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映画『普通の人々』あらすじネタバレ結末と感想

この記事では、映画『普通の人々』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『普通の人々』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『普通の人々』の結末までのストーリー
  • 『普通の人々』を見た感想・レビュー
  • 『普通の人々』を見た人におすすめの映画5選

映画『普通の人々』 作品情報

普通の人々

  • 製作年:1980年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:ロバート・レッドフォード
  • キャスト:ドナルド・サザーランド、メアリー・タイラー・ムーア、ティモシー・ハットン、ジャド・ハーシュ etc

映画『普通の人々』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『普通の人々』 あらすじネタバレ(起承転結)

映画『普通の人々』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『普通の人々』 あらすじ【起・承】

シカゴの郊外で暮らす高校生のコンラッド・ジャレット(ティモシー・ハットン)は自殺未遂をして4ヶ月ほど精神病院に入院していた。退院して1ヶ月半が経ち普通に学校へも通っていたが、父のカルビン(ドナルド・サザーランド)は何かと息子に気を使っていた。しかし母のベス(メアリー・タイラー・ムーア)はマイペースな生活を崩そうとしない。

8ヶ月前、ジャネット家の長男バックがヨットの事故で亡くなり、そこから一家の歯車は狂い始めた。コンラッドは今でも精神的に不安定な状態が続いており、父の勧めでバーガー医師(ジャド・ハーシュ)の診療所へ通い始める。

ベスは優秀な水泳選手だったバックを溺愛しており、コンラッドは自分が兄のように愛されていないと感じていた。母に愛されたくてコンラッドも水泳部に入り、勉強も頑張っていたが、ベスはコンラッドに対してどこか冷たかった。

コンラッドはバーガー医師のカウンセリングを受けるうち、ずっと内に秘めてきた感情と向き合い始める。抑圧してきた感情を表に出し、兄の面影を感じてつらかった水泳部も親に内緒で退部する。そのことをベスに厳しく叱責され、コンラッドは初めて母への不満を爆発させる。

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映画『普通の人々』 結末・ラスト(ネタバレ)

息子の苦しみを知ったカルビンは、1人でバーガー医師を訪ねてみる。カルビンは妻と自分はうまくいっておりコンラッドに問題があると思い込んできたが、自分もベスにわだかまりを感じていたことに気づく。カルビンは3人でバーガー医師の診察を受けようとベスを説得するが頑固なベスは聞く耳を持たない。

コンラッドは合唱部のプラット(エリザベス・マクガヴァン)とデートをする。コンラッドは初めてプラットに自殺した時の話をするが途中で水泳部員に邪魔され、つい笑ってしまったプラットの態度に腹を立てる。

ベスの希望でクリスマスの休暇をヒューストンで過ごしていたカルビンは、息子の苦しみを理解しようとしないベスと喧嘩をしてしまう。留守番をしていたコンラッドは病院で知り合ったカレンが自殺したことを知って取り乱し、バーガー医師に助けを求める。

コンラッドは自分の責任で兄が死んだと思い込み、ずっと自分を責めていた。それを誰にも言えずに苦しんできたコンラッドをバーガー医師は優しく受け止める。

落ち着きを取り戻したコンラッドはプラットとも仲直りをし、帰宅していた両親にも素直な態度を見せる。コンラッドの変化を見てカルビンも自分の本音と向き合い、ベスにそれを打ち明ける。しかしベスは最後まで折れようとせず、家を出て行く。

母が出て行ったのは自分のせいだと言い出したコンラッドをカルビンは初めて厳しい口調で叱り、誰のせいでもないと言い切る。2人は互いに本音を語り、しっかりと抱き合う。

映画『普通の人々』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『普通の人々』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

いきなりうまい脚本と演出

最初にジャレット家の朝食風景のシーンがある。大きな一軒家の中はきちんと片付けられ、母親はフレンチトーストを焼いている。しかし息子は食欲がないと言って朝ごはんに手をつけない。父親はそんな息子を心配して“朝はしっかり食べないとダメだぞ”などと言っている。ここまではよくある平和な家族の風景だ。

しかし母親はせっかく作ったフレンチトーストをさっさと流しに捨ててしまう。ここで観客はこの母親に違和感を覚える。一見、朝から息子の好物を作るいい母親なのに、彼女から息子への愛情は感じない。具体的な説明がなくても、この家族が何か問題を抱えているらしいことは伝わってくる。だからとにかく先が気になる。

このように本作の脚本と演出はとてもよくできており、どのシークエンスにも無駄がない。人物は丁寧に描かれているが物語はすっきりしているので、わかりやすいのに深みがある。

向き合うことの怖さ

自慢の長男を不慮の事故で亡くし、残されたジャネット家の3人はそれぞれに深い傷を負う。しかもその悲劇がきっかけとなり、家族は崩壊してしまう。

父のカルビンと母のベスは真実を見ないふりを続けていたが、感受性が強く純粋なコンラッドは自分を誤魔化すことができない。その苦しみを両親に打ち明けることもできず、自殺未遂を図る。カルビンは息子の変化に気づきながら手を差し伸べなかったことを反省するが、ベスは頑なにそれを拒む。完璧主義でプライドの高い彼女は、どうしても敗者になりたくない。そのため問題を直視しない。カルビンも衝突を嫌い、そんな妻を許してきた。

しかし結局カルビンは真実と向き合う道を選ぶ。そのことで夫婦は完全に壊れてしまうが、コンラッドはおそらく救われた。そもそもの問題は“愛し合っているふり”をしてきたこの夫婦にある。ベスはずっと以前からそれに気づいていたので、バーガー医師のところへも絶対に行きたくなかったのだろう。“誰の責任でもない、結果がこうなっただけだ”というカルビンのセリフは、悲しいが真実をついている。


兄の死によって心に傷を負ったコンラッドが、家族との関係の中で苦しみ、葛藤していく姿が非常に胸に迫りました。特に母親が冷たく距離を置き続ける描写は観ていて辛く、愛情の不在が人を追い詰める様子を痛感しました。精神科医との対話を通して少しずつ自分を取り戻していくコンラッドの姿は希望を感じさせ、ラストには小さな救いが見えるのが印象的でした。(20代 男性)


観ていて一番心に残ったのは「家族なのに理解し合えない苦しさ」でした。特に母親ベスの態度は冷酷で、観客の反感を買うものですが、その一方で彼女自身も悲しみから逃げているように感じられました。父親のカルヴィンが必死に家族を繋ぎ止めようとする姿には涙が出ました。心の傷や喪失を抱える「普通の人々」の姿をリアルに描いた名作だと思います。(30代 女性)


コンラッドが友人との会話や恋愛を通じて少しずつ回復していく姿に救いを感じました。冒頭は暗く重い空気に包まれていますが、彼の内面の変化が丁寧に描かれることで、観終わる頃には「人は立ち直れる」というメッセージが伝わってきます。母親の冷淡さと父親の不器用な愛情の対比も印象的で、家族の形を深く考えさせられる作品でした。(40代 男性)


この映画は、派手な演出ではなく静かな日常を通して心の闇を描き出している点が素晴らしいと思いました。兄の死をきっかけに崩壊していく家族の姿は痛々しくもありましたが、最後に父と息子が心を通わせる場面に救われました。ベスが家を出ていくという結末は悲しいですが、それが逆に「残された人々の再生」を象徴しているようで印象的でした。(20代 女性)


「普通の人々」というタイトル通り、誰の家庭にも起こり得る問題を描いているからこそ胸に迫ります。特に母親ベスの冷徹な態度は衝撃的で、愛されたい息子の思いが伝わってくるだけに辛いです。対照的に父カルヴィンが息子を理解しようとする姿には救いがありました。心に傷を負った人に寄り添うことの大切さを強く感じる作品でした。(50代 男性)


ロバート・レッドフォードの監督としてのデビュー作とは思えないほど完成度が高い作品でした。心理描写の細やかさや、沈黙の中に込められた感情の重みが圧倒的でした。コンラッドが精神科医バーガーと話す場面は特にリアルで、観客も彼と一緒に癒やされていくような感覚になります。重苦しさの中に希望を見出すラストに深く心を動かされました。(30代 男性)


兄の死という喪失をきっかけに、家族の隠されていた問題が表面化していくのが恐ろしいほどリアルでした。ベスの冷たさには苛立ちを覚えますが、それが彼女なりの防衛反応だと理解すると、また違う哀しみが見えてきます。父と息子が心を通わせる結末は、暗闇の中に差す一筋の光のようで救われました。家族というテーマを深く掘り下げた名作です。(40代 女性)


青春映画的な要素と重厚な心理ドラマが融合しているのがこの作品の特徴だと思いました。コンラッドの苦しみは若者特有の孤独感と重なり、多くの人が共感できると思います。母との確執や友人との距離感がとてもリアルで、観ていて胸が痛みました。最後に父親との絆を取り戻す場面は涙を誘い、人は支え合って生きていくのだと実感しました。(20代 男性)


観終わった後に「家族って何だろう」と深く考えさせられました。母ベスが冷たく見えるのは事実ですが、彼女自身も心を閉ざしてしまった被害者でもあると思います。父カルヴィンがそれに気づき、コンラッドに歩み寄るシーンは胸を打ちました。タイトルの「普通の人々」という言葉が、どこにでもいる人間の弱さと再生を示しているのが印象的でした。(50代 女性)


音楽や映像が派手ではない分、役者たちの演技力が際立っていました。ティモシー・ハットンが演じたコンラッドの繊細さは圧巻で、アカデミー賞受賞も納得です。重いテーマながらもラストには救いがあり、人間の強さを感じさせます。悲しみを抱えながらも前に進んでいく姿に、自分自身の人生を重ねてしまいました。静かに心に残る映画でした。(30代 女性)

映画『普通の人々』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『普通の人々』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

クレイマー、クレイマー

この映画を一言で表すと?

親子の絆と夫婦の別れを描いた、涙なしでは観られない家族ドラマ。

どんな話?

突然妻に出ていかれた父親が、幼い息子を育てながら仕事と家庭の両立に奮闘する物語。やがて妻が親権を求めて戻ってきたことで、裁判を通じて親子の愛情と家族の形が問われていく。日常の中での愛と別れがリアルに描かれる。

ここがおすすめ!

ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープの名演が光る作品。親子の何気ない日常が温かく、同時に別れの苦しみが鋭く突き刺さる。『普通の人々』のように、家族の複雑な感情に真正面から向き合いたい人におすすめ。

マイ・ライフ

この映画を一言で表すと?

死と向き合う父親が家族に残す、深い愛と人生の記録。

どんな話?

末期がんを宣告された父親が、生まれてくる子供のためにビデオメッセージを撮りながら、自分の過去と向き合っていく。妻との関係を修復し、やがて訪れる死に向かいながらも、残された家族に愛を伝えようとする感動の物語。

ここがおすすめ!

マイケル・キートンの演技が胸を打つ名作。死をテーマにしながらも、愛や家族の絆を前向きに描いている。『普通の人々』に共通する「喪失と再生」のテーマをより優しく温かい視点で感じられる一本。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

この映画を一言で表すと?

喪失と罪悪感を抱えた男が、再び家族と向き合う姿を描く感動作。

どんな話?

兄の死をきっかけに故郷へ戻った男リーが、甥を引き取ることになり、過去の悲劇と向き合う物語。過去の罪悪感に苦しみながらも、彼は新たな責任を背負い、少しずつ再生への一歩を踏み出していく。静かで力強いヒューマンドラマ。

ここがおすすめ!

ケイシー・アフレックの繊細な演技が心を打つ。大きな悲劇を抱えながらも、少しずつ人と繋がりを取り戻す姿は『普通の人々』と響き合う。静かな映像美と抑えた感情表現が深い余韻を残す傑作。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

この映画を一言で表すと?

理想と現実に挟まれた夫婦の愛の崩壊を描く衝撃の人間ドラマ。

どんな話?

郊外で「普通の生活」を送る若い夫婦が、互いの理想と現実の狭間で衝突を繰り返す。夢を追い続けたい妻と安定を求める夫の溝は深まり、やがて悲劇的な結末を迎える。アメリカ社会の「幸福の幻」を鋭くえぐる物語。

ここがおすすめ!

レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが『タイタニック』以来の共演で、圧巻の演技を披露。『普通の人々』同様、家庭の崩壊を通じて人間の弱さと社会の歪みを浮き彫りにする。観終わった後に深く考えさせられる作品。

アイ・アム・サム

この映画を一言で表すと?

知的障害を持つ父と娘の強い絆が描かれる、心温まる感動作。

どんな話?

知的障害を持つ父サムが、幼い娘ルーシーを育てるが、やがて彼の能力を理由に親権を奪われそうになる。裁判を通じて「親の愛とは何か」が問われ、父と娘が互いに成長していく。愛の力を真正面から描いた物語。

ここがおすすめ!

ショーン・ペンとダコタ・ファニングの名演が光る感動作。家族の形や愛の意味を考えさせられ、『普通の人々』のように「普通」の中にある特別さを再確認できる。優しさと涙に包まれる一本。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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