映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の概要:あの、社会的現象までになった伝説のアニメ、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」が総集編となって劇場版アニメーション化。1人の少女の死によってバラバラになった少年少女たちの再会と成長を描いた物語。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ、アニメ
監督:長井龍雪
キャスト:入野自由、茅野愛衣、戸松遥、櫻井孝宏 etc
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の登場人物(キャスト)
- 宿海仁太(入野自由)
- 超平和バスターズのリーダー格だった少年。5年後の世界では引きこもりになっている。
- 本間芽衣子(茅野愛衣)
- 外国の血が入っている為に周囲から浮いていた少女。不幸な事故から命を落とす。
- 安城鳴子(戸松遥)
- 周囲から勘違いされやすい少女。長年じんたんの事を想っている。
- 松雪集(櫻井孝宏)
- かつてめんまに想いを寄せていた。現在は進学校に通うエリート。
- 鶴見知利子(早見沙織)
- ゆきあつと行動を共にする少女。常にクールで知的な人物。
- 久川鉄道(近藤孝行)
- 人一倍恵まれた体格と、広い懐を持つ。じんたんに憧れていた。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のあらすじ【起】
無邪気な子供は、時に残酷なものです。めんまこと本間芽衣子は周囲から浮いた小学生でした。それは彼女に外国の血が入り、周りと違った碧色の目、そして銀色の髪の毛をしているからです。自分たちと違った外見を持つめんまを、周りの小学生たちはからかい半分で虐めていました。
しかし、そんな彼女の前にとある少年が立ちはだかります。彼の名前は宿海仁太、周りにじんたんと呼ばれるリーダー格の少年でした。じんたんはめんまにも分け隔てなく接し、自分たちのグループで一緒に遊ぼうと誘います。めんまは、じんたんと一緒にいる、あなること安城鳴子、ゆきあつと呼ばれる松雪集、つるここと鶴見知利子、ぽっぽこと久川鉄道と仲良くなります。
彼らは「超平和バスターズ」というグループを結成し、毎日楽しく過ごしていました。しかしある日、とある事から彼らの秘密基地から飛び出しためんまが足を滑らせ、川へと転落してしまったのです。そして、めんまはそのまま帰らぬ人となりました。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のあらすじ【承】
その突然のめんまの死は、彼らの生活を一変させました。あれ程集まっていた超平和バスターズでしたが、それからというもののどうしても重い空気に包まれるようになり、次第に自然消滅という形を辿っていました。
そして、それから5年の月日が経過しました。あれから、超平和バスターズの面々はそれぞれ違った道を辿っていました。ゆきあつとつるこは近所でも有名な進学校に進み、一番細く弱虫だったぽっぽは大柄な青年になり、色々な場所を旅しています。あなるは、周りからすると”不良”と呼ばれる存在になっていました。そして、かつて彼らのリーダー格であったじんたんは、何と引きこもりになっていました。母親の死、そして受験の失敗によって腐ってしまった結果です。
父親に見守られながら毎日を堕落的に過ごしていたじんたんですが、ある日信じられない事が起こります。何と、5年前に死んだはずのめんまが幽霊としてじんたんの眼の前に現れたのでした。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のあらすじ【転】
突然現れためんまに、当然じんたんは動揺を隠しきれません。するとめんまは、昔と全く変わらない明るい笑顔を見せ、「私のお願いをみんなと叶えて欲しい」とじんたんに頼みました。しかし、困った事にめんま自身にもその”お願い”を忘れてしまったのです。ただ、じんたんに何かを叶えて欲しかったということだけを覚えているのでした。
めんまが指すみんな、とは超平和バスターズの事です。じんたんは押しの強いめんまに折れ、渋々かつての仲間に会いに行く事にしました。しかし、最初に会ったつることゆきあつはじんたんの事を信じてくれません。それもその筈、めんまの姿はじんたんにしか見えないのです。最初からじんたんの事を信じてくれたのはぽっぽだけでした。
しかし、じんたんがゆきあつとめんましか知らない秘密をめんまに聞き、言い当てた事で周りも少しずつじんたんを信じるようになります。そして、めんまを成仏させる為に彼女のお願い事を叶えてあげようと皆で考え始めるのでした。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の結末・ラスト(ネタバレ)
めんまのお願いの手がかりを得る為、一行はめんまの過去の日記に目を通しました。そしてそこに書かれていた、みんなで花火を上げたいという事こそが彼女の願いだと考え、超平和バスターズ全員で花火を作り打ち上げて見せました。これでめんまは成仏できる、そう思った面々でしたが、めんまは変わらずそこに立っていました。めんまの願いでは無かった、と肩を落とす一行ですが、一方のめんまは肝心のお願いの内容を思い出していました。
それは、「じんたんがもっと泣いたり笑ったりできるように」というもの。かつてじんたんの病気の母親が言っていた言葉でした。そして、その願いは既にこうして超平和バスターズが再結集した事で叶えられているのです。その事に気がついためんまの身体は、少しずつ透けていきます。めんまが成仏する時がやってきたのでした。
めんまは全員に「隠れんぼだよ」と告げ、一行は必死にめんまを探しました。そしてめんまが消える最後の瞬間、全員の目にめんまが映ったのです。「みーつけた!」という全員の必死な叫びに、めんまは笑って「見つかっちゃった」と返し、消えていったのでした。
映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の感想・評価・レビュー
同名TVアニメを総集編として再構成し映画化したもの。死んだはずの少女が現れたことでかつてのかつての仲間たちが再び絆を取り戻していく物語。
TVシリーズを見ていたファンにとっては、「総集編」と聞くと本編に比べ、内容が薄くなってしまうため敬遠されがちだが、本作は新作カットとして主要人物のその後が描かれているため、むしろTVシリーズを見たファンにこそ見てもらいたい。また本作では各主要人物ごとにスポットをあてた編集でキャラクターの掘り下げを行っており、感動を再び感じることが出来る。(男性 20代)
幼い頃の可愛い仲間たちから、少し成長して大人になった仲間たちの状況や感情など、あらわにしており、とても見やすかった。めんまの姿は変わらず幼い頃のままであり、姿が消えてしまう瞬間はほっと安心するのと、悲しく寂しい気持ちが募った。めんまの願い事は簡単な事のように思えるが、とても難しく、心に突き刺さった。映画を通して、自分達が当たり前と思ってしていたことが、実はとても大切なことであり、それを改めて考えさせられた。(女性 20代)
TV版を観ていないので、最初はキャラクターの設定も分かりませんでしたが、それぞれの思い出や想いが徐々に語られて、本作だけでも充分楽しめた作品でした。じんたんのお母さんとめんまが約束した時の、「絶対じんたん泣かせる!」のセリフにはちょっと笑っちゃいました。男女間で友情を保つのは難しいのかもしれませんが、いつも友達と笑っていためんまは、自分の死で友達がギクシャクしてしまったのが悲しかったのでしょうね。(女性 40代)
TVシリーズからの大ファンです。
ラストは怒涛の涙腺崩壊必至。
じんたんがめんまの姿が見えなくなって取り乱し、見えたと思ったらみんなにも見えるようになって。めんまからみんなへの手紙もしゃくり上げながら泣きました。
総集編なら観なくてもいいかなと思いましたが、新たなシーンが追加されているということでワクワクして観ました。
要点もコンパクトにまとめられていて初めて観るなら映画版でもいいのではないでしょうか。(女性 40代)
原作ファンからするとこの作品を映画にまとめるのは不可能だと思っていて、実際見るとやはりアニメ版の総集編と少し新しいシーンという感じになり、想像はしていたが残念だった。
観るたびにこのシーンのここが好きだなと思い出しながら感動でき、絵もとても綺麗なので何度見ても全く飽きないで観れてその点はよかった。
ラストに向かうまでも何度も泣けるのだが、ラストは止めたくても止まらないくらい涙が出るので、ハンカチを持って観ることをおすすめする。(女性 20代)
もし、大切な人が急に亡くなってしまったらひと目でもいいから、幽霊でもいいから会いたいと思いませんか?大切な人への強い思いが起こした奇跡を感じる作品でした。
この作品の舞台だと言われている観光地は私の地元です。作品のヒットに肖って各地でキャンペーンをおこなっています。作品の存在自体はもちろん知っていましたが、アニメ作品ということもあり未鑑賞でした。
これは絶対に見るべき作品。ZONEが歌うあの主題歌も胸に響きました。(女性 30代)
テレビシリーズを見た人にとっては、少し物足りないかなという印象でしたが、その後の生活が少し覗き見ることが出来て楽しかったです。
昔好きだった女の子が幽霊として自分の前に現れる。天真爛漫な彼女に揺さぶられながら人として成長していく男の子、ラストが泣ける感動の物語。
もしも亡くなった人が、自分のもとに戻ってきてくれたら…、気持ちを伝えることが出来たなら…。そんな過去の後悔の中を生きる彼がどんな選択をするのか。最近心が枯れていると感じる人におススメです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
テレビシリーズの総集編と言ってしまえばそれまでだが、主人公たちが少し未来から本編を振り返るという形で語られる。よってテレビシリーズを見た視聴者は、「あの後こんな風になったんだ」と、キャラクター達の元気な姿を見て安心することができた。
人物ごとにエピソードが並べられているので、初見でも理解しやすいが、テレビシリーズを見た人なら感動の積み重ねが弱い気がするのも事実だ。とはいえ、暴力的なまでに泣きの演出が入ってくるので、気づいたら泣いてしまっている自分がいる。過剰演出に抵抗感が出る人がいるのも否めないが、「脱水症状に注意」な作品だ。
連続テレビアニメのダイジェスト+アルファなので、確かにこれだけじゃ分からないかな?と思う部分はある。それでもテンポ良く纏められたこの作品は、脳内の記憶を自然に引出し、展開が分かっていても感動してしまう。大事に作られたダイジェストだという印象。
こういう「あの夏」の振り返り方こそ、登場人物達の振り返り方に近いのかも。
そして美しく描かれた舞台の秩父、狭い盆地に住宅が密集して寺社仏閣が点在・・・最高です。
ここ最近で一番泣いた映画。終盤はずっと涙が流れていた。
子供たちの友情と絆はこんなにも綺麗なものなのかと、改めて気づかされた。ここまで純粋に友達のことを想えるのは、登場人物たちの年頃までかなと思うと、少し寂しくなった。
この映画の特徴はそれぞれのキャラクター全員に感情移入してしまうことだ。全員の感情や心の中が透き通って見えるようにわかりやすい。深く考えなくても必ず泣けるし心に響く、良い映画だった。
TVシリーズは観ていません。話題になってるから観てみようか、くらいの軽い気持ちで観てみたら、自分でも驚くほど泣かされました。特に終盤のかくれんぼのシーンは映像もセリフも素晴らしい。大人達は自身の幼少期を重ね合わせて、涙なしには観られないでしょう。
登場人物たちのアダ名が良いところ突いてます。小学生の頃はあんな感じで呼び合っていたなぁと懐かしくなりました。