映画『アイアンマン』の概要:アベンジャーズシリーズでも中核を務める「アイアンマン」誕生までの秘話。主役を務めるロバート・ダウニー・Jr.はこの映画の出演を熱望し、自ら積極的にアピールをしたという事。
映画『アイアンマン』の作品情報
上映時間:125分
ジャンル:アクション
監督:ジョン・ファヴロー
キャスト:ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー etc
映画『アイアンマン』の登場人物(キャスト)
- トニー・スターク / アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)
- 天才科学者。頭脳は圧倒的だが、ナルシストで女好き、とやや性格に難あり。
- オビー・ステイン(ジェフ・ブリッジス)
- トニーの会社の部下で、以前トニーの代わりにCEOを務めていたほどの重役。
- ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)
- トニーの秘書で、彼が信頼を置く数少ない存在。
- インセン(ショーン・トーブ)
- トニーと共にテロリスト達に拉致される。2度にわたりトニーの命を助けた。
映画『アイアンマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『アイアンマン』のあらすじ【起】
かつて世界最初のスーパヒーロー、キャプテン・アメリカの開発にも貢献した伝説的な兵器開発者であるハワード・スターク。彼の子供として生まれたトニー・スタークも、父親の影響を受け幼少期から機械に触れ続けた事もあって他とは比べ物にならないほどの天才に育ちます。
父親の死後、トニーは父親の会社「スターク・インダストリーズ」の後継者となりました。その会社でトニーは次々と最新兵器やロボットなどを作り出し、兵器産業は最早彼を抜きにしては成り立たない程です。
しかしある日、トニーが自身の新しい兵器のデモンストレーションに向かっている時のことでした。なんとトニーが自身の作った武器を用いるテロリストによる襲撃を受けたのです。爆発に巻き込まれたトニーは瀕死の重傷を負いますが、同じく拉致されていたインセン医師によって一命をとりとめます。しかし現状では心臓近くに入り込んでしまった爆弾の欠片まで取り除くことはできず、電磁石の力によって一時的にその破片が心臓に向かわないように留めているという状況でした。
映画『アイアンマン』のあらすじ【承】
テロリスト達がトニーを拉致した目的は、自分たちのために最新兵器を作らせることでした。しかし、今のトニーはいつ電磁石が壊れ心臓に破片が入り込むか分からない状態です。そこでトニーはパラジウムという素材を使い、アーク・リアクターという機械を胸に装着する事でこの問題を解決します。
そしてトニーとインセン医師は、この場から脱走する為に、アーマースーツを作る計画を立てました。最新兵器を作るために用意された素材をバラし、その素材をもとに着々とスーツの開発を進めていきます。一応テロリスト側にも見張りはいましたが、ここまでの高技術の科学には疎いため、新製品を作っているのだろうと信じ切って疑う素ぶりも見せません。
そして、とうとうアーマースーツ、マーク1が完成しました。しかし予想外に起動に時間がかかり、流石に気づいたテロリスト達が雪崩れ込んできます。絶体絶命の危機を救ったのは、またしてもインセン医師でした。彼は自らの命を賭して起動の時間を稼ぎ、そしてトニーはスーツでテロリスト達をアジトごと一掃するのでした。
映画『アイアンマン』のあらすじ【転】
何とかアメリカへと辿り着いたトニーは、緊急記者会見を開き「兵器製造をやめる」と発表します。世界最大軍事企業のトップのこの発言に、世界はどよめきたちます。会社の役員会議ではトニーをCEOの座から降ろすようにする運動も始まりますが、しかし自身の武器がテロリストの手に渡っている現状を目にしたトニーの決意は揺らぐことはありません。
この大騒動により一時的に表舞台に立つことのできなくなったトニーは、益々研究にのめり込みました。まず、彼が着目したのは自身も胸につけるアーク・リアクターです。小型でもかなりのエネルギーを生産できるこの機会に将来性を見出したのでした。一方で、自身の作ったマーク1に改良を重ね、後にアイアンマンと呼ばれる彼が着用する事になる、マーク3が完成したのです。
そんな時、とある下痢組織がグルミラという村を占拠したというニュースがトニーの耳に入ります。マーク3を着用したトニーは現場に赴き、そしてその力でゲリラ組織によるテロを鎮めてしまうのでした。
映画『アイアンマン』の結末・ラスト(ネタバレ)
世間は謎のスーツを纏ったそのヒーローについての話題で持ちきりです。一方トニーは、今回自身が制したテロリスト組織「テン・リングス」に自社製品の武器が流れすぎている事に疑問を抱きます。そして調査を続けた結果、自分の部下で、かつてトニーが成人するまで一時的にCEOの座についていたオビーという男がテロリストに武器を流している事を突き止めるのでした。
オビーはトニーのマーク3を見て、自らも研究者達にアーマースーツを作らせていました。しかし、そのコアとなるアーク・リアクターの製造がどうしてもできません。そこでオビーはトニーの胸のアーク・リアクターを奪います。トニーは旧型のアーク・リアクターを使う事で何とか生き延びますが、とうとうアーマースーツを完成させたオビーがトニーの前に立ちはだかります。
そしてオビーとトニーの一騎打ちが始まります。しかし天才が作ったスーツと所詮それを真似してスーツ、結果は見るまでもありません。オビーに勝利したトニーは、社内で生じたトラブルを説明するために記者会見を開いていました。しかし、そこでアイアンマンの正体について尋ねられたトニーは、自分がアイアンマンである事を発表するのでした。
映画『アイアンマン』の感想・評価・レビュー
人気アメリカンコミックを映画化した作品。天才発明家にして世界的大企業の社長が自ら開発したパワードスーツを纏い、ヒーローとして活躍する姿を描く。
これまでのヒーロー作品といえば、「手にした力をいかに社会のために役立てるか」や「現れた強敵を止めるために戦う」といったシナリオがメジャーだが、今作の主人公は自分のために自分で力を手に入れた一風変わったヒーローであるが、自らの正義を全うするために立ち上がる姿は多くのヒーローに共通する。また、一見するとわがままで自分勝手な難のあるせいかくだが、かえって人間らしさが現れている。(男性 20代)
言わずと知れたアメコミヒーローの第一作。超人的なパワーや不屈の精神ではなく、頭脳と技術で戦うヒーローです。準備を怠らず、思考を巡らせ、表情を変えずに敵を倒す戦闘スタイルがかっこいい。アイアンマンに仕込まれたピンチを切り抜ける数々の機能に、”そんな機能もあるのかっ!”と驚きの連発です。
圧倒的な強さを持たない、不完全なヒーローであることもアイアンマンの魅力です。反省点を生かし改良を重ね、敵の一歩先を行くアーマーの進化は見ていてワクワクします。(男性 20代)
言わずと知れたアベンジャーズのリーダー・アイアンマン。マーベルコミックの面白さがこれでもかと詰まった作品である。
天才科学者でもあり、軍事企業スターク・インダストリーズの社長でもあるトニー・スタークが商談でアフガニスタンを訪れた際、テロリストに拉致され、機械でしか動かない身体に改造されてしまう。
さらに、テロリストの要求する兵器を完成させなければ、自分の身体のバッテリーが失われてしまう、というのも物語に引き込まれる枷である。
そして、トニーが金儲けよりも大切なものを手に入れるという展開は、わかっていてもグッとくるものがある。(男性 40代)
危機に陥ってもなんだかんだで乗り切ってしまうトニーの万能感が爽快。スーツ誕生の過程が詳細に描かれていて、トニーが試行錯誤して完成させたものだと分かって意外だった。
トニーは天才発明家のうえ人情家だが、遊び人で冗談ばかり言っているという幅のあるキャラクターも魅力的で、演じるロバート・ダウニー・Jrにはまっていた。秘書役のグウィネス・パルトローはこれまでのイメージからすると衣装など地味だったが、さすがの存在感で華を感じた。続きが楽しみになる映画。(女性 40代)
視聴前は、アイアンマン(鉄の男)という名前と、正義のヒーローである設定から、トニーは真面目でお堅い性格なのかと思っていましたが、見事に予想は良い意味で外れました。アイアンマンであるトニーは、調子に乗りやすい性格ですが、決める時は決めていて、本当に格好良いヒーローだなと感じます。
スーツの研究に妥協を求めず、何回も作り直しては試着し、性能が理想に届いたかを確認するという姿勢には、感銘を受けました。トニーがどんなに無謀なことをしても、ヒロインのペッパーが彼を見捨てないのは、彼の真摯な部分を見て、信頼しているからだと感じました。(女性 20代)
MCUの第一作目。全てはここから始まります。アメコミ原作の映画はどうしても子供っぽいイメージがあり、苦手意識がありましたがこの作品は違いました。ストーリーがわかりやすく、映像にも迫力があり、見てきて飽きない。大人も子供も一緒になって楽しめます。なんと言っても有り得ないほどのお金持ち、ロバート・ダウニーJr演じるトニー・スタークはわがままで、自分勝手。でも憎めないキャラクターなんです。
トニーを支える相棒ペッパーもとても美しく、魅力的でした。(女性 30代)
マーベルシリーズの始まりに相応しい、夢の詰まったワクワクが止まらない作品です。ロバート・ダウニー・Jrがトニー・スタークというキャラクターに見事に憑依しており、完成度が非常に高いです。変身、戦闘シーンはダイナミックでテンションが上がります。それに、パワースーツを製作したり、実験しているシーンには癒しを感じます。分かりやすくて爽快なストーリー展開、そしてロマンが溢れる映画ですから、多くの子供に見てほしいです。(女性 30代)
マーベルシリーズには一番欠かすことのできないアイアンマンの原点であり、MCUの原点でもあるから、本作は絶対に見逃す訳にはいかない。アイアンマンのスーツが生まれるきっかけになったことなど、アイアンマンの誕生の瞬間が描かれている貴重な一作だ。
アクションからストーリー全てが完璧で、何回も戻って来たくなる最高のヒーロー映画だ。トニー・スタークが放つ「I am Iron Man」は映画史上に残る名ゼリフと言ってもいいだろう。(女性 20代)
関連作品
次作 アイアンマン2
みんなの感想・レビュー
ご存じ『アベンジャーズ』シリーズの始まりであり、シリーズを通して重要な人物であるトニー・スタークがアイアンマンになる始まりの物語。いわゆる高慢で嫌な奴だった彼が、如何にしてヒーローとしての道を歩んでいくのかが描かれる。
『アベンジャーズ』シリーズのひとまずのクライマックスである『エンド・ゲーム』を視聴した後にこの作品に再び戻ってくると、トニーは欠点も多いが、愛されるべき完成されたキャラクターとして描かれていたことを改めて実感できる。
『エンド・ゲーム』で拾われたネタも幾つかあるので、それらを確認するために一度だけでなく二度、三度と味わえる良作だ。
絵に描いたようなお金持ちの男がヒーローに目覚めるのが見ていてとても爽快であった。さらに全身を鉄に覆われた姿をしているため、どことなく現実味を帯びているところが男心をくすぐられる。アクション以外にも主人公の内面が作品を通して成長していくところも見どころである。
世界的に人気なアメコミヒーローが集結する作品「MCU」の第一作目であるため、アメコミ入門編ともいえる作品だ。この作品自体にも、他のヒーローに関係するような小ネタが多数含まれているため、どのシーンでも夢中になれる。
天才発明家であるトニー・スタークは女性にだらしなくて性格や行動に色々問題がある人物。トニーは自身も言うようにスーパーヒーローのようなタイプではない。しかし、彼なりの正義や確固たる意志も持っていて、流されない強さが彼のようなスーパーヒーローを生み出したのだと思う。
ハラハラさも大事だが、トニーのようなキャラクターだとどこか飄々としていてスルッと困難を乗り越えるような掴めない感じがまた良い。
アーマースーツができるところ、どんどん進化していくところは大人でも思わずワクワクしてしまうだろう。
ロバート・ダウニー・jr演じるトニー・スタークは、人間的には性格に難がありながらも、社会のために悪と戦うという一本の芯がある。彼こそがまさにヒーローであり、アイアンマンなのだ。
今作ではアベンジャーズの軸であるアイアンマンの誕生について丁寧に描かれており、いわばアベンジャーズシリーズなどの入門編とも呼べる作品だが、圧倒的に面白い。キャラクター設定や主人公の性格など、ヒーロー作品では疎かにされがちな部分もしっかりと作り込まれていて、予備知識のない人にとっても大いに楽しめる映画となっている。
アメリカンコミックに対して以前から苦手意識を持っていたが、本作はとても楽しめた。スーツを製造する施設は、全て未来的で細部までこだわられており、ワクワクした。
見終わる頃には、トニー・スタークという人物を大好きになっている。他のアメリカンコミックのヒーローたちとは、かなり違う印象を受けた。遊び人な上、純粋に良い人、とは言えないような性格の持ち主だが、スーツ開発の際に見せる真剣な眼差しや、彼なりの美学が垣間見える瞬間は、とても魅力的に映った。
いまやMARVELと言えばこの作品を思い浮かべる方が多いでしょう。
ロバート・ダウニーJrが演じるヒーローは、完璧ではないヒーローでした。その少々難ありな性格と、メカニックで夢のような動きは、まさしくコミックを読んでいる様なワクワク感を覚えます。
正直、観る前はあまり期待していなかったのですが、いざ観始めたらテンポもよくアッという間にのめり込んでいました。
ジョン・ファヴロー監督の『アイアンマン』はマーベル・コミックの映画化作品の一つです。
ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマンがすごくコミカルでかっこいいです。
原作に忠実な見た目も高得点。
今までもこういうマーベル系はあまり観てこなかったのですが、本作品を観てからハマりました。
アイアンマンのエネルギー源がどういう原理でできているのか不思議ですが、そのあり得ないような設定がコミックらしくて面白いです。
自分がヒーローであることを隠す作品が多い中、物語のラスト記者会見で自分がアイアンマンだと発表するのは斬新だなと感じた。戦闘シーンは迫力があり、大人が見てもワクワクするような作品だと思う。主人公のスタークは天才科学者であり、巨大軍事企業のCEOであり、ヒーローでもある。物凄く完璧な男なのだが、ロバート・ダウニー・Jrが演じているからか、さほど嫌味には感じなかった。あと、主人公を助けるインセンが個人的に好きだった。
日本の変身ものヒーローとは違い、自作のスーツを着て戦うという設定が斬新でおもしろいと感じました。その他のマーベル作品のスーパーヒーローは、本人が超人であったり魔法使いだったり、どうしてもファンタジーっぽく感じてしまうキャラクターが多い中、アイアンマンは金持ちではあるもののごく普通の人間であるという点と、もう少し技術が進歩したら本当にこんなスーツが作られて、アイアンマンになれる日が来るかもしれない…とさえ思ってしまう夢のあるところが好きです。
キャストも豪華で、ヒーローもの=子供向けというイメージが覆される作品です。
アメリカ版のヒーローアクションです。ただ、日本版と違うのは先端技術を用いてヒーロースーツを作ってしまうところです。今の技術では難しいですが、近い将来こんな風にスーツが出来てしまうんだろうと思わさせてくれます。
さすが、マーベル作品ですしアベンジャーズの始まりとも言える作品です。アイアンマンは、これからのアベンジャーズで重要か役割をしていきます。
男のロマンを具現化したようなヒーロー作品でした。
マーベルシリーズの中でも一番人気と言っても過言ではない理由が分かった気がします。
また、ロバート・ダウニー・Jrの演技力も非常に高く本来の正義のヒーローらしくはない少し曲がった性格を上手く表現できていたように感じます。
これがアベンジャーズとして他のマーベルヒーロー達と協力して敵に立ち向かうアイアンマンもとても面白いのでこれからの続編にも期待できる作品です。
今となってはMCUシリーズの興行収入が歴代1位。スターウォーズをしのいで1位に輝いているのがわかるくらいの名作だった。そのアベンジャーズの主軸となるアイアンマンの第一作として発表されたのに今見ても面白い出来。
個人的には、かっこいいアイアンマンになる前の堕落した金持ちの姿が描かれているところが好き。
ストーリーの流れがすぐに頭に入るような、分かりやすい内容だった。トニーの天才的な才能を、周囲のテロリスト達が狙うのが目に見えて分かり、また武器を流出させていたオビーの存在もすぐに理解できた。内容は子供向けてではあったが、トニーのひねくれた性格などが見所でもあり、面白いと感じた。インセンとの関係の深さや、ヒーローとしての在り方を考えているトニーの姿がかっこよく見え、続きがまた見たくなる作品でもあった。
アメコミの知識に疎かった自分には、なかなか観る機会にならなかった映画だったのですが、観た後は見事にMARVELの世界に引き込まれていました…。
ロバート・ダウニー・Jrも、ちょっと嫌な感じもする主人公『トニー・スターク』のキャラクターを見事に演じていて今ではアベンジャーズメンバーの中で1、2を争うくらい好きなキャラクターになってしまいました。
また、2時間ほどのストーリーでトニーの心情が見事に描かれており、キャラクター増が深く掘り下げられているのも感心してしまいました。
ラストシーンは逆に新たな始まりを感じさせ、観客を引き付ける作りになっていたのでこのままどんどん続きも見てしまいます。
①理想のヒーロー
今やマーベルだけでなく、ヒーローはとても多い。アベンジャーズやX-MENを見ればわかるが、特殊な能力を正義のために使うヒーロー、ヒロインたちは数えきれない。そんなヒーローに、個人的には全く興味がない。ヒーローものは好きではない、と思っていた。実は宇宙人だったり、特殊能力を生まれながらにして持っている者がヒーローになっていることに対し、あまり心が躍らないのだ。だからアベンジャーズにも興味がなかったし、スーパーマンにも全く興味がなかった。だが、アイアンマンは好きだ。何故か。努力の末のヒーローだからである。トニーは人間である。確かに天才で、恵まれた資産もあるけれど、でも彼は人間である。そんなトニーが、命の危機と、助けてくれた医師への感謝から、ヒーローになるまでが描かれているので、私はとても素直にアイアンマンが好きだと思うのだ。その結果、他のヒーローものも観たいと思うようになった(ちなみにアベンジャーズなども観たけれど、やはりアイアンマンが一番好きである。マーベル以外ならバットマン。彼もまた人間だからだ)。
とにかく、トニーは人格的にはちょっとどうかと思う部分もたくさんある男だ。そんな彼が痛い思いをしたり苦しい思いをしたり寝食忘れて研究して生まれたのがアイアンマンである。その過程を楽しむことができるのが、この作品なのだ。
②ヒロイン然としたヒロインがいない
アイアンマンの魅力の一つに、よくあるヒーローもののテンプレート的なヒロインがいないことも挙げられる。秘書の存在がヒロインのようではあるが、彼女はきちんと戦う。守られるだけのヒロインでは決してない。好きな女を守るために戦う、という要素が全くないわけではないのだが、あくまでもトニーは社会、兵器といったもののために苦悩し、戦う。それが従来のありふれたヒーロー像と違って一層魅力的な作品になっているのだろう。
ヒーローものの中では個人的にダントツに面白いシリーズだと思っている。バットマンもそうだが、ごく普通の(天才ではあるかもしれないが)人間が努力してヒーローでいようとしている姿に胸が熱くなる。バットマンは少しテイスト的に暗いが、アイアンマンはトニーの性格が明るく皮肉屋というのもあり、どちらかというとスカッと爽快なテイストに仕上がっている。それでいて、兵器やテロといった社会問題も描いているので奥深い。老若男女、どんな世代の人でも楽しめる映画だと言える。