映画『マッカーサー』の概要:52年間にわたってアメリカ軍で軍人生活を送ったダグラス・マッカーサーの太平洋戦争勃発時から退任までを描いた伝記映画。マッカーサーをグレゴリー・ペックが演じた。1977年公開のアメリカ映画。
映画『マッカーサー』 作品情報
- 製作年:1977年
- 上映時間:129分
- ジャンル:伝記、戦争
- 監督:ジョセフ・サージェント
- キャスト:グレゴリー・ペック、ダン・オハーリヒー、サンディ・ケニオン、ディック・オニール etc
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映画『マッカーサー』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『マッカーサー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『マッカーサー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『マッカーサー』 あらすじ【起・承】
1942年、フィリピン・コレヒドール島。日本の真珠湾攻撃から3ヶ月後、フィリピンの戦況は米軍にとって絶望的なものとなっていた。陸軍将軍のダグラス・マッカーサー(グレゴリー・ペック)は、部下とともにフィリピンで戦うつもりだったが、本国からオーストラリアへ移動するよう大統領命令が届く。安全のため潜水艦が用意されていたが、マッカーサーはあえて船で移動し、日本軍の海上封鎖は破れると証明してみせる。
妻のジーンと幼い息子を連れオーストラリアに着いたマッカーサーは、熱狂的な歓迎を受ける。ルーズベルト大統領からは名誉勲章が授与されるが、そこにフィリピン地区の全軍が降伏したという驚きの知らせが入る。マッカーサーに後を任されたウエンライトは、広がり続ける被害を食い止めるため、断腸の思いで降伏を宣言したのだった。
マッカーサーはフィリピンを奪還するため急ピッチで歩兵の訓練を進める。日本軍はオーストラリア上陸も狙っており、ニューギニアで戦線は膠着状態となる。多くの犠牲を出しながらも、連合軍はニューギニアを死守する。
ルーズベルト大統領はマッカーサーをハワイへ呼び寄せ、総合参謀部で会議を開く。台湾を優先しようとする参謀部の意見にマッカーサーは反対し、フィリピンを見捨てるべきではないと譲らない。ルーズベルト大統領はマッカーサーの意見を聞き入れ、レイテ湾上陸作戦が決行される。
海軍の協力を得て、マッカーサーの率いる陸軍のゲリラ部隊は善戦し、マッカーサーも自ら最前線に出て指揮を務めフィリピンを奪還する。この功績が認められ、1944年12月18日、マッカーサーは元帥となる。しかしマッカーサーに理解のあったルーズベルト大統領が亡くなり、新たに就任したトルーマン大統領はマッカーサーが準備を進めていた日本上陸作戦を却下。広島と長崎に原爆が投下される。
映画『マッカーサー』 結末・ラスト(ネタバレ)
1945年、東京湾において日本は降伏文書に調印し、連合軍に無条件降伏する。マッカーサーは連合軍総指揮官として日本に留まり、戦後日本の復興に向けて動き始める。新憲法の作成にあたり、幣原首相は“7000万人の国民のために、武力の永久放棄を明記してほしい”とマッカーサーに依頼する。マッカーサーは幣原の決意に胸を打たれる。
アメリカでは大戦の英雄マッカーサーを大々的に迎える準備が進んでおり、トルーマン大統領はマッカーサーに帰国命令を出す。しかしマッカーサーはソ連の動きを警戒しており、問題が山積みの日本を離れるわけにはいかないとこれに歯向い、大統領の怒りを買う。
1949年、日本の急速な復興に安堵していたマッカーサーに“北朝鮮の大軍が38℃線を破って押し寄せてきた”という知らせが入る。朝鮮戦争の勃発である。マッカーサーは台湾の蒋介石と軍事協力し、共産主義と戦うべきだと主張する。仁川への奇襲作戦は成功したかに思えたが、トルーマン大統領がマッカーサーの作戦を承認しない方針をとる。
中国とソ連は米軍が国境に近づくことを警戒しており、トルーマン大統領は政治的観点から中途半端な宥和政策を取る。米軍は「警察行動」という優柔不断な政府の方針に振り回され、中国と思うような戦いができなかった。結局ワシントンから攻撃の全面停止命令が下り、事態は政治的に解決される。マッカーサーはこれを“悪との妥協だ”と非難していたが、彼自身も更迭される。
帰国したマッカーサーは国民から熱狂的に歓迎される。1951年マッカーサーは退任演説を行い、52年に及ぶ軍人生活に幕を閉じる。
映画『マッカーサー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『マッカーサー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
歴史の勉強
歴史に詳しい人は別として、学校で学んだ程度の歴史的知識しか持ち合わせていない人にとって、この映画は勉強になる。日本が真珠湾攻撃を仕掛けてからの戦況や、どのような過程を経て原爆が投下されることになったのか。いつ何が起こったかは把握していても、どんな流れで歴史が動いたのかを詳しく知る機会はなかなかない。それがこの映画を見るとある程度理解できる。
陸軍のマッカーサー将軍とルーズベルト大統領の関係性があの大戦に大きな影響を与えていたことや、戦後の日本でマッカーサーとソ連の将軍が北海道を巡って緊迫感のあるやり取りをしていたことなど。歴史的事実の裏には多くの心理戦や駆け引きがあることを学ぶと、平面的な認識に奥行きが生まれる。本作は適度な掘り下げ方でストーリーが進むので、歴史に疎い人ほど興味深く見られるはずだ。
軍人マッカーサー
日本でマッカーサーといえば、コーンパイプをくわえた独特のスタイルで戦後の日本にやってきたGHQの最高司令官として有名だ。おそらく多くの人はその点だけでマッカーサーを認識しているのではないだろうか。実は私自身がそうだった。
しかし彼は根っからの軍人であり、政治屋ではない。この映画を見る限りでは、軍人として常に勇敢であり、男気あふれる魅力的な指揮官として部下からも信頼されている。彼のカリスマ性と巧みな作戦能力はアメリカ軍の勝利に大きく貢献している。さらに家族を大切にしている点にも好感が持てる。人間的には支持できるが、軍人としてのマッカーサーをどう捉えるかは難しい。
マッカーサーを軍人として評価するということは、戦争を肯定するようで気が引ける。それは戦争が過去の出来事で終わらず、現在も進行中であるからに他ならない。
映画『マッカーサー』 まとめ
日本の戦争映画はドラマチックな演出で観客の感情に訴えようとするものが多い。日本は敗戦国なので悲劇的な映画が多いのも仕方がないのかもしれないが、個人的にそういうのはあまり見る気がしない。
本作のように淡々とした作りの方が冷静にいろいろと考えられる。多くの犠牲を出したのは日本だけではない。祖国から遠く離れた場所で無残に死んでいった兵士はアメリカにもたくさんいる。戦争というのは全ての命に対して等しく残酷なのだ。これを見るとそれがよくわかる。戦争映画を見るたびに、“戦争はなぜなくならないのか”を考える。それを深く考えると人間であるのが嫌になる。なぜなら地球上に人間がいる限り、戦争はなくならないだろうと思えてしまうからだ。戦争を止めるために戦争をするのだから、どうにもならない。マッカーサーのような人が用なしになる世界こそ、理想的なのだけれど…。
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