この記事では、映画『しとやかな獣』のストーリー(あらすじ)をネタバレありで結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説していきます。
また、映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載中または掲載予定です。
映画『しとやかな獣』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0040633
製作年 | 1962年 |
---|---|
上映時間 | 95分 |
ジャンル | サスペンス コメディ |
監督 | 川島雄三 |
キャスト | 若尾文子 川畑愛光 伊藤雄之助 山岡久乃 |
製作国 | 日本 |
映画『しとやかな獣』の登場人物(キャスト)
- 三谷幸枝(若尾文子)
- 芸能事務所「ハイライトプロ」の会計係。バツイチで子持ち。女手一つで家計を支えるため旅館経営を始めようとしている。目的のためには自分の武器を最大限に使うべきという持論の元、その美貌で次々に男を手玉に取り、自分の手は汚さず金を巻き上げる。
- 前田時造(伊藤雄之助)
- 前田家の主で元海軍中佐。終戦直後の惨めな暮らしに戻りたくないが、本人には商才がないため金持ちに寄生して暮らすという術を身に付ける。そのためには実子も利用する。外面が良く口だけは達者で人心を巧みに操る。
- 前田よしの(山岡久乃)
- 時造の妻で、二人の子供の母親。一見すると物腰も柔らかく主人に付き従う貞淑な妻だが、家族の中で最も狡猾で冷静。口八丁手八丁の時造にしっかり加担、暴走する息子の実を嗜めるなど一家の調整役でもある。
- 前田実(川畑愛光)
- 前田家の長男。ずる賢さという面では、完全に時造の血を受け継いだドラ息子。父親と違い己の欲望を隠そうともせず、悪びれない態度で余計に反感を買って周囲を掻き回す。幸枝にベタ惚れしている。
- 前田友子(浜田ゆう子)
- 前田家の娘。父に利用されて流行作家・吉沢の愛人になる。本人はあまり金のことには興味がなく、吉沢とは損得勘定で付き合っているわけではないので、一家の魂胆にだんだんうんざりしてくる。
- 香取一郎(高松英郎)
- 「ハイライトプロ」の社長。実の横領で被害者ヅラをして前田家に怒鳴り込んでくるが、本人も脱税に不倫と結構なことをやっていて幸枝に弱みを握られる。
- 神谷栄作(船越英二)
- 税務署で働く勤勉な公務員。「ハイライトプロ」の税理士を担当している。その真面目さが祟って、幸枝の魔性に耽溺してしまったのが運の尽き。罪を犯して人生を棒に振ることに。
- ピノサク・パブリスタ(小沢昭一)
- 「ハイライトプロ」に所属するジャズ・シンガー。見た目は明らかに日本人だが、芸風なのか片言の日本語で喋る。実にギャラを使い込まれた上、歌はあまり上手くないと馬鹿にされる。
- 吉沢駿太郎(山茶花究)
- 流行小説を書いている売れっ子の作家。時造に唆された友子に惚れ込んで囲っているが、その見返りに前田家に金銭援助をしている。やがて前田一家の余りのがめつさに辟易し始める。
映画『しとやかな獣』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『しとやかな獣』のあらすじ【起】
郊外の団地の一角にある一室。前田時造と妻のよしのは、忙しなく家の中の調度品を目に付かないところへ仕舞い込んでいる。15時を過ぎた頃、前田家に客人がやって来る。芸能事務所「ハイライトプロ」の社長である香取と、事務所の所属歌手のピノサク・パブリスタ、会社の会計係である三谷幸枝の三人だ。
香取は、事務所の社員で前田夫妻の息子である実が、会社の金を着服して行方を眩ましたと怒鳴り込みに来たのだった。ピノサクら所属タレントのギャラを含め、その額は100万円にも上る。香取は怒り心頭で、実が横領した金を立て替えるよう要求して来る。しかし夫妻は、ああだこうだと話を取り繕って香取の追及を躱し、彼らを追い返してしまう。
三人が帰った後、示し合わせたかのように実が帰って来る。夫妻は実の横領の件は織り込み済みで、貧しい暮らしを装うため贅沢品や家具を隠していたのだった。実は悪びれもせず踏ん反り返っている。父親も父親で、叱るどころか横領した金をせびって実を呆れさせる。
映画『しとやかな獣』を無料視聴できる動画配信サービスと方法については、以下の記事をご覧ください。
映画『しとやかな獣』のあらすじ【承】
続いて前田家の娘である友子が帰って来た。彼女は流行作家である吉沢駿太郎の愛人だったが、喧嘩して帰ってきたらしい。実のハイライトプロへの就職も吉沢の口利きによるもので、友子が吉沢の愛人になったのも時造の差し金だった。一家は吉沢からむしり取った金で、いい暮らしをしていたのだ。特に父子は吉沢から貰った名刺を使って、銀座で派手に遊んでいた。
事あるごとに金の無心をしてくる一家にうんざりした吉沢が、友子に不満をぶつけて二人は揉めてしまったようだ。しかし、友子に熱を上げている吉沢は必ず家に出向いて来る、時造とよしのはそう思っていた。
前田一家は、終戦直後のどん底のような貧しさを経験していた。二度とあの頃の生活に戻りたくないという一心で、金持ちに巧みに取り入り体よく寄生していたのだ。
案の定、吉沢が前田家にやって来る。友子を連れ戻しに来ただけでなく、実が自分の原稿料を出版社から騙し取っていたという新たな火種も持って来る。しかし実は不遜な態度を取って、挙句には金を貰って当然だと居直る。友子にまだ未練がある吉沢はひとまず退散する。一家は吉沢の元に戻るよう友子を説き伏せた。
映画『しとやかな獣』のあらすじ【転】
その後、夫妻は出掛け、兄妹が疲れて寝ていると三谷幸枝が訪ねて来る。幸枝と肉体関係がある実は、横領した金をほとんど彼女に貢いでいた。実は妹が寝ている横でも構わず、幸枝を抱こうとするが拒否される。幸枝は実との関係を終わらせにやって来たのだった。
バツイチで子持ちの幸枝は、女手一つで家計を支えていた。そして、事務所を辞めて旅館経営を始めるのだと言う。世間体もあるので実との関係を清算しに来たというわけだ。別れたくない実は駄々をこねるが、幸枝は完全に割り切った態度で応じない。
さらにそこへ香取もやって来る。香取は幸枝の辞表を彼女に突き返しに来たのだ。幸枝は香取が税金をちょろまかしていることを知っており、冷静な態度で辞職を固辞。しかも香取も幸枝と関係を持っており、表向きは社員として引き留めながらも内心男女の関係を続けたいだけだった。幸枝に突っぱねられて、仕方なく香取は退散する。幸枝もそれに続いた。
前田家の来訪者は絶えない。次に銀座のクラブのママ・マダムゆきがやって来る。彼女は時造に、実が好き勝手遊んだツケを支払えと迫って来るが、いつもの如く知らぬ存ぜぬの一点張りで追い払う。
映画『しとやかな獣』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌日、幸枝が前田家へ文句を言いにやって来る。開業したての旅館に酔っ払った実が押しかけて来て、騒ぎ立てたり、二人の関係を従業員に吹聴するなど嫌がらせをしてきたからだ。
香取も再来訪。脱税のため抱き込んでいた税務署員の神谷という男が、会社に不正がバレてクビになったと慌てている。香取は自分が告発されることを恐れているのだ。詳細を知っている幸枝に弁護してもらう必要があったが、幸枝は事態を冷静に分析して「自分は関係ない」と言ってさっさと帰ってしまう。仕方なく香取は一家を買収して、実に罪を被ってもらうように懇願し無理矢理承諾させる。
香取が去った後、クビになった税務署員の神谷が顔面蒼白で前田家を訪ねて来る。彼は幸枝を探しに来たと言うが、彼女がいないと分かると出て行ってしまう。そして徐に団地の屋上へ上がって行った。
結局また友子が帰って来る。前田家のがめつさに愛想も小想も尽きた吉沢から、完全に縁を切られてしまったようだ。そうこうしていると、外からサイレンの音が聞こえて来る。よしのがベランダから下を見下ろすと、屋上から飛び降りた神谷が救急車で運ばれているところであった。
映画『しとやかな獣』の感想・評価・レビュー
この映画の感想・評価・レビューはまだ投稿されていません。
映画『しとやかな獣』のネタバレあらすじ結末と感想まとめ
以上、映画『しとやかな獣』のネタバレあらすじ結末と感想について紹介しました。
映画『しとやかな獣』を見逃した人やもう一度見たい人のために、以下の記事では映画『しとやかな獣』を無料で視聴できる動画配信サービスと方法について紹介しています。
ぜひ、以下の記事もご覧いただき、映画『しとやかな獣』を視聴してみてはいかがでしょうか。
みんなの感想・レビュー