてもリアルでした。いきなり裏社会に巻き込まれる展開には驚きましたが、日常と暴力がこんなに自然に共存している映画は珍しい。しかも、最終的に和彦が自分の意志で“この場所に残る”と決める流れは、切なさと希望が混ざっていて良かったです。低予算ながら印象に残る作品でした。(50代 男性)


最初の30分は正直「何を見せられてるんだろう?」という感じでしたが、銭湯の裏で行われている“処理”の存在が明かされた瞬間、一気に物語が動き出して面白くなりました。グロ描写は控えめですが、精神的にゾクッとくるシーンが多く、派手さではなく心理描写で怖がらせてくれるのが好みでした。和彦の選択が静かに重いです。(30代 女性)


無職の青年がバイト先で殺し屋稼業に巻き込まれていくというストーリーは、非現実的なはずなのに妙にリアリティがありました。何より登場人物がみんな魅力的。特に、殺し屋・松本のキャラが良くて、ただの悪人ではない複雑さを感じました。ラストで和彦が「続けます」と言ったときの表情が忘れられません。地味だけど深い作品です。(20代 男性)


低予算とは思えない完成度で、まさに“インディーズの奇跡”という印象でした。和彦が巻き込まれる展開もテンポが良く、観る側にストレスを感じさせない脚本の上手さがあります。社会に適応できない若者の物語に、殺し屋という設定を融合させたバランス感覚が絶妙。銭湯の湯気の中で語られる、何気ないセリフの重さにじんわりきました。(50代 女性)

映画『メランコリック』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『メランコリック』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アンダーグラウンド・ドッグス

この映画を一言で表すと?

冴えない男たちの“裏稼業”が生む、暴力とユーモアの奇妙な融合。

どんな話?

しがない中年男たちが、金に困りながらもひそかに「処理屋」として裏の仕事を請け負う日常を描く物語。暴力と友情、そしてどうしようもない現実の中で、彼らなりの“正義”や“生き方”を見出していく群像劇です。

ここがおすすめ!

『メランコリック』同様、日常と暴力が静かに交錯するリアリティが魅力です。ブラックユーモアを交えながらもキャラクターの人間味を丁寧に描いており、観終わった後にどこか心が温かくなる、意外性のある作品です。

アウトレイジ

この映画を一言で表すと?

“仁義なき裏社会”の崩壊劇を、徹底的に無駄なく描いた暴力美学。

どんな話?

関東一円を牛耳る巨大ヤクザ組織の内部抗争を描くバイオレンス群像劇。表向きの忠義や礼儀の裏で繰り広げられる裏切りと粛清。北野武演じる主人公・大友を中心に、裏社会のドロドロとした現実が浮き彫りになります。

ここがおすすめ!

一見シンプルな構図ながら、登場人物たちの策略や駆け引きが絡み合い、緊張感が常に漂います。『メランコリック』の裏の顔と表の顔を持つ人物像に惹かれた方には、暴力と静寂のコントラストが印象的な本作も刺さるはずです。

百円の恋

この映画を一言で表すと?

ダメな大人がボクシングを通じて“何か”をつかもうとする再生の物語。

どんな話?

実家で引きこもる32歳の女性が、人生に絶望しながらもボクシングに出会い、自分を見つめ直していくストーリー。初めて努力し、痛みと向き合いながら少しずつ前進していく姿が、不器用ながらも感動を呼びます。

ここがおすすめ!

『メランコリック』のように、社会に馴染めない主人公が変化していく過程が丁寧に描かれています。安藤サクラの圧巻の演技と、リアルで泥臭い演出が、静かな衝動として胸に残る作品です。

苦役列車

この映画を一言で表すと?

どうしようもない男の、どうしようもない“青春”。

どんな話?

劣悪な日雇い労働をしながら、希望も夢もない毎日を過ごす19歳の青年。孤独や怒り、焦燥を抱えながらも、人との出会いによって少しずつ変化していく姿を、ユーモアと苦さを交えて描く人間ドラマです。

ここがおすすめ!

『メランコリック』と同じく、冴えない男が何かに巻き込まれていく過程がリアルに描かれています。言葉にできない怒りや空しさを抱えたキャラたちの生きざまに共感する人も多いはず。意外な後味の良さにも注目です。

岬の兄妹

この映画を一言で表すと?

禁断のテーマに、優しさと悲しみが静かに溶け込む異色作。

どんな話?

知的障害を持つ兄と妹が、生きるために風俗に足を踏み入れ、やがて兄がその“仕事”を請け負うようになるというショッキングな内容。しかしその中にある家族の絆、尊厳と愛が静かに描かれていきます。

ここがおすすめ!

倫理的なタブーを扱いながらも、登場人物たちの繊細な心情を丁寧に描いていて、深い余韻を残します。『メランコリック』のように、表向きには語れない現実と静かな狂気を抱える作品が好きな方には刺さる一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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