映画『大洗にも星はふるなり』の概要:福田雄一監督、脚本のコメディ映画。真冬の大洗の海の家に呼び出された青年たちと、海の家のマスター、偶然居合わせた弁護士が、マドンナ的存在の女の子に好かれているのは誰なのかを決めようとする。
映画『大洗にも星はふるなり』の作品情報
上映時間:103分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:福田雄一
キャスト:山田孝之、山本裕典、ムロツヨシ、小柳友 etc
映画『大洗にも星はふるなり』の登場人物(キャスト)
- 杉本(山田孝之)
- 海の家のバイトの常連。タキシードにバラの花束を抱え、キザな様子で海の家に現れる。勘違い行動やストーカー行動が明らかになるにつれ、ヒゲは濃くなり見た目は荒れていく。江里子の家を探し出し、玄関にプレゼントを置くなどのストーカー行為をしている。
- 松山(山本裕典)
- 大のサメ好きで、地元でサメの研究をしている大学生。サカナ君のように魚類に詳しく、サメについてなら3時間以上話すことができる。極度の暑がりで、真冬でも半袖でいられる。
- 猫田(ムロツヨシ)
- 浮気願望を満たすために、海の家にやって来た男性。西田敏行が女装したようなブスな女の子で、一緒に海の家でバイトをしていたヨシミと付き合っている。ヨシミから、携帯に「いまどこサーチ」を入れられている。
- 仁科(小柳友)
- 群馬に住んでいるが、手紙をもらって海の家にやって来た、テンションの高い青年。大洗まで2時間半かかるらしい。マスターのどうでもいいボケを拾うものの、笑いにはならない。
- 林(白石隼也)
- 聞き間違いがひどく、海の家のバイト最終日には「調子」と「銚子」を聞き間違えて、銚子に行ってしまった天然ボケの青年。妄想が激しく、妄想話をはじめると長くなる。海の家の中を、外からずっと除き見ていた。
- 関口(安田顕)
- 海の家の強制撤去を言い渡しに現れた弁護士。バツイチ。洞察力が鋭く、まるで名探偵のように、杉本、松山、仁科の話の矛盾点を指摘していく。話を聞いただけで、江里子に惚れてしまう。
- マスター(佐藤二朗)
- 海の家“江の島”のマスター。45歳、独身。名前はササオ。胃が悪い、ちょい悪オヤジと言い張る。江里子に手紙で頼まれ、冬まで海の家を残していた。何事も黙っていることができない。
- 江里子(戸田恵梨香)
- 海の家のバイトの、アイドル的存在だった女の子。マスターに手紙を出して海の家を残しておいて欲しいと頼み、クリスマスイヴには、杉本、松山、仁科、猫田、林に告白をほのめかす手紙を送った。
映画『大洗にも星はふるなり』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『大洗にも星はふるなり』のあらすじ【起】
ひと夏の間、大洗の海水浴場の海の家でバイトをしていた、杉本、松山、猫田、仁科、林、江里子、ヨシミ。
そして12月23日、仁科、松山、猫田は海の家にやって来る。
海の家に来た理由は、江里子からの手紙だった。
3人は、江里子から告白されるだろうと勘違いしていた。
そこに、タキシードを着てバラの花束を持った杉本も来る。
江里子から、冬まで海の家を残しておいて欲しいと頼まれていたマスターも、江里子から告白されると思っていた。
そこに、弁護士の関口が、海の家の強制撤去を命令しに来る。
江里子のことで精一杯の5人に丸め込まれ、少し待つことになってしまう。
江里子と一緒にバイトをしていた女の子・ヨシミの話になり、ひどいブスだったと笑う杉本、松山、猫田、仁科、マスター。
ヨシミと付き合っている猫田は複雑になり、電話をかけ直すために出て行く。
するとマスターの携帯に、ヨシミから電話が来る。
ヨシミと猫田が付き合っていると知ってしまったマスターたちは、それを猫田に知られないよう必死になる。
マスターが口を滑らせてしまうが、何とかその場を収めて、猫田をヨシミの元に帰るよう説得した。
映画『大洗にも星はふるなり』のあらすじ【承】
これまで黙っていた関口だったが、耐え切れずに会話に入る。
早く撤去作業に入りたい関口は、誰が江里子と付き合うのかを決めると言い出す。
そして、江里子との思い出話を、全員から聞き出す。
杉本は、遊び疲れて寝てしまった江里子と、朝まで2人で海に残っていた話を語る。
関口は、その話の内容を検証し、ストーカーじみた杉本の行動の数々を指摘する。
そこに、浮気願望を捨てられないという猫田が戻ってくる。
松山は、江里子と鴨川にデートに行った話をする。
自宅まで送り、次は江ノ島に行こう、と約束して別れた。
関口は、魚好きの江里子に、水族館の解説役として利用されたと話す。
しかも極度の暑がりの松山は、車のエアコンを最大にしていただろうから、江里子は寒かっただろうという部分まで指摘した。
仁科は江里子と温泉に行ったと言い、証拠写真まで見せ付ける。
しかし関口は、それが嘘だと見抜く。
江里子が温泉に行くと知った仁科は、親戚の子供を連れて温泉に行き、偶然を装って江里子との写真を入手したのだった。
写真のアングルの低さから、全てを見抜いた関口。
映画『大洗にも星はふるなり』のあらすじ【転】
マスターは台風の日の江里子との話をしようとするが、台風は来なかったので却下。
杉本は江里子の嫌な噂を流そうとするが、誰も相手にしない。
話を聞いていた関口は、江里子の事が好きになってしまったと言い出す。
松山は、マスターが口を滑らせると踏んだ上で、アメリカ留学が決まっているとマスターに打ち明ける。
しかし、結局自分で話をすることになる。
猫田が、携帯にGPSが仕掛けられていると知って騒ぎ、松山の話にならない。
だが結局、イヴの江里子とのデートは松山に譲ろうと決まる。
その前にクリスマスパーティーを開くことになるが、同じく手紙をもらっていた林が現れる。
海の家の最終日、聞き間違えて銚子に行った林。
全員で馬鹿げたやり取りをしている内に、松山は告白する自信を失っていく。
松山の告白の練習をするうち、林の妄想話が始まる。
江里子は林に、アメリカに行く悩みを相談。
江里子はアメリカ行きを決めるが、台風の日に船を出していた江里子は流されてしまい、それを林が救って2人は結ばれるという妄想だった。
まだ続くという妄想話を、全員でストップさせた。
映画『大洗にも星はふるなり』の結末・ラスト(ネタバレ)
突然、脳腫瘍で余命短いと打ち明ける林。
告白の権利は、林のものになった。
その場に居づらくなった仁科、猫田、松山は、駅まで来ているという江里子とヨシミを迎えに行く。
関口は、江里子からの手紙は、林が書いたものだと指摘。
江里子とヨシミだけでなく、杉本、松山、仁科、猫田、マスターがいると知っていたのは、林だけだったからだ。
実はずっと、海の家の外から覗いて見ていた林。
だが、江里子とヨシミには手紙を出していないと、首をかしげる。
猫田のGPSを見たヨシミが、江里子を誘って海の家に来た事は、秘密にすることにした。
杉本から、大洗にも湘南と同じ星が降っていると言われ、林は手術をする決意をした。
次の夏も、杉本は海の家でバイトをしていた。
ヨシミと結婚した猫田、そして仁科と林も一緒だ。
江里子は沖縄で漁師をしている彼氏と結婚し、クリスマスイヴに告白した林はフラれていた。
しかも、脳腫瘍は林の聞き間違いだった。
可愛い外見のクミコと、正反対の見た目のマサヨを加え、海の家のバイトがまた始まった。
映画『大洗にも星はふるなり』の感想・評価・レビュー
映画を観ているというより舞台を観ている感じ。
皆からあそこまでひどく言われてしまうヨシミって一体どんな感じだろと気になる!
台詞のやり取りがメインとなるシチュエーションコメディらしく、テンポある流れで面白い。男たちの見栄や妄想で話が進んでいくが、ストーリーとして中身はスカスカ。それがまた良い。
ラストは少し残念。ゆるく雰囲気を楽しむには良い映画。(女性 40代)
この映画に重厚さやストーリーを求めてはいけない。豪華な俳優陣が全力でふざけているような映画だ。しかしそれこそがこの映画の魅力である。
監督が福田雄一で主演が山田孝之の作品は今でこそ数多くあるが、この作品は初めて2人がタッグを組んだ作品といえる。福田雄一の全力のおふざけに山田孝之が全力で答えるという構図が初めて生まれた瞬間であった。
コメディ映画ならではのテンポの良さと展開の速さは爽快である。男のバカな部分を抽出したようなこの作品は、評価は分かれると思うが、こういうものとして観るととても楽しめる。(男性 20代)
スピンオフのマスターと猫田がハモるシーンは最高だった。
福田監督作品の常連である2人の掛け合いは、漫才のようなテンポの良さや言葉のセンス、コミカルな動きに見入ってしまう。
内容よりも、それぞれのキャラクターや存在感や会話劇だけでとことん楽しむことができる。
こういう雰囲気は一体どうやって作られるのだろうか。
映画というよりもドラマを観ているように気軽さで、何も考えたくないときに定期的に見たくなる作品。(女性 20代)
よくここまでキャラの濃い人達が集まったなぁと感心するほど、とにかく全員キャラが濃い。まさか全然関係のない弁護士の関口まで、江里子のことが好きだと言い出すとは思わなかった。杉本が本性を明かされていく過程もおもしろく、見た目が徐々に変化していくのが楽しかった。江里子が誰ともくっつかなかったラストは少しだけ残念だったが、誰と付き合ってもしっくりいかなかったと思うので、これはこれで良い終わり方だったかなと思う。(女性 30代)
冬の海の家を舞台に、とある女性にかかわる男性たちが集まり、コミカルなストーリーを繰り広げる映画です。
映画ですが、どちらかというとテンポの良さやセリフのみで進んでいく雰囲気が、ちょっとした舞台を見ているような気分にさせる映画です。
また、豪華な俳優陣が見事にこのコミカルでテンポよく演じきっています。特に、山田孝之がかなり面白い役柄を演じています。内容は、まさに福田監督、というストーリーです。
気軽に見られる内容ですので、福田監督のファンも、福田監督の映画を見たことがない方にもおすすめです。(女性 30代)
福田雄一監督作品。「福田組」と呼ばれる山田孝之、ムロツヨシ、安田顕、佐藤二朗などのキャストの面々。面白い脚本にお馴染みのメンバーで安心して見ていられました。
真冬の海の家に集まったヤバい男たち。海の家でバイトをしていたヒロインは一体誰が好きなのかを確かめるストーリー。くだらないのに本当に面白いです。
山田孝之がストーカー気質のある男を演じているのがツボでした。髪をかきあげたら抱いてのサインなど、言っていることが本当にヤバくて終始笑って楽しめました。(女性 30代)
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