映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の概要:ハロウィン・タウンの主、ジャックがある時”クリスマス”という存在に出会い、人生が大きく変わり始める。そのミステリアスかつ美しい世界観で、ティム・バートン作品の中でも人気が高い一作。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の作品情報
上映時間:76分
ジャンル:ファンタジー、ホラー、アニメ
監督:ヘンリー・セリック
キャスト:クリス・サランドン、キャサリン・オハラ、ウィリアム・ヒッキー、ダニー・エルフマン etc
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の登場人物(キャスト)
- ジャック・スケリントン(クリス・サランドン)
- 誰もが恐れ敬うハロウィン・タウンの主。皆を驚かせることを生き甲斐としていたが、ある日”クリスマス”というものに出会い憧れを感じるようになる。
- サリー(キャサリン・オハラ)
- フィンケルスタイン博士に作られた生きる人形。ジャックに恋心を抱いている。
- ブギー(ケン・ペイジ)
- ハロウィン・タウンに住む、ジャックすらも警戒心を抱く大悪党。
- サンディ・クローズ(エド・アイヴォリー)
- クリスマス・タウンのサンタクロース。”クリスマス”に目をつけたハロウィン・タウンの住人によって拉致されてしまう。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のあらすじ【起】
クリスマスやニューイヤー、そしてハロウィンなど、人々が待ち遠しにしている祝日。昔、とある場所に祝日の国という場所がありました。その中にあるハロウィン・タウンという場所では、毎日がハロウィンです。そこの住民達は人間を驚かせたり、または住人同士驚かせあい、いつまでも続くハロウィンを楽しんでいました。
そして、そんなハロウィン・タウンでリーダーとされているのがカボチャの王、骸骨のジャック・スケリントンです。ジャックは日々奇想天外なアイデアで住人を驚かせ続けます。しかし、ジャックは似たような事が繰り返される毎日に、少しウンザリしていました。ジャックは、自分の見たことのない新しい世界に憧れを持ちます。
そんな時、ジャックは偶然他の街へと続く扉を見つけます。そしてその内の一つを潜ったジャックは、信じられない光景を目にするのでした。それは色とりどりの光やプレゼントに溢れた世界。そこはクリスマスの為の街、”クリスマス・タウン”でした。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のあらすじ【承】
そこでは子供を驚かせようと潜んでいる化け物もおらず、ただただ笑顔が溢れていました。自分の街にはない暖かな光景に、ジャックの心は大きく惹かれます。そして自分もクリスマスを楽しみたいと考え、ハロウィン・タウンへと帰ったジャックはクリスマスに関しての猛勉強を始めました。
ジャックは翌日、街の住人を招集します。そして、ハロウィン・タウンでクリスマスを行う大計画を発表するのでした。住人はジャックの指示のもと、機械のトナカイを作成したり、クリスマスソングを覚えたりとクリスマスに向けての準備を始めます。そしてもう一つ、”サンディ・クローズ”を誘拐してくるという大きな仕事がありました。サンディ・クローズがいなければ、クリスマスは成立しないからです。
ジャックもサンディ・クローズを目にした事はありませんが、あんなにも素晴らしい街の主なのだから、きっと恐ろしい人物に違いないと考えます。そんな住民の様子を、怖々と伺っている存在がありました。ジャックに恋をする、サリーという命を持った人形です。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のあらすじ【転】
そして、ハロウィン・タウンの子供達が見事サンディ・クローズの誘拐に成功しました。見るも恐ろしい姿を予想していたジャックは、白い髭を蓄えた老人の姿に拍子抜けし、これなら自分にも出来ると考え始めます。そこでジャックは、サンディ・クローズの衣装を作って欲しいとサリーに依頼するのでした。
サリーは「何だか不吉な事が起きる気がする」とジャックを止めますが、ジャックは聞く耳を持ちません。そして、カボチャの王は見事にサンディ・クローズに変身したのでした。自分がサンディ・クローズになると決めた今、本物のサンディ・クローズは既に用済みでした。
ジャックは子供達に彼をクリスマス・タウンまで返すように伝えますが、子供達は彼をクリスマス・タウンではなく、ブギーの元に連れて行きます。ブギーとは誰もが恐れるハロウィン・タウンの大悪党で、子供達はサンディ・クローズを連れて行きブギーに気に入られようと考えたのです。その他の準備も着々と進み、とうとう夜がやってきました。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジャックは自作のプレゼントをソリに積み、愛犬ゼロと共にそれに乗り込みました。いよいよ、ジャックのクリスマス・イブが始まろうとしていたのです。ジャックはサンディ・クローズの代わりに、クリスマス・タウンの住人達に次々とプレゼントを贈ります。しかし、プレゼントの内容はハロウィン・タウンの住人が喜ぶようなもの、つまりは生首など人を驚かせるものばかりです。
子供達は恐怖し、街はパニックに陥ります。そんな様子を見て、ジャックは決して悪気があったわけではありませんが、自分がした事が間違いだった事に気がつくのです。そしてクリスマス・タウンに本当のサンディ・クローズを返そうとブギーの元へ向かうのでした。
その頃、ブギーはサンディ・クローズを拷問しようとしていました。ハロウィン・タウンの王の座を独占され、ジャックを憎んでいたブギーとサンディ・クローズを助けたいジャックは一騎打ちとなります。そして激しい戦いの末、ジャックが勝利を収めるのでした。サンディ・クローズは無事にクリスマス・タウンへと帰り、そしてジャックは改めてハロウィン・タウンの王として活躍を誓うのでした。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の感想・評価・レビュー
ティム・バートンのテイストが色濃く出ている作品で、彼が大好きな人ならば誰でも心にくる作品である。主人公のジャックの悩み事は、現実世界でも起こり得るもので、日々のマンネリを打開しようと奮闘する姿には元気をもらえる。ハロウィンとクリスマスを融合するなんて誰も思いつかないかもしれないが、ジャックはそれをやってのけてしまうのだ。不気味で可愛らしいキャラクター達が織りなす世界観に浸っていると、ついつい自分も仲間であるような錯覚に陥ってしまう。見終わった後も、心地よい愉快さが心に沁みわたる作品である。(女性 20代)
全体的には暗い印象だが、不気味な風貌の中にもどこか明るさを感じられるキャラクター達。ハロウィンタウンという街並も名前の通り、ちょっと異質な作り。他に類を見ない世界観がとにかく魅力的といえる。ジャックの常識外れな行動も、結局は誰かを喜ばせたいという彼なりの想いがあってこそ。何度見ても引きこまれてしまう。又、ティムバートンの別作品「コープスブライド」も、ナイトメアの世界観が好きな方は是非観て頂きたい。(男性 30代)
ティム・バートンと言えばこれですね。
ブラックファンタジーというか、オカルトファンタジーというか、あのおどろおどろしい世界観が最高です。
とにかくキャラクターがかわいい。
特にロック、ショック、バレルの3人組、ジャックの愛犬ゼロが好きです。
その昔、フィギュアが欲しくて奔走し、高すぎて買えなかったことを思い出します。
当時、映画界にもおもちゃ界にも旋風を巻き起こした作品です。
ホーンテッドマンションはいまやジャックが支配しているし、いつまでも愛され続ける名作ということは間違いないでしょう。(女性 40代)
世界観が独特であり、ティム・バートンの色が濃く出た作品である。元々このような世界観が合わない人にとっては、お金の無駄だと感じてしまうかもしれない。しかしハマる人には必ずハマる作品だろう。不気味というマイナスな言葉がこの映画にとっては褒め言葉である。不気味で気味が悪いのだが、キャラクターの魅力が最大限に描かれている。この不気味さとチャーミングさの対比にこそ、製作者の力量が表れていると感じた。個人的には大好きな作品である。(男性 20代)
みんなの感想・レビュー
本作の監督はティム・バートンだと勘違いしている人がたくさんいます。確かに、本作はティム・バートンの世界観を忠実に再現しており、ティム・バートンそのものだといえるんですが、彼はあくまで制作を担当したにすぎないんですね。監督のヘンリー・セリックは職業監督に徹し、ティム・バートンの世界観を表現するために奮闘した、ということなんです。
ティム・バートンの芸術家としての才能を堪能できる映画ですね。彼が映画界に入ってくれて本当に良かった。芸術家としても間違いなく成功を収めていたでしょうから、数々の名画を作ってくれてありがたいです。本作のような映画は、彼にしか作れませんからね。
私は秋・冬になると必ず本作を観ます。何度観ても新鮮な演出と世界観。ウギー・ブギーの凶悪さは何度観ても痛快ですし、オープニングの「ディス・イズ・ハロウィン」は涙がでるほど素晴らしい。ミュージカルとしてもアニメーションとしても満点です。ジャックが丘に立つシーンも感動的ですし、見どころがたくさんあって楽しいですよ。ティム・バートンは本作を含め3本のストップモーションアニメを制作していますが、ナンバーワンは間違いなく本作です。