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映画『青い春』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『青い春』の概要:屋上の柵外に立ち、何回手を叩けるかを競う「ベランダ・ゲーム」を行う少年達。高校三年生という人生の岐路に立たされた少年達は、将来を憂いながら、一人また一人と学校を去っていく。

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映画『青い春』の作品情報

青い春

製作年:2001年
上映時間:83分
ジャンル:青春、ヒューマンドラマ
監督:豊田利晃
キャスト:松田龍平、新井浩文、高岡蒼佑、大柴裕介 etc

映画『青い春』の登場人物(キャスト)

九条(松田龍平)
「ベランダ・ゲーム」で一番多く手を叩いて、学校の番長となった。しかし本人は、ゲームにも番長にも興味がない様子。サッカーが得意。
青木(新井浩文)
幼い頃からの九条の友達。頼りないことから、九条のパシリだと間違われる。
雪男(高岡奏輔)
太田を包丁で刺し、パトカーに連行される。将来の夢は、ウルトラ警備隊。
木村(大柴裕介)
野球部であったが、今年も甲子園敗退。かつての先輩から迎えが来て、ヤクザの道を選ぶ。
大田(山崎裕太)
調子に乗っている態度が雪男の気分を逆撫でし、雪男に刺殺されてしまう。
吉村(忍成修吾)
雪男、大田のパシリ係。可愛い彼女がいる。
レオ(山中零)
調子に乗っている2年生。九条とタイマンした「ベランダ・ゲーム」で手を滑らせ、落ちかけたところを九条に助けてもらう。
花田先生(マメ山田)
花壇のお世話をしている先生で、九条たちに花を育ててみないかと提案する。

映画『青い春』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『青い春』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『青い春』のあらすじ【起】

先輩達の卒業式の日、春から新3年生となる、九条を含む6人の少年達は「ベランダ・ゲーム」を始める。「ベランダ・ゲーム」とは、屋上の柵外に立ち、何回手を叩けるかを競うゲーム。一番多く叩けた者が学校を仕切ることができるというのが、この学校のしきたりだ。ゲーム前に、集まった少年達で記念撮影をする。シャッターを押したのは、九条だ。

結果、一番多い8回を叩いたのは、九条であった。しかし当の本人は、ゲーム自体も仕切ること自体にも興味のない様子である。

授業中、机にマジックで黒い人影のようなものを描く九条。友達である青木に何を書いているのか聞かれても、答えない。

花壇を通りがかったところに、花田先生から花を育ててみないかと誘われる。「どうせ咲かないですよ」と答える九条。

青木が2年生のレオ達に馬鹿にされたのを受け、奴等をシメる。ここでも青木は、情けない姿を晒した。

進路指導を受ける雪男は、教師に将来の夢を聞かれて「世界平和とか望んでます」と真顔で答える。その後、屋上で雪男と九条とは将来について話す。

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映画『青い春』のあらすじ【承】

トイレの個室で喫煙している最中、雪男は大田を包丁で刺してしまう。調子に乗っている大田の態度が気に障ったらしい。表情一つ変えずに、何度も包丁を突き刺す。事はすぐに発覚となり、泣き叫びながら、パトカーで連行されていく雪男。

木村の元へ、かつて野球部の先輩であり、現在はヤクザとなった男が迎えに来る。「グッド・タイミングです」と木村はヤクザになる覚悟を決めた。学校を去る時、屋上に見える九条に向かって、ウィンクを投げた。そして先輩と共に高級車へ乗り込む。

そんな時、レオが「ベランダ・ゲーム」で7回叩いたと聞き、九条とレオとのタイマンで勝負をすることとなる。9回目で手を滑らせたレオを九条が助ける。その後、レオをシメようとするが、九条は興味なさそうに立ち去る。引き止める青木に向かって「なんでも俺に頼るな」と言う九条に、何様だよと怒りを覚える青木。

翌日、青木は九条と仲直りしようとするが、完全に無視され、冷たくあしらわれてしまう。吉村にもパシリ呼ばわりされ、何かが吹っ切れる青木。

映画『青い春』のあらすじ【転】

次の日、後輩を引き連れて登校してきた青木は、見た目も目付きもまるで別人のように変わっていた。眉毛は全剃り、髪型は両サイド刈り上げの入ったスタイルだ。校内で、かつて自分をバカにした者に対して、人が変わったかのように横暴な行いをする青木。しかし九条は、そんな青木を見て見ぬ振りである。

「九条のシマ」と書かれた文字の上にバツをして「青木」と書き換えようとしているところへ、校庭から九条の蹴り込んだサッカーボールが飛び込んでくる。

後輩をつれて校内の廊下を歩いていると、前から九条がやってきた。互いに咥えていた煙草を突き合わせ、顔に煙を吹き付け合う。煙草が落ちたところで、相手の髪の毛を掴み合いながら、殴り合いの喧嘩になる。「そんなに学校が嫌なら、学校に来るな」と言う九条に「大好きなんだよ」と答える青木。立ち去る九条の背中に向かって「お前にできないことしてやるよ」と言葉を投げかける。

映画『青い春』の結末・ラスト(ネタバレ)

再び花壇で花田先生と話す九条。「咲かない花もあるんじゃないですか」という九条の言葉に「花は咲くものです」と先生は答えた。

かつて少年達の溜まり場であった教室をスプレーで真っ黒に染めた青木。何かを思いついたかのように笑った青木は、屋上へと向かう。「夢はパイロットでした」と呟く青木。両手を上に挙げた自身の姿をスプレーでなぞる。屋上から下校する九条の姿を眺めると、そのまま夜が明けるまで屋上で立ち続ける青木の姿。

次の日、九条が登校した時に目にした校舎は、一瞬、全体が真っ黒に塗り潰されているように映った。

そこへ響く青木の声。屋上で一人「ベランダ・ゲーム」を始めたのだ。その声を聞いて、屋上へと走りだす九条。屋上へと向かう間、幼少期からの青木と九条との思い出が蘇る。

必死になって屋上へと辿り着いた九条であった。しかし「九条、俺も連れてってくれよ」そう呟いた後、青木は柵から両手を離し、地面へと叩きつけられた。13の数を両手で叩きながら。

屋上に残された九条の目に映ったのは、自らも机に描いていた、あの黒い人物の絵であった。

エンドロールの最後、一枚の写真が映る。皆で「ベランダ・ゲーム」をした時に写した写真であるが、自分は写らなくて良いからとその時に映っていなかったはずの九条の姿が、ちゃんと青木の横に映っている。

映画『青い春』の感想・評価・レビュー

松本大洋の同名短編マンガが原作の題名の通りの青春映画です。
高校3年生という心のバランスがよろしくない年頃の、ちょっと不良な男子たちを描いています。
松本大洋独特の青春の描き方だとは思いますが、全くわからなくもない、青春を通りすぎた大人は理解、共感ができるのではないかと思います。

新井浩文が主役だったり、モデルの大柴裕介、マメ山田など松本大洋の世界観にぴったりなキャスティングもツボな作品です。(女性 40代)


松本大洋の不良漫画の映画化。原作者の特徴の一つである独特のハードボイルドな雰囲気がかっこいい。松田龍平と新井浩文のお披露目的な作品で、特に新井にとってはデビュー作となる。彼の堂々たる登場は鮮烈な印象があり彼のラストシーンの表情が素晴らしい。非常に惜しい俳優だと思う。それぞれの虚ろでありながらパワフルな生き様が胸に熱く心に響く映画で劇中の人物と同世代の若者にはかなりおすすめできると思う。(男性 30代)


個人的に不良映画の元祖として私の強く記憶に残っています。
松田龍平と新井浩文の淡い気持ちに包まれつつも無感情で暴力的な素行は男子高校生の思春期の気持ちをよく表していると思いました。
また何と言ってもミッシェルガンエレファントのテーマ曲とも完全に合致しており、映像と共に曲が流れるシーンは鳥肌が止まりませんでした。

映像と音楽だけでここまで昔抱いた気持ちを再現できるものなのかと驚くことしか出来ませんでした。
大人になった今でも時折見たくなる大切の作品の一つです。(男性 20代)


とにかくキャストさんが豪華で今俳優として活躍している人たちの若い頃のエネルギッシュな演技を観ることが出来るので、そこだけでも観る価値がある映画だと思った。
青春映画というと新鮮で明るいものを思い浮かべるが、この作品は若いころ特有のドロドロした感情が描かれていてよくある映画とは違い良かった。

原作が松本大洋さんなので独特の空気感があり実写化するにはとても難しいとは思ったが、この作品は彼の世界観を上手く表現していて良かった。(女性 20代)


虚無感を感じながらも不器用に生きる不良高校生たちの物語。
校舎ベランダの手すりから手を離し、手を叩いた回数を競うベランダゲームなど、よくある不良高校生モノと思いきや、そうではない映画なのだ。不良たちの葛藤が見事に共感できるものに仕上がっている。
それは俳優の力によるものが大きいだろう。主人公の松田龍平もさることながら、新井浩文というえげつない存在がいることだ。この映画で初めて、この役者を目にし、鳥肌が立った。日本の宝ともいうべき人材だっただけに、残念で仕方ない…。(男性 40代)


松本大洋原作の漫画を映画化したこの作品。原作は短編集ですがこの作品では、その中のいくつかのエピソードをうまく掛け合わせて、1つの作品にしています。まず、原作を読んだことがある人も満足出来る作品として、最高です。個性豊かなキャラクターはもちろん、メッセージ性や世界観も、原作のあのまま。完成度が本当に素晴らしいです。
魅力的な登場人物に「青春」を感じさせる音楽。出演者も豪華で観ていて飽きません。原作を知らなくても、もちろん楽しめるのでぜひ見て欲しい作品です。(女性 30代)


将来への不安とか衝動、青春時代の儚さを上手く切り取って魅せています。そのため、派手なヤンキー映画より、ヒリヒリと胸に迫るものがありました。ストーリー自体はさほど印象に残りません。しかし、お弁当のお米粒、散髪、屋上で手を叩くベランダゲームなどのシーンが、脳裏に焼き付いて離れません。松田龍平、新井浩文、高岡蒼佑それぞれの色気、魅力が全開に映し出されています。劇中歌も映像にぴったりで、『青い春』の世界観に惚れました。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. ぽすぽす より:

    派手なシーンや印象的なストーリーはないのに、心に強く残る作品でした。具体的なセリフや展開は思い出せないのに、作品全体をまとう空気ははっきり記憶に残っています。
    自分は男子校に通ったことも、身近に不良がいた経験もなく、この作品の日常はあまり感情移入できません。それでも最後まで夢中でこの世界に入り込めたのは、劇中の曲のおかげではないかと思います。思春期の鬱々とした感情や衝動が、楽曲の雰囲気と重なり世界観を盛り上げていました。さらに出演者の魅力と相まって、高校生役なのに全員色気がすごくて、なのに若々しさもありました。
    音楽や出演者の魅力が深く楽しめる、独特の作品だと思います。