この記事では、映画『レベル16 服従の少女たち』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『レベル16 服従の少女たち』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『レベル16 服従の少女たち』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0041527
製作年 | 2018年 |
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上映時間 | 102分 |
ジャンル | サスペンス SF |
監督 | ダニシュカ・エスターハジー |
キャスト | ケイティ・ダグラス セリーナ・マーティン サラ・カニング ピーター・アウターブリッジ |
製作国 | カナダ |
映画『レベル16 服従の少女たち』の登場人物(キャスト)
- ヴィヴィアン(ケイティ・ダグラス)
- 寄宿学校で暮らす少女。美しい肌を持っている。養子に出されることを心待ちにしている。
- ソフィア(セリーナ・マーティン)
- 寄宿学校で暮らす少女。ヴィヴィアンの友人。視力が悪い。先生から罰を受けることに怯えている。
- ブリクシル(サラ・カニング)
- 寄宿学校の先生。厳しく、清潔さを何よりも大切にしている。
- ミロ(ピーター・アウターブリッジ)
- 寄宿学校の医師。ヴィヴィアンを特に気に入っており、他の少女たちにはあまり興味がない。
映画『レベル16 服従の少女たち』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『レベル16 服従の少女たち』のあらすじ【起】
少女たちが暮らすこの寄宿学校では「服従」と「清潔さ」が重んじられ、最終学年のレベル16になると養子に出される。その日が来るまで少女たちは、無機質なコンクリートに覆われた地下室で厳しい規則のもと、カメラで監視されながら集団生活を送る。
少女たちは毎日、規則に従って監視カメラの前で念入りに洗顔をする。レベル10のヴィヴィアンとソフィアも石鹸とタオルを持って洗面台の列に並ぶ。ソフィアは石鹸を落としてしまうが視力が悪いためになかなか拾えず、仕方なくヴィヴィアンは自分の石鹸を彼女に渡す。そしてヴィヴィアンは落とした石鹸を拾って洗顔しようとするが、自分の番に間に合わなかった。
サイレンが鳴り響き、守衛がヴィヴィアン連れていこうとする。洗顔に遅れたことが不潔だとみなされたのだ。この寄宿学校で規則は絶対である。ヴィヴィアンは事情を説明するように懇願するが、ソフィアは黙って俯くだけだった。
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映画『レベル16 服従の少女たち』のあらすじ【承】
5年後、レベル15になったヴィヴィアンとソフィアは、別々のクラスになっていた。少女たちは変わらず寄宿学校の規則に大人しく従い続ける。
ある日、ヴィヴィアンの担任であるブリクシルは、少女たちにレベル15が終了することを伝える。レベル16に進級し、養子に出される日が近づいてきたことを喜ぶ彼女たち。レベル16のクラス替えでヴィヴィアンはソフィアと再会するが、レベル10で起きた出来事を許せずにいた。そんな彼女にソフィアは何度も謝罪するのだった。
学校の後援者が養子を選びにやって来る日が近づき、ブリクシルは少女たちに新しい真っ白のワンピースをプレゼントする。特別にこのワンピースを着て寝てもいいという言葉に喜ぶ少女たちだったが、ソフィアは表情を曇らせていた。
映画『レベル16 服従の少女たち』のあらすじ【転】
少女たちは毎日ビタミン剤を服用するが、ヴィヴィアンはソフィアに言われて服用をやめる。それはビタミン剤ではなく睡眠薬であり、夜な夜な守衛が少女を連れていくというのだ。その日もヴィヴィアンが寝たふりをしていると、守衛が彼女とクラスメイトのオリヴィアを連れていった。
別室に運ばれたヴィヴィアンは、ブリクシルと学校の後援者である夫婦の恐ろしい会話を耳にする。レベル16になると養子に出されるのではなく、売り飛ばされるというのだ。
ヴィヴィアンはそれをソフィアに教え、2人は学校にいる少女全員での脱走を計画する。しかし、クラスメイトのエヴァの密告によりヴィヴィアンは独房に入れられ、ブリクシルに「女性の美徳について考えて」と言われるのだった。
ブリクシルと医師のミロは学校の経営難に悩んでいた。ブリクシルがヴィヴィアンを独房に入れたことを伝えると、ミロは「彼女は特別だ」と言う。
その夜、ソフィアは守衛からカードキーを奪いヴィヴィアンの元へ向かうが、助けることはできなかった。ヴィヴィアンはレベル10でもソフィアに助けてもらえなかったことを思い出し絶望する。カードキーを奪ったことでソフィアも独房に入れられた。
映画『レベル16 服従の少女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
ソフィアが奪ったカードキーは行方不明となった。ブリクシルはカードキーを持っている犯人が名乗り出るまで1人ずつ罰を与えると少女たちに言う。動揺するヴィヴィアンだったが、脱走計画を続行する。カードキーは彼女のベッドに隠されていたのだ。
出口を見つけたヴィヴィアンだが、ソフィアを見捨てることができず救出に向かう。その後、2人は顔の皮を剥がされた少女の遺体を見つけて危険を感じる。だが全員での脱走を望むソフィアは、ヴィヴィアンを置いて少女たちの説得に向かう。
一方、ヴィヴィアンは自分たちが皮膚の移植手術に使われることを知る。ソフィアと合流し、ブリクシルに真実を語らせることで少女たちの説得に成功する。その後、ブリクシルを独房に入れて「女性の美徳について考えて」と言い残すのだった。
守衛に追われ逃げ場を失ったヴィヴィアンとソフィアは、小屋に立てこもる。ミロは出てくるように説得するが、ヴィヴィアンは拒否し自分の顔をメスで切り刻む。高値で売れるはずだったヴィヴィアンの顔に傷が付いたため、管理責任を問われたミロは守衛に取り押さえられる。
翌朝、警察に保護された2人は、生まれて初めて浴びる太陽の下で手を繋ぐのだった。
映画『レベル16 服従の少女たち』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
閉ざされた施設の中で「美徳」を叩き込まれる少女たちの姿に、序盤から不気味な違和感を感じました。ルールに従うことだけを教えられた彼女たちが、真実に気づき、脱出を試みる展開はスリリングで目が離せません。特に、レベル16の“真実”が明かされる場面は衝撃的。静かな恐怖と現代社会への皮肉が詰まった、考えさせられるSFスリラーでした。(20代 男性)
何も知らずに「良い女の子」であることを求められ続ける少女たち。彼女たちの従順さが、逆に恐ろしいと感じました。ヴィヴィアンとソフィアが少しずつ真実に近づく過程は緊張感があり、友情が芽生えていく様子にも心を打たれました。洗脳、管理、支配――現代社会の問題を鋭く映し出したようなメッセージ性が強く、女性としてとても考えさせられる作品でした。(30代 女性)
パステルカラーの可愛らしい制服と、冷たい白い壁の無機質な施設の対比が印象的でした。清潔で礼儀正しいことが全てとされる教育の裏に、少女たちの“価値”を搾取する目的が隠されているという構造が恐ろしくて、息が詰まりました。思春期の少女たちが自分の意志を取り戻していく物語として、社会派映画としても非常に優れていると思います。(40代 男性)
最初は学校ものの青春ドラマかと思いきや、実はとんでもないディストピアで、後半にかけてゾッとしました。特に、レベル16の「目的」が分かった瞬間は、あまりに非人道的で震えました。少女たちが命をかけて脱出しようとする姿に、静かな怒りと応援の気持ちがこみ上げてきます。女性の尊厳と自由を問う良作です。(20代 女性)
映像は静かで美しいのに、そこに潜む狂気が際立っていて、ずっと不安な気持ちにさせられました。教育という名の支配、そして「良い子」であることを求められ続けた先にある真実があまりに残酷。ラストにかけての展開は一気にサスペンス色が強まり、引き込まれました。社会問題を背景にしたホラーとしても見応えありです。(30代 男性)
「女の子はきれいであるべき」「礼儀正しくあれ」など、刷り込まれる価値観がリアルで怖かったです。私たちの日常にもあるような“無意識の支配”が、極端に描かれていると感じました。ヴィヴィアンとソフィアの関係性は希望であり、少女たちが声をあげていく過程が勇気をくれました。女性にこそ観てほしい一本です。(40代 女性)
思春期の少女たちに「従順」であることを押し付け、感情を抑え込ませる教育方針。映画を観ながら、自分が子どもの頃に感じたモヤモヤを思い出しました。レベル16という響きが、不気味で印象に残ります。逃げるシーンの緊迫感も高く、手に汗握る展開。テーマが重いけれど、見終わった後はどこかスカッとする感覚もありました。(50代 男性)
ジェンダーや若年者の人権を鋭く描いた、静かな怒りに満ちた映画だと感じました。女の子たちが自分の“価値”を取り戻すために立ち上がる姿が、とにかく尊く、勇気をもらえました。ヴィジュアルの洗練された美しさも印象的で、その裏にある恐ろしい現実とのギャップがうまく描かれていました。若い女性に届けたい映画です。(30代 女性)
全体を通して抑えたトーンの演出が逆に不気味で、じわじわと緊張感が高まる構成に惹きつけられました。物語後半、少女たちが自分たちの“役割”に気づくくだりは衝撃的で、人間の価値とは何かを考えさせられます。ラストシーンで見せるヴィヴィアンの目つきに、覚悟と未来への意志が感じられて、胸に迫りました。(20代 男性)
“良い子”という言葉の裏にある同調圧力や、社会の作った枠に従うことの恐ろしさを突きつけられたような作品でした。ヴィヴィアンとソフィアの信頼が芽生える中盤からはどんどんスリリングになっていき、一気にラストまで観てしまいました。エンタメとしても、メッセージ性のある社会派映画としても秀逸な一本です。(40代 男性)
映画『レベル16 服従の少女たち』を見た人におすすめの映画5選
ネバー・レット・ミー・ゴー
この映画を一言で表すと?
「美しい青春の裏に隠された、残酷な“使命”とは」
どんな話?
寄宿学校で育てられた子どもたちは、自分たちの存在理由を知らずに過ごしていた。やがて成長するにつれ、彼らが「臓器提供者」として育てられていたという真実が明らかになる。淡く切ない、静かなディストピア。
ここがおすすめ!
『レベル16』と同様に、若者たちが“何のために育てられたのか”という真実に直面する構造が似ています。美しく繊細な映像とともに、心をえぐるような現実が描かれ、観る者に深い余韻を残します。
ハンドメイズ・テイル/侍女の物語(ドラマシリーズ)
この映画を一言で表すと?
「女性は“子を産む器”として管理される恐怖の近未来」
どんな話?
出産率が激減したアメリカで、宗教的独裁国家ギレアデが誕生。女性たちは役割に応じて分類され、“侍女”として子どもを産むだけの存在にされていく。自由を奪われた女性の抵抗と希望を描く社会派SF。
ここがおすすめ!
女性を管理・支配する体制への鋭い批判と、そこで声を上げる主人公の姿は『レベル16』と深く重なります。圧倒的な世界観と演技、テーマ性の重さは、まさに現代に問うべき問題そのものです。
ルーム
この映画を一言で表すと?
「世界は“部屋の外”にもある――少女が母になるまでの脱出と再生」
どんな話?
監禁されていた部屋で息子を育てていた女性が、5歳の少年とともに脱出を試みる。狭い世界しか知らない子どもと、自由を渇望する母親が、社会と再びつながっていく姿を描く感動のヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
支配と孤立の環境から抜け出すという点で『レベル16』とリンク。息苦しい状況にいる少女たちが、自分の意志で世界と向き合おうとする物語は、共感と涙を呼びます。ブリー・ラーソンの熱演にも注目です。
ダイバージェント
この映画を一言で表すと?
「“適性”で人生が決まる社会に、抗う少女の戦い」
どんな話?
人類が秩序のために“適性”によって分類される社会。主人公トリスはどの分類にも当てはまらない“異端者=ダイバージェント”であることを隠しながら、生き残りを賭けた決断をしていく。近未来青春アクションSF。
ここがおすすめ!
自由を奪われた若者たちが、社会の枠組みを壊そうとする姿は『レベル16』の少女たちと重なります。アクション性も加わり、よりエンタメ寄りに楽しめる反逆SFとしておすすめです。
ザ・ギヴァー 記憶を注ぐ者
この映画を一言で表すと?
「完璧な管理社会に欠けていたもの――それは“感情”だった」
どんな話?
争いを防ぐためにすべてが均一化された社会。若者ジョナスは“記憶を継承する者”に選ばれ、過去の痛みや愛を知ることで、管理された社会の裏側にある真実に目覚めていく。抑制と自由をめぐる物語。
ここがおすすめ!
無感情な教育、洗脳的なルールの中で生きる若者が、“選択する自由”を得るというテーマが『レベル16』と一致。美術や演出も洗練されており、視覚的にも楽しめる静かな名作です。
みんなの感想・レビュー
面白いですがコスパ悪い養豚所ならぬ養少女所。
16歳まで育てて皮膚移植だけでは運営がカツカツなのも頷けます。
清潔を謳うわりには施設内は小汚くて、妙に漂う貧乏感…。
なぜ角膜や若い健康な臓器利用をしないのかわからない。
序盤が良いだけに後半ちょっと雑で勿体ない。
ラストはヴィヴィアンとソフィア友情ハピエン。
他の感想を見るとヴィヴィアン役の女優さんが美しいと褒め称える声が多いが、私はあんまり好みのお顔じゃなかった。
親友役のソフィアはアジア系の顔だけど黒目が大きくて可愛いと思いました。
ソフィア役の女優さんが気になって本名で検索してみると、レズビアンをテーマにした官能映画ばかり出てきて驚きましたが、どうやら同姓同名なだけのようです。
(脚本家に同姓同名の方がいるようです)