映画『MOZU』の概要:逢坂剛の小説「百舌」シリーズのドラマ化が人気を博し、そのため実写化された作品。監督は羽住英一郎。主演はドラマシリーズと同じく西島秀俊。ドラマシリーズのキャストに加えて、松坂桃李や伊勢谷友介も出演。
映画『MOZU』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:116分
- ジャンル:アクション、サスペンス
- 監督:羽住英一郎
- キャスト:西島秀俊、香川照之、真木よう子、池松壮亮 etc
映画『MOZU』 評価
- 点数:30点/100点
- オススメ度:★☆☆☆☆
- ストーリー:★☆☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『MOZU』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『MOZU』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『MOZU』 あらすじ【起・承】
公安部のエースだった倉木は、妻の死の真相を明らかにしたものの、それは警察や日本の中枢に巣食う闇の一角を覗き見たにすぎず、不信感を募らせて酒浸りの日々を送っていた。謎の解明の際協力してくれていた大杉もまた、同じく警察に嫌気がさし、辞職して探偵事務所を開いていた。
そんなある日、高層ビルの大規模な爆破テロとベトナム大使館襲撃事件が同時に起きる。たまたま近くに居合わせた倉木は、一台の車を助けた。その車には、エレナという知的障害を持った娘とその母親が乗っており、二つの襲撃事件の目的がそのエレナを誘拐することであったことが判明する。
捜査にあたっていた明星は、エレナを大杉に預ける。エレナを手に入れるため、暗殺集団に属する権藤は、大杉の事務所を襲撃。エレナの代わりに大杉と待ち合わせていた彼の娘を連れ去った。同時期に明星もまた身柄を拘束され、拉致されたことを知る倉木は、大杉と共にエレナを連れて、指定されたベトナムを目指す。
映画『MOZU』 結末・ラスト(ネタバレ)
エレナを連れて、ベトナムへやってきた大杉と倉木。行く先々で襲撃に合う倉木が、たどり着いた先にいたのは、吉田駒夫という人物だった。通称ダルマと呼ばれるこの人物は、長い間日本を裏から牛耳ってきた人物で、死んだ倉木の妻も実はダルマの部下の一人だったというのだ。
妻は、ダルマの指示に背いたため、その報復として娘が殺されたという事実を知り咆哮する倉木。しかし実力差は圧倒的で、ダルマは彼にも自分の手先になるよう促す。そうすれば、明星も助けるし倉木自身も殺さないでおいてやるというのだ。
また、エレナをはじめ首筋にバーコードを持つ子供たちがベトナムにはたくさんいて、権藤のその1人であった。彼らは皆ダルマの遺伝子を持つ子供であり、高齢のダルマの臓器移植のために作られた子供だった。エレナは一番の適合者だったのだ。
倉木と別れ、大杉はエレナをつれて権藤との取引の場に出向く。爆弾を巧みに用いて、娘を奪還し、さらにエレナも連れて逃げようとする大杉だが、人並み外れた身体能力を持つ権藤に刺されてしまう。万事休すのところで助けに入ったのは、なんと「百舌」である新谷だった。彼に憧れていた権藤は、狂喜の中で新堂に殺されるのだった。
生きて日本に帰ることができた倉木と大杉と明星。しかしダルマは生きており、大きく日本を変えるための計画を、着々と進めていたのだった。
映画『MOZU』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『MOZU』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
映画だけ観ては絶対にダメ
私は、原作を読破しているがテレビシリーズは全く観ていない、という状態で観た。そうするとどうだろう、何が何だかさっぱりわからない。倉木はわかる。大杉も分かる。明星もわかるし、キャラクターと演者がぴったりなのもわかる。だが、一体どんな時系列で何が始まったのかさっぱりわからなかった。
観ていくうちになんとなく、テロだなとか、エレナはドナーなんだなとか、分かってくるけれど、それにしても一見さんお断り感がものすごかった。書けばきりがないのだが、倉木が突然お酒まみれなのもよくわからないし、新谷に関する説明は皆無で突然現れて突然権藤を殺すし、ちょこちょこ倉木に忠告だけするためにいろいろなキャラクターが出てくるのも「誰?」状態。しかもこの話の中にオチがない。ダルマを倒すわけでもなく、変化としては若干倉木が立ち直るぐらいだ。
ある意味はなから新規ファン開拓など想定していないのかもしれない。というわけで予備知識ゼロの人は見る意味のない映画である。
アクションが微妙
アクションがいい、という説もあるが、敢えて私は微妙だと評させてもらう。確かに原作で倉木はほの暗いながらも容赦なく人をボコボコにしてしまう凶暴性のある人物で、それがまためちゃくちゃかっこいいのだけれど、スーパーマンではない。ちょっと殴られすぎでは?と思ってしまうシーンが多すぎた。絶対死ぬだろう、と。このシリーズのウリは「カッコイイアクション」ではないと認識していたのだけれど。ただし後に述べるが松坂桃李だけはすごかった。
松坂桃李が光る
かなり辛辣に書いてしまったが、松坂桃李の演技だけでも観る価値はあるかもしれない。非常にぶっ飛んだシリアルキラーというか、ただただ人を惨殺しまくる役どころなのだけれど、似合うし、うまい。イケメン俳優が量産されているご時世だけれど、ここまで整った顔でここまで狂った演技ができる俳優はあまりいないのではないだろうか。アクションもどこまでスタントかはわからないがなかなか見応えがあった。少なくとも西島秀俊の動きよりはスムーズだった、と思う。
連続ドラマでやっていた時の『MOZU』が好きでこちらも観賞したが、ドラマ版の方が面白かったという印象を受けた。ドラマ版からかなり期待値は高かったので、少し期待しすぎたのかもしれない。キャストはドラマ版よりも豪華さが増し、松坂桃李の演技も素晴らしかった。2時間ではまとめきれないあらすじの物足りなさを、キャストでカバーといったところだろうか。まだ観てない方には、是非ドラマ版をお勧めしたい。(女性 20代)
映画『MOZU』 まとめ
テレビシリーズを観ていない人は全くわからない可能性あり。ただ他レビューなど観ているとシリーズ好きな人ですら、置いてけぼり感がすごいようなので、脚本がイマイチなのかもしれない。
とにかく何もわからないまま話は進んでいくし、特にオチもなく終わる。おそらく続編が作られることを想定したストーリーだと思われる。ただ松坂桃李の演技やアクションだけはズバ抜けてすごいので、松坂桃李ファンや、イケメンが狂っている様子が好きな方は、それだけでも観る価値はあるかもしれない。
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