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映画『クラウン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『クラウン』の概要:廃屋に眠るピエロの衣装を身に着けたケントが、身も心もピエロの悪魔に乗っ取られていく。YouTubeに投稿されたニセの映画予告を、「ホステル」シリーズのイーライ・ロスが長編映像化した作品。

映画『クラウン』の作品情報

クラウン

製作年:2014年
上映時間:90分
ジャンル:ホラー
監督:ジョン・ワッツ
キャスト:アンディ・パワーズ、ローラ・アレン、ピーター・ストーメア、イーライ・ロス etc

映画『クラウン』の登場人物(キャスト)

ケント・マッコイ(アンディ・パワーズ)
不動産会社に勤める中年男。家庭的な良き父親。息子のためなら、何でもしてあげたいと考えている子煩悩。
マグ・マッコイ(ローラ・アレン)
ケントの妻。歯医者勤務。ケントを深く愛している。第二子を妊娠中。勇敢で、行動力のある女性。
ハーバート・カールソン(ピーター・ストーメア)
貸衣装屋を営む老人。音信不通になった兄を探している。アイスランドからやって来たピエロの衣装を手に入れてある事件を起こし、それ以来ピエロの起源と言われるクラウン伝説を調べている。

映画『クラウン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『クラウン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『クラウン』のあらすじ【起】

不動産会社の営業ケント・マッコイは、仲の良い妻と可愛い息子に恵まれた、平凡だが幸せな男だ。息子ジャックの誕生日パーティーの日、急いで仕事を終わらせようと頑張るケントに、妻のメグから一本の電話が入った。手配していた出張ピエロが、手違いで来られなくなってしまったらしい。ピエロ好きの息子は悲しむだろう。

何とかできないかと、訪問していた売り物件のクローゼットを漁るケント。ガラクタの中から、運よくピエロの衣装とカラフルなカツラを見つけた。付け鼻まであり、完璧だ。それを着てパーティーに現れたケントは、家族のヒーローだった。

その夜、ケントは疲れ、白塗りメイクも落とさないままソファで寝入ってしまう。翌朝ようやく着替えようとしたケントは、衣装も、カツラも脱げない事に気が付いた。メイクも落ちないし、付け鼻も取れない。仕方なく、上着を着て帽子を被り、息子を学校に送って仕事へ行く。ケントは物件のリフォーム現場で衣装を外そうとするが、ナイフで手首を切ってしまい、電動のこぎりは刃の方が折れてしまう始末だった。

夜更けに帰宅したケントが、まだピエロの姿をしている様子を見たメグは驚いた。メグは歯医者勤めの経験を活かし、付け鼻を外す手伝いをする。全力で引き剥がされた付け鼻は、ケントの鼻の肉までもぎ取り床に転がり、それを犬のシャドーが食べてしまった。

ケントは鼻の治療に病院へ行くが、衣装が脱げないなどとは信じてもらえず、精神科を紹介されてしまう。医師のアドバイス通り熱いシャワーを浴びるものの、脱げない衣装を着たままシャワールームで泣き崩れるケント。

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映画『クラウン』のあらすじ【承】

ケントは、ピエロの衣装を見つけた空き家をもう一度探る事にした。衣装が入れられていた木箱は、よく見ると太い鎖で壁に固定されている。そして物件の資料によれば、その家の持ち主マーティン・カールソンは既に亡くなっていた。

次にケントは、町の貸衣装屋を訪ねた。コスチュームカタログから同じ衣装を見つけ、ひどい臭いのケントを嫌がる店員を尻目に、そのページをむしり取る。取扱店は「カールソン・コスチューム」。店の連絡先は、マーティンの弟ハーバートだった。ケントは、ハーバートと会う約束を取り付ける。

その日の夕方、ケントは早速ハーバートの店の倉庫に向かった。ハーバートは感じの良い老人で、兄とはずっと音信不通だったらしい。そして彼は、ピエロにまつわる昔話を始めた。もともとピエロは北欧に伝説の残る悪魔で、冬の間、毎月1人の子をさらっては殺して食べていた。その伝説が時と共に薄れ、滑稽な風貌だけが人々の記憶に残り、道化師としてのピエロが誕生したのだ。その話を聞きながら、意識がもうろうとしていくケント。

睡眠薬で眠らされていたケントが目を覚ますと、彼はベッドの上に拘束されていた。ハーバートが言うには、ケントが着ている衣装は悪魔の髪と皮膚そのもので、首を落とさなければ悪魔を退治できないのだ。ケントは間一髪で老人を突き飛ばし、彼を拘束して自宅に連れ帰った。しかし、家にいた妻も義父も義理の姉夫婦も、そんな話は信じない。縛られた老人とピエロ姿のケントを見て、ケントの方がおかしくなったと思っていた。ケントは勢い余って義兄の腕を折り、ハーバートを車に乗せたまま逃亡した。

車中で、手足の爪が醜く伸び、変身していくケント。ハーバートは再び彼を殺そうとするが、ケントは老人に重傷を負わせ、夜の町に消える。この一件で、ケントは暴行事件の容疑者として警察に追われる身となった。

映画『クラウン』のあらすじ【転】

キャンプ場に逃げ込んだケントは、そこで見つけた少年の手を食べてしまった。そして自分が恐ろしくなり、自殺を決意するが、ピストルで頭を撃ち抜いても死ぬことができない。彼は担当物件に工具を持ち込み、首を落とす装置を作るが、ケントに興味を持った近所の子供が部屋に侵入し、誤って装置で死んでしまう。ケントは、その死んだ子供も食べてしまった。

その頃、メグはケントがハーバートから奪った悪魔の資料を見て、夫を信じる気になっていた。彼の担当物件を探して回り、ついにケントの居場所を突き止める。そしてケントを説得し、家に連れ帰って地下室に拘束した。そして病院にいるハーバートを訪ね、夫を救う方法を相談するが、悪魔になったケントを信じるなとしか言われない。そこでメグはマーティンの家を探り、兄弟の過去を知る。

ハーバートも、かつてピエロの衣装を着てしまった人物だった。兄が勤める小児がん病棟を慰問するためだ。そして悪魔になり、弟を救う為、マーティンは瀕死の患者5人を選び生贄にした。ハーバートは助かったが、兄は世を捨て、衣装を守り続けながらひっそりと死んだのだ。

メグが調査に出ている間、学校で迎えを待っていたジャックは、ピエロ姿の父のことでいじめられ、勝手に家に戻ってしまう。地下のケントに呼ばれ、拘束を解いてしまうジャック。そして、息子の話を聞き、ケントはいじめっ子のコルトンの家へ行き彼を食べた。

帰宅したメグは、夫がいないことに驚いた。さらに、悪魔の鼻を食べたシャドーが狂暴化し、襲い掛かって来たのだ。絶体絶命のメグを救ったのは、病院から抜け出したハーバートだった。首を落とされたシャドーは、ピエロのカツラと同じ、カラフルな泡となって消えた。

メグはジャックからコルトンの話を聞き、ハーバートと彼の家に急ぐ。しかし、残されていたのはコルトンの無残な死体だけで、ケントはいなかった。メグは、木曜の夜にピエロと子供がいる場所を考えた。ゲームセンターだ。

映画『クラウン』の結末・ラスト(ネタバレ)

ゲームセンターでは、ケントが遊具の中に潜み、子供を襲っていた。2人の子供を食べたところでその姿が見つかり、ゲームセンターには警報が鳴り響いた。皆がパニックになって逃げ始めた中で、ケントを探しに入るメグとハーバート。ケントはすっかり悪魔に成り果て、子供をあと1人差し出せば、夫の体を返してやるとメグに持ちかける。ハーバートはケントに襲い掛かるが、ケントは逃げ、駆けつけた警察にハーバートが捕らえられてしまった。

夫を取り戻したいメグは、ゲームセンターから逃げ出した少女を車に乗せ、マーティンの家まで連れて行ってしまう。そして車から締め出し、ケントがやって来るのを待つが、やはりメグには少女を犠牲にすることはできなかった。彼女を車に戻してやろうとすると、そこへ警察が現れる。暴行容疑者の妻がゲームセンターからこっそり出ていく様子を不審に思った警察が、メグをつけて来たのだ。メグは急いでその場から逃げ、自宅へ帰る。

家では、父とジャックがメグの帰りを待っていた。メグが息子を父の家に避難させようとしていると、ケントもまた、ジャックを襲いに家にやって来てしまった。ケントはメグの父を殺し、メグを追い詰める。妊娠しているメグの腹に爪を立て、ジャックを追いかけるケント。メグはついに、夫の首を落とす決意をした。ガレージでケントの首に鎖をかけ、力いっぱい引きちぎる。

ピエロの頭は落ち、剥がれ落ちた白い顔の中には、ケントの素顔があった。カラフルな巻き毛も衣装も、泡を吹いて崩れていく。メグは子供達を守りきり、家には警察が到着した。

後日の警察で、事件の証拠品が次々とパッキングされていく。ケントの身分証に、物件の鍵、結婚指輪。そしてカラフルなカツラと、ピエロの衣装もまた、きちんと畳まれ並べられていた。

映画『クラウン』の感想・評価・レビュー

優しい父親であるケントが、凶悪なピエロに侵食され、ピエロと共に葬られてしまうラストは悲しみで満ちていました。
ピエロに体を乗っ取られるという未知の恐怖を抱えながら、凶暴な人格と格闘し続け、最小限の犠牲で済むように、周囲から孤立してくケントの様子が非常に切ないです。
ホラー映画では、主人公と悪役(殺人鬼)のバトルが描かれることが多いですが、『クラウン』では、精神と精神がぶつかり合う珍しい戦いが描かれています。敵は自分という不条理な設定は、視聴者に新鮮なドキドキ感を与えます。(女性 20代)


呪われたピエロの衣装を着てしまったことで狂人へと変貌してしまう男の過程を描いた今作。設定自体はファンタジーチックですが、主人公の自分のからだがどんどん悪に浸食されていっていることに対する不安や恐怖、夫のことを信じ、助けようとする妻の心理描写などが細かく描かれているのでリアリティーがあります。年齢制限は、R15とのことですが結構殺戮シーンがエグかったので注意です!(女性 20代)


ピエロの衣装がどうしても脱げなくなるという、ひょうきんな始まりについ笑ってしまいました。しかし、徐々に深刻な問題へと発展していきます。このストーリー展開は、非常に斬新で興味深く感じました。ピエロの起源について語られるシーンが、妙に説得力があり心に残ります。アメリカでは、ピエロは恐ろしい魔物として認識されているのかもしれないと思いました。そこまで怖くはなく、サクサクと物語は進行していきますから誰でも気軽に楽しめるでしょう。(女性 30代)


ジム・キャリー主演の『マスク』という作品をご存知でしょうか?たまたま拾ったマスクを顔につけると人格が変わり自分とは全く違うキャラクターが登場するコメディ作品です。今作はそんな『マスク』のホラー版とも言える物語でした。
息子を喜ばせるために着たピエロの衣装が脱げなくなってしまったパパ。この辺りまではえ?なんで?と疑問に思って冷静に見ていられるのですが、徐々に見た目だけでなく内面もピエロに乗っ取られていく様子は物凄く恐怖を感じました。
イーライ・ロスの作るホラー映画。是非見て欲しいです。(女性 30代)

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