映画『ソウル・キッチン』の概要:冷凍食品ばかり出す「ソウル・キッチン」のオーナー兼シェフのジネスは、恋もビジネスも不運続きの冴えない男。しかし凄腕のアル中シェフと服役中の兄がやって来て、店は生まれ変わっていく。料理と音楽が心を満たす、ドイツ発のヒューマン・コメディ。
映画『ソウル・キッチン』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ファティ・アキン
キャスト:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、ビロル・ユーネル、ウド・キア etc
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映画『ソウル・キッチン』の登場人物(キャスト)
- ジノス・カザンザキス(アダム・ボウスドウコス)
- 大衆食堂「ソウル・キッチン」のオーナー。自ら古い倉庫を改装し、厨房にも立つが、出す料理は温め直した冷凍食品。人が良く、いつも一生懸命だが、間が悪く運も無い。
- イリアス・カザンザキス(モーリッツ・ブライブトロイ)
- ジノスの兄。服役中で、仮出所中の自由を得るため、弟の店での就労許可を取る。ギャンブル狂いで、お調子者だが、犯罪者という身を恥じている。
- ルチア・ファウスト(アンナ・ベデルケ)
- ソウル・キッチンのウェイトレス。ドイツに不法滞在中で、絵描きを目指している。気が強く、媚びない女性。音楽やダンスが好き。
- ナディーン・クルーガー(フェリーネ・ロッガン)
- ジノスの恋人。実家は大金持ち。仕事で上海へ渡り、ジノスとはTV電話を通じた遠距離恋愛になる。店のことで手一杯になるジノスに業を煮やし、上海へ来るよう訴える。
- アンナ・モントシュタイン(ドルカ・グリルシュ)
- 理学療法士の女性。ぎっくり腰をおこしたジノスが助けを求めた。ほほ笑みを絶やさず、ジノスの治療にあたり、彼を支える。
- シェイン・ヴァイス(ビロル・ユーネル)
- 腕は立つが、酒癖の悪いシェフ。客と揉め、レストランを首になったところでジノスと出会いスカウトされる。ソウル・キッチンのメニューを料理と認めず一新し、ジノスにも料理を教える。ナイフ投げが得意。
- トーマス・ノイマン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)
- ジノスの同級生で、不動産会社社長。違法なやり方で金儲けをする、汚い男。ソウル・キッチンの土地を狙っている。ブロンドの美女が好き。
映画『ソウル・キッチン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ソウル・キッチン』のあらすじ【起】
ドイツ・ハンブルグにある大衆食堂「ソウル・キッチン」。大層な店名とは裏腹に、オーナーのジノスが提供するのは温めただけの冷凍食品だ。店の一角には元船乗りの老人が間借りし、ジャンクな味を好む客たちに支えられ、何とか店を続けている。
ジノスの生活は、ここのところトラブル続きだ。恋人のナディーンは特派員として上海へ行ってしまうし、壊れた店の食洗器を持ち上げようとして、無保険なのにぎっくり腰になってしまう。さらに、仮出所中の兄イリアスを店で雇う羽目になったうえ、求職中の酔っぱらいシェフ・シェインを雇ったところ、腕は確かだが客の嗜好に合わず、店には閑古鳥が鳴いている。しかも、滞納した税金を取り立てに来た役人に、大事なステレオを取り上げられてしまった。
ジノスは、恋人を失うのが一番怖かった。店をたたみ、上海行きを考える。そこへ出会ったのが、かつての同級生ノイマンだ。彼は今、不動産業で成功していた。ソウル・キッチンの土地を気に入ったノイマンから売却を持ちかけられても売る気にはなれないが、ジノスは店を貸しに出したいと思い始めた。
映画『ソウル・キッチン』のあらすじ【承】
理学療法士のアンナに習った腰痛体操を真面目に行いながら、店とナディーンの間で苦しむジノス。追い打ちをかけたのが、店の土地を狙うノイマンだ。ノイマンは食中毒を偽り、衛生局に店を告発していた。ソウル・キッチンは、ジノスが自ら配管をした質素な調理場をタイル張りの床とステンレスの調理台に入れ替えない限り、営業停止だ。
しかし店に客は来ず、代わりにウェイターのバンドマンがリハーサルを行い、ファンが集まって来る。空腹になったファンが試しにシェインの料理を頼んだところ、その味は格別だった。その日はたくさんの皿が振る舞われ、賑やかに店仕舞いをする。そんな中、イリアスは自分をこき使うルチアが気に入った。
閉店後、兄弟とルチアはクラブへ出かけ、彼女に良い所を見せようとしたイリアスがDJから機材を盗むというトラブルを起こしてしまう。ジノスはジノスで、口止めされていた兄の前科について、酒の勢いでルチアに告白してしまった。ルチアはさして気にしなかったが、そのまま彼女のアパートで眠り込んでいたところ、明け方電話をかけて来たナディーンに浮気を疑われてしまったジノス。いよいよ上海行きを決断せねばならず、ルチアに店を託そうとするが断られ、兄への譲渡を考え始めた。
映画『ソウル・キッチン』のあらすじ【転】
ソウル・キッチンの料理は、次第にファンを増やしつつあった。きっかけは、近くに開校したミュージカルスクールだ。ソウル・キッチンで行われた入校パーティーは、気の利いた音楽と料理に大盛り上がりだった。ジノスはシェインに料理を習い、ルチアとイリアスはフライヤーを配って歩く。売り上げはうなぎ上りで、衛生局の再検査では、ぴかぴかの厨房をお披露目した。
しかし、ルチアに兄の秘密を言ったことが本人に知られてしまい、イリアスは店に来なくなってしまう。さらにナディーンは上海どころかチベットへ行くと言い出す始末で、ジネスは店と部屋を兄に託し、すぐさま上海へ飛ぶと決めた。兄とは仲直りし、店では急きょジネスの送別パーティーだ。シェインが特別に腕をふるい、デザートには催淫効果のあるホンジュラスの木を混ぜ込んだ。パーティーは盛り上がり、ちょうどやってきた税務署の女性税理士シュスターにも現金で一括納税をし、一安心するジネス。しかしホンジュラスの木を混ぜすぎたのか、パーティーはいつしか乱交の場に変わり、イリアスとルチアは店の裏へ消えた。そして土地を売らないジネスを罵りに来たノイマンはシュスターを抱いて写真に撮り、翌朝正気に戻ったシュスターは、ノイマンの名をしっかり覚えて帰って行った。
役所での申請も済ませ、スーツケースを引き空港へ向かうジネス。しかし、その空港で、ジネスは男連れのナディーンに出くわした。祖母の葬式のため、上海で出会った恋人と帰国したらしい。慌てて預けた荷物を取り戻すが、スーツケースを持ち上げた衝撃で立ち上がれなくなってしまった。椎間板ヘルニアだ。大金を出して手術するか、全身マヒになるしかない。
ジネスは鎮痛剤で痛みをごまかしながら、部屋へ戻った。そして中国語の本やナディーンとTV電話をしていたパソコンを台所で燃やした。すると部屋ごと燃えてしまい、帰宅した兄とホテルへ避難することになってしまった。店にも刑務所にも行かず、部屋に来た兄に驚いたジネス。なんとイリアスは、真面目に店を切り盛りしていたのも束の間、ノイマンとのカード勝負に負けて店を明け渡す契約を交わしてしまっていたのだ。
映画『ソウル・キッチン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジネスは、店を取り戻す事に決めた。役所で登記が書き換わるには、時間がかかるはずだ。彼は兄とその手下を誘い、ノイマンの会社に忍び込んだ。そして兄のサインがある契約書を見事盗み出したが、ヘルニアでよちよちとしか歩けないジネスは、駆けつけた警察にあっさりと捕まってしまう。
ジネスが連行されていると、逃げたはずの兄が自ら警察の前に姿を現した。そしてイリアスは全ての罪をかぶり、ジネスは解放された。出所したジネスはアンナに泣きつき、整体師のトルコ人を紹介され、荒療治でヘルニアを治してしまう。そしてバラバラになった従業員達を探すが、シェインは移動サーカスのナイフ投げ師に、ルチアはバーテンダーに、ルッツはスケートリンクの従業員になってしまっていた。しかし、ルチアは兄に会いに行ってくれているし、シュスターに目をつけられたノイマンは脱税の罪で囚人の仲間入りだ。
ジネスが一人で店に戻ると、そこには強制競売のチラシが貼ってあった。競売日は、今日だ。ジネスはナディーンの元へ走った。彼女は祖母の死で我を忘れていたが、今はジネスを裏切ってしまったことを恥じ、ジネスも彼女を許し友人になっていた。ジネスは資産家の祖母の遺産を継いだナディーンに事情を説明し、20万ユーロを借りた。
小切手を握りしめ、何とか競売に参加するジネス。値は、あっという間に20万ユーロに吊り上がった。すると、その場にいた店の間借り人の老船乗りが怒りだし、20万の値をつけた投資家に罵声を浴びせ始めた。彼はすぐさま退出を命じられたが、暴れた拍子に飛んだシャツのボタンが、投資家のミントタブレットに混ざり込んだことには誰も気が付かなかった。ジネスはポケットを漁り、20万15ユーロを叫んだ。投資家はボタンを飲み込み、彼がむせ返っているうちに、店はジネスが競り落とした。
たくさんの食料を買い込んで店に戻ったジネスは、シェイン仕込みの腕で料理を始める。デザートには、ホンジュラスの木をほんの少し混ぜ込んだ。そして店の入り口に貸切の札をかけ、招待したのはアンナだ。時はクリスマス。ジネスとアンナは、ジネスの魂のこもった料理とロマンティックな夜を、二人きりで楽しんだ。
映画『ソウル・キッチン』の感想・評価・レビュー
ディスコミュージックの如く、何か深いテーマがあるわけではないがどこか心躍るお話。その音楽も普段あまり馴染みのないドイツのものならば、ありがちなストーリーでもちょっと違って響く。
タイトルの「ソウル・キッチン」は劇中に出てくるレストランの名前だが、初めはその名前とはうらはらに冷凍食品を盛り付け直して出しているだけの店だった。それが最後には主人公が手作りの料理を作るようになっているあたりにほっこりする。
前述の通りストーリーはありきたりだが、響く音楽はノリ良く楽しい。サウンドトラックもお勧め。(男性 40代)
少しだけ呆れながらも思わず笑ってしまう、楽しい作品だった。大事なところでいつも腰を痛めてしまう、ジノスのキャラ設定がおもしろい。自分も腰を痛めたことがあるので笑っている場合ではないのは理解できるのだが、間が悪いところに思わずクスっとしてしまう。出てくる料理が、本当に美味しそう。お腹が空くので、料理を用意して見ることをおすすめしたい。ジノスが一生懸命頑張っている姿に、自然と応援する気持ちが沸いてくる。心が満たされるストーリーだった。(女性 30代)
仕事も恋も上手くいかなくて、なんだか最近災難が続くな…と言う時にぜひ見てほしい今作。私自身何をやっても上手くいかない時にこの作品を見て、「まあいいか」と思えるくらい元気を貰えました。
主人公は一生懸命頑張っているのに、お兄ちゃんとノイマンが本当にクズでイライラします。ソウル・キッチンもなんだかパッとしないし、恋人は中国に行ってしまうし…と災難が続きますが、そんなクズみたいな人たちが最後にハッピーを届けてくれるので、これだから映画は最高だと改めて感じました。
主人公がみんなに優しくしていたお陰で、ハッピーが回ってきたんだろうなと思わせてくれる素敵な作品でした。(女性 30代)
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