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映画『orange オレンジ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『orange オレンジ』の概要:10年後の自分から届いた手紙には、1人の少年を救って欲しいと書いてあった。未来から過去への希望の手紙。少年を救うため、恋と友情を叶えつつ奮闘する青春ラブストーリー。少女漫画原作にして、アニメーションにもなった感動作。

映画『orange オレンジ』の作品情報

orange オレンジ

製作年:2015年
上映時間:139分
ジャンル:SF、ラブストーリー、青春
監督:橋本光二郎
キャスト:土屋太鳳、山崎賢人、竜星涼、山崎紘菜 etc

映画『orange オレンジ』の登場人物(キャスト)

高宮菜穂(土屋太鳳)
引っ込み思案の16歳。周りを察して我慢してしまう、優しい性格で癒し系。翔に恋をし、未来の自分の後悔を消すために奮闘する。
成瀬翔(山崎賢人)
影のある転校生16歳。始業式の日に菜穂達と帰宅する選択をしてしまい、母親を亡くす。このことにより、絶望と後悔に苛まれてしまう。自分を隠すのが上手い優しい少年。菜穂に恋心を抱く。
須和弘人(竜星涼)
菜穂の同級生でサッカー部のエース。周囲の空気を読むのが上手で、さり気ない気配りができる。実は菜穂のことが好きだったが、恋より友情を選ぶ。
茅野貴子(山崎紘菜)
菜穂の同級生。凛とした女の子で、背が高い。気配り上手で姉御肌。
萩田朔(桜田通)
菜穂の同級生で文系男子。運動は苦手で漫画や読書が趣味。現実派の理屈屋。
村坂あずさ(清水くるみ)
菜穂の同級生。パン屋の娘で明るく無邪気な女の子。ムードメーカー。いつも荻田と言い合いをしている。

映画『orange オレンジ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『orange オレンジ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『orange オレンジ』のあらすじ【起】

桜の花びらが舞う春、16歳の高宮菜穂に1通の手紙が届いた。手紙の内容は冗談のような話で、差出人は10年後の自分からだった。

始まりは4月6日。菜穂のクラスに東京から転入生がやって来る。名前は成瀬翔。手紙に書かれていることが、現在進行形で起こっていた。席は菜穂の隣。きっと偶然だと、彼女は手紙の内容を信じなかった。

手紙にはある程度目を通したものの、放課後に友人達が翔へ一緒に帰ろうと誘ってしまう。手紙には絶対に誘うなと書いてあったが、止められなかった。
友人の須和弘人、茅野貴子、萩田朔、村坂あずみと共に和気藹々としながら、帰路につく一行。

帰宅後、日記を書いた菜穂は、手紙の筆跡が自分と同じであることを発見。彼女は怖くなって手紙を抽斗にしまってしまう。しかし、翌日からしばらく翔が学校を休む。
不安に思った菜穂は、再び手紙を見直してみた。

4月20日の球技大会。2週間ぶりに翔が登校。手紙では、ソフトボールで代打を頼まれるも断って後悔し、菜穂自身が翔を好きになると書いてあった。
手紙の通りに代打を頼まれた菜穂。彼女は悩んだ末、勇気を出して引き受けることにした。見事にヒットを打った菜穂。試合に勝利し、クラスメイトから喝采を浴びる。

その後、実は右足を負傷していた菜穂だったが、翔に見つかり手当を受けることになった。菜穂は周りを気遣い、我慢のできる優しい子だった。しかし、そんな菜穂を翔はいつも見ていると言う。そうして菜穂は、やはり翔を好きになってしまうのだった。
手紙に書いてあることは、全部本当のことだ。彼女は確信する。

手紙の先を呼んだ菜穂。10年後には翔がいなくなっていることを知る。
手紙にお弁当を作って渡して欲しいと書いてあったため、菜穂は彼のために弁当を作った。だが、引っ込み事案の菜穂は、弁当を渡すきっかけを掴めず。
放課後になって、翔から声を掛けられ一緒に帰ることに。そこで、始業式の日に母親が死んだという、衝撃的な事実を聞かされる。だから、手紙には始業式の日に誘うなと書いてあったのだ。
菜穂は後悔しないために、お弁当を渡すことにした。彼はとても嬉しそうに受け取ってくれる。

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映画『orange オレンジ』のあらすじ【承】

10年後の未来。17歳の冬に翔は事故で亡くなっていた。手紙では翔を救えるはずだったのに、救えなかった後悔がある。それを無くすため、翔を救おうと決心する菜穂だったが、過去を変えたことで、手紙とは少し違う展開を見せ始める。

5月に入って、先輩に告白された翔。その日、菜穂は翔に消しゴムとシャープペンシルを貸した。消しゴムのケースの中を見ろと手紙に書いてあったため、中を見てみた菜穂。彼は付き合うかどうかを悩んでいる様子。自分の気持ちを正直に伝えろとあったため、ノートの切れ端に返事を書いて下駄箱に入れたが、時すでに遅く。翔は先輩と付き合うことになってしまった。

その日から翔を避けるようになってしまった菜穂。手紙にもそのように書いてあり、自分から声をかけて応えろとあったが、上手くタイミングを掴めずに数日が経過。頑張って声を掛けようとしたが、恋人である先輩に怒られてしまい、逃げ出そうとした菜穂。だが、そこへ須和と貴子、あずみがやって来て彼女を励ました。菜穂は走り出して、翔へと声をかける。ようやく彼と話すことができた菜穂。翔は先輩と別れようと考えていた。

物理の時間にタイムトラベルの話が出る。過去を変えても、新たなパラレルワールドが増えるだけで、未来を変えることができないと知った菜穂。この原理でいくと、後悔を抱え手紙を送った自分を、幸せにしてあげることができないということになる。

文化祭の最後にプールサイドで、翔と菜穂が2人きりで花火を見たらしい。この思い出だけは、消して欲しくないと書いてあった。菜穂は思い切って翔に2人きりで花火を見ようと誘う。すると彼は、はにかみながらそれを了承した。

文化祭当日、日が暮れて間もなく。花火の時間が迫っているという時、菜穂は3年女子の妨害に遭う。花火が始まっても尚、必死に片づけをする菜穂の前に、貴子とあずみがやって来て助けてくれる。友人達のおかげで、翔と菜穂は無事に花火を見ることができた。

映画『orange オレンジ』のあらすじ【転】

夏祭りに遊びに来た菜穂。友人達が次々に来られなくなり、翔と2人で屋台を回る。神社でお参りをした後、雨に見舞われてしまい境内で雨宿り。翔の母親の話をちゃんと聞いて欲しいと手紙に書いてあった。菜穂は彼から話を聞こうと声を掛ける。すると、翔は重い口をようやく開いた。

精神を患っていた翔の母親。始業式の日に新しい病院へ一緒に行くはずだったが、彼は母親の面倒を見ることに疲れていたため、誘いに乗って帰宅しなかった。そのせいで、彼の母親は自殺してしまったのである。菜穂は彼にどんな言葉をかけていいか分からなかった。

菜穂は救うという意味が分からなくなり、手紙の最後のページを見てみる。
12月31日。翔はトラックの前に飛び出して事故により死亡する。それは、事故ではなく自殺だったいうのだ。思い悩む菜穂だったが、そこへ須和から連絡が入る。抱えきれなくなった菜穂は、須和に助けを求めることにした。すると、須和も10年後の自分から手紙を受け取っていたと言うのだった。

須和と菜穂は仲間達と結託し、翔が欲しいものを聞き出して彼の17歳の誕生日を皆で祝った。その後、仲間達は菜穂と翔の2人きりにし、翔に告白を促す。知らぬばかりは本人同士。菜穂と翔は両想いだった。

10月の体育祭で、リレーのアンカーをやった翔が転倒してしまい、クラスが負けてしまう。そのせいで、責任を感じてしまうらしい。
菜穂と須和は、翔にリレーのアンカーから外れるよう話すも、彼はやる気満々である。過去を変えて来た結果、少しずつ手紙との誤差が現れている今、手紙に沿ってばかりのやり方ではいけないのかもしれないと、話し合う須和と菜穂。そこへ友人達がやって来たため、2人は手紙の存在を明かし、皆で力を合わせることにした。

アンカーを翔として、前走者を仲間達で固めることにする。仲間達がバトンを繋ぎ、翔へと渡すのだ。彼らは手紙とは違う選択をした。
体育祭当日、元気のない翔を気遣う仲間達。そして、いよいよリレースタート。仲間達は次々とバトンを渡しつつ、翔へ伝言を頼む。そして、菜穂から翔へ。伝言とバトンを受け取った翔は爆走。転倒しかけるも1位でゴールした。

映画『orange オレンジ』の結末・ラスト(ネタバレ)

12月21日。菜穂と翔は喧嘩してしまう。その後、仲直りできずに、彼は亡くなってしまう。
翔の祖母が、風邪をこじらせ肺炎になりかけているらしい。彼にとって祖母は唯一の肉親だが、歳老いているため、いつ何があってもおかしくはない。暗い考えに囚われた翔に、菜穂は10年後にも会っているはずだからと簡単に考え、間違った言葉をかけてしまう。
菜穂は結局、怒った翔と喧嘩してしまうのだった。

12月25日。朝、仲直りできないままだったが、翔と挨拶をして寒いねと言い合った。これが彼とした最後の会話になってしまうらしい。
放課後、菜穂は翔を急いで追いかける。どうしても今話したいと言い募って、会話する機会を得た。菜穂は彼に告白し、どんなことがあっても嫌いにならないと宣言。だから一緒に生きようという言葉に、翔は泣きながら自分の不安を吐露し、菜穂を抱き返すのであった。

12月31日。いよいよ、運命の日。
翔は母親を亡くした日から絶望に囚われていた。だが、仲間や菜穂の存在に救われ気持ちを新たに、母親の部屋の片づけをしようとする。そこで、母親の携帯を発見。未送信ボックスにメールを見つける。メールには本文が無く、動画のみが入っている。それは、亡くなる寸前に母親が撮影した、反省の言葉が詰まった動画だった。

除夜の鐘を聞くため、仲間内で集まろうとしていたが、翔に連絡がつかない。仲間達はもしかしてと思い直し、街中を捜しまわった。
その頃、翔は自転車で坂を下り、トラックへ向かい自殺を図ろうとするも、不意に菜穂や仲間達と過ごして来た時間が脳裏を過り、急に死ぬのが怖くなって咄嗟に自転車のハンドルを切って助かる。その場に辿り着いた仲間達。友人の誰もが、涙ながらに彼を叱った。そうして翔は運命の日、死なずに生き延びることができたのである。

例えパラレルワールドでも、翔が生きている未来を。これが、10年後の菜穂と須和が望んだ未来だった。

映画『orange オレンジ』の感想・評価・レビュー

高校生の恋愛映画にしては少し大人っぽく、考えさせられる事が多かった。もし未来の自分から手紙が届いたらその通りに動くのか、もしくはまた違う行動を起こすのか、それだけでも深く考えてしまった。小さい頃に未来の自分へのメッセージと、当時の思い出を入れたタイムカプセルを思い出した。主人公の菜穂が純粋で、また周りに気を遣いすぎてしまう性格ではあるが、徐々に自分を出していく姿に勇気をもらえた。周りの友人たちの協力や、支えてくれる人達の大切さなどが、改めて大事だと気付かせてくれる映画でもある。(女性 20代)


恋愛映画というにはもったいない。10年後の自分から亡くなった仲間を救ってほしいという内容の手紙が届くことから始まるこの映画は、設定こそ少しファンタジーだが、命について、後悔について描かれている。

自ら死を選んだ少年・翔を救うために、高校生の菜穂たちは自分達の後悔を正しながら、翔に寄り添おうと、理解しようと強くなろうと奮闘する。その姿は、今の私たちによく響く。

後悔はやり直せない。だからこそ、選択を間違えないように勇気をもって誰かを気遣える人間になろうと思う映画だ。(女性 20代)


原作は漫画家、高野苺による同名少女漫画。実写映画化の他、アニメにもなっている。原作を忠実に、より闇を抱える部分をリアルに描いた印象が強い。未来から届いた手紙では、転校して来た同級生は既に亡くなっており、後悔と深い悲しみを抱えている。彼らは手紙を送ることで、未来が分岐し別の未来でもいいから生きていて欲しいと望みを託し過去へ手紙を送る。構成と動機がしっかりしており、物語としても展開に違和感がない。涙なくしては見られない感動作品だと思う。(女性 40代)


期待しなかった分、案外悪くなかったなと思いながら中盤が過ぎ、終わった頃には、いや良かったなと思っている自分がいた。少女漫画が原作なので多少ムズムズするような、観ていて恥ずかしくなるような感覚もある。しかしそれ以上に、脚本が登場人物の内面をきちんと描けていたし、演者も壊すことなくしっかりと演じていた。
少女漫画が原作の映画は観終わった後、なぜ観たのだろうと後悔するものが多い。しかし今作は素直に観て良かったと思える作品だった。(男性 20代)


ジャンルは恋愛映画ですが、ただの恋愛映画ではない感動するストーリーでした。10年後の自分から届いた手紙に記された翔の自殺を阻止するために奮闘する物語です。固い絆で結ばれた友情が羨ましくなるほどです。10年後の未来では菜穂と結婚している須和が、自分の想いよりも翔との友情と菜穂が翔を想う気持ちを優先させるところが、本当に良い人過ぎて幸せになってほしいと思いました。体育祭のリレーでアンカーの翔へバトンと一緒にみんなが一言ずつ伝言するシーンが感動しました。(女性 20代)


少女漫画が原作の恋愛映画だが、しっかりしたストーリーと重みもあって、安っぽさのない良い作品だと思う。
もちろん恋愛要素もしっかりあって恋愛映画特有の恥ずかしい感じもあるが、命を救う、後悔を無くす、そういった思いで主人公含めその周りの友達もしっかり動いていて、その辺の甘々で浅い恋愛映画とはちょっと違うな、と感じた。

高校生にしては考え深いし、未来の自分が後悔しないように、というのもなかなか深いテーマなのではないだろうか。
ただの青春恋愛映画と一括りにせず、他の人にもぜひ勧めたい。(女性 20代)


見ているこっちが恥ずかしくなるような「くさい」シーンもありますが、それは青春ラブストーリーなので仕方ないです。物語は漫画原作とは思えないほどしっかりとしていて、見てよかったなと思わせてくれました。
「未来からの手紙」と言うとファンタジーな展開をイメージしてしまいますが、とても現実的で違和感の無いストーリーでした。
「こうなって欲しい」を裏切らない展開なので、最後まで安心して見ていられます。(女性 30代)


長野県松本市の街並みが良すぎて、ロケ地を巡りたくなりました。10年後の自分から手紙が届く設定も、とても興味をそそるんです。私ならどうするだろう、と想像しながら観るのが最高に楽しいです。相手を労る言葉一つかけることで、相手や自分の未来が大きく変わることがあるのかもしれません。現在、未来の視点が理解しやすい、青春パラレルワールドストーリーです。エンドロールで流れるコブクロの歌を聴いていたら、どっと涙が溢れました。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    すごくこの本面白かった。1番といってもいいくらい。感動するだけじゃなく、学べることもたくさんある。いろんな人に読んでほしいと思う。小学生でも簡単に読めると思う。ページ数も少ないし、すらすら簡単に読める。本当に面白い。

  2. 匿名 より:

    少女漫画が原作だからと言ってアレルギーを示してしまうには惜しいくらい、しっかりとしたテーマ性を持って作られた作品。ただし、だからといって全くクサくないかというと、どちらかというととてもクサい。恋愛のやり取りはもどかしいし甘ったるい。そこも含めて、良作だと感じた。

    ちなみに私は原作も読んだことがあるが、恐ろしく改悪されている印象はない。だからといって予備知識もないので、純粋に映画だけ楽しむことができるはずだ。

  3. 匿名 より:

    ①あくまでもSFではない

    パラレルワールド、とか、未来からの手紙、と聞くと「SF?」と思ってしまうが、この作品に関しては、そこはあまり気にしなくてよい。というよりは、気にしても仕方がない。あくまでも恋愛映画、青春映画として作られた作品なので、「なんで手紙が」とか「パラレルワールドってどういうこと」などと問い始めてはきりがない。そこはすっぱり忘れて楽しんでほしい。

    ②くさいけど泣ける

    はっきり言うと、原作が少女マンガなので、やりとりがクサい。キュンキュンとときめく人もいれば、ゲンナリしてしまう人もいる、そのスレスレを行く感じである。恋愛映画や少女漫画にアレルギーがある人は間違いなくイライラしてしまうだろうから、おすすめしない。

    とはいえ、恋愛と同じくらいしっかり描かれているのが「人生は選択の積み重ねである」ということである。少女漫画だから菜穂と翔のもどかしいやりとりばかりがメインかと思いきや、実は奥が深い翔と母親の問題。自分の選択のせいで、母を死においやってしまった翔の後悔が苦しいくらいきちんと描かれている。また、自分たちの選択さえ間違わなければ、翔を救えたのかもしれないという「翔が死んでしまった未来」の菜穂たちの苦しさも描かれている。「人生は些細な選択の積み重ねである」という当たり前のようで深いテーマが、少女漫画的な恋愛パートとうまくマッチしている作品となっている。

    ちなみに私は典型的なもどかしいだけの少女漫画は好きではない。そんな私が泣けたのだから、恋愛漫画だからといって毛嫌いしてしまうには惜しい作品だと思う。