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映画『女神の継承』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『女神の継承』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『女神の継承』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『女神の継承』の結末までのストーリー
  • 『女神の継承』を見た感想・レビュー
  • 『女神の継承』を見た人におすすめの映画5選

映画『女神の継承』の作品情報


出典:U-NEXT

製作年 2021年
上映時間 130分
ジャンル ホラー
スリラー
監督 バンジョン・ピサンタナクーン
キャスト サワニー・ウトーンマ
ナリルヤ・グルモンコルペチ
シラニ・ヤンキッティカン
製作国 タイ
韓国

映画『女神の継承』の登場人物(キャスト)

ニム(サワニー・ウトーンマ)
タイの東北部にあるイサーン地方の小村に住む祈祷師。先祖代々受け継がれてきた女神の精霊ヤバンが宿っているという。本来は姉のノイが継承するはずだったが、拒否したためお鉢が回ってきた。霊を信じない姉に変わって、霊媒師として生きることを決める。次の後継者としての兆候を姪のミンに感じ取ったことから動向を注視するが、思わぬ事態へと発展してしまう。
ミン(ナリルヤ・グルモンコルペチ)
ニムの姪でノイの娘。人材派遣会社に勤めるごく普通の今時の若者。母と同様に霊的なことは全く信じておらず、ニムのことも内心馬鹿にしている。父ウィローの死を境に、言動に異変が現れ、挙動不審、多重人格的な奇行が目立ち始める。
ノイ(シラニ・ヤンキッティカン)
ニムの姉でミンの母。禁止されている犬肉の販売店を義母から受け継ぎ営んでいる。ヤバンの継承を巡ってニムとの姉妹仲は良くなかったが、ミンの様子がおかしくなってからはヤバンの存在を信じざるを得なくなりニムに頼るようになる。
マニ(ヤサカ・チャイソーン)
ニム、ノイの兄でミンの叔父。妻のパン、幼い息子のポンと共にノイ親娘と同居している。ウィローの葬儀で久しぶりに顔を出したニムを薄情だと詰る。ノイ同様、迷信じみたことには懐疑的だが、ミンがおかしくなり、自分の家族に危害が及びそうになると協力的になる。

映画『女神の継承』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『女神の継承』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『女神の継承』のあらすじ【起】

タイの東北部にあるイサーン地方。ドキュメンタリーの撮影班は、地元の神・バヤンという精霊が宿る霊媒師のニムを取材するため、この地にやって来た。バヤンは何世代にもわたって一族の女性に宿ってきたとされる。先代はニムの叔母、その次はニムの姉であるノイが継承するはずだった。しかし、ノイはそれを拒否しキリスト教に改宗した。そのためバヤンはニムに宿り、彼女が後継者になったのだという。ニムは縫製の仕事で生計を立てながら、霊媒師として人々の悩みを聞き、心の傷を癒す存在として慎ましく暮らしていた。

ある日、ノイの夫であるウィローが亡くなり、葬儀に向かうニムに同行することになった撮影クルー。ニムはその道すがら、ウィローの一族であるヤサンティア家の男はいずれも酷い死に方をしていると教えてくれる。ウィローの祖父は労働者から投石されて死に、父は経営していた縫製工場に放火したのちに自殺。さらに、ウィローの息子マックもバイクで転倒事故を起こし亡くなっていた。葬儀にはノイの娘ミンと、ニムとノイの兄であるマニとその妻パンも参列していた。

映画『女神の継承』のあらすじ【承】

葬儀の日以来、ミンの様子がおかしくなる。子供のような態度を取ったり、急に乱暴になったり、まるで多重人格者のような奇行が目立ち始める。やがて彼女は、毎夜悪夢にうなされるようになり、幻聴や腹部の痛みに苦しみ始める。職場での仕事もままならなくなり解雇されてしまった。

「バヤンが次の後継者としてミンに白羽の矢を立てた」と確信したニム。彼女はバヤンの魂をミンに移す儀式を提案するが、霊媒を信じないミンとノイはそれを頑なに拒否する。

しかし、ニムはミンの奇行はバヤンのせいではないと直感する。ミンが兄のマックと近親相姦の関係にあったこと、実際はバイク事故ではなく首を吊って自殺したことを知ったからだ。マックがミンに取り憑いていると思い直したミンは、彼が首を吊った場所で悪魔祓いの儀式を執り行い、霊を成仏させようと試みる。

一方、ミンの奇行はおさまらず、遂に手首を切って自殺を図る。困り果てたノイは、ニムに黙って違う祈祷師にお祓いを依頼するが、ミンの状態は改善されるどころか悪化するばかり。

映画『女神の継承』のあらすじ【転】

ニムの儀式も失敗する。結局マックの霊でもないようだと分かりニムは落胆する。その後、ミンは狂犬のようになって手がつけられなくなり、家で暴れたあとそのまま失踪してしまう。

一ヶ月後、ニムはヤサンティア家の廃工場でミンが倒れているのを発見する。命に別状はなかったが、状態は以前と変わらない。ニムは祈りを捧げるためにバヤンを祀っている山に登るが、何者かによって神聖な石像の首がもぎ取られておりショックを受ける。

もはや自分の手には負えないと判断したニムは、友人である祈祷師のサンティを頼ることにする。彼はミンに複数の霊が取り憑いていると告げる。ウィローの先祖はかつて何千人もの人間を斬首してきた一族で、その霊達の仕業だと説明。さらに人だけではなく、動物や植物の悪霊も取り憑いているという。

サンティと弟子たち、そしてニムはミンの除霊儀式の準備を始める。儀式が始まるまでの数日間、撮影クルーは家に隠しカメラを設置しミンの様子を観察することにする。そこには、ミンがペットの犬を殺して食べたり、冷蔵庫の生肉を貪ったりするなどの異常行動が映し出されていた。

そしてようやく儀式の前日となった日、ニムは自宅で原因不明の死を遂げる。

映画『女神の継承』の結末・ラスト(ネタバレ)

仕方なく、サンティはニム抜きで除霊儀式を執り行うことになる。ミンは儀式が終わるまで部屋に監禁されるが、悪霊に欺かれたパンがドアを開けてしまったため儀式は失敗してしまう。霊に取り憑かれたサンティやマニは飛び降り自殺を図り死亡、サンティの弟子たちも次々と様子がおかしくなり撮影クルーたちに襲い掛かってくる。

混沌とする中、突如ノイがバヤンの憑依を感じたと言い出し、自ら儀式を続けようと祈祷を始める。ノイはミンの除霊を試みるが失敗。逆にミンによって火をつけられ焼き殺されてしまった。その傍らには「ヤサンティア」と書かれ、無数に釘を打ちつけられた藁人形が置かれていた。

残された撮影クルーのカメラには、死の前日に行われたニムのインタビュー映像が収められていた。そこには、儀式の準備が思うように進まず苛立っているニムの姿も映し出されていた。彼女は霊媒師としての立場に苦悩しており、以前から自分にバヤンの霊が宿っていることを確信できなかったと告白していたのだった。

映画『女神の継承』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

序盤のドキュメンタリー風の静けさから、後半の怒涛の展開への落差が凄まじく、一気に引き込まれました。タイのシャーマニズム文化を土台にした物語が、恐怖をよりリアルに演出していて、ただのホラーにとどまらない深さを感じます。ミンの変貌ぶりが圧巻で、霊的な継承の恐ろしさを生々しく描いていました。特にラストの地獄絵図は、圧倒的な絶望感に震えました。(20代 男性)


家系に受け継がれる呪いという設定が、単なる作り話ではなく、本当にあるかもしれないと錯覚させるほどリアルでした。登場人物の多くが次第に精神的に壊れていく過程は、観ていて辛くも目が離せません。特にミンの母が、娘を守るために選択する苦渋の決断には胸を締めつけられました。宗教、家族、呪いが絡み合う社会派ホラーの傑作です。(30代 女性)


ホラー映画としては異色の構成で、まるで本物のドキュメンタリーを観ているかのような没入感がありました。実際の信仰をモチーフにしている分、映像の生々しさが際立ち、精神的にかなりくるタイプの恐怖でした。最初は「継承」というテーマが美しいもののように見えていたのに、実は呪いの連鎖でしかなかったという構図が衝撃的です。(40代 男性)


恐怖よりも、悲しさや救いのなさの方が印象に残る映画でした。ミンが「普通の女の子」から徐々に変わっていく姿は、精神病とも重なるように描かれていて、リアルすぎて怖い。家族の誰一人として彼女を救えなかった結末には、ただただ言葉を失いました。音の演出やカメラワークも計算され尽くしていて、見応えがありました。(20代 女性)


『哭声』のナ・ホンジンが製作に関わっていると聞いて観ましたが、予想以上の内容に圧倒されました。後半の悪霊が村中に拡散していく展開は、一種のパンデミックのようで社会的な恐怖すら感じました。神や信仰を信じていた人々が次々に壊れていく姿に、宗教の不確かさと怖さを感じます。かなりハードコアなホラーですが、完成度は非常に高いです。(30代 男性)


母と娘の関係性が作品の中核になっているのがとても良かったです。ミンの母ノイが信仰から逃れた代償として娘に呪いが降りかかるという構図は、「親が背負うべきものを子に負わせる」現代社会の問題とも重なるようで、とても考えさせられました。霊的な描写以上に、家族の“断絶”が一番の恐怖だったと思います。(40代 女性)


正直、トラウマになりかけるほど怖かったです。特にラスト30分の怒涛の展開、祭壇での惨劇は目を覆いたくなるほどでした。とはいえ、ただのジャンプスケアに頼らない、じわじわと精神を蝕むような演出が秀逸。シャーマンや信仰の裏にある“人間の業”が浮き彫りになっていて、ホラーとしてもヒューマンドラマとしても一級品だと思います。(20代 男性)


リアリティ重視の演出が素晴らしく、役者たちの演技もドキュメンタリーと見紛うほど自然で恐怖が増しました。あえて説明しすぎず、観客に委ねるような作りが印象的。特にミンが狂っていく過程は不快さも伴うけれど、目が離せませんでした。ホラー映画でこんなに感情を揺さぶられたのは久しぶりです。(50代 女性)


オカルト要素を前面に出しながらも、文化的な背景がしっかりしているので説得力がありました。タイの田舎の風景と呪術的な儀式が非常に生々しく描かれていて、異国の恐怖という意味でも新鮮でした。映画を見終わったあと、「信仰ってなんだろう?」と考えてしまう深みがあるのが素晴らしいです。(30代 男性)


怖いのが得意じゃないけど観てみました。予想通りめちゃくちゃ怖かったけど、それ以上に「人間の壊れ方」が怖かった。ミンの顔が変わっていく描写や、笑い声の演出など、細かい演出の積み重ねが恐怖を増幅させていて、よくできてるなと感じました。苦手だけど観てよかったと思える一本です。(20代 女性)

映画『女神の継承』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『女神の継承』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

哭声/コクソン

この映画を一言で表すと?

信仰と狂気の境界が崩れ落ちる、東洋ホラーの最高傑作。

どんな話?

韓国の田舎町で起こる謎の連続殺人事件。警察官ジョングは、怪しい日本人の存在を追いながら事件の核心へと迫っていくが、次第に「何が善で、何が悪なのか」が曖昧になっていく…スリリングな宗教スリラー。

ここがおすすめ!

『女神の継承』と同様、アジア特有の民間信仰や呪術、宗教への信頼と疑念が物語の中心です。じわじわと精神を侵食してくる不穏な空気感と衝撃のラストは、観る者に深い余韻を残します。

ミッドサマー

この映画を一言で表すと?

白昼の光に包まれた祝祭が、狂気と絶望の儀式に変わる。

どんな話?

精神的に不安定な女子学生ダニーが、恋人や友人たちと訪れたスウェーデンの祝祭。そこで目にしたのは、信じられないほど美しく、そして異常な“儀式”だった…というカルト宗教をテーマにした異色のホラー。

ここがおすすめ!

『女神の継承』と同じく、文化的儀式や共同体の価値観の恐ろしさが描かれています。視覚的な美しさと精神的なグロテスクさのギャップが強烈で、見る者の倫理観すら揺さぶる作品です。

ヘレディタリー/継承

この映画を一言で表すと?

家族に受け継がれる“呪い”が、全てを破壊していく。

どんな話?

祖母の死をきっかけに、家族の周囲で次々と奇怪な出来事が起き始める。娘アニーは、自分たちの家系に隠された恐ろしい秘密と向き合わざるを得なくなる。静かに、確実に恐怖が迫る家族ホラー。

ここがおすすめ!

『女神の継承』と同じ“継承”を主題にした作品で、家族という最も近しい存在が崩壊していく過程が壮絶。演技・演出・音響すべてが計算され尽くしており、緊張感の持続が異常なレベルです。

ノロイ

この映画を一言で表すと?

静かに積み上がる“違和感”が、やがて形を持って襲いかかる。

どんな話?

超常現象を追うドキュメンタリー映像作家が、取材の中で「ノロイ(呪い)」にまつわる奇怪な現象を記録していく。物語はやがて、日本のある地方に伝わる恐ろしい儀式と霊的存在へとつながっていく。

ここがおすすめ!

フェイクドキュメンタリー形式で描かれるため、『女神の継承』のリアリティと非常に親和性があります。映像の“隙間”に潜む恐怖が徐々に明らかになっていく構成が秀逸で、何度も観返したくなる一作です。

死霊館 エンフィールド事件

この映画を一言で表すと?

実在の心霊研究家が挑む、ポルターガイストの真相。

どんな話?

1970年代、イギリスの一軒家で発生したポルターガイスト現象。心霊研究家のウォーレン夫妻は少女の身に起こる不可解な出来事の真相を突き止めようとするが、そこには悪意ある霊が潜んでいた。

ここがおすすめ!

霊的な憑依や家族への干渉という点で『女神の継承』と共通しつつ、実話ベースの説得力も。高クオリティな演出とジャンプスケアに頼らない“静かな恐怖”が魅力で、洋画ホラー好きにも必見の一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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