映画『恋の門』の概要:石で漫画を描く漫画芸術家の門と、同人作家でありコスプレイヤーの恋乃とのラブコメディ。二人の出会いから、マスターとの三角関係、そして結ばれるまでを独特なタッチでスピーディーに描いた作品。
映画『恋の門』の作品情報
上映時間:114分
ジャンル:ラブストーリー、コメディ、青春
監督:松尾スズキ
キャスト:松田龍平、酒井若菜、松尾スズキ、忌野清志郎 etc
映画『恋の門』の登場人物(キャスト)
- 蒼木門(松田龍平)
- 仕事もなく金もなく童貞である。石で漫画を描く漫画芸術家。石を使った作品は突飛で理解しがたいものだが、ペンを使った作品は、上手である。
- 証恋乃(酒井若菜)
- 同人作家であり、コスプレイヤーをしているOL。浪費癖がある。
- 毬藻田(松尾スズキ)
- 漫画バーのマスター。以前は、売れっ子の漫画家であった。
映画『恋の門』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『恋の門』のあらすじ【起】
門は初出勤のアルバイトへ向かう途中、ハート型の石を見つける。拾うとしたところ、通りかかった恋乃に指を踏まれる。これが二人の出会い。
遅刻しながらも辿り着いたアルバイト先は、先ほど出会った恋乃が働く会社であった。その日の歓迎会で、自分の芸術をバカにされ、暴力をふるい、即刻クビになる。
その後、恋乃宅で飲み直しているうちに一夜を共にする。翌日、目覚めた門は、恋乃にコスプレの衣装を着させられ、記念撮影を行う。恋乃が同人作家であり、同人誌で高額な売り上げがあると知った門は、恋乃宅から逃げ帰る。
後を追って辿り着いたのは、門の住むアパート。あの日拾ったハートの石を手渡す。
門の漫画が見たいと申し出るが、目の前に出された漫画は、石に文字を書いただけのもの。理解しがたい作品を前に、恋乃は混乱する。
恋乃を押し倒そうとするが、実はあの日、まだ身体の関係には至っていなかったと知らされる。つまり門は、まだ童貞を卒業できていなかったのだ。
映画『恋の門』のあらすじ【承】
恋乃は、セイキ様の一泊ツアーに一緒に行こうと誘う。門と付き合うか悩んでいる恋乃は、この一泊ツアーで付き合うかどうか決める覚悟だ。
ツアーの参加費用をどうしようかと考えていると、一軒の漫画バーへと行き着く。漫画作品を販売しているというその店のマスターに、自分の作品を見てもらうが、酷評される。マスターから、金に困っているなら、ここで雇ってやると言われる。ただし雇う条件は、今すぐこんな作品を捨て、女を幸せにすると誓うことだと迫る。マスターは昔の自分を見ているようで、門を放っておけない様子。門をアルバイトとして採用することにした。
門宛に恋乃から手紙が届き、それはコミケに来ないかという内容であった。コミケへと足を運んだ門は、恋乃の両親を紹介される。
恋乃と共にセイキ様の一泊ツアーへ参加する。旅行先で漫画原稿を描いている恋乃に、こうすると良くなるとアドバイスする門。紙とペンで描く門の絵は、上手であったのだ。そのまま良い雰囲気になり、いよいよといったところで、門は吐き気を催してしまう。翌朝、門は置き手紙を残して旅に出た。
映画『恋の門』のあらすじ【転】
門の行方を捜すため訪れた漫画バーで、恋乃と毬藻田とが知り合うことになる。以前、毬藻田が売れっ子の漫画家であったことを恋乃は知っていた。毬藻田は、恋乃に恋心を抱く。毬藻田の漫画を読みたいと言う恋乃の言葉によって、再びペンを握る意欲が湧いてきた。
すぐ近所の路上で石を売っていた門を恋乃が発見、再び再会した二人。門は、ハート型の石を二つに割って、ペンダントにしたものを恋乃に渡す。石を合わせると、ハート型になるのだ。
そんな矢先、実家の父親が危篤であるという報せが入る。死に際に際しても尚、絵を描こうとしている父親の姿に、幼き日の父の姿を思い返す。門の語る石についてのウンチクは、父親が教えてくれたものだったのだ。石に拘り続けるのを止めることにした門。
ようやく結ばれる二人。しかし幸せな時間も束の間、門が居ない間に、恋乃は仕事を辞め、多額の借金を作っていたのであった。結局、二人は門の家で暮らすことになり、門はアルバイトに戻った。
映画『恋の門』の結末・ラスト(ネタバレ)
漫画コンクールがあることを知り、毬藻田と共に、門も参加することを決意。せっかくなら勝負にしようという条件に、毬藻田は、自分が勝てば恋乃を貰うと宣言した。その代わり、門が勝てば毬藻田から何でも奪えば良いと告げた。そして、恋乃もコンクールに参加することを決める。恋乃が勝てば、門は一生コスプレという条件付き。三人は、コンクールに向けて、懸命に原稿に打ち込む。
コンクールの結果は、毬藻田が準優勝を受賞。門はというと、選外佳作という結果。
結果に落ち込む門は、風俗デビューする。そこで目にしたのは、風俗店で働く恋乃の姿。自身の浪費癖が原因で、ずっと前から風俗で働いていたことを知らされる門。
さらに追い討ちをかけるように、コンクールの大賞を受賞していたのは、恋乃だったことを知らされる。
再び逃げるように姿を消す門。その間、受賞した賞金で恋乃は借金を返し、毬藻田も店に戻り、いつもの日常に戻ったかのように見えた。
恋乃の大賞受賞祝いの二次会の場へ、石の鎧のようなものを着た門が現れる。しかし、その姿に思わず逃げる恋乃であった。後を追いかける門。追いかける途中で、門が派手に転ぶ。恋乃は、門の元へと駆け寄り、互いに身につけていたハート型のネックレスを合わせた。以前はぴったりはまっていたハート型だったが、真ん中に穴が空いてしまった。その穴を覗き込む二人の目に映ったものは、宇宙であった。
映画『恋の門』の感想・評価・レビュー
面白かった。
清志郎もサンボマスターも好きなので、音楽も一緒に楽しめた。
酒井若菜はとても可愛らしくて、松田龍平はパッとしない童貞役でも相変わらずかっこいい。
テンポも良く小ネタもいちいち面白くて笑どころも好き。
庵野秀明と安野モヨコのご夫婦や、内田春菊などの豪華な漫画家さんたちも拝見できて嬉しかった。(女性 40代)
個性的でコアなファン向けの作品だろうと期待せずに鑑賞した今作でしたが、個性的ではあるものの万人受けするストーリーになっていて、想像以上に楽しめる作品でした。
門と恋乃の凸凹な2人がとにかく可愛くて、最初から展開が早いものの、実はまだ童貞を捨てきれていなかったり、風俗で働いていたりと内容が盛りだくさんで門にはかなりハードな経験だっただろうなと感じました。
自分のやりたいことや才能を諦めない姿を見て応援してあげたい気持ちになりました。(女性 30代)
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