映画『NEXT ネクスト』の概要:2007年公開アメリカの映画。作家フィリップ・K・ディックの小説「ゴールデン・マン」を映画化したもの。監督はリー・タマホ。監督作として「007 ダイ・アナザー・デイ」が有名である。主演は名優ニコラス・ケイジでプロデューサーも兼任している。
映画『NEXT ネクスト』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:SF、ラブストーリー、アクション
監督:リー・タマホリ
キャスト:ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーア、ジェシカ・ビール、トーマス・クレッチマン etc
映画『NEXT ネクスト』の登場人物(キャスト)
- クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)
- ラスベガスでマジシャンをしている。生まれつき自分の関係する2分半先の未来を予知出来る力を持っている。その力がFBIにばれてしまい、核爆弾のテロを防ぐよう協力を求められる。出会った事の無いリズの未来を見た事で、リズに対して運命を感じている。
- カリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)
- FBI捜査官。ラスベガスのカジノでクリスが予知能力を持っていると知る。核を使ったテロを防ぐための捜査の指揮をとっており、クリスの力を使い事件解決へと奮闘する。
- リズ・クーパー(ジェシカ・ビール)
- 先住民族の慰留地で教師の仕事をしている。クリスがヴィジョンで見ていた女性で、彼が良く行くレストランで出会う事になる。最初はクリスに対して警戒していたが、彼の性格や立ち振る舞いに惹かれていく。
映画『NEXT ネクスト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『NEXT ネクスト』のあらすじ【起】
ラスベガスで売れないマジシャンをしているクリス。彼はいつものように行きつけのレストランで朝食を取っていた。ふと、時計を見ると8時9分。クリスはそれを見ると入口を見るが、特に何も起こらない。
彼には未来を予知する能力があった。しかし、その能力は彼に関わる2分半先の未来に限られている。しかしこのレストランで朝の8時9分に来る女性の事は、どんな時でも見る事が出来た。クリスはそのまだ会ったことのない女性に会う為に、毎日レストランへ通っているのだった。
クリスは未来を予知する力で、様々なトラブルを避けてきた。しかし、その力を悪用する事はなく売れないマジシャンをしつつ、カジノで小遣い稼ぎをする毎日を過ごしていた。
そんなクリスをFBIは監視していた。この監視の担当をしていたフェリスはクリスが予知能力を持っているのではないかと疑っており、クリスの力はFBIが追っている事件解決の大きな力になると感じていた。フェリスが担当しているもう1つの事件は、ロシアから盗まれた核爆弾の行方を突き止める事だった。
クリスはその日も予知能力を使い、カジノで小遣い稼ぎをしていた。カジノの警備主任がクリスを見てイカサマをしているのではないかと疑い、クリスを拘束しようとするが既にその未来を予知していたクリスは、チップを換金してカジノから出ようとしていた。
その時、一人の男が換金所に近寄ってきて警備主任と女性を撃ち殺し、金を持って逃げていく未来を予知する。クリスはその男に飛び掛かり銃を奪った。その場面を警備主任が見ており、勘違いでクリスを撃とうとする。クリスはその場から逃げ、駐車場に停めてあった車を盗み逃げる事にする。
警備主任の所に事情を聞きに来たフェリス。警備主任の話を聞き、予知能力が本物だと確信を持つ。ロシアから盗まれた10Kトンの核爆弾がアメリカに持ち込まれた事件を解決するには、クリスの力が必要だと改めて思うのだった。
映画『NEXT ネクスト』のあらすじ【承】
FBIから逃げて家についたクリスは、フェリスが自分を追ってくることを予知する。フェリスもその事を予測し、クリスがいないと思い乗り込むと。クリスは逃げずにフェリスを待っていた。フェリスはなぜ逃げなかったのかクリスに問う。クリスはフェリスが何の目的で自分を追うのかを聞きたかったと答える。フェリスはクリスの予知能力を見抜いていることを伝え、その力をロシアの核爆弾捜索の為に使ってほしいと協力を仰いだ。
クリスは幼い頃に、この予知能力のせいで実験体にされた過去があった。その為、FBIや国の機関に不信感を持っていたのだ。フェリスはこの話を断るのであれば、クリスを逮捕して連行すると言った。
という場面までクリスは予知していた。フェリスの目的が分かったクリスは、フェリスが来る前に家を後にした。
映画『NEXT ネクスト』のあらすじ【転】
クリスは翌日、いつものレストランへと来ていた。ヴィジョンに現れる女性を待っていたのだ。8時9分、女性がやって来た。ついにクリスの前にその女性が現れた。クリスはあらゆる未来を見て、彼女に好意を持ってもらおうとするがどの未来も失敗する。諦めかけた時、一人の男がレストランへと入ってきて女性に詰め寄る。クリスはその瞬間、新しい未来を予知する。女性を庇って男に殴られる事で女性と接点を持つことに成功するという未来だ。それを実行し、クリスはヴィジョンの女性リズと仲良くなる事に成功した。
クリスはリズに車が盗まれてしまったので、乗せて送ってくれないかと頼む。リズは自分の用事の後でいいならとクリスを車に乗せて走り出した。クリスが去った後にフェリスがそのレストランを訪れ、クリスの情報を聞き出し追おうとする。その時に、同僚からクリスを追う新しいグループが現れたとの情報が入る。
場面は変わりアメリカの港。数人の男たちが荷揚げをしている。このグループがフェリスの追っている核爆弾を使ったテロ組織だった。男たちは港で、密輸した核爆弾に信管をセットした。このグループのボスはクリスの存在を知っており、計画の邪魔になると感じていた。その為、クリスの殺害を計画していたのだ。
クリスとリズは、先住民族の慰留地へと来ていた。リズはこの場所で教師をしているとクリスに伝える。クリスは先住民族の子供たちに手品を見せてあげた。その帰り道、クリスとリズは大雨に遭ってしまう。道路が通れないと知った二人は、崖の上に建つモーテルへと泊まる事を決める。その頃フェリスは、クリスとリズの居場所を突き止め二人を追ってすぐ側まで来ていた。
テロ組織に関する捜査が完全に行き詰まり、フェリスは焦っていた。もはやこの事件を解決へと導くのはクリスの予知能力しかないと感じていたのだ。その焦っているフェリス率いるFBIをテロ組織は監視していた。
モーテルで朝を迎えたクリスとリズ。眠るリズの横顔を眺めながら、クリスはこれから起こる大変な出来事を予知していたのだった。
映画『NEXT ネクスト』の結末・ラスト(ネタバレ)
目が覚めたリズが朝食の用意をしようとモーテルの外に出ると、フェリスがリズに話しかけてきた。フェリスはリズに、クリスは妄想癖のある犯罪者だと伝え逮捕に協力してほしいと伝える。そしてリズに睡眠薬を渡し、クリスと会ってから2分後に飲ませるよう指示を出してモーテルへと向かわせた。リズは言われた通りに睡眠薬を飲ませようとするが、クリスが薬を飲む寸前に止めた。リズはクリスに全てを打ち明けた。それを聞いたクリスは、リズに予知能力が出来る事を証明し逃げるように指示を出す。その指示とは、クリスが囮となって出て行った後に車や木材を崖の下に落とすというものだった。
作戦通りに動くリズとクリス。しかしフェリスがクリスを追って来るという誤算が生じてしまい、フェリスが木材の下敷きになってしまいそうになる。それを間一髪のところで助けたクリス。そこでFBIに身柄を拘束されてしまう。
FBIに連行されたクリスはニュースを延々と見せられて、核爆弾が爆発する場所を特定させられていた。そのニュースの未来予知のなかで、リズが爆弾をセットされて爆発する予知をしてしまう。
リズが殺されると知ったクリスはFBIを抜け出す。現場に向かう途中にフェリスに会ったクリスは、リズが殺されてしまうと伝える。それを聞いたフェリスは、クリスに協力すると告げ共に現場へと向かった。部隊と合流した二人はテログループがいる港へと行き、クリスの予知能力で追い詰めていく。
リーダーの男を射殺しリズを助け出す事に成功したクリス。しかし核爆弾は見つからない。フェリスは地図をクリスに渡し、核爆弾を見つけてもらおうとする。その時クリスの中で違和感が生まれる。その違和感が何なのか考えようとした時、少し離れた場所で核爆弾が爆発し全員死亡してしまった。
次の瞬間、クリスはリズと朝を迎えたモーテルに立っていた。核爆弾が爆発したのはヴィジョンで見た光景だったのだ。新しく生還するルートを予知するクリス。リズの顔を少し見つめると、外で待っているであろうフェリスの元へ自分から出向くのだった。
映画『NEXT ネクスト』の感想・評価・レビュー
自分に関わる事だけなら2分半先まで予知できる能力は便利だと分かる作品。
単純な未来を見通す能力だけじゃなく、それを見た上で主人公が対処する演出は見応え充分である。
特に序盤でカジノから逃げ出す演出は主人公の持っている能力を最大限に引き出している。
自然に振る舞っているようで、相手の隙を寸分違わない動きでかわしていく様子は見ていても気持ちがいい。
最終的に能力の限界を超えた予知を発揮するが、それこそ初めて主人公が愛する人を守りたいという強い想いが成した事だと分かり、そのオチには納得させられた。(男性 30代)
ニコラス・ケイジ主演のSFアクション映画。未来を予知することが出来る青年が世界を脅かす危機に立ち向かう姿を描く。
主人公・クリスが世界を守るためFBIとその能力を駆使し、危険な目にあいながらテロに立ち向かうわけだが、自身が初めて愛する人を守りたいという想いから奮闘する姿に心打たれる。ラストで核爆弾が爆発、バットエンドかと思いきや壮大な未来予知であったという演出は作品の主題をうまく利用している。(男性 20代)
みんなの感想・レビュー