映画『フェイシズ(2011)』の概要:2011年のアメリカによるミステリー映画。教師をしているアンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は幸せな日の中で連続殺人に巻き込まれてしまう。襲われた事が原因で相貌失認になってしまいながら犯人を探して行く。
映画『フェイシズ』 作品情報
- 製作年:2012年
- 上映時間:102分
- ジャンル:サスペンス、ホラー
- 監督:ジュリアン・マニャ
- キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジュリアン・マクマホン、サラ・ウェイン・キャリーズ、マイケル・シャンクス etc
映画『フェイシズ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『フェイシズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『フェイシズ(2011)』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『フェイシズ』 あらすじ【起・承】
教師をしているアンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)ある夜、噂の連続殺人犯に襲われてしまう。
犯人は、殺害、強姦、涙を流すの「涙のジャック」。橋から落ち、頭を打ったまま川に落ちたアンナは一命を取り留めるが、事故が原因で人の顔を認識出来ないと言う「相貌失認」になってしまう。
唯一の目撃者が誰の顔もわからないとがっかりする刑事達。
刑事のケレストはヒントを探す為、街を歩く。彼女の手荷物が犯人によって持ち去られている危険があり、その事で彼女をまた狙うのではと睨んだのだ。
精神科医の元を訪れたアンナは、奇跡的に1人位は認識出来る人がいるはずだが、顔で人は友人、恋人を認識してきたので自分で考える以上に申告だと警告する。
人の顔がわからなくなった戸惑いと恐怖で、仕事にも支障が。
無くしたはずの手荷物がふいに目の前に置かれており、自分の近くに犯人が居ると思ったアンナはケレストに電話をする。犯人と誤認した相手は、仕事後に会う約束をしていた実父だった。
親すら認識出来なくなった事に打ちのめされたアンナは、再び精神科医を訪ねる。
映画『フェイシズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
顔が認識出来ない以上、他の特徴で相手を理解すべきと助言をくれた先生を信じ、アンナは相手の服装や身体で区別をつけようと試みていく。しかし相手の識別に無理をしたアンナと、自分を認識してくれない事に憤慨したブライスは道を分かれてしまう。
その間にも次の犠牲者として親友のフランシーンが被害に。
ネクタイからブライスに疑惑が持たれるがDNA判定で無事違うと判明された。
次第に顔が認識出来る刑事のケレストと惹かれあうが、彼がヒゲを剃った事でまた顔が認識出来なくなってしまった。
特別だったわけでなく、ヒゲで脳が騙されていたのだと打ちひしがれるアンナだが、彼を理解する誠意を信じ、精神科医の下で催眠療法を利用して、犯人を思い出そうとする。
しかしそれでも思い出せない。ブライスから連絡が来て、2人で会う事になったが、それは犯人の罠であった。
ブライスになりすました犯人、ラニヨンはアンナを連れ店から出るが、ネクタイの締め方がブライスではないと気が付いたアンナは逃げる。
電話を受けたケレストも、真犯人に気が付きアンナの元に向かう。
ケレストが来てくれるが、同じ格好をした犯人と区別が付かず、戸惑うアンナ。
しかし血がヒゲの様に見えた事でケレストを認識、犯人を撃つ。
犯人と相違えてしまったケレストは亡くなるが、約束した彼の故郷に向かい、そこでアンナは教師として、授かった彼との子供を産み育てるのだった。
映画『フェイシズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『フェイシズ(2011)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
顔以外の認識
普段あまりにも人とは、顔で認識をする人が多いのではないかと気が付かされる。もしも自分が人の顔が認識出来なくなった場合はどこで人を認識するだろうか?と考える機会になり新鮮さがある。
また、可能性が低くても自分もなりうる症状と言う現実、かつアンナの悲壮感や戸惑いをミラ・ジョヴォヴィッチがうまく表現しておりリアリティを感じる。
見た目だけでなく、仕草、癖で相手を理解していくと言う視点はミステリーならではが生かされていて観ていて読書をしている様な集中力が湧く。
最初の同棲相手は甘い感じの容貌が、好きになったのは少しいかつい雰囲気の刑事など、見た目以外で人を好きになって行く分、心を見つめていける楽しさもあるかもしれない。
ミステリー好きには冒頭から入り込みやすい話の流れになっているので、どう人と関わっていくのか、どんな日常生活を送る様に生活スタイルが変化して行くのかを見守りながら楽しめるはずである。
凄惨なシーンにリアリティがある
普通人を「通り魔」的に襲うとしても、映画ではどうしてもスマートに描かれてしまう作品も多い。
それに反してその作品は、最初にアンナが襲われるシーンが、少しいきなり感はあるものの、ぎこちない上に川に転落するシーンも自然な流れなので「襲う」事のリアリティが強い気がする。
それ故に「作り物」感が薄れているので、実際人に襲われたり、未遂など経験のある女性には恐怖感が強く感じる作品かもしれない。
単に人を切り刻んだりなど、直接的な表現だけが怖いと言われるのでなく、さりげない動きの中に恐怖はあると感じられる作品である。
最後はケレストが亡くなってしまったのは残念だが、彼の子供を産み、彼の故郷で自分の仕事を活かす、と言うハッピーエンドが待っているので、ひたむきなアンナを見守りながら観て行くと良い。
映画『フェイシズ』 まとめ
普段は「バイオハザードシリーズ」で有名なミラ・ジョヴォヴィッチ。
彼女はミステリーの映画作品にいくつか出演しているが、彼女のフェミニンと言わず、凛々しいタイプの顔立ち雰囲気はミステリー・ホラーのジャンルにうまく映える。
冒頭でいきなり連続殺人犯に襲われるシーンは、変に芝居がかっておらずリアリティがあり、恐怖が伝わりやすい。その為、普通のミステリー以上に身近に恐怖を感じてしまう事が出来る。シリアスで恐怖感を表すのが上手なミラ・ジョヴォヴィッチの演技には注目である。
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