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映画『ハッピーエンドの選び方』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ハッピーエンドの選び方』の概要:発明好きな老人が重病の友人のために作ったのは、イスラエルの法律では許されていない安楽死のための装置だった。ベネチア国際映画祭観客賞を受賞した、イスラエル発のヒューマンドラマ。

映画『ハッピーエンドの選び方』の作品情報

ハッピーエンドの選び方

製作年:2014年
上映時間:93分
ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ
監督:シャロン・マイモン、タル・グラニット
キャスト:ゼーヴ・リヴァシュ、レヴァーナ・フィンケルシュタイン、アリサ・ローゼン、イラン・ダール etc

映画『ハッピーエンドの選び方』の登場人物(キャスト)

ヨヘスケル(ゼーブ・リバシュ)
老人ホームで妻と暮らす男性。ちょっとした発明をするのが趣味。末期症状で入院中の友人のため、安楽死装置を発明する。妻の事を心から愛している。よく娘のノア・孫のリビーと夫妻で会っている。
レバ-ナ(レバーナ・フィンケルシュタイン)
ヨヘスケルの妻。夫の発明品の愛用者だが、安楽死装置には反対の立場をとっている。認知症の症状があり、少しずつ悪化してきている。認知症になる前は料理が得意だった。
ヤナ(アリサ・ローゼン)
ヨヘスケル夫妻の親友で、同じホームに暮らす女性。夫のマックスが重病で死の床にあり、早く死にたいと望む夫の願いを叶えるため、ヨヘスケルに安楽死装置を発明してもらう。
ダニエル(イラン・ダール)
ヨヘスケルと同じホームに住む男性。元獣医で同性愛者。優しい性格で、ヤナの依頼した安楽死計画に協力する事となる。
ラフィ(ラファエル・タボール)
ヨヘスケルと同じホームに住む男性で、ダニエルの恋人。元警官で、ホームには妻と住んでいる。逮捕を恐れて非協力的だったが、ダニエルのために計画に参加する。
マックス(シュムエル・ウルフ)
ヤナの夫。末期の重病患者で、ずっと病院に入院している。ひどい苦しみに安楽死を望んでいる。

映画『ハッピーエンドの選び方』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ハッピーエンドの選び方』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ハッピーエンドの選び方』のあらすじ【起】

イスラエルにあるアフバト・バティキーム老人ホーム。ここに発明好きの老人ヨヘスケルと、愛する妻レバーナが住んでいた。彼らには親友のマックス&ヤナ夫妻がいたが、マックスは末期の病で入院しており、ひどく苦しんでいた。「もう死にたい」と思いながら生き続けなければならないマックスとそれを見守るしかないヤナに、ヨヘスケルとレバーナは心を痛めていた。イスラエルでは、安楽死は法律で禁止されているからだ。ヤナはマックスに薬を大量に飲ませようとするくらいに思いつめていた。

ヤナは夫を安楽死させてあげるため、ヨヘスケルや同じホームに住む元警官のラフィ、元獣医のダニエルらに頼んで回る。するとダニエルが塩化カリウムのビンを取り出した。遺伝のため78歳で死ぬだろうと考えていたダニエルは、双子の弟と自殺用に塩化カリウムを用意していたが、事故死した弟の分が余っていたのだ。ヨヘスケルは得意の発明で、安楽死装置を作り出す事を思いつく。

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映画『ハッピーエンドの選び方』のあらすじ【承】

マックスの安楽死についてヨヘスケル、ヤナ、ダニエルが相談していると、レバーナが怒って部屋に飛び込んできた。レバーナは安楽死計画に反対だったのだ。レバーナは取り乱し、目の前にいる夫の事もわからなくなってしまう。彼女は以前から認知症の症状が出ており、それが悪化したのだった。

ついにマックスの安楽死計画を実行に移す日が来た。恋人であるダニエルが法を犯すことに大反対だったラフィも、ダニエルだけを逮捕させないようにと計画に参加する。ヨヘスケル、ダニエル、ラフィ、ヤナが見守る中、マックスは自分の安楽死への意思をビデオに残し、装置のスイッチを押した。麻酔で眠ったマックスの体に塩化カリウムが流れ込み、マックスは安らかになくなった。

レバーナは自分の意思がある内にと、認知症専門の施設への入所を検討していた。マックスは自分にも相談しなかった事に怒る。マックスの葬式では、「ヤナがマックスを殺した」といううわさがまことしやかに流れていた。

映画『ハッピーエンドの選び方』のあらすじ【転】

ヤナがマックスを安楽死させたといううわさを聞きつけた老人ドゥベクが、肺がんの妻を安楽死させてほしいと頼みに来た。ことが公になる事を恐れたヨヘスケルたちは、彼の頼みを断る。しかしドゥベクはホームの前でいつまでも待っていた。次の日のニュースでとある老人男性が重病の妻を殺し自殺したと知り、ヨヘスケルたちは罪の意識にさいなまれる。その老人がドゥベクではないことがわかり、ヨヘスケルたちは彼の妻に安楽死装置を使う。

レバーナの認知症は日に日にひどくなっていた。オーブンをつけっぱなしにしたり、ゴミ箱の残飯を食べてしまったり、食堂に裸で来てしまったりといった具合で、レバーナ自身も自分の行動にショックを受けていた。レバーナとヨヘスケルは認知症専門の施設を見学するが、患者たちの様子にさらに落ち込んでしまう。そんなレバーナを、ヤナたちは自分達も裸になって元気付けた。

老人ホームから弟の住む共同村に移ったがん患者・ゼルダから安楽死の依頼が来た。しかし装置が壊れ、ゼルダは安楽死をあきらめる。弟の申告により、ラフィがヨヘスケルたちに内緒で「安心料」として金を取っていたことが判明する。ダニエルはラフィを責め、ラフィは仲間内から離脱する。

映画『ハッピーエンドの選び方』の結末・ラスト(ネタバレ)

レバーナは1人でマックスたちが死の間際に残した安楽死の意思表示ビデオを見ていた。彼女もまた、安楽死を考え始めていたのだ。しかしヨヘスケルはレバーナを死なせる事など決してできないと考えていた。レバーナとヤナが話しているのを目撃したヨヘスケルは、レバーナがヤナに安楽死を頼んだのではと思いヤナを責め立てる。ヨヘスケルもまた、レバーナの気持ちを知っていて悲しみ悩んでいたのだ。

レバーナはヨヘスケルが外出している隙きに、大量の薬を手に入れ、飲み干した。ヨヘスケルが部屋に戻ると、レバーナはベッドで寝ている。いつもどおり発明用机で新しい発明品に取り掛かったヨヘスケルだったが、何かがおかしい事に気づき、レバーナを起こそうとする。レバーナは救急車で運ばれ一命を取り留めた。しかしヨヘスケルの発見が一歩遅ければ死ぬところだった。

ヨヘスケルはついにレバーナの安楽死を決意する。ヨヘスケルは壊れた安楽死装置を直し、ダニエル、ヤナと病室へ向かった。最後のビデオに自分の思いを残したレバーナは、ヨヘスケルに最後のキスをするのだった。

映画『ハッピーエンドの選び方』の感想・評価・レビュー

とても考えさせられる映画である。老人ホームにいる人達が、まるで家族のように相談に乗ったり、時には間違いを指摘したりと、仲の良さが全面に出ていた。友人の安楽死を叶えるために、装置を発明したヨヘスケルの器用さや、強い想いも共感した。計画は成功し、また安楽死を希望する人が現れたりと、法律では禁止されているが、現実では安楽死を求めている人達がいるという事実も明らかになっていた。認知症の妻が自殺しようとしたところを発見し、なんとか命を助けたが、自らの意思で安楽死させた最後のシーンがとても感動した。(女性 20代)


人生の最期をどう生きるのか。自分が直面している問題ではなくても、とても考えさせられる作品になっている。大切な人たちのための発明が思わぬ方向に向かってしまうが、より良いものを人のためにと、自らの力を出し惜しみしないヨヘスケルと仲間達が繰り広げる、笑いと涙があふれる物語だ。自分で最期を選ぶというのはどういうことなのか、そしてそれは果たして正しいことなのか。人々が望むものと、望みを叶えるまでの葛藤が、とても興味深い内容に仕上がっている。(女性 30代)

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