映画『キャビン・フィーバー』の概要:2002年に公開された、イーライ・ロス監督のデビュー作。田舎町の森のロッジで休暇を過ごすことになった5人の若者たちが、皮膚が溶ける感染病の恐怖におびえ、疑心暗鬼になる様子を描いた。
映画『キャビン・フィーバー』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:ホラー、サスペンス
監督:イーライ・ロス
キャスト:ライダー・ストロング、ジョーダン・ラッド、ジェームズ・デベロ、セリナ・ヴィンセント etc
映画『キャビン・フィーバー』の登場人物(キャスト)
- ポール(ライダー・ストロング)
- カレンのことが好きな青年。黒髪に薄いひげを生やしている。仲間たちにも、カレンを想う気持ちはバレている。
- カレン(ジョーダン・ラッド)
- 金髪の女の子。ポールの気持ちに気付いているが、キス以上は許していない。
- バート(ジェームズ・デベロ)
- トラブルメーカーの青年。
- マーシー(セレナ・ヴィンセント)
- ジェフの彼女。赤毛の女の子。
- ジェフ(ジョーイ・カーン)
- マーシーの彼氏。金髪の青年。黒人差別用語を使う店主に嫌な顔をするなど、神経質な性格。
映画『キャビン・フィーバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『キャビン・フィーバー』のあらすじ【起】
5人の若者たちが、1週間の休暇を過ごすために田舎町を訪れた。
ロッジに着く前、立ち寄った店の前に話すことができない子供がいた。
その子供に噛みつかれたポールは、店の裏の川で傷口を洗って応急処置をした。
店主は、森に入るときは気をつけるように言った。
ロッジに着いて、マーシーとジェフのカップルはベッドで楽しむ。
ポールとカレンはキスをしていいムードになるが、カレンは誤魔化し逃げた。
森の中でエアガンを撃って遊んでいたバートは、間違って人を撃ってしまう。
だが、浮浪者のような恰好に、皮膚がただれて血を流す相手を見て逃げ出した。
キャンプファイヤーをしていると、グリムという男が仲間に入れてほしいとやってくる。
雨が降ってきたため5人はロッジに戻り、グリムはドラッグを取りに行った。
その後、バートが撃ってしまった男が助けを求めてロッジにやってくる。
バートは伝染病だと言い、ロッジに入れるのを拒む。
電話は通じなかった。
5人の車に逃げ込み、血を吐き暴れる男。
5人は身を守るために男に火をつけてしまった。
映画『キャビン・フィーバー』のあらすじ【承】
男は貯水池の中で命を落としていた。
翌朝、マーシーは助けを呼びに行くと言って、ロッジを出た。
ジェフとバートは、ポールに掃除を任せて出かけた。
車の修理工場の場所を尋ねるため、見かけた家に向かう。
そこでは中年女性が豚を捌きながら、病気の豚だと言って怒り狂っていた。
事情を話すと、無線でレッカーを呼ぶという。
修理工場は町にしかないらしい。
しかし、殺してしまった相手が女性のいとこのヘンリーだとわかり、慌てて逃げ出す。
マーシーは、無人の別荘を見つける。
すでにそこにいたジェフとバートと共に、ロッジに戻った。
ロッジには、奇妙な雰囲気の保安官代理のウィンストンが訪ねてくる。
事情を聞き、翌日の午後までにレッカーを寄越すと言って去っていった。
ポールとバートが車を洗っていると、グリムの犬が襲ってくる。
ロッジに逃げ込んだ2人は、カレン、マーシー、ジェフと今後について相談する。
一刻も早くロッジを出たいため、車を修理しようとする。
映画『キャビン・フィーバー』のあらすじ【転】
カレンが発病した。
ヘンリーと同じように皮膚が溶け始めていたのだ。
4人はカレンを別の建物に移動させ、お互いに初期症状が出ていないか確認しあった。
ポールは助けを呼びに行く。
ジェフ、バート、マーシーが無断で侵入した別荘で電話を借りようとするが、覗きをしていたと間違えられて追い払われる。
4人は疑心暗鬼になり、感染をひどく恐れるようになる。
やがて、バートは車を直すことに成功する。
カレンを連れて病院へ行こうとするが、カレンは車の中で血を吐く。
そしてバートも発病する。
仲間に見られないよう隠れて血を吐いたが、ジェフは車に乗ることを嫌がった。
バートはそのまま助けを呼びに行く。
カレンに触ったマーシーを拒絶し、ビールを持ってロッジを出るジェフ。
マーシーとポールは、絶望に駆られた勢いで寝てしまう。
しかしマーシーも発病し、ロッジの外に出て犬に襲われてしまった。
犬はカレンを襲い、様子を見に行ったポールにも襲い掛かる。
ポールはその犬を銃で撃ち殺した。
映画『キャビン・フィーバー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ポールは、ヘンリーの遺体が貯水池に浮かんでいるのを見つける。
確認しようとして自分も貯水池に落ちてしまうが、感染源が水だとわかる。
バートは最初に立ち寄った店で事情を話し、助けを求めるが、噛みつき癖のある子どもがバートにも噛みつく。
そして店にいた子供の父と仲間たちが、バートを殺そうと追ってくる。
逃げてきたバートから話を聞いたポールは、3人の男たちを殺してしまう。
しかしバートも撃たれて死んだ。
ジェフを探すポールは、感染して溶けたグリムの遺体を発見する。
店の人間たちが乗ってきた車を見つけ、町へと急ぐポール。
だが、ポールも発病してしまう。
鹿を轢いてしまい、車が動かなくなったポールは逃げ続け、病院に運ばれた。
しかし病院側は匙を投げ、治療は無理だと言った。
感染源を聞かれても、意識がもうろうとしているポールは話すことができなかった。
その後、ジェフはロッジに戻る。
水を飲まず、ビールだけを飲んでいた彼は発症していなかった。
しかし感染を疑う警官隊に殺されてしまった。
他の感染者の遺体がある水辺から水を汲み、地元の子供たちはレモネードを売り始めた。
映画『キャビン・フィーバー』の感想・評価・レビュー
イーライ・ロスはこういう悪趣味な作品を作るのが本当に上手いです。彼を知ったのは『グリーン・インフェルノ』でしたが、あの作品を初めて見た時の衝撃は今でも忘れられません。
そんな「鬼才」監督のデビュー作である今作は、原因不明の感染症とそれに怯える若者たちを描いた、ある意味パニックムービーでした。
皮膚が溶けてしまう感染症の描写はかなり刺激が強いので目を背けたくなってしまいます。感染源が分かったのに、それを伝えられないまま殺されていく若者たち。ラストの「レモネード」は思わず「もうやめて。」と言いたくなってしまうでしょう。(女性 30代)
ゾンビパニックとか、超常現象を想像していました。伝染病がじわじわと迫ってくる、現実的なホラー映画でした。イーライ・ロスが皮膚病を患った時の体験を元にしています。そのため、感染後の皮膚症状が妙に生々しく、グロテスクです。恐らくこれが原因か、と感染源を示唆するシーンが幾つもあるのが良いですね。次第に仲間内で、疑心暗鬼に陥っていく心理描写に見応えを感じました。キャンプ等、出先では飲み水に細心の注意を払いましょう。(女性 30代)
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