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映画『セトウツミ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『セトウツミ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『セトウツミ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『セトウツミ』の結末までのストーリー
  • 『セトウツミ』を見た感想・レビュー
  • 『セトウツミ』を見た人におすすめの映画5選

映画『セトウツミ』の作品情報

セトウツミ

製作年:2016年
上映時間:75分
ジャンル:青春
監督:大森立嗣
キャスト:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、鈴木卓爾 etc

映画『セトウツミ』の登場人物(キャスト)

内海想(池松壮亮)
クールなインテリメガネの高校2年生。放課後、塾に行くまでの1時間半を瀬戸と過ごしている。
瀬戸小吉(菅田将暉)
ちょっとおバカなツンツン頭の高校2年生。飼い猫ミーニャンを可愛がる。放課後は、内海と過ごしている。
樫村一期(中条あやみ)
瀬戸の片思いの相手。しかし本人は、内海に思いを寄せている。妹の名前は「一会」であり、姉妹の名前を合わせると「一期一会」になる。
鳴山(成田瑛基)
内海たちの先輩。二人は、この先輩にビビっている。

映画『セトウツミ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『セトウツミ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『セトウツミ』のあらすじ【起】

同じ学校に通う高校2年生の内海と瀬戸は、いつも放課後に同じ場所で待ち合わせている。そして、内海の塾の始まる時間まで、階段に腰掛け、たわいない会話をしている。

瀬戸は、内海の態度が人を見下しているように見えると言い出す。強面の先輩、鳴山にも「お前の顔がむかつく」と言われたばかり。瀬戸が「神妙な面持ちをしろ」と言うが、内海も、言い出しっぺの瀬戸も、神妙な面持ちができない。深刻な話をするから、神妙な面持ちをしろと言って、瀬戸が話し始めた内容は「飼い猫のミーニャンが原因で、両親が離婚しそう」だという話。

ここで二人は、目の前で川をずっと見ているおじさんが気になりだす。話は再び鳴山先輩の話になり、ああいう人が偉大な奴になりそうだと意見が一致する。

そこへ同級生の樫村が通りかかる。瀬戸は、彼女に恋をしているのだ。

川を眺めるおじさんの元へ歩み寄る人物、それは二人の会話に出てきた鳴山先輩だ。おじさんの正体は、彼の父親であり、現在は離婚して離れて暮らしており、18歳まで養育費を渡していたことが判明する。父親に「今までありがとう」と感謝する鳴山先輩を見て、二人は自然と神妙な面持ちになっていた。

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映画『セトウツミ』のあらすじ【承】

ついに樫村のメールアドレスをゲットした瀬戸。どんなメールを送れば良いか相談して、緊張しながらもメールを送り終える。樫村をメロメロにする方法を聞かれた内海は「アメとムチ」だと答えた。内海はいつも難しいことばっかり言うのが良くない、でも良いところもいっぱいあるから友達だと話す瀬戸。「もうアメとムチ使い分けてるやん」とすかさずの突っ込み。そのまま話は、バレンタインチョコの話になる。内海が貰ったチョコは1個だったので、バカにする瀬戸だった。その1個は樫村から?との問いに、否定しない内海。

そこへ樫村から、先ほどのメールの返信が来るが「どちら様?」と書かれていた。すぐに内海の元へ樫村から「知らん人からメール来て怖い」とのメールが送られてくる。

季節は進み、二人の制服も夏服に変わる頃。面白い遊びを思いついたと言い出す瀬戸は「ふしがある選手権」というゲームを提案する。会話の中に「ふしがある」という言葉をつけるのだ。内海は、瀬戸をフクロウのようだと言い始め、強い相手には体が細くなるが、弱い相手には体を大きく見せると比喩する。そこへ鳴山先輩が登場すると、二人ともフクロウのように体を細くした。

映画『セトウツミ』のあらすじ【転】

現在のように放課後、内海と瀬戸が共に過ごすことになるまでの話が描かれる。

最初、塾までの時間を一人で持て余していた内海。学校ではほとんど喋らず、同級生とも距離を置いているような学生であった。今ではすっかり馴染みの場所になった、あの階段を見つけ腰掛けていると、そこへ樫村が話しかけてきた。

その頃、瀬戸は所属していたサッカー部を退部に追いやられていた。

ある日、内海がいつもの場所に腰掛けていると、初対面で馴れ馴れしく話しかけてきた人物がいた。それが瀬戸との出会いである。それからも度々、その場所へ姿を現すようになった瀬戸。

樫村に、瀬戸と仲良くなったことを聞かれると「利害関係が一致しただけ」と答えた内海であったが、いつもの場所で二人待ち合わせるのが当たり前になっていた。

学校は夏休みに入った。変わらず二人はいつもの場所に集まり、花火をし始める。花火をしながら、瀬戸のおじいちゃんが徘徊をするようになったという話をする。おじいちゃんは、入院中のおばあちゃんを探しているのだ。

夏休みが明け、いつもの場所で腰掛けている二人の前に、瀬戸の両親が現れる。まだ両親の離婚問題は解決されていないが、二人の仲の良さそうな雰囲気に、内海は「ええ夫婦やん」と言った。

映画『セトウツミ』の結末・ラスト(ネタバレ)

その日は、瀬戸の誕生日。内海は、知り合ったバルーンアーティストに頼んで、瀬戸を祝おうとする。内海からのプレゼントは、瀬戸が集めているという「ミケ貝」シリーズのガチャガチャ。

しかし暗い表情の瀬戸。実は今日、瀬戸の飼い猫のミーニャンが死んだのだと聞かされる。「よりによって誕生日に猫が死ぬって」と落ち込む瀬戸。瀬戸は後悔していることがあり、両親の離婚問題で辛かった時、ミーニャンに対して「お前のせいやぞ。早よ死んだらええ」と言ってしまったそうだ。そんな瀬戸に、内海は「ミーニャンは、きっと幸せやで」と声を掛ける。

瀬戸に「俺のええとこ10個言うて」と無茶振りされる内海。しかし「動物思い」としか言えなかった。俺は内海の良いところを10個言えると言い出した瀬戸。「イケメン、クール、頭が良い、親が金持ち、だから樫村さんにモテる、なのに樫村さんと付き合わない、だけどチョコを貰った」そんな自分がうんざりなんじゃないのかと瀬戸は続ける。

その時、目の前にミーニャンっぽい猫がやってくる。内海が「ミーニャンがお別れ言いに来たんちゃう」と言うと、瀬戸は猫を抱き上げ「ひどいこと言ってごめん」とミーニャンの名前を繰り返す。

季節は冬になり、樫村のエピローグが始まる。

内海に思いを寄せる樫村だったが、いつも瀬戸とばかりつるんでいる内海に対して「内海君って、ゲイなん?」と聞いてしまう。「女って、自分が相手にされへんかったら、すぐそういうこと言う」と返された。他の女の子と一緒にしないでと言うと「他の女も同じこと言うてたわ」と返される。思わずビンタしてしまう樫村。

二人がそんなやりとりをしていた時、瀬戸は一人、いつもの場所で内海が来るのを待っていた。内海と樫村、それぞれにメールをしながら。

いつもの場所で、いつものように腰を下ろす二人の後ろ姿を見ながら、樫村は「彼らもまた、一期一会を大切にしているのでしょう」と呟いた。

映画『セトウツミ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ダラダラしている。でもそのダラダラと続く2人の会話や間が面白くて心地良い。
正反対な性格の二人だが、息の合ったテンポで仲の良さが伝わってくる。
放課後の空いた時間の暇つぶしに喋りあっているだけの青春映画。
良い意味でただそれだけ。

青春って、こんな風に何もせずダラダラして過ごした時期だったなーと思い出した。
なんだか疲れたなと元気を出す気がしない時に、家でソファーに転がりながら観ていたい作品。(女性 40代)


ただ男子高校生が喋るだけの映画なんて観たことない。でも、面白い。ただただ、面白い。瀬戸と内海のくだらない会話は、なんだかとても青春で、大人の会話がいかにつまらないかと思わされる。

瀬戸と内海の店舗の良い喋りと心地よい声を音楽プレイヤーに保存しておきたいほどだ。まるで緩い漫才のように喋る二人は、それだけで眩しい。

私も瀬戸と内海のようにくだらない喋りをしたい。そんな喋りを出来る親友はそうそういないだろう。友情って日常って儚いなと思える映画だ。(女性 20代)


原作の洞察力の深さを十分に表現できており面白い。ただ本来の面白さが設定のせいか伝わりにくく、もっと話題になっても良い出来なのに埋まれてしまったのは残念。簡単に言うと何気ない会話を繰り返す呑気な高校生。しかし本当は二人ともそれなりに辛い環境があり、それでも人生を楽しく生きようではないか。という人間賛歌といっても良い物語。それを大仰にせず何気ない会話に落とし込んでいるのが粋。なんだけどおおよその鑑賞者には読み解けなかったようだ。粋の部分を大切にしすぎた監督の失敗かもしれないが鑑賞者ももう少し分かってあげても良かったように思う。雰囲気に呑まれすぎ。(男性 30代)


2人の男子高校生のたわいもない会話が主軸の映画である。
設定が本当に斬新で、誰もが高校時代に友人とこのような意味のない会話をしていたと思える内容だ。2人の会話は不自然さがなくリアルで、のんびりとしている。映画全体の雰囲気ものんびりとしているのだが、それこそが魅力である。
池松壮亮が何よりも魅力的だ。身近にいそうなクールでインテリキャラである。言ってしまえば華のない役なのだが、その表現が本当に素晴らしい。(男性 20代)


会話劇だが、2人の掛け合いが漫才のようなテンポでずっと面白くて、最後まで飽くことなく見入れた。
正反対の男子二人が何気ない話で盛り上がってる姿は、ずっと眺めていたくなる。
神妙な面持ちや節のある選手権、樫村さんへのメールが犯行声明文になってるところ、おかんからの今晩カレー初日というメールの場面は特に気に入っている。
放課後の気怠い雰囲気に、こういうのなんかいいな、と青春時代を懐かしく思った。
ぼーっとしたい時、気軽に観れる作品。(女性 20代)


池松壮亮と菅田将暉がダブル主演で、大森立嗣がメガホンをとった人気コミックの映画化。
放課後の川べりで、高校生の内海想と瀬戸小吉がたわいもない会話をするだけのストーリーなのだが、関西弁ということもあり、それが漫才のように聞こえて面白い。しかも、誰もが青春時代に感じたような虚しさのようなものが描かれており、とても共感できた。
瀬戸が片想いしている樫村一期の実家が寺ということや、死にまつわる表現も出て来ることで、死生観を描いた作品だという声もあるが、単純にのんびりと二人の会話を楽しんでもらいたい映画だ。(男性 40代)


75分間、男子高校生がただ会話しているだけなのに飽きずにずっと面白い。ほとんど動きがなく、河原のシーンだけで話が進んでいくのだ。正反対な性格の瀬戸と内海が、河原でだらだら話しながら、なんとなく暇つぶしするだけの青春。学生時代のこんな何でもない時間が、何より楽しかったことを思い出す。二人の会話は中身があるようでないようなくだらない話だが、そのやりとりがとにかく笑えていつまでも見ていられる。気楽に何も考えずに見て楽しめる作品としてお勧めである。(女性 30代)


私の高校時代の一番の思い出は、仲良し4人で毎日ダラダラ何時間も喋っていた「放課後」のあの時間です。入学してとりあえず入った部活もすぐに辞め、同じような仲間が集まり毎日くだらないことをダラダラ喋っていたあの時間こそが青春で最高の思い出なんです。
今作を見ると、そんな何気なくて、くだらなくて、どうしようも無い「青春」をきっとあなたも思い出してしまうはずです。
全てとは言いませんが、何かしら共感できる部分がある作品だと思います。(女性 30代)


何も起きないのに、こんなに面白い映画があるのかと驚きました。瀬戸と内海、ただ二人が放課後に川辺で喋っているだけなのに、会話のテンポや間、しょうもなさがクセになります。菅田将暉と池松壮亮、二人の演技が抜群にうまくて、笑えるのにどこか切ない空気感が漂っているのがたまりません。最後に明かされる内海の家庭事情が静かに心に残ります。(20代 男性)


日常会話だけで構成されている珍しい映画だけど、ものすごく引き込まれました。特に女子高生・樫村さんの存在が絶妙で、瀬戸と内海の関係に静かに影を落としているのが印象的でした。内海の最後のセリフに、あの何気ない日々がもう戻らないかもしれないという切なさが重なり、観終わってからじわじわきます。あの川辺の風景が忘れられません。(30代 女性)

映画『セトウツミ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『セトウツミ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

舟を編む

この映画を一言で表すと?

言葉の美しさと静かな情熱に心を奪われる、人間ドラマの逸品。

どんな話?

出版社で辞書作りに挑む編集者たちの物語。主人公・馬締は不器用ながらも、言葉に真摯に向き合う姿勢で周囲を変えていきます。日常に潜む言葉の魅力や、仲間との地味だけれど確かな絆が丁寧に描かれます。

ここがおすすめ!

感情を爆発させるようなドラマではなく、静かな中に熱を感じさせるストーリー展開が『セトウツミ』に通じるものあり。松田龍平の自然体の演技も魅力的で、「何気ない日常を深く味わいたい人」にぴったりの作品です。

リンダ リンダ リンダ

この映画を一言で表すと?

女子高生たちのバンド練習が生む、淡くてまぶしい青春。

どんな話?

文化祭に向けて、急遽結成されたガールズバンドが「リンダ リンダ」を完成させるために奮闘する数日間を描いた青春群像劇。韓国からの留学生・ソンがボーカルを務めることになり、仲間たちとの絆が深まっていきます。

ここがおすすめ!

特別な事件が起こるわけではないけれど、青春のかけがえのない一瞬を音楽とともに切り取った作品。自然な空気感や、登場人物たちの微妙な心の揺れが『セトウツミ』の世界観と重なります。ラストの演奏シーンは感動必至。

キツツキと雨

この映画を一言で表すと?

木こりと映画監督の交流が生む、笑えてちょっと泣ける優しい物語。

どんな話?

山奥の村で暮らす寡黙な木こり・克彦が、ゾンビ映画を撮影しに来た若き映画監督と出会い、不器用な友情を育んでいくコメディドラマ。映画制作の裏側や、登場人物たちの成長が温かく描かれています。

ここがおすすめ!

ユーモアと静けさが絶妙に共存する空気感が心地よく、『セトウツミ』のように、セリフの「間」や日常のやりとりの妙を楽しめます。役所広司と小栗旬のギャップあるコンビネーションも見どころ。

桐島、部活やめるってよ

この映画を一言で表すと?

「いない誰か」がすべてを変える、青春群像の傑作。

どんな話?

突然バレー部のエース・桐島が部活をやめたことで、学校内の人間関係に波紋が広がる。直接的な事件は起きないが、多視点で描かれる生徒たちの感情や立ち位置の変化がスリリングに展開していく。

ここがおすすめ!

何気ない日常の奥に潜む不安や嫉妬、孤独を繊細に描写。『セトウツミ』と同じく、高校生たちの空気感を絶妙に捉えており、深読みすればするほど面白い。俳優陣のリアルな演技も大きな魅力です。

モヒカン故郷に帰る

この映画を一言で表すと?

笑いと涙が交錯する、家族と再生のロードムービー。

どんな話?

東京で売れないバンド活動をしていた主人公・永吉が、結婚報告のために広島の実家に帰省する。しかし、父が末期がんであることが判明し、家族との再会が想像以上に濃密なものになっていく。

ここがおすすめ!

ユーモアあふれる会話劇の中に、家族愛や人生の哀しさが静かに織り込まれていて、『セトウツミ』のような“笑いの奥の切なさ”が感じられます。松田龍平の飄々とした演技もクセになります。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. ゆゆぽん より:

    男子高校生の会話を聞いているだけなので、物凄くおもしろいとか衝撃を受ける展開が待っているとかがない。でも、淡々と進んでいく時間に、癒される。ごく普通の日常を除いているような感覚が、新鮮に感じた。くだらないことでちょっとクスっと笑える感じが、高校生の頃を思い出して懐かしく感じた。出演しているキャストが、意外と豪華。内海と瀬戸の正反対だけれども、息が合っているところが良い。流し見するのに、丁度良い作品だと思う。