映画『リンカーン弁護士』の概要:2011年公開のアメリカ映画。マイクル・コナリーの同名小説を映画化した作品で、レイプと殺人容疑で逮捕された不動産業を営む青年の弁護をしながらも、個人的に彼の容疑を立証しようとするサスペンス。
映画『リンカーン弁護士』 作品情報
- 製作年:2011年
- 上映時間:119分
- ジャンル:サスペンス
- 監督:ブラッド・ファーマン
- キャスト:マシュー・マコノヒー、マリサ・トメイ、ライアン・フィリップ、ジョシュ・ルーカス etc
映画『リンカーン弁護士』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
映画『リンカーン弁護士』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『リンカーン弁護士』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『リンカーン弁護士』 あらすじ【起・承】
刑事事件を専門としている弁護士・ミックは愛車のリンカーンの後部座席を事務所代わりにしている。
やり手で金にシビアな弁護士で、時に法を犯さない程度のところで容疑者の刑を軽くしたりしている。
ある時、保険金休業者の友人から、金になりそうな案件を教えてもらう。
それは不動産業を営む金持ち青年ルイスの弁護だった。
彼は娼婦レイプ容疑で逮捕されたのだが、無罪を勝ち取ることしか念頭にない少々やばそうな男である。
ミックには親友のフランクという男がいて、私立探偵をしている。
ミックは彼にこの事件の調査を依頼し、真実を探る。
するとやはり彼の容疑は実刑になりそうなことが出てきてしまった。
この弁護をどのようにしようか悩んでいる時、ルイスに襲われたという女性の顔写真を見てふとあることに気が付く。
それはミックが4年前に担当した案件で、娼婦暴行容疑で捕まった犯人マルティネスのことだ。
無実を主張していたのに状況証拠から、彼の話を無視し死刑を懲役15年にしてやった彼のこと。
この事件の被害者の顔と、今回の被害者の顔が酷似しているのである。
今更ではあるが、刑務所に出向きマルティネスと再会。
ミックは彼が本当に無罪であったと思い始める。
つまり真犯人はルイスなのでは無いかと疑い始めたのだ。
マルティネスにルイスの写真を見せると反応する。
ミックはこれで確信した。
映画『リンカーン弁護士』 結末・ラスト(ネタバレ)
自宅に戻ると家の鍵が開いている。
中にはルイスが座っていた。
そこでミックが4年前のことを問いただすと認めたルイス。
弁護士は聞いたことを明かしてはならない規則があった。
秘匿特権である。
ルイスは4年前に自分の代わりに無罪のマルティネスを逮捕させたミックを指名し、今回は自分を弁護させようという腹だったのだ。
フランクが殺された。
明らかにミックに対する脅しであろう。
犯人はルイスだとミックは推測した。
4年前、殺人事件の日、事件現場にて駐車違反で捕まったルイスにフランクは気が付いたのだ。
その後裁判は開廷される。
弁護士としてルイスの弁護をしているが、検察側も負けてはいない。
しかしミックは裁判自体に乗り気では無い。
様々な証人を呼んでいく中で、検察が最後の切り札として出してきたのがDJと呼ばれる密告屋だった。
彼は刑務所内で知り合った受刑者のことを語り、取引で刑を軽くしてもらっていたのだ。
しかしこれは彼の嘘であったことがすでに疑われている。
つまり容疑者を実刑にするために検察側が投入してきた兵器であるのだ。
そのことに気が付いたミックは裁判長の前で露呈する。
偽証罪の男を投入したと裁判は閉廷。
ルイスは無罪になった。
喜びもつかの間、暴行罪では無罪になったが裁判後すぐに殺人容疑で逮捕されたルイス。
母親の保釈金で出てきたルイスは、ミックの家族のもとに向かった。
すぐに気が付いたミックは仲間に頼み、返り討ちにする。
自宅に戻るとまたもや鍵が開いている。
ルイスの母親だった。
フランクを殺したのは自分だという。
ミックは足を撃たれ、すぐに彼女を撃ち殺す。
無事に終わったミック。
運転手が待つ車へと乗り込み、仕事を再開するのだった。
映画『リンカーン弁護士』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『リンカーン弁護士』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
複雑な構成にこんがらがる
出だしがごちゃっとしていて、わかりにくい。
ここで諦めると先に進むことが出来ない。
何分本題に入るまでに登場人物が多いことと、スタイリッシュな撮影法を意識しているのかこれが余計に複雑にしている。
そのためどこからが重要な案件なのか、重要な人物なのか推測するのをためらってしまい暫く我慢することとなる。
しかしそのあとはわかりやすく、人物は容疑者本人とミック、検察側に絞られてくるためようやく楽しむことが出来る。
裁判シーンはどの映画でも興味深く作ってあるため、飽きずに鑑賞。
反論や証人シーンなども丁寧に作り込まれている。
しかし映画が全体的に含みを持たせている演出なため、いまいちすっきりしない裁判シーンが続くことも念頭に入れて起きたい。
よくある正義を勝ち取るようなスカっとするような裁判では無い。
面白味はあるのだが、想像していたよりもすっきりしない流れの作品である。
最後のどんでん返しを見返してしまう
最後、暴力で実刑判決を逃れたルイスだったが、これはミックの策略。
ルイスを何とか立件したいミックは、暴力事件を無罪にし、裁判後のルイスは警察に逮捕される。
しかも殺人罪だ。
これに関してはきっと「なるほど!」と手を打つようなシーンなのだと思うが、どうもわかりにくい。
暴力事件をわざと無罪にした経緯にも気が付かなかったし、殺人罪での逮捕を待っているようにも見えず。
ここがわかればかなり「やられた!」感が増したのに。
それが残念である。
丁寧に見ていたつもりだが、見逃していたのだろうか。
映画『リンカーン弁護士』 まとめ
弁護士映画は裁判シーンが見もの。
その裁判が格好良ければその映画は非常に印象に残る良い映画ということである。
誰もが裁判シーンに期待をし、そこに来ると「待ってました!」という感じで釘付けになる。
最終弁論や証人喚問でのどんでん返しがあると、胸がワクワクし正義を貫きたくなる。
しかし本作品はそんな正義裁判とは無縁。
弁護士と容疑者との信頼関係も無く、身の上の危険を危ぶむような関係である。
それをもっとうまい表現で完璧に見せてくれたらA級弁護映画になったはずであるが、惜しい映画である。
もう1度見ないといけない映画の1つである。
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