映画『コラテラル』の概要:数多くの代表作を持つトム・クルーズが、そのキャリアの中で唯一悪役を務めた話題作。そのキレのあるアクションで、絶対的に逃げ場のない恐怖感を観る者に与えさせる。
映画『コラテラル』の作品情報
上映時間:120分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:マイケル・マン
キャスト:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ etc
映画『コラテラル』の登場人物(キャスト)
- ヴィンセント(トム・クルーズ)
- マックスのタクシーに乗り込んできた謎の男。実は殺し屋で、マックスを巻き込み次々と標的を殺していく。
- マックス(ジェイミー・フォックス)
- タクシー運転手。ある日ヴィンセントを乗せてしまったことで大事件に巻き込まれる。
- アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)
- マックスがのせた検事。マックスと話が弾み、彼に名刺を渡す。
- ファニング(マーク・ラファロ)
- 突如起きた連続殺人の調査を担当している刑事。
映画『コラテラル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『コラテラル』のあらすじ【起】
タクシー運転手をしているマックスは、いずれ自身のリムジン会社を立ち上げるという夢がありました。そんな夢を語りながら、マックスはアニーという検事を乗せました。彼女との話は思いの外弾み、マックスはアニーから名刺を手渡されます。その次にマックスが載せた男は、ヴィンセントという顔立ちの整った男でした。随分裕福に見えるヴィンセントは、マックスに600ドル支払うので一つ頼みごとがしたいと提案しました。
ヴィンセントに指定されたビルの裏口で待機していると、なんとタクシーの屋根に1人の男が降ってきたのです。慌てて飛び出してみると、ラモンという男は既に何者かに殺され生き絶えた後でした。そしてラモンを殺した人物こそが、ヴィンセントだったのです。
ヴィンセントは実は殺し屋で、マックスを脅しラモンを運ばせます。マックスは、最早ヴィンセントの共犯として仕立て上げられつつありました。そしてヴィンセントは、マックスに次なる仕事場へ連れて行くように命じます。
映画『コラテラル』のあらすじ【承】
ヴィンセントには、殺しを依頼されている複数名のターゲットがいました。次の仕事場へと無理やり連れてこられたマックスは、ここに待っていろ、とヴィンセントに手をハンドルに括り付けられます。ヴィンセントがいなくなった隙に、マックスはクラクションを鳴らして助けを呼びますが、代わりにマックスの元を訪れたのはそこら一帯を根城とする強盗でした。
強盗はマックスの財布だけでなく、ヴィンセントが後部座席に置いておいた仕事用のブリーフケースも盗み出そうとします。そんな時、戻ってきたヴィンセントが強盗を射殺し、3人目のターゲットの元へと向かわされるのでした。
一方、ファニングという刑事がラモンの殺害現場に落ちている薬莢と血液に目をつけ、この事件の裏にいるであろう人物を追い求め始めます。一方、マックスはヴィンセントに脅されながら3人目のターゲットがいるとあるバーに同行させられていました。そしてそのターゲットも、マックスの目の前でヴィンセントによって殺されてしまったのです。
映画『コラテラル』のあらすじ【転】
マックスはヴィンセンに一泡吹かせてやろうと、彼の隙をついて彼の仕事道具であるブリーフケースを車から投げ捨ててしまいました。ブリーフケースがないと仕事ができないヴィンセントは怒り、マックスに依頼社であるフィリックスから新しく資料を受け取ってくるよう命じるのでした。
一方で、刑事ファニングは一連の事件を調査し、マックスこそがこの事件の審判に、そして通称ヴィンセントと呼ばれる殺し屋なのではないかと疑い始めます。そして、事件の被害者がフィリックスという男の関与が疑われている事件の証人であることに気がついたのでした。そして事件のもう1人の証人であるリムの保護に走りますが、ヴィンセントもリムを狙っていました。
2勢力は現場で鉢合わせ、ファニングはマックスが犯人ではないことに気がつきますがその矢先ヴィンセントに殺されてしまいました。怒ったマックスは、わざと自分の乗っている車を横転させ、ヴィンセントを止めようとしました。傷を負ったヴィンセントでしたが、何とかその場から逃げ出します。
映画『コラテラル』の結末・ラスト(ネタバレ)
その事故現場に警察がやってきて、ヴィンセントがトランクに押し込めたラモンの死体を発見しマックスを逮捕しようとしました。しかし、マックスはフィリックスから新たに手に入れた資料から、ヴィンセントの次のターゲットがあのアニーである事を知ったのです。
マックスは警官を脅し、アニーを助けるべく走り出しました。まだ仕事場にいたアニーはマックスから連絡を受け、急いでその場から逃げ出そうとしますがヴィンセントに逃げ道を封じられてしまいます。マックスはアニーの仕事場に駆けつけ、アニーを連れて必死にヴィンセントから逃げ続けます。
地下鉄に乗り込んだ2人を、執拗にヴィンセントが追い続けます。そして、警察から奪った銃を使い、マックスとヴィンセントは車内で銃の撃ち合いとなりました。そして、マックスの銃弾は見事ヴィンセントの腹部に命中、ヴィンセントは車内のシートに座り込み、静かに息をひきとるのでした。マックスはアニーを連れ、静かに電車を降りて行きました。
映画『コラテラル』の感想・評価・レビュー
長編映画は基本的に2つ以上のドラマが同時進行するように脚本が作られている。本作の場合は、主人公と殺し屋のドラマ・主人公の密かな夢のドラマ・ヒロインとのドラマの3つだ。そしてそれぞれの絡め方が脚本の出来不出来に影響してくるが、本作は圧倒的にうまくいっている。特にトム・クルーズ演じるヴィンセントが、実現できていない主人公の夢に対してチクチク言ってくる部分は、主人公のヴィンセントに対するイライラと自分への劣等感を同時に加速させるという意味で、物語の強力な推進力になっている。
トム・クルーズが単なる美形アクションスターだと思っている人は、本作の悪役っぷりを見て、彼がいかに役者として優れているかを是非とも知ってほしいと思う。(男性 30代)
トム・クルーズ主演のサスペンス映画。たまたま殺しの現場を目撃したタクシー運転手と殺し屋の姿を描く。人気スター、トム・クルーズが悪役を務め話題となった。
なすすべも無く殺し屋の言いなりになるタクシー運転手の恐怖感が伝わってくる演出も見事だが迫力のあるアクションシーンはトム・クルーズならではの作品。また、脇を固める名優ジェイミー・フォックス、マーク・ラファロ、ハビエル・バルデムにも注目。(男性 30代)
トム・クルーズが悪役としてハマりまくっていた作品。
マイケル・マン監督の映画はポイントごとに街の俯瞰が入れられているが、今回もロサンゼルスのきらびやかではない夜の街を見せつつ、派手なアクションというよりも言葉の掛け合いでじわりじわりと迫ってくるスリルを見せてくれた。
その中でもガツンとくるような展開に、最後まで全然飽きさせない、どうなるかわからないラストには脱帽。持っていかれました。
俳優陣の演技がさすがにしぶい。マーク・ラファロのあんな若々しい演技が見られるのなんてレアだなと嬉しくも思える映画でした。(女性 30代)
トム・クルーズは凄味があって、悪役の演技が様になっていた。けれども、やっぱり善人を演じて欲しいなと思う自分もいて、複雑な思いのまま作品を見ていた。
マックスは良い人で、たまたまヴィンセントを乗せただけなのに、騒動に巻き込まれるのが可哀そうだった。ラストに向けて盛り上がりを見せ、マックスはどうなるのか、ヴィンセントは全ての仕事を成功させて逃げ切るのかハラハラさせられた。最初の殺害現場でのヴィンセントの淡々とした表情と、マックスの慌てている表情が対照的で印象に残っている。(女性 30代)
トム・クルーズが白髪まじりの悪役という珍しい作品です。これまでの作品で彼はずっとヒーローだったので、とても新鮮です。髪色も非常によく似合っていて、インパクトがあります。大物俳優が最後の最後で死ぬ映画は中々ないので、最後も「そういう終わり方なんだ!」と驚きました。
タクシー運転手役のジェイミー・フォックスもとてもいい味を出しています。こういった映画に出てくる巻き込まれ役は、ストーリーの中でいつも案外高いスペックを持ってますよね。(女性 30代)
トム・クルーズはこういう悪役もかっこよく演じてしまうのだと驚いた作品でした。映画に登場するヒーローよりも悪役が好きな私。トム・クルーズ演じるヴィンセントにもどハマりしました。殺し屋なのにかっこよくて、ラストシーンはこんなにあっさり死んでしまうのかと悲しくなりました。しかし、静かに1人で眠るように死んでいくのが彼らしく、最後の最後までかっこよかったです。
マックスを演じたジェイミー・フォックスも事件に巻き込まれる不運なキャラクターをとても上手く演じていました。(女性 30代)
トム・クルーズというとなんとなく正義の側の中心人物的な役のイメージが強いが、今作では珍しく(?)悪役。冷徹ではあるがどこか茶目っ気もあるのはさすがだ。そしてジェイミー・フォックス、こちらもちょっと頼りなげなところがある役がなんとなく新鮮。基本この2人の深夜のドライブが中心となる。後半ジェイミー・フォックスがトム・クルーズの台詞をなぞりだすあたりからの変化が見所だ。単なる善悪を超えて人が人に与える影響って面白いなぁと思わせてくれる1本。(男性 40代)
みんなの感想・レビュー
マックスは実にいい奴だね。アニーと結婚してリムジン会社を立ち上げられたらいいね。