この記事では、映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の作品情報
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の登場人物(キャスト)
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の考察・解説(ネタバレ)
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の井尻又兵衛は誰に撃たれたのか?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は泣ける話?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のセリフ「おじさんの嘘つき」の意味は?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』が案外怖いと言われている理由
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』で又兵衛を撃った犯人は誰?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の時代考証が正しいと言われる理由
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』にはどんな伏線があるの?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』に対する海外の反応は?
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の廉姫のその後は?
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2002年 |
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上映時間 | 95分 |
ジャンル | アニメ コメディ ファミリー 時代劇 |
監督 | 原恵一 |
キャスト | 矢島晶子 ならはしみき 藤原啓治 こおろぎさとみ |
製作国 | 日本 |
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の登場人物(キャスト)
- 野原しんのすけ(矢島晶子)
- 5歳とは思えないほどの行動力と突飛な発想力を持ち合わせる幼稚園児。未来の自分からの手紙を受け取ったことにより、何と戦国時代へとタイムスリップしてしまう。
- 野原みさえ(ならはしみき)
- しんのすけの母親。勝気な性格をしており、性格に癖のあるしんのすけ達を育てられる肝っ玉母ちゃん。
- 野原ひろし(藤原啓治)
- 野原家の大黒柱。普段はみさえに尻に敷かれがちなところがあるが、いざという時には家長としての責任感をしっかり発揮する。
- 野原ひまわり(こおろぎさとみ)
- しんのすけの妹。まだオムツが取れない年齢にも関わらず既にイケメンと光り物が好きという流石野原家の一員といった性格。
- 井尻又兵衛由俊(屋良有作)
- しんのすけがたまたま命を救う事となった侍。身分の違う廉姫に密かに恋心を寄せる。
- 春日廉(小林愛)
- 政略結婚のため大蔵井高虎の元へ嫁ぐ事となっているが、その心は井尻又兵衛由俊に向いている。
- 大蔵井高虎(山路和弘)
- 廉姫の許嫁。自身の勢力拡大に強い野望を持っており、廉姫と結婚する事でそれを叶えようとしている。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のあらすじ【起】
幼稚園生のしんのすけは、とある夜不思議な夢を見ました。それはある和服姿の美人な女性が、湖のほとりで花に口を寄せているという夢です。次の朝起きてみると、なんとしんのすけだけでなく家族全員がその夢を見ていたことが判明します。不思議に思いながらも多忙な時間の準備ですっかりその事を忘れ去ってしまいました。
しんのすけが幼稚園から帰ってみると、飼い犬のシロが庭の一箇所をひたすら掘り続けています。花咲か爺さんの昔話を思い出したしんのすけは、シロと一緒に穴を掘る事にしました。するとその穴の中から一つの箱が出てきたのです。中を開けると、「とーちゃん かーちゃんへ オラ天正二年にいる。お姫様は超美人だぞ。春日のお城は遠いから、お車で来た方がいいぞ。早く来てね。じゃ、そういうことで」」という文字が全て平仮名で、しんのすけ自身の字で書かれていたのです。ですがしんのすけにはそれを書いた記憶がありません。しかし次の瞬間気がつくと、しんのすけは見知らぬ場所に飛ばされていました。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のあらすじ【承】
少し歩いたしんのすけは、戦場と思しき開けた場所に出ました。しんのすけは目の前に匍匐前進をしている2人の男を見つけ声をかけます。すると2人は焦ったようにその場から退散して行きました。その2人は武士、井尻又兵衛由俊を狙っていたのでした。
しんのすけに命を助けられた井尻は、礼にしんのすけに城内を案内します。しかしその途中、会話の内容が噛み合わないと気がついた井尻は、しんのすけが未来から来たのではないかと疑います。そしてそれはその通りでした。現在しんのすけがいる時代は天正2年、手紙に書いてあった年号でした。
一方現代では、行方不明になったしんのすけを巡り大騒動となっていました。しんのすけからの手紙を発見したひろしは、自分達も天正2年に行く事になると思い、車の中に荷物を詰め込み待機していました。しんのすけの話を聞いた井尻の幼なじみである廉姫は、しんのすけは今その手紙を書かなければいけないとしんのすけと未来の自分に向かって手紙を書き出しました。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のあらすじ【転】
そして、その手紙を埋めた瞬間、なんとその場にひろし達を乗せた車が突如タイムスリップしてきたのです。一家は再会を喜び再び現代へ戻ろうとしますが、どうすれば戻れるのか皆目見当もつきません。その方法が分かるまで、一同は井尻の家に身を寄せることとしました。
幼なじみである廉姫と井尻は互いに密かに心を寄せていましたが、身分違いの恋は決して叶えられることはなく、廉姫には勢力拡大の為大蔵井高虎という男との縁談の話が浮上していました。しかし、ひろし達から未来の様子を聞いた廉姫の父の康綱は、未来では戦、戦国の世は終わりを迎え、武将毎の領土などなくなるという事実に驚きます。そして勢力争いに興味を失った康綱は、廉姫を大蔵井高虎の嫁にやる事を取りやめたのでした。
しかし大蔵井高虎は縁談を断られた事を口実に、康綱勢に戦を仕掛ける事としました。そしてその翌日、大軍が康綱の陣を取り巻き、収穫間際の作物を刈りつくすという非道を行なったのでした。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の結末・ラスト(ネタバレ)
井尻は何とか野原一家だけでも逃がそうとしますが、ひろし達は共に戦う事を決意します。そして車に乗り込み、何と敵陣に先陣を切って突っ込んで行ったのです。井尻達がその後に続き、戦が始まりました。激しい戦いの中、なんとしんのすけが敵の大将を倒したのです。大将が倒された事で戦は終結し、しんのすけにはその褒美として殿から褒美が授けられる事となりました。
しかしその帰り道、突然井尻が銃弾に倒れてしまいます。元々井尻はしんのすけが止めた2人匍匐兵に撃たれ死ぬ運命でしたが、しんのすけによってここまで命を永らえていたのでした。井尻は自分の命を永らえさせ、国と廉姫を守る時間をくれたしんのすけに感謝し、自身の小刀をしんのすけに渡し息を引き取りました。
そして別れの日がやってきます。ひろし達は再び車に乗り込み、現代へ戻る準備を進めていました。廉姫はしんのすけに自分が井尻を愛していた事、そしてこの先自分は誰に嫁ぐ事もないだろうという事をしんのすけに伝えます。そして野原家の車は湖から姿を消し、再び現代へと戻ってきたのでした。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の考察・解説(ネタバレ)
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の井尻又兵衛は誰に撃たれたのか?
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の中で、井尻又兵衛は敵である戦国時代の武士たちに撃たれて命を落としました。物語のクライマックスにおいて、又兵衛は味方を守るために戦場に赴き、勇敢に戦いますが、圧倒的な戦力差ゆえに敵に取り囲まれ、銃撃を受けて倒れてしまいます。このシーンは、戦国時代の合戦がいかに残酷であったかを如実に表しており、最後の最後まで武士としての誇りと忠誠心を持ち続けた又兵衛の姿が胸を打つ場面となっています。
又兵衛は主人公のしんのすけと心を通わせ合う重要な存在でした。そのため、彼が戦場で命を落とすシーンは、物語の中でも特に感動的かつ悲しい場面の一つです。又兵衛が撃たれる瞬間は、戦国という苛烈な時代を象徴しており、武士たちが文字通り命を懸けて戦っていたことを強く印象づけています。又兵衛の死は、映画の重大な転換点となり、観客の心に深く刻まれるのです。
このシーンは、ファミリー向けのアニメーション作品でありながら、重厚な歴史ドラマの趣も備えており、多くの人々の感動を呼んだ名場面の一つと言えるでしょう。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は泣ける話?
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、多くの人が「泣ける映画」だと評する作品です。いつものクレヨンしんちゃんシリーズがコメディ要素を重視しているのに対し、この映画は戦国時代を舞台に友情や愛情、そして別離を描いており、感動的なシーンが随所に盛り込まれています。
特に、主人公のしんのすけと戦国武士の井尻又兵衛や廉姫との絆は、観る者の涙を誘うポイントです。現代からタイムスリップしてきたしんのすけは、戦国時代で出会った彼らと困難を乗り越える中で、深い友情を育みます。しかし、戦国の世は争いの絶えない時代であり、又兵衛や廉姫が平和を望みながらも厳しい現実に直面せざるを得ない様子が、観客の心を揺さぶります。
中でも、又兵衛の死や、しんのすけが現代に戻る際に彼らとの別れを経験するシーンは、非常に感動的で、多くの視聴者が涙を流すと言われています。この映画は、戦国時代の過酷さや人々の願いを丁寧に描いており、笑いだけでなく、感動と悲しみも深く感じられる作品なのです。だからこそ、「泣ける映画」として長年愛され続けているのでしょう。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のセリフ「おじさんの嘘つき」の意味は?
映画の中で、しんのすけが井尻又兵衛に向かって放った「おじさんの嘘つき」というセリフには、二人の間に築かれた強い絆と信頼関係が背景にあります。又兵衛はしんのすけに「必ず戻ってくる」と約束していましたが、戦場で命を落としてしまったため、その約束を果たすことができませんでした。
「嘘つき」というしんのすけの言葉は、又兵衛を信じ切っていた彼の純粋な気持ちと、大切な人を失った悲しみが交錯した結果です。幼いしんのすけにとって、又兵衛との別れを受け入れることは難しく、彼の言葉はその感情の表れなのです。
このセリフが印象的なのは、子供特有の無邪気さと戦国時代の過酷さが同時に表現されているからでしょう。しんのすけの心の痛みが手に取るように伝わるこのシーンは、多くの観客の涙を誘った名場面の一つです。又兵衛との別れを受け止められないしんのすけの姿は、戦争の悲惨さを浮き彫りにすると同時に、彼らの絆の深さを物語っています。
「おじさんの嘘つき」というセリフは、一見すると子供っぽい言葉ですが、その背後にある感情の深さと、別れの悲しみを凝縮した表現として、観る者の心に強く訴えかけるのです。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』が案外怖いと言われている理由
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』が「思いのほか怖い」と評される理由の一つは、これまでのクレヨンしんちゃんシリーズとは一線を画す、リアルでシリアスな戦国時代の描写にあります。特に、戦場のシーンや武士たちが命を賭けて戦う様子は、アニメーション作品としては異例の生々しさを持っており、銃撃や刀剣での戦闘シーンは、かなりグラフィックに表現されています。
また、現代から飛ばされてきたしんのすけにとって、戦国時代という環境自体が過酷で慣れない世界です。戦争の犠牲者や、命を落とす武士たちの姿など、通常のクレヨンしんちゃんが持つ明るくコミカルな雰囲気とは対照的な、重いテーマが前面に押し出されているのです。
さらに、物語の終盤で起こる悲劇的な出来事や、主要登場人物の死など、子供向けアニメとしては衝撃的な展開が待ち受けています。特に、しんのすけの大切な人たちが次々と危機に陥り、命を落としていくシーンは、観客にとって予想外の衝撃となるでしょう。
このように、戦争のリアルさや命の儚さが、他のクレヨンしんちゃん作品とは異なる形で描かれているため、子供向けアニメだと思って鑑賞した人が「思ったより怖い」と感じることが多いのです。しかし、そうした要素が作品に深みを与え、感動をもたらしていることも事実なのです。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』で又兵衛を撃った犯人は誰?
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のクライマックスシーンで、井尻又兵衛は敵軍の襲撃を受け、銃撃によって命を落とします。又兵衛を撃った犯人は、具体的な個人ではなく、敵方の軍勢に属する銃兵たちです。戦国時代は、火縄銃が戦闘の主力となった時代であり、合戦では武士や足軽が火縄銃を用いて戦うのが一般的でした。
忠義と武士としての誇りを持つ又兵衛は、味方を守るために奮戦しますが、敵兵の放った銃弾に倒れてしまいます。このシーンは、戦国時代の合戦がいかに残酷で非情なものであったかを如実に表しており、命を懸けて戦う武士の姿を生々しく描写しています。又兵衛は、戦国の世の理不尽さの中にあっても、忠義を貫く武士の典型として描かれ、その死は物語に深い感動をもたらします。
又兵衛を撃った犯人は、特定の個人として描かれるのではなく、戦場に広がる無数の敵兵の一人として表現されています。それは、戦争の非情さと、個人の運命を飲み込む戦乱の世の残酷さを象徴しているのかもしれません。又兵衛の死は、しんのすけにとっても大きな衝撃であり、映画の中で最も感情的な場面の一つとして、多くの視聴者の心に刻み込まれているのです。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の時代考証が正しいと言われる理由
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、アニメーション作品でありながら、戦国時代の描写や設定に細心の注意が払われていることから、時代考証の正確さが高く評価されています。特に、合戦シーンや当時の生活様式、武士の価値観などが、非常にリアリティを持って描かれており、歴史に詳しい視聴者からも好評を博しています。
例えば、映画に登場する戦国時代の甲冑や武器は、史実に即したデザインが採用されており、兵士たちの動きや戦術も、当時の戦闘スタイルに忠実です。また、戦場の残酷さや、武士たちが命を賭けて戦う姿が赤裸々に描かれ、戦争の悲惨さが強調されています。こうしたリアルな表現は、一般的なファミリー向けアニメではあまり見られないものの、本作では丁寧に再現されているのです。
さらに、登場人物の言動や振る舞いも、戦国時代の文化や価値観に沿ったものとなっています。武士道に基づく誇りや、身分制度の描写などは特に正確で、物語の根幹をなす武士の生き様や、時代背景が巧みに表現されています。
これらの要素が積み重なることで、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、単なるエンターテインメントの枠を超え、説得力のある時代劇としても高く評価されているのです。歴史的な正確さを維持しながら、感動的なストーリーを紡ぎ出すことに成功した本作は、時代考証の面でも優れた作品だと言えるでしょう。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』にはどんな伏線があるの?
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』には、ストーリー展開を巧みに予感させる伏線が随所に散りばめられています。その一つが、廉姫と井尻又兵衛の関係性です。物語序盤では、二人の間柄は単なる主従関係として描かれていますが、話が進むにつれて、実は深い愛情で結ばれていたことが明らかになります。廉姫が又兵衛のことを思って涙を流すシーンや、彼女の又兵衛への想いを示唆する細やかな描写は、後の展開を示唆する伏線として巧妙に機能しているのです。
また、しんのすけが現代から戦国時代にタイムスリップした理由や、彼が持ち込んだ現代のアイテム(例えばおもちゃなど)が物語の展開に重要な役割を果たすことも、伏線として巧みに織り込まれています。初めは何気ない小道具として登場するそれらのアイテムが、後に物語の鍵を握る重要な要素となり、ストーリー全体の流れを方向づける伏線となっているのです。
さらに、映画の終盤で描かれる、しんのすけと戦国時代の人々との別れのシーンも、感動的な結末への伏線として効果的に使われています。物語が進行するにつれ、しんのすけと戦国時代の人々との絆が深まっていき、別れが避けられないことが徐々に明らかになります。こうした描写は、最後の感動的な場面への布石となっており、観客の感情を巧みに揺さぶる働きを持っているのです。
このように、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、物語の最初から終わりまで、細部にわたって伏線が張り巡らされています。それらの伏線が後半で見事に回収されることで、この映画は単なる子供向けアニメを超えた、深みのある感動作品として完成しているのです。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』に対する海外の反応は?
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、日本国内だけでなく、海外でも高い評価を受けています。特に、アニメーションの質の高さと感情豊かなストーリーが、国境を越えて多くの視聴者の心を打ちました。クレヨンしんちゃんシリーズが通常、日本特有のユーモアや日常の描写を重視しているのに対し、この映画では深刻な歴史的テーマを扱っているため、海外の視聴者にも普遍的なメッセージが伝わりやすかったのです。
多くの海外ファンは、ストーリーの重厚さとキャラクター同士の感情のこもった交流を特に高く評価しています。戦国時代という日本の歴史的背景が描かれていることで、海外の視聴者にとって新鮮で興味深い作品となりました。また、しんのすけの無邪気さと戦国武士たちの厳しい現実とのコントラストが、物語に奥行きを与えていると評されています。
さらに、映画の中で描かれる友情や別離のシーンが、国境を越えて感動を呼び、多くの観客が涙を流したと言われています。特に、ラストシーンでのしんのすけと廉姫、又兵衛との別れが強い感動を呼び起こし、映画のメッセージが広く共感を得ました。
全体的に、海外でもこの作品は単なる子供向けアニメの枠を超えた感動的な歴史ドラマとして高く評価され、多くの視聴者がその深いテーマに感銘を受けています。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は、文化や言語の壁を越えて、世界中の人々の心に訴えかける普遍的な力を持った作品だと言えるでしょう。
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の廉姫のその後は?
映画のクライマックスで、主人公のしんのすけは戦国時代から現代へ戻ることになりますが、戦国時代に取り残された廉姫のその後については、映画では直接描かれていません。しかし、物語の中で示された状況から推測すると、廉姫は最愛の井尻又兵衛を失った悲しみに暮れながらも、彼の遺志を継ぎ、領地を守り抜く決意をしたのではないでしょうか。
物語の中で、廉姫は強くて賢明な女性として描かれており、又兵衛と共に領地を守るために尽力していました。又兵衛の死という大きな喪失を経験した後も、彼の献身的な姿勢に触れ、彼が守ろうとしていたものを自分が引き継ぐ役割を担ったと考えられます。戦国時代の姫君として、廉姫は一族や領民を支える立場にあり、困難な時代の中でもその使命を果たしていくことでしょう。
映画の最後で、しんのすけとの別れのシーンが描かれますが、廉姫はしんのすけに深い感謝の気持ちを抱きつつ、彼との出会いと別れの経験を胸に刻んで生きていくことが想像されます。そのため、彼女のその後の人生は、又兵衛としんのすけから受けた影響を糧としながらも、自身の強い意志で歩んでいくことが予想されます。
廉姫は、戦乱の世を生き抜く力強さと、愛する人を失った悲しみを同時に抱えた複雑なキャラクターです。映画では直接描かれなかった彼女のその後の人生は、観客の想像力に委ねられていますが、きっと又兵衛の遺志を継ぎ、領地と民を守る強い姫君として生きていったことでしょう。
みんなの感想・レビュー
前作、オトナ帝国の逆襲と並んでクレヨンしんちゃん史上の最高傑作と謳われる本作。個人的にはこれが一番好きだ。好きだというには切なすぎて、今でも思い出すだけで涙があふれてくるほどである。
まずキャラクターがいい。かっこいいのに不器用で、どんくさくて、しんのすけに振り回されながらも武士の誇りを失わない又兵衛と、気丈で明るくて、でも素直になれない美しい姫、廉という二人。また、廉の父も、彼らを取り巻く城の面々が本当に温かくて人間味あふれている。
野原家はある意味脇役の様ではあるが、それでも野原家らしさは健在で、しんのすけのために全力を尽くすひろしとみさえの親としての優しさや強さもさることながら、戦に向かう前に家族を守ることと、やるべきことで思い悩むひろしの苦悩には胸を打たれる。又兵衛と廉を描きながらも、主役はきちんとしんのすけであり、野原一家の良さも描き切った作品だ。
ラストがまたたまらない。クレヨンしんちゃんで人があんなに明確に死ぬことはもう先にも後にも又兵衛だけなのではないかと思う。あの死はどんなキャラクターも越えられない。そのくらい、重く美しい死にざまだった。彼のお礼の言葉のあと、しんのすけがただただ大粒の涙を流す。その涙がまた美しい。クレヨンしんちゃんの、コミカルでポップな絵柄なのに、だからこそ泣けるという不思議な感動だった。
そしてラストシーンで廉が青空に浮かぶ雲を見上げて「見てるか、青空侍」というセリフでこの作品は幕を引く。本当に美しい終幕だった。
間違いなくクレヨンしんちゃん史上最高傑作である。ちなみに私は小さいころからそして今もクレヨンしんちゃんファンで、映画は全作品観ている。どれもこれも面白くて大好きだけれど、それでも間違いなくこの作品がダントツであり、誰にでもお勧めしたい。
クレヨンしんちゃんだからこそ感動するし、クレヨンしんちゃんだからこそ胸が熱くなるし、クレヨンしんちゃんだからこそ思いっきり笑える。ここまでずば抜けた世界観を持ってストーリーを語りきることができる作品は珍しい。文句ない100点の作品だ。