映画『エイプリルフールズ』の概要:今日はエイプリルフール。天才医師と嘘をつくわたるの子を身ごもったあゆむは、拳銃を手にレストランに立てこもった。日本中のエイプリルフールの嘘が奇跡を起こす。感動のヒューマンドラマ。
映画『エイプリルフールズ』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:石川淳一
キャスト:戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、小澤征悦 etc
映画『エイプリルフールズ』の登場人物(キャスト)
- あゆみ(戸田恵梨香)
- 病院で清掃員をしている。コミュニケーション障害で人とうまく付き合えない。病院で知り合ったわたるの子供を身ごもっている。
- わたる(松坂桃李)
- 天才医師と言って女性をだます詐欺師。セックス依存症。医者になれず、病院で女性をナンパしまくる。
- 麗子(菜々緒)
- わたるとデートをしていたCAだが、実はキャバクラ嬢。
- やくざ宇田川(寺島進)
- りかを誘拐したやくざ。りかの本当の父親で、鉄砲玉になって刑務所に入る前に実の娘に会いたかった。
- りか(浜辺美波)
- 万引きを繰り返す小学生。再婚した家の弟が優秀で悪さを繰り返す。やくざ宇田川に誘拐されてしまう。
映画『エイプリルフールズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『エイプリルフールズ』のあらすじ【起】
あゆみ(戸田恵梨香)はテレビを見ながら、ベッドの上で芋けんぴをむさぼるように食べる。わたる(松坂桃李)に電話すると、女が出た。あゆみは妊娠中、しかも臨月だ。籍を入れて認知してくれと言う。今日は4月1日。わたるはエイプリルフールのいたずら電話だと思い、電話を切った。
小学生りか(浜辺美波)を誘拐しようとするやくざ宇田川(寺島進)。舎弟を蹴って、自転車で轢く。白いバンに乗せて連れ去った。それを同級生の友達が目撃していた。腹減ったか?ラーメン連れてってやる。
上品な夫婦が買い物をしている。運転手が荷物を受け取り、ドアを開けた。奥様が運転手行きつけの店に連れてってくれと言った。主人は宮内庁の人間らしい。
わたるは予約したレストランに着いた。麗子(菜々緒)と食事を楽しむ。しゃべりながら足でわたるを触る麗子。若き天才医師のわたるは女性が途切れない。電話を切られたあゆみがお腹にクッションをつめた。荷物をまとめてわたるの店に向かう。リュックにあった銃を発砲するあゆみ。殺してやると叫んだ。
映画『エイプリルフールズ』のあらすじ【承】
エイプリルフールの余興でしょ!?叫ぶ麗子にあゆみは発砲した。高価なシャンデリアが落ちる。立てこもり事件が発生した瞬間だった。
やくざ宇田川と一緒に観覧車に乗る。バッグから万引きした商品が出て来た。自分の胸に手を持って行き早く済ませてくれと言った。自分は家に居場所がないと言った。女なら体で稼げるから、家を出て行きたいと言うりか。
ハンバーガーショップでウエイトレスが奥様にコーヒーをこぼしてしまう。宮内庁の夫婦だというのは嘘だった。妻にガンが見つかり、一日だけ豪華に遊ばせてやりたいという願いを叶えてあげたかったのだった。
あゆみを説得しようと老人が近づいた。油断した瞬間に掴みかかる。うっかり老人に発砲してしまったあゆみ。隠れていたわたるが飛び出して来た。
似顔絵写真を見て悲鳴を上げるりかの母親。一方やくざ宇田川はりかを風俗店に売り払おうとしていた。
手当してください!レストランの客が絶叫した。そいつ医者じゃないですよ。わたるは自分を医者だと偽って女性をナンパしていた詐欺師だった。麗子にクズと蔑まれる。逆ギレしたわたるは笑ってあゆみを馬鹿にした。お前とやったのは一生の不覚だ。客は全員でわたるを押さえつけた。
映画『エイプリルフールズ』のあらすじ【転】
誘拐事件は公開捜査になるらしい。母親はそれを止めた。母親は宇田川の事を知っているらしい。りかはSMクラブに連れて行かれた。目をそらそうとするりかを押さえつけて無理矢理見せる。
あゆむは芋けんぴを手放せない。人とうまくコミュニケーションがとれないあゆむは、わたるの一言に大きな勇気をもらっていた。自分を救ってくれた人だから、子供を産んで育てようと思ったらしい。
上品な夫婦との一日の思い出に写真を撮ってほしいと言った。運転手が携帯の電源を入れると、娘が誘拐されたとメールが入っていた。母親は警察に犯人は自分の元夫だと話した。りかを誘拐したのは本当の父親だったのだ。宇田川は若頭なのにもかかわらず、鉄砲玉になるという。娘に会えるのは最後かもしれない。
わたるは医者の息子として生まれた。頭が悪く医者にはなれなかった。医者だと嘘をつくと、みんな顔色が変わった。嘘をつくと気持ちが楽だった。気がついたら心の闇がセックス依存症になっていたのだ。あゆむに膝をついて謝る。
映画『エイプリルフールズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
母親に宇田川から電話がかかってきた。すぐに娘を返せと言われた。りかは俺に似たという宇田川。馬鹿で問題児、悪さをしたらしっかり叱って殴れという。りかを開放する宇田川の腕を掴んだ。お父さんと、りかは宇田川を呼んだ。そこにハイヤーが突っ込んで来た。りかの今の父親が宇田川に掴みかかる。宇田川は膝をついて申し訳なかったと謝った。去り際にもっと甘えろと言った。
あゆむが破水した。客全員がわたるにどうにかしろと言った。麗子はなんであゆむに手を出さなかったのか聞いた。あゆむのことが好きだったんじゃないかと叫んだ。今日はエイプリルフール。今日ぐらい嘘をつけと言った。私はCAではなく助産師、この店もレストランの前は産婦人科だと言った。わたるは僕を信じろと言った。
宇田川は舎弟に「今までありがとな」と言った。涙を流す舎弟を置いて現場に乗り込む。りかは父親にまた万引きしたと言った。
あゆむにがんばれと叫びながら手をつかむ。夫婦の最後の歌が響く。現場に乗り込んだリュックには銃がない、鉄砲玉を辞めた宇田川。りかの頬をたたいて、一緒に謝りに行こうと言う父親。各々のエイプリルフールは結末を迎えようとしていた。
あゆむは新しい命を抱いている。これは嘘じゃない。
映画『エイプリルフールズ』の感想・評価・レビュー
一つのストーリーから色々な絡み合いがあり、最後はこことここが繋がるのか、というスッキリした感覚にもなる。メインは戸田恵梨香演じるあゆみと、松坂桃李演じるわたるだが、妻のために皇族気分を味わせてあげたり、離婚して会えなかった娘を陰ながら支えたりと、心温まる物語もある。非日常のような事件がたくさん起こっており、だからこそ笑いが込み上げてくる。最後はスカッとするハッピーエンドで、感動もする映画である。(女性 20代)
この映画はコメディ色の強い爽快な作品だった。
エイプリルフールに起こった数々のショートストーリーが上手く繋がっていく。コメディシーンは笑えるし、思わず胸が熱くなるシーンもある。様々な想いが交差する、上手く作られた作品だったと思う。
出演俳優がとにかく豪華である。メインストーリーは戸田恵梨香と松坂桃李であるが、それも一つのショートストーリーのようなもので、主演が多数いるような感覚になった。全員これでもかというほど役に適していて、満足度が高かった。(男性 20代)
小さな「嘘」が絡まり合い、それらが思いもよらぬ騒動へ発展する。
登場人物たちのそれぞれのストーリーの伏線が回収され、繋がっていく構成が面白かった。
時として「嘘」は人を助け、救ってくれる。
終始ガチャガチャと賑やかでコミカルなシーンのみで終わるのではなく、最後には心温まるシーンもあり、人間味溢れる物語であまり構えることなく観れるハッピーな群像劇。
終盤に向けてストーリーがまとまっていくところが見どころ。(女性 20代)
出演している俳優がとにかく豪華。登場人物は多いが、皆演技力が高い人達ばかりだったため、物語に違和感なく入り込めた。ヤクザの宇田川が硬派な人間で、寺島進さんと合っていたと思う。鉄砲玉にならずに済んで、ほっとした。エイプリルフールはやはり良い嘘で溢れている方が良いなと思ったし、あゆみの妊娠だけ嘘ではなく本当だったところが良かった。見終わった後に、温かな気持ちになれる作品。特に、宮内庁の夫婦の嘘が切なくも素敵で、感動した。(女性 30代)
嘘から始まるトラブルや、嘘が運ぶ幸せがギュッと詰まっている映画だ。エイプリルフールと言えば、嘘をついてもいい日とされているのだが、映画の中では、エイプリルフールに繰り広げられるそれぞれの嘘が、最終的に綺麗に回収されて、感動的なラストに心が温かくなる。
悪い嘘をつくのは良くないが、その嘘のおかげで人が成長することもあるのだと思った。普段起こらないようなハプニングも絡めており、笑いあり、涙ありの満足度の高い映画だ。(女性 20代)
一つの作品の中にいろんなストーリーといろんな嘘があって、最後には心が温まる作品だった。キャストが多いにも関わらずそれぞれの人がしっかりと繋がっていたり、一人一人のキャラが立っていて良い。「伏線」ともちょっと違うけれども、「ストーリー」がちゃんと回収されるというのはかなり爽快感がある。なんだか嘘も悪くないな、と思わせてくれたのが印象深い。この作品を観てからエイプリルフールがちょっとだけ楽しく感じている。(女性 20代)
様々なストーリーが絡み合い、最後はみんながハッピーエンドで終わる作品は『ラブ・アクチュアリー』や『バレンタインデー』など沢山ありますが、そういった作品とは比べ物にならないほど薄っぺらい内容で、ただ色々詰め込んだだけというような作品でした。
コメディ映画かと思いきや、感動させるようなシナリオを入れたり、何をしたいのかイマイチ理解出来ず、私にハマりませんでした。
キャストはとても豪華なので好きな俳優が出ていたら楽しめると思います。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
松坂桃李、戸田恵梨香夫妻が出会った作品ですから、おめでたい気持ちで鑑賞しました。群像劇のため物語が忙しなく、常に賑やかです。お気に入りのキャラクターを早めに見つけると、感動や面白さがさらに増すだろうと思います。嘘は悪いものと認識していましたが、十分注意して取り扱えば誰かを幸せにしたり、人生を豊かにすることが稀にあるのかもしれません。この作品を見てから、今年のエイプリルフールは一つ楽しい嘘をついてみようかなと考え始めました。
まるで小説を読んでいるかのように、ショートストーリーや伏線が繋がっていき見終わった後に爽快感がある映画です。
コメディ映画のテンポで物語は進んでいくのですが、その中に色々な形の愛や、それぞれの成長が詰め込まれていて、見ていて飽きません。嘘が暴かれていくストーリーの中で、最後は嘘で人を助けようとみんなが一致団結するシーンが好きでした。
人をだます嘘だとしても、中には良い嘘もあり、人を幸せな気持ちにすることもできるのだと思える、笑いあり涙ありの面白いストーリーです。
基本的に笑えるシーンばかりなのだが、またうまい具合に泣かせるポイントがちりばめられている。末期がんの妻のために、不器用な夫が夢をかなえようとまるで皇族のようにふるまい、実際にいろいろな人に誤解されながらも夢のようなデートを楽しむパート(その運転手が実は理香の父親だったり、もちろんレストランにも居合わせる)の、最後の船の上のシーンは号泣した。また理香を自宅の前に放り出して、ぼけかす言いながらも幸せを願い義理の父に託す宇田川の姿にも号泣。ダメ男とわかっているのに助けてもらったことだけ一心に思うまっすぐなあゆみの回想シーンにも号泣。というように、ただ面白いだけではなく、泣かせるポイントがたくさんある。笑いと涙のバランスがとてもよくとれているのだ。
あらすじでは、主人公のあゆみをメインに紹介したが、これ以外にもたくさんの「嘘」がちりばめられている。どれもこれも、日常的には絶対に起こらないような嘘ばかりで、だからこそ面白い。その嘘が、最後に向かって収斂していくさまは非常に痛快。ここがこんな風につながるなんて、と驚きに満ちたラストスパートを楽しむことができる。
基本的に悪い奴以外は全員ハッピーエンドだ。見事なくらい全員がハッピーエンドになる。主人公たちだけではなく、インチキ占いばばあも、宇宙と交信し続けるいじめられっ子も、行方不明だった父親も、幽霊に憑かれた救急隊の青年も、ゲイであることに目覚めてしまった青年も、とにかくみんな見事にハッピーエンド。不完全燃焼なポイントがほぼないといっていい。
元気になりたい、なんでもいいから笑って泣いてストレス発散したいという人には心からおすすめしたい映画だ。家族で見ても、友達と見ても、デートで見てもぴったりな作品である。
また、キャストがひたすらに豪華でかつ全員が適役だ。戸田恵梨香のぶっとんだ演技はさすがだし、情けなさ過ぎて殴りたくなる松坂桃李も見もの。寺島進は不器用なダメ親父が似合いすぎているし、うさんくさいユースケサンタマリアも、キャビンアテンダントの強気な菜々緒も、見事としか言いようがない。