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映画『京城学校 消えた少女たち』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『京城学校 消えた少女たち』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『京城学校 消えた少女たち』の結末までのストーリー
  • 『京城学校 消えた少女たち』を見た感想・レビュー
  • 『京城学校 消えた少女たち』を見た人におすすめの映画5選

映画『京城学校 消えた少女たち』の作品情報

京城学校 消えた少女たち

製作年:2015年
上映時間:99分
ジャンル:サスペンス、ホラー
監督:イ・ヘヨン
キャスト:パク・ボヨン、オム・ジウォン、パク・ソダム、コン・イェジ etc

映画『京城学校 消えた少女たち』の登場人物(キャスト)

ジュラン/静子(パク・ボヨン)
肺結核で転校してきた少女。身体の気も弱いところがあるが、優しく穏やかな性格。
ヨンドク/カズエ(パク・ソダム)
級長でしっかりもの、運動が出来て東京への留学を夢見る。優しく主張できる信頼できる存在。
カトウサナエ(オム・ジウォン)
学校長。普段は優しく美しい女性だが、感情的になるところもあるミステリアスな女性。

映画『京城学校 消えた少女たち』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『京城学校 消えた少女たち』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【起】

1938年、韓国は日本による併合時代。
ソウル郊外の山中にある全寮制の療養学校では、身体の弱い少女達が暮らしていた。
ある日、また1人の少女が母親らしき人物に連れられてやってきた。
彼女の名前はジュランと言い、肺結核を患っている。

校長のカトウサナエという女性と挨拶を済ませると、ジュランは「静子」と名付けられ生徒が暮らしている大部屋へ案内された。
そこは無機質におかれたベッドと棚だけで、必要最低限のものしか無い。
ジュランは私物を始末するよう言われ抵抗すると、係の教員に「指導!」と言って頬を叩かれた。
部屋にいると現れたのが級長のヨンドク、日本名はカズエと言った。
ここでは韓国名の他に日本名をもらい、日本語も交えて生活しているようである。
学校の授業に参加したジュランは、そこでキヒラという少女に自己紹介する。
彼女達は朝鮮半島が書かれた布に桜の花を刺繍していた。
出来上がった布は日本に送られ、優秀な学校から日本への留学が許されるというのだ。

夜には教員が回り日本語で点呼を取る。
まだ日本語が言えないジュランは呆然としているが、ヨンドクが代わりに言ってくれた。
そして大きなあめ玉のような赤い薬が全員に配られ、飲まされるのだった。
これは免疫強化のためのものだと言う。

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映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【承】

転校して間もないジュランは、同級生から嫌がらせを受けることも多かった。
元々身体の弱い静子は体育の時間も身体がしんどく、サナエから体育の時間の前に点滴を打つように言われた。
それは病気療養のためのもので身体が元気になり、体育にも元気に参加出来るようになるというものだった。
ジュランは言われた通りに、毎回点滴を受けるようになった。

点滴の帰りキヒラと顔を合わせたジュランは、カズエとユカと仲の良かった静子という名の少女がいたことを聞いた。
カズエは仲の良かった静子がいなくなって以来、3人で行っていた秘密の地下室へ行くことは無かったがユカに内緒で静子を連れて行った。
そして「静子」と書かれた日記を渡し、日記をつけるように言う。
この日から2人は次第に心を通わせるようになっていく。

ある日のこと。
体育の時間で走り幅跳びをしている少女達だったが、カズエとユカがトップ争いをしている。
静子は咳き込みときおり血も混じる。
そんな虚弱な身体のせいでうまく飛ぶことが出来ない。
落ち込むこともあったが、ベッドの中でカズエがくれた静子と書かれた日記を開けてみることにした。
中は破られ、何も書かれていなかった。

映画『京城学校 消えた少女たち』のあらすじ【転】

少女達の食事が運ばれる時、同時に赤い例の薬も処方される。
その時、静子が「前にいた静子のことだけど」と小声でキヒラに話しかけた。
静子は以前、学校にいたという静子のことが気になっていたのだ。
しかし話しかけた直後、キヒラに異変が起きる。
突然静子に襲いかかり、首を絞め始めたのだ。
咄嗟にカズエが仲裁に入り難を逃れたが、静子は何が起こったのか分からなかった。

保健室で隣のベッドで寝ていた静子は起き上がり、キヒラに謝罪した。
前にいた静子の話を出したことで、気を悪くしたのでは?と考えたからだ。
しかしキヒラは全く覚えていなかった。

静子の体調はみるみる良くなり、体育も他の人と同じくらいの成績を出せるようになっていた。
しかしあの日を境に、奇妙なことが起こり始める。
生徒の1人が突然学校を辞めてしまい少女達が残念がっていた中、廊下を歩いていた静子は階段脇でその少女を目撃する。
たまたまそこに居合わせたキヒラも再び痙攣を起こし、静子は驚愕した。
急いで助けを求めにいったが、戻って来た時には2人の姿は無かった。
そしてキヒラも学校を去ったと校長から聞いた。

静子の体調は良くなるというのを通り越し、度を超し始めた。
今まで飛べなかった走り幅跳びが測定不能という数値まで行き、カズエを驚かせる。
その異様な様子にカズエも疑問を持ちだしたが、静子にはわからない。
しかも胸の動機と焼けるような重苦しいものが静子を襲うと言う。
カズエはひとまず誰にも言わないよう静子に言った。

映画『京城学校 消えた少女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)

静子は悩んだ末、校長に「体調が良いから点滴はもう十分だ」と話に行く。
そこで東京への留学の詳細についても聞いてみたが、校長は多くを語らない。
しかしその後、教室にやって来た校長は留学選考の結果2人を選んだと発表。
最初の1人は静子だった。
カズエとユカは自分たちが東京に行けると信じていた、そのせいでユカは静子に八つ当たりをし、暴力を振るう。
最初は抵抗していた静子だが、突然狂ったように怒り出し、片手でユカの首を絞め身体を持ち上げた。
自分の変化に戸惑う静子は、あの日記を読んだ。
すると破られたページの後に押し花が張られ、その他に静子という文字が紙いっぱいに殴り書きされているのを発見する。
そしてあのカズエと行った地下室に置いてある、ゴミ箱らしいイラストも描かれていた。

静子は気になり地下室に行く。
あの描かれていたゴミ箱をのぞこうとしているところに、カズエがやって来た。
そしてカズエは昔仲の良かった静子が、今の静子と同じように体調の変化に苦しみやがて痙攣しはじめたと話始める。
恐くなったカズエは静子をこのゴミ箱の裏に隠したのだと言うのだ。
しかし静子を助けようと戻った時には、もう彼女の姿は無く自宅に戻ったのだと後から聞いたのである。

その夜のこと。
カズエと静子は校長室に忍び込み、消えた少女の日誌を探す。
するとそこに校長と軍人らしき人物が入ってきた。
隠れた2人は盗み聞きをしている。
校長達の会話の内容は、投薬による人体実験という衝撃的なものだった。
校長の権限で薬を飲ませ、強靱な肉体に改造していたのだ。
そして校長が去った後、学校の記録映像で静子が研究対象に選ばれたことを知る。

絶望の中、ユカが自殺するという悲劇が起こり、どさくさに紛れて逃亡する静子とカズエ。
しかし校長と話していた軍人らしき男に見つかり、静子は撃たれてしまう。
先を急いだカズエが逃げ切った先で見た光景。
それは日本軍の旗だった。
学校の裏の谷底には、日本軍の基地があったのである。
そう、この少女達の人体実験は兵器としての人間を作っていたのだ。

撃たれた後連れ戻された静子は、「実験の大事な検体だ」と、校長に治療される。
校長は今こそ新薬を試すときだと言ったが、その新薬はまだ誰にも使われたことなど無い。
危険だと忠告する周囲を無視し、静子に投薬した。
すると目覚めた静子はもの凄い力を手にしてしまう。
ベッドから起き上がり、部屋を出た静子が見た物は、消えた少女たちの凍った遺体。
そして静子を助けに来て殺されたカズエの遺体もそこにあった。

怒り狂った静子は校長と軍人達を殺し始める。
彼女の力は想像を絶するものだった。
そして全てをやりぬいた静子はカズエの元に戻り、2人で抱き合って死ぬのだった。

映画『京城学校 消えた少女たち』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

日本人である私は、とても複雑な気持ちでこの作品を鑑賞しました。色々な政治や歴史的な事情は抜きにして、韓国という国が好きだし、芸能も料理も言葉も好きな物ばかりです。しかし、こういう作品を鑑賞するとふとした瞬間に日本と韓国の間にある大きな溝を思い出してしまいます。
韓国の少女たちが日本への留学を夢見ているのに、日本側は少女たちを人体実験の材料としていたという惨すぎるストーリーは本当に胸が苦しくなりましたが、一つの作品として出来上がっているので見て損は無い作品です。(女性 30代)


序盤は静かで美しい寄宿学校の雰囲気に引き込まれましたが、徐々に少女たちの異変が明らかになり、サスペンス要素が強まっていく展開に目が離せませんでした。特に、消えた少女たちの正体が人体実験の犠牲だったという衝撃の真相は、歴史的背景と重なって心に刺さりました。主役のジュランを演じたパク・ボヨンの演技が見事で、彼女の目線で物語を体験する感覚がリアルでした。美と恐怖が共存する秀作です。(20代 男性)


ミステリーかと思いきや、途中からホラー、さらに人体実験を扱う陰謀ものへと展開していく構成に驚かされました。寄宿学校という閉鎖的な空間が緊張感を高め、制服を着た少女たちの儚さがより物語を切なくさせています。少女同士の絆が描かれていたぶん、ユン・ドクが消えたときの絶望感が強く、その真相に涙が出ました。終盤のアクションシーンは想像以上に迫力があり、ジャンルの枠を超えた一作だと感じました。(30代 女性)


時代背景が1930年代の朝鮮ということもあり、単なるホラーやサスペンスとは違う重さを感じました。日本統治下で行われる非人道的な実験という設定がフィクションであってもリアルに感じられ、背筋が凍るような感覚でした。静かな演出の中に潜む不気味さがとても印象的で、特に廃墟のような地下施設の描写は鳥肌ものでした。ホラーが苦手な人でも観る価値のある、社会派な映画です。(40代 男性)


ビジュアルの美しさと物語の残酷さの対比がとても印象的でした。最初は友情や成長を描く青春映画のようなトーンですが、徐々に不穏な空気が漂い、少女たちが次々と消えていく展開には息を呑みました。パク・ボヨンの儚さと強さの演技が心に残ります。真相が明かされたあとの怒りと悲しみがリアルで、ジュランが立ち上がって復讐に向かう姿には鳥肌が立ちました。女性目線でも共感できるシーンが多かったです。(20代 女性)


静かな恐怖と緊張感に包まれた映画でした。特にジュランが次第に身体の変調をきたし、その理由が薬物による人体強化実験だったと明かされるシーンには驚愕。少女たちの無垢な存在が実験対象になるという設定があまりにも残酷で、観ていて胸が痛みました。背景にあるのは実際に起こりえた戦時中の非人道的行為であり、フィクションを通じてその恐ろしさが伝わってきました。重たいけど忘れられない作品です。(50代 男性)


ジュランの視点で進む物語がとても繊細に描かれていて、彼女の不安や恐怖が画面越しにも伝わってきました。特に、親友ドクとの関係が物語の核心になっていくところが切なく、友情があったからこそ真実にたどり着けた流れが良かったです。映像がとても美しく、静謐な寄宿学校の風景と音の使い方が秀逸。ジャンル的にはホラー・ミステリーですが、感情の深さに惹かれる人にはおすすめです。(30代 女性)


ストーリーの構成がよく練られていて、観ていて常に先が気になる映画でした。少女たちが徐々に消えていく理由が少しずつ明かされ、全体像が見えてくると同時に怒りがこみ上げてくる作りが上手いです。歴史的背景も相まって、「美しい学校」の裏にある恐怖がより現実的に感じられました。終盤でジュランが力を解放するシーンは圧巻で、これまでの抑圧に対する怒りが爆発したかのような演出にスカッとしました。(40代 男性)


韓国映画らしい社会批判と女性の強さが凝縮された一本だと思いました。ジュランという少女が、自分の運命と向き合い、怒りを爆発させて反撃する姿には力強さを感じました。音楽や照明などの演出も不気味さを高めており、映像の美しさも特筆すべき点です。時代設定があることでフィクションだけに見えないリアリティがあり、観た後もしばらく心がざわつきました。胸に残る、上質なホラーサスペンスです。(30代 男性)


ホラーやサスペンスだけでなく、戦時中の闇を映す社会派映画としても見応えがありました。閉ざされた寄宿学校の中で起こる異変に、観る側もジュランと一緒になって戸惑い、恐怖し、そして怒りを覚える展開が見事です。人体実験というテーマが重たく、史実とのリンクを想像してしまい、観終わった後もしばらく胸が重かったです。でも、それだけこの作品に訴える力がある証拠だと思いました。(50代 女性)

映画『京城学校 消えた少女たち』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『京城学校 消えた少女たち』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

母なる証明

この映画を一言で表すと?

愛が狂気へと変貌する、母と息子の衝撃のサスペンス。

どんな話?

知的障害を持つ息子が女子高生殺害の容疑で逮捕されたことをきっかけに、無実を信じる母親が真犯人を探し始める。やがて明かされる驚愕の真実に、観る者の道徳観が揺さぶられる。

ここがおすすめ!

『京城学校』と同様に、母性・少女・社会の闇を鋭く描く傑作。息もつかせぬ展開と、どこか詩的な映像美が印象的。正義とは何か、愛とはどこまで許されるのかを問う重厚なサスペンス映画です。

悪魔を見た

この映画を一言で表すと?

復讐が復讐を生み、やがて人間の本性がむき出しになる狂気のサスペンス。

どんな話?

婚約者を殺された男が、自らの手で加害者を追い詰めようとするも、その復讐が次第に倫理の境界を超えていく。加害者と被害者の立場が徐々に曖昧になる、衝撃のリベンジスリラー。

ここがおすすめ!

『京城学校』に通じる“静かな狂気”と“暴かれる真実”の構図が秀逸。容赦ない描写と心理戦の応酬が息を呑む展開を生み出し、観る者に強烈なインパクトを与えます。観終わった後の余韻が凄まじい作品です。

レディ・ヴェンジェンス

この映画を一言で表すと?

罪を背負った女が、静かに、そして美しく“復讐”を遂げる物語。

どんな話?

13年の刑期を終えて出所した女性が、濡れ衣を着せた男への復讐計画を密かに進めていく。刑務所での過去、娘との再会、そして綿密に張り巡らされた計画が交差し、終盤に向けて静かに盛り上がる。

ここがおすすめ!

美しい映像と冷たい復讐のギャップが際立つ傑作。『京城学校』の持つ“少女の怒り”や“抑圧からの解放”といったテーマとも重なり、特に女性の視点で強く響く作品です。

ある女子高生の告白

この映画を一言で表すと?

教室という密室の中で暴かれる“真実”と“嘘”の境界線。

どんな話?

女子高生の自殺をきっかけに、その周囲の生徒たちが抱える秘密や罪が暴かれていく。複数の視点で語られる構成により、ひとつの事件が様々な解釈を生み出していく心理スリラー。

ここがおすすめ!

『京城学校』のように“少女たちの心の闇”を描いた群像劇。ミステリーとしての構造も秀逸で、先の読めない展開に引き込まれます。静かな狂気が好きな方にぴったりの一作です。

ドリームハウス

この映画を一言で表すと?

家族の温もりに潜む違和感が、やがて“悪夢”へと変わっていく。

どんな話?

郊外の家に越してきた家族が、過去にその家で起きた一家惨殺事件に巻き込まれていく。父親が真相を探る中で、次第に自分の記憶や現実にも狂いが生じ始める。

ここがおすすめ!

『京城学校』と同様、表面的には美しく整った世界の裏に、何かが“隠されている”という構成が共通。緊張感あふれる展開と、ラストに向けて明かされる真実が衝撃的なサイコスリラーです。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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