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映画『デリカテッセン』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『デリカテッセン』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『デリカテッセン』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『デリカテッセン』の結末までのストーリー
  • 『デリカテッセン』を見た感想・レビュー
  • 『デリカテッセン』を見た人におすすめの映画5選

映画『デリカテッセン』の作品情報

デリカテッセン

製作年:1991年
上映時間:100分
ジャンル:SF、サスペンス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
キャスト:ドミニク・ピノン、マリー=ロール・ドゥーニャ、ジャン=クロード・ドレフュス、カリン・ヴィアール etc

映画『デリカテッセン』の登場人物(キャスト)

ルイゾン(ドミニク・ピノン)
芸人。新聞の求人広告を見て、デリカテッセンを訪ねる。
ジェリー(マリー・ロール・ドゥニャ)
デリカテッセンで暮らす女性。誰もが自分のことばかりを考えて生きるようになってしまった時代で、他人に親切にする心を持つルイゾンに心惹かれる。
肉屋(ジャン・クロード・ドレフュス)
デリカテッセンの店主。求人広告を出して求職者をおびき寄せ、売り物の肉にしている。

映画『デリカテッセン』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『デリカテッセン』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『デリカテッセン』のあらすじ【起】

路地裏にある肉屋、デリカテッセン。店主が包丁を研ぐ音が響く中、ルイゾンは紙袋で作ったスーツを着込んでいた。耳を澄ます。配管から厨房の音が聞こえた。店主はまだ包丁を研いでいる。店の外にゴミ収集車が止まった。男は慌ててゴミ箱に潜り込んで、ゴミ収集車がゴミを回収するのを待った。男はゴミに紛れて店主から逃れるつもりだった。男が待機していると、ゴミ箱の蓋が開けられた。男は助かったと一瞬期待した。しかし、男を見下ろしていたのは肉屋の店主だった。肉屋は笑いながら研いだばかりの包丁を振り降ろした。

ある日、店主が店の掃除をしていると、仕事を探しているという男が訪ねてきた。男の名はルイゾンといった。新聞の求人広告を見たというが、店主は求人を出していないと白を切る。ルイゾンは住所を間違えたかも知れないといって帰ろうとしたが、店主はルイゾンを引き留めた。ルイゾンの体格と肉付きを調べたあと、店主は彼を住み込みで働かせることを決めた。何も知らないルイゾンは職と住処を手に入れたことを喜んだ。

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映画『デリカテッセン』のあらすじ【承】

肉屋が部屋を借りているビルのテナントの管理を任されたルイゾンは、掃除に励んでいた。天井のペンキ塗り、店の看板の修理。ルイゾンは懸命に働いた。ある日、ルイゾンが電球の交換をしていると、郵便屋がやってきた。郵便屋はルイゾンの部屋の上階で暮らすジェリーという女性に荷物を届けようとした。そこに、同じビルの他の階にいた住民がやってきた。郵便屋が持っている荷物が食糧だと勘付き、ビルの住民は郵便屋から荷物を奪おうとした。その場に居合わせたルイゾンは、騒動から荷物を守り、ジェリーに渡した。荷物が宛先に渡ったことを確かめた郵便屋は、肉屋の店主に、二日前、近所で銃殺された者の話をした。肉屋は、その死体はどこだと問う。肉屋は「奴ら」に食われたと話した。肉屋の店主と郵便屋は壁に貼られたトログロ団のポスターを睨み付けた。

ジェリーは郵便屋に届けてもらった食糧を一緒に食べないかとルイゾンを誘った。ルイゾンは花束を持参してジェリーの部屋を訪ねた。ジェリーは人々が自分のことばかりしか考えていないと嘆いた。ルイゾンは仕方ないと話す。最近は何も無い。配給の靴まで食べる奴が出た。そんな冗談がまかり通るほど、町は食糧難だった。近所の住民に嫌気がさしていたジェリーは一緒に引っ越さないかとルイゾンを誘った。引っ越してきたばかりのルイゾンはその話を断ったが、そそっかしいジェリーを放っておけないという思いもあった。

映画『デリカテッセン』のあらすじ【転】

肉屋の店主の妻に頼まれて、ルイゾンはスプリングベッドの修理をしていた。ルイゾンは、油差しの口を拭くのに使った新聞の記事に眼を留めた。トログロ団。肉屋の妻は誰も見たことがない無法者集団だと語った。町の不況も犯罪も、全てはトログロ団のせいにされていた。

肉屋は家賃を払っていない住民の部屋を訪ね、金の催促をした。しかし、住民は払う金がないと言う。ならば、義理の祖母を売れと肉屋は迫った。住民は、腹が減っているなら、最近雇った男を先に食べたらどうだと勧めた。

ジェリーは、肉屋がルイゾンを食うつもりで雇ったことを見抜いていた。ルイゾンに好意を持ったジェリーは肉屋に彼を逃がして欲しいと懇願する。しかし、肉屋がジェリーの願いを聞き入れることはなかった。

ジェリーは夜遅く、肉屋の目を盗んで下水道に向った。彼女はそこに潜んでいるトログロ団に、ルイゾンの救出を依頼した。返答を渋るトログロ団だが、ジェリーが肉屋の倉庫に沢山のトウモロコシが貯蔵されていると伝えると、彼らはジェリーの依頼を快く引き受けた。

映画『デリカテッセン』の結末・ラスト(ネタバレ)

人は悪くなく、状況が悪い。人は人を赦すべきだ。ルイゾンがジェリーにそう話しているのを盗み聞きしていた肉屋の店主は、心打たれ、改心しようとしていた。あなたのようなゲスな男が何をと妻は思い留まらせる。その晩、ルイゾンの前に現れ、本性を見せた肉屋。肉屋は包丁を手に、ルイゾンに襲いかかる。一方、ジェリーの依頼を受けたトログロ団はビルに潜入していた。トログロ団は男の部屋に忍び込みそこに居た人物を浚って下水道に戻った。しかし、彼らが連れ去ったのは別人だった。

肉屋の攻撃をかわしたルイゾンは、ジェリーと共に、部屋に籠城した。戸を家具で塞いだが外には肉屋と彼に従う住人が待ち受けている。ルイゾンはジェリーを連れて浴室に向った。水道管を壊し、浴室に溜められるだけの水を溜めて、肉屋が来るのを待った。何も知らない肉屋が部屋の戸を壊し、浴室のドアを開けるとそこから勢い良く水が流れ出て、肉屋たちを浚っていった。丁度、間違いに気付いたトログロ団がルイゾンとジェリーの前に現れ、二人を救助した。

映画『デリカテッセン』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

その後のジュネ(&キャロ)の作風が予見できる作品。徹底的に作り上げた世界観がクセになる。荒廃した近未来という時代設定だが、インテリアなど美術効果で古き良き時代のパリという趣がある。

アパートの住人たちは個性派揃いで、変な人たちばかり。後年の『ロスト・チルドレン』や『アメリ』でも見られるような“仕掛け”が盛りだくさん。ジュネ作品の常連ドミニク・ピノンがいい味を出している。音楽もいい。サントラも映画も何度もリピートしている作品。(女性 40代)


『デリカテッセン』というタイトルだけで食べ物をテーマにした作品かなと思ってきましたが、パッケージから怪しい様子が漂っていて、想像とは全く異なる作品でした。
食べ物がありふれていて、すぐに手にすることができる時代を生きている私たちは、食料がないから人の肉を食うなんて考えられませんよね。人のものを奪ったり、靴を食べることが当たり前のように起きている世界は見ているだけで苦しくなりました。
彼らに明るい未来が訪れるのか、正しい道を歩めるのか複雑な気持ちになりました。(女性 30代)


奇妙なアパートを舞台にしたこの映画、まずその世界観に圧倒されました。食糧難の中、人肉を食べるという設定はグロテスクですが、それをブラックユーモアで包み込んでいる演出が見事。音楽と映像のリズムが絶妙で、特に“ベッドのきしみ”に合わせた場面は最高でした。終盤の地下世界の解放感も秀逸で、皮肉と希望のバランスが絶妙です。(20代 男性)


ジャン=ピエール・ジュネとマルク・カロの独特なセンスが光る逸品。食人というショッキングな題材をここまで洒脱に描けるのは彼らだけだと思います。薄暗くて閉塞的なアパートの空気が見事に映像化されていて、どのシーンも“画”としての美しさがあります。愛と反逆、そしてユーモアの共存が素晴らしいです。(30代 女性)


若い頃に観て衝撃を受けた作品。時代を超えて観直してもなお色褪せないのは、映像と音楽、そして物語の背後にある風刺の力だと思う。あのアパートの住人たちの滑稽さと残酷さは、現代にも通じる。「笑えないけど笑ってしまう」この感覚がフランス映画らしくて好きだ。アートとしても完成度が高い。(50代 男性)


主人公ルイゾンの純粋さと、ジュリーとのロマンスがこの映画の救いだった。全体的にブラックで狂気に満ちているけれど、この二人の関係があることで物語に温度が生まれていた。グロテスクなテーマの中で、唯一光る“人間らしさ”が描かれていて、胸が締め付けられた。幻想的で怖くて、美しい映画。(20代 女性)


美術と衣装がとにかく素晴らしく、まるで舞台劇を観ているようだった。ユーモラスなのに緊張感がある演出がクセになる。見終わったあと、あのアパートの空気がしばらく離れなかった。人間の飢えと欲望、社会の歪みを寓話的に描いたこの映画は、フランスらしい知的なエンタメだと思う。(40代 男性)


こんなに不気味で愛おしい世界は他にないと思う。映像も音も、すべてが“計算されたカオス”。コミカルに見えて実はとても残酷で、でもそれを過剰に見せず、どこかファンタジーに包んでいる。特に地下のレジスタンスとの対比が面白かった。人間性と社会風刺をここまで詩的に描けるなんてすごい。(30代 男性)


高校時代に観て以来、大好きな映画のひとつです。アニメ的なキャラクター造形と実写の融合が面白い。マイムやパントマイムのような動きの演出も、映画というより舞台を観ている感覚でした。ユニークでちょっとグロくて、でもどこか温かい…こんな映画、今の日本ではなかなか作れないと思う。(10代 女性)


妻にすすめられて観たが、想像以上に深かった。冒頭の奇妙なテンポに戸惑ったが、徐々に引き込まれていく。食糧難、階級社会、管理主義といったメッセージが込められており、コミカルさの裏にある風刺がじわじわ効いてくる。芸術としても映画としても、完成された作品だと感じた。(60代 男性)

映画『デリカテッセン』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『デリカテッセン』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

アメリ(原題:Le Fabuleux Destin d’Amélie Poulain)

この映画を一言で表すと?

「日常をファンタジーに変える、色彩豊かなパリの物語」

どんな話?

パリのモンマルトルを舞台に、内気で空想好きな少女アメリが周囲の人々を幸せにしようと奔走する、心温まるヒューマンファンタジー。日常の小さな奇跡を、美しい映像とユーモアで綴る名作です。

ここがおすすめ!

『デリカテッセン』と同じジャン=ピエール・ジュネ監督作品。独特の色彩とカメラワーク、そして風変わりな登場人物たちが魅力的。ブラックユーモアとは対照的に、ポジティブでやさしい余韻を残します。

シティ・オブ・ロスト・チルドレン(原題:La Cité des enfants perdus)

この映画を一言で表すと?

「夢を盗む者と夢を見る者の、幻想と機械仕掛けの冒険譚」

どんな話?

夢を盗んで老化を防ごうとする男と、彼に立ち向かう少年と怪力男の奇妙な旅。蒸気と機械が支配する幻想都市を舞台に繰り広げられる、ビジュアル重視のダークファンタジー。

ここがおすすめ!

『デリカテッセン』と同じ監督コンビによる異色のSFファンタジー。重厚なセットと不気味なユーモアに満ちた世界観はまさに“芸術”。幻想と現実の境界を曖昧にするその映像美は、忘れられない体験になります。

未来世紀ブラジル(原題:Brazil)

この映画を一言で表すと?

「官僚主義と妄想が暴走する、ディストピア・ドリーム」

どんな話?

架空の管理社会で、小さな書類ミスがきっかけで人生が狂っていく男の悲喜劇。息苦しい社会の中で、主人公は夢と幻想の世界に救いを求めていく。テリー・ギリアム監督によるブラックユーモアの傑作。

ここがおすすめ!

『デリカテッセン』の持つ風刺性とビジュアルの奇抜さが好きな方に最適。管理社会の矛盾や人間の孤独を、シュールな演出で笑いと共に描き切っています。カルト映画好き必見の1本です。

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

この映画を一言で表すと?

「髭を剃るたび、人が消える。音楽と狂気が交差する暗黒ミュージカル」

どんな話?

無実の罪で投獄された男が、理髪師としてロンドンに戻り、復讐のため殺人を始める。その死体は、パイとして販売されていた——。ティム・バートンによるゴシックな復讐劇。

ここがおすすめ!

人肉×ユーモアという点で『デリカテッセン』と通じる一作。映像の美しさ、音楽のセンス、そしてジョニー・デップの怪演が光る。ダークでロマンチックな世界観がクセになります。

ホーリー・モーターズ(原題:Holy Motors)

この映画を一言で表すと?

「人間の“演じる”を巡る、奇妙で詩的な1日」

どんな話?

1人の男が1日のうちにさまざまな人物になりきり、別々の人生を“演じる”旅に出る。現実と虚構、人生と映画、そのすべてが曖昧になっていく実験的作品。

ここがおすすめ!

『デリカテッセン』の奇抜さが好きな人なら、この作品のカオスと美しさも刺さるはず。映画という媒体そのものを問い直す構造がユニークで、観終わったあとにじわじわくる余韻が魅力。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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