映画『I’M FLASH!』の概要:新興宗教団体「ライフイズビューティフル」の教祖であるルイは、女とのドライブ中、交通事故を起こす。以降、教祖を辞めたいと申し出る彼には、ボディーガードがつけられた。教団はボディーガードにルイ殺害を依頼する。
映画『I’M FLASH!』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:ヒューマンドラマ、アクション
監督:豊田利晃
キャスト:藤原竜也、松田龍平、水原希子、仲野茂 etc
映画『I’M FLASH!』の登場人物(キャスト)
- 吉野ルイ(藤原竜也)
- 新興宗教団体「ライフイズビューティフル」の教祖。その日出会った美女とのドライブ中、交通事故を起こしてしまう。事故以降、教祖を辞めたいと考えるようになった。3人のボディーガードがつけられている。
- 新野風(松田龍平)
- ルイのボディーガードの一人。
- 川嶋流美(水原希子)
- 妹は「ライフイズビューティフル」の信者であったが、自殺してしまった。その復讐の為、ルイに近付くが、ルイとのドライブ中の事故で昏睡状態となってしまう。
- 神村賢(仲野茂)
- ルイのボディーガードの一人。
- 祝一雄(永山絢斗)
- ルイのボディーガードの一人。
- 吉村悟(板尾創路)
- 教団における世話役。
- サクラ(原田麻由)
- ルイの姉。一人息子の母親。
- 吉野カオル(北村有起哉)
- ルイの兄。女装癖がある。
- 吉野ナミ(大楠道代)
- ルイの母親。絶対的な権限を持っている。
映画『I’M FLASH!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『I’M FLASH!』のあらすじ【起】
冒頭、夜道でのバイクと車との衝突事故のシーンから始まる。車で事故を起こした男は「ライフイズビューティフル」の教祖であり、男は無事であったが、助手席の女は昏睡状態であるという。
事故以降、ルイにはボディーガードがつけられるようになった。ボディーガードとして集められたのは、新野、神村、祝の三人。
ルイは現実逃避するかのように、海へ潜ってばかりの毎日。そんなルイの元へ姉であるサクラが訪れる。叱咤する姉に「教団を解散する」と告げる。当然、姉は大反対。
そして、事故を起こした夜の出来事が明らかとなっていく。その夜、バーで出会ったルイと流美は、バーを抜け出しドライブへと出掛ける。教団について知りたがる流美。理由は、彼女の妹は「ライフイズビューティフル」の信者であったが、自殺してしまったからだ。復讐しようとルイに近づいたのだと白状する。ルイに向けられたピストルの銃口。「死を恐れるなって言ってなかった?ガソリンは満タンよ」そう言って彼女は微笑む。
映画『I’M FLASH!』のあらすじ【承】
次にルイの元を訪ねてきたのは、兄であるカオル。自分は、ルイが教祖を辞めることに反対はしないが、自分の面倒は見てくれと頼んだ。その兄から、歴代の教祖であった父や祖父のドクロには、銃殺されたと思われる穴が残っていると聞かされる。祭壇に飾られたドクロには、確かに銃痕が残されていた。
ある日、ルイの元へヒットマンが命を狙いにやってくる。ルイ目掛けて、何度も弾は撃ち込まれるが、なぜか一発も当たらずに、弾は彼の側をすり抜けていく。まもなく音を聞きつけたボディーガードたちの手によって、ヒットマンは殺害される。最後のトドメを撃ち込んだのは、新野だ。
場面は一度、事故当日の回想に戻る。「なんで妹は死んだの」と銃口を向けたままルイに詰め寄る流美。ルイに死んで欲しい訳ではなく、自分の死を見届けて欲しい、救って欲しいのだと泣き崩れる。流美は、自身の死を望んでいるのだ。
祭壇に向かうルイの姿は、まるで流美のために祈りを捧げているかのようだ。
映画『I’M FLASH!』のあらすじ【転】
母親に呼び出されたルイは、教団を辞めたいと母に告げる。母親は、ルイに教祖を続けるよう諭すが、ルイの意志は堅く、首を縦には振らない。
教祖を辞めるのであれば、用無しとばかりに「あの子はもう無理よ」とルイを葬り去ることに決めた。母親は、姉の息子を次の教祖に仕立て上げるつもりだ。別れ際、兄はルイを抱き締め、耳元で「逃げろ」と忠告する。
ボディーガードの三人は、吉村からルイを殺害するよう命じられる。納得いかないながらも、仕事を引き受ける三人。
夜の浜辺で、初めてルイと新野が対面して会話している。「そんなに人を傍観してて、人生楽しいか」と問い掛けるルイ。「嘘くさい芝居は苦手なんだ」と答える新野。会話の途中で、砂をかけてハッタリをかますルイ。その後を追いかける新野。
ルイが流美の病室を訪れたところで、再び、事故当日の回想シーン。車内で交わされる二人の会話は、死に向かっていくような内容である。
ルイの後を追って、新野も流美の病室へと辿り着いた。
映画『I’M FLASH!』の結末・ラスト(ネタバレ)
捕獲した魚を囲みながら、ルイとボディーガード達は、初めて交流らしい交流を持つ。死ぬのは気持ち良いことだと話すルイに、死ねば良いんじゃないかと返す新野。その言葉にルイは「じゃあ、殺してくれよ」と答える。
その日の夕食に招かれたボディーガード達は、祭壇に用意されたディナーの席に着く。互いに殺し合う覚悟を決めた夕食会。「何に乾杯する?」という問いに「ライフイズビューティフルに」と答えた。その一言をきっかけとして、銃撃戦が始まる。最初に頭を銃で撃ち抜かれたのは、祝である。次に神村がやられ、ルイは海の中へと逃げる。後を追う新野は、ルイの消えた水面に向かって弾を数発撃ち込む。
最後の回想シーンが流れ、衝突事故を起こす寸前、死んで互いの中で生きようと決意をし合った。そして二人は口づけを交わしながら、その瞬間を迎えるのである。
追ってきた新野を殺ろうと水中に潜って機会を狙っていたルイだったが、水面に出た瞬間、新野によって射殺されてしまう。
ルイが射殺されたその瞬間、昏睡状態だった流美は、瞼を開けた。
映画『I’M FLASH!』の感想・評価・レビュー
藤原竜也に松田龍平、水原希子に板尾創路。めちゃくちゃ個性が強い俳優陣。しかも藤原竜也が演じるのは、新興宗教の教祖。もう魅力的ですよね。監督は豊田利晃、この監督の作品かなりぶっ飛んでて好きなんです。作品を通してめちゃくちゃ画が綺麗です。海や夕日、自然が本当に綺麗。
「死は人を情報化し、生きてるものが都合よく死者の人生を解釈する。嘘を混じえて。」なるほどなと考えさせられる作品でした。(女性 30代)
新興宗教の教祖一族の内情を生々しくも刹那的に描いた作品。
藤原竜也演じる教祖は祖父と父に継ぐ3代目で、教祖という立場に辟易としていたのだろうと思う。今作の冒頭では女性と教祖が交通事故を起こすというシーンから始まるが、そこへ至る経緯が作中で明かされる。新興宗教とは名ばかりで、宗教を金儲けにしている一族の醜さとそういった人々の中で生きてきた主人公の行き場のないやるせなさが結果的に自殺という行為へと至る。そして、主人公の命を狙う3人のボディーガードの存在。3人はそれぞれに独特なキャラクターをしていて、ストーリーをより引き立てているように思う。なかなか秀逸な作品。(女性 40代)
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