この記事では、映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の作品情報

上映時間:137分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ケネス・ロナーガン
キャスト:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、グレッチェン・モル etc
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の登場人物(キャスト)
- リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)
- ボストンの便利屋で働く男。兄のジョーの死をきっかけに故郷マンチェスターに帰り、ジョーから甥っ子のパトリックの後見人として指名される。故郷にはトラウマがあり、パトリックと住むことを躊躇する。過去に囚われて、廃人のような生き方をする男。
- ジョー・チャンドラー(カイル・チャンドラー)
- リーの兄。エリスとは離婚し、男手一つでパトリックを育ててきた。心臓の病気で死んでしまう。
- パトリック・チャンドラー(ルーカス・ヘッジズ)
- ジョーの息子。ジョーの死後、叔父のリーとはあまり良い関係ではなく、ジョーの残した船や家のことで口論することがある。あまり感情を表に出さない、現代の若者。
- ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)
- リーの元妻。リーの引き起こした火事によって娘を亡くし、リーとは離婚した。新しい夫との間に子供がいる。リーに対して酷いこと言ったと後悔していて、今でもリーのことを愛している。
- エリス・チャンドラー(グレッチェン・モル)
- ジョーの元妻。新しい夫と幸せに暮らしているが、パトリックともメールなどで連絡を取り合っている。ジョーの死後にパトリックを夕食に誘うが、気まずい雰囲気になってしまう。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のあらすじ【起】
雪の降るボストン。そこでリー・チャンドラーという名前の男が便利屋として働いていた。しかし、無愛想な態度などもありお客からはいつも苦情を言われていた。リーは会社に不満をぶちまける。
会社帰り、一人でバーに立ち寄ったリーを一人の女が誘ってくる。しかし、リーはその誘いに乗ることなく、そっけない態度をとるのだった。
いつものように仕事に追われるリーのもとに、兄のジョーが倒れたという電話がかかってくる。
故郷であるマンチェスター・バイ・ザ・シーの病院にいるという一報を友人から受け、リーは急いで車で病院へ向かう。しかしときすでに遅く、リーの到着一時間前にジョーは心臓発作で亡くなってしまったのだった。
数年前、ジョーは医者に余命5年位だと伝えられていた。リーは、甥っ子でジョーの息子のパトリックのもとへジョーの死を伝えに行くのだった。その道中、車から見える故郷の風景がリーの過去の記憶を蘇らせていた。リーはかつてこの街で家族を持ち、幸せに暮らしていたことがあったのだった。

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のあらすじ【承】
パトリックはアイスホッケーの練習をしていた。そこへリーが現れ、パトリックにジョーの死を伝えるのだった。
父を一目見たいと言うパトリックのために病院へ向かうジョー。パトリックは一瞬だけジョーを見た後、すぐに病院を後にするのだった。
パトリックの家へと着いた二人。その日はリーもそこに泊まることにする。パトリックは友人や彼女を呼び、楽しく談笑して夜を過ごすのだった。
翌日、リーは弁護士のもとを訪れてジョーの遺言書を確認する。そこには、リーをパトリックの後見人に指名すると書かれているのだった。それは、パトリックのためにマンチェスターまで引っ越さなければならないことを意味していた。リーは再び過去を思い出す。昔マンチェスターで幸せに暮らしていた頃、リーの不注意で自宅が家事になり、最愛の娘を死なせてしまった過去があった。リーは今でもそれを後悔し、自分を責め続けていたのだ。それを思い出し、リーはマンチェスターに住むことを躊躇していたのだった。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のあらすじ【転】
リーとパトリックは、ジョーの持ち物だった漁船について言い争いをする。自分のものだと主張するパトリックに、ボストンに行くから漁船は売ると主張するリー。パトリックはそれに驚き、反抗するのだった。
ある日、リーのもとに元妻であるランディからジョーのことで電話がかかってくる。ランディは新しいパートナーとの間の子供がお腹の中にいると報告する。リーはそれを聞き、驚きながらも祝福するのだった。
ジョーの葬儀が行われる。そこへ、ランディが新しいパートナーと共に訪れる。その夜パトリックはリーに、友達やバンド仲間や彼女を置いてマンチェスターを出ることはできないと言うのだった。リーは、葬儀が終わるまでは一緒にマンチェスターにいることを決めるのだった。
ある夜、パトリックが突然パニックを起こす。ジョーが墓場に入れられるまでの間、遺体が冷凍室に入れられていることが我慢ならないと言い出すのだった。
リーが家の片付けをしているとき、ジョーの元妻であるエリスから電話がかかってくる。リーは驚き、電話を切ってしまうのだった。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の結末・ラスト(ネタバレ)
リーとパトリックはエリスの家へと向かう。そこには新しい夫と共に暮らすエリスの姿があった。リーは席を外し、パトリックとエリス夫妻で夕食を摂る。しかし、三人はどこかぎこちない雰囲気のままだった。
ボストンへの出発が迫る中、リーは街中で子供を連れたランディに偶然再会する。ランディは、火事の後にリーに酷いことを言ったと後悔していた。そして、まだ愛していると伝える。しかし、リーはそれを受け入れられないでいる。そして、リーはその場を去って行くのだった。
その日の夜、トマトソースを温めていたパトリックはそのまま寝てしまう。すると、夢に死んだ娘達が現れ、「私たち燃えているの」とリーに囁く。そこで目を覚ましたリーは、トマトソースを焦がして煙が充満していることに気付き、急いでキッチンへと向かうのだった。
リーは友人のジョージの家を訪れた後、ジョーの家でパトリックに今後のことを話し始める。リーはパトリックの後見人にジョージを選び、ジョージにそれを受け入れてもらったのだった。これで、リーもボストンへと戻り、パトリックもマンチェスターを離れなくて済むのだった。しかし、パトリックはなんでリーがマンチェスターに残れないのかと聞く。リーは、過去を乗り越えられなかったのだと答える。
葬儀が終わり、リーとパトリックはジョーの残した船に乗る。リーはパトリックを見ながら昔を思いつつ、パトリックの成長を感じるのだった。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
一人の男の心の再生を描く本作。筆者は、彼の背負う暗い過去があまりに重すぎて、見ている間は集中できない部分もあった。それだけケイシー・アフレックが役に入り込んで演じ、我々に訴えかけてたのではないかと思う。心にどんなに大きな傷を背負っても人生は続いていき、そしてそれを癒すのは人と人との繋がりなのだと胸に沁みた。見ている間、辛かったけど、またいつか見たいと思わせる不思議な作品であった。(男性 20代)
全体的にどんよりとした映像の現在と、合間に差し込まれる幸せな回想シーンの対比が苦しくなるほど切ない。彼が犯した罪は、もちろん許すことはできないのだが責めることもできなくて、それをみんなわかっているから見ていて本当につらかった。心に傷を負った誰もが次に進めるわけじゃないし、進む必要もない。主人公のリーが甥に向かって伝えた「乗り越えられない。」がとてもリアル。たぶん彼は一生この過去を乗り越えることはできないだろう。でも、少しずつで良いから、ゆっくり進んでいってほしいなと感じた。(女性 20代)
ある一人の男が辛い過去と向き合い、再生していこうとする物語。話が進むにつれてその悲しい過去が明らかになり、見ていてとても苦しい気持ちになる。
兄の死をきっかけに後見人となり、甥のパトリックとの生活によってリーの心が少しずつ変化してゆく。兄が許可なく後見人に指名していたのは、リーを立ち直らせるためだったのかもしれない。
過去のトラウマを乗り越えるのは簡単ではないけれど、それを受け入れながら生きていく人間の強さを感じられる作品であった。(女性 30代)
決して癒えることのない悲しみを、苦しみを、後悔を、“乗り越えられない”と認めて終わる、ある意味斬新で、しかしこれ以上ないくらい人間らしい映画だった。前に進めず、忘れることも出来ず、それでも生きていくしかない彼らの人生の、ほんの一部分を見せてもらったような気持ちになった。
主演のケイシー・アフレックとその甥っ子役のルーカス・ヘッジズの繊細な演技が非常に秀逸で、噛み合わないながらも、何とか互いを大切にしようとから回る姿に何度も胸が苦しくなった。
ラストで二人が再びジョーの船で海に出るシーンの美しさに心から感動した。(女性 30代)
リーが過去に自宅を火事で失い、子どもたちを死なせてしまったという事実が明かされる場面は衝撃だった。何気ない過失が取り返しのつかない悲劇を生み、その罪悪感を抱えたまま生きる彼の姿が痛いほどリアル。甥パトリックとの共同生活も温かな再生劇にはならず、最終的に町を離れる選択をするラストが切ない。癒えない傷をそのまま描く誠実さに胸を打たれた。 (30代 男性)
母親の立場で観ると、火事の回想シーンは息が詰まるほど辛かった。リーの元妻との再会も印象的で、互いに謝りながらも戻れない現実が静かに突きつけられる。パトリックの明るさが救いだが、完全な和解や再生がないところがこの映画の誠実さだと感じた。痛みを抱えたまま生きる姿に涙した。 (40代 女性)
若い世代としては、パトリックの視点に共感した。父を亡くし、叔父と暮らすことになるが、日常は意外と続いていく。その軽やかさとリーの重さの対比が印象的だった。リーが「ここにはいられない」と告白する場面は胸が締めつけられる。再生ではなく共存を選ぶ結末が現実的だ。 (20代 男性)
物語は静かだが、感情の揺れは大きい。リーが警察署で自殺を図ろうとする回想は衝撃的で、彼の絶望が伝わる。元妻との偶然の再会シーンは言葉にならない感情が溢れていて、映画全体の白眉だと思う。救いきらないラストが逆に心に残る。 (50代 男性)
女性として印象に残ったのは、元妻ランディの変化。新しい家庭を築きながらも、リーへの思いが消えていないことが伝わる再会シーンは涙を誘う。パトリックの成長も自然で、過度に感傷的にならない演出が好印象。静かながら深い余韻を残す作品。 (30代 女性)
リーの不器用さが胸を打つ。甥の後見人になるが、自分の罪悪感から逃れられず町を離れる決断をする。普通なら再生を描きそうなところを、あえて「治らない傷」を提示する点が誠実。日常の細部がリアルで、人生の重さを感じさせる。 (60代 男性)
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見た人におすすめの映画5選
ブルーバレンタイン
この映画を一言で表すと?
愛の始まりと終わりを残酷なまでに描く、切実な夫婦の物語。
どんな話?
情熱的に出会い恋に落ちた男女が、結婚生活の中で少しずつすれ違っていく。幸せだった過去と冷え切った現在が交錯し、愛が変質していく過程が生々しく映し出される。理想と現実の差を描いたリアルなドラマ。
ここがおすすめ!
関係の修復が簡単には叶わない点や、感情を過剰に美化しない姿勢が『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と通じる。痛みを抱えた人間を誠実に描き、観る者に深い余韻を残す一作。
ショート・ターム
この映画を一言で表すと?
傷を抱えた若者と向き合う中で、自らも再生を探る物語。
どんな話?
問題を抱える子どもたちを支援する施設で働く女性が、彼らと向き合う中で自身の過去のトラウマと向き合っていく。小さな出来事の積み重ねが心を動かす、繊細なヒューマンドラマ。
ここがおすすめ!
癒えない傷と共に生きる人々を丁寧に描く点で『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と響き合う。派手な展開はないが、静かな感動が胸を打つ。人間の弱さと優しさを見つめたい人に。
ブルージャスミン
この映画を一言で表すと?
崩れ落ちた人生と向き合う女性の痛切な肖像。
どんな話?
裕福な生活を失った女性が、姉のもとで再出発を試みる。しかし過去の栄光と現実の落差に苦しみ、心の均衡を失っていく。崩壊していく自尊心と孤独を描くドラマ。
ここがおすすめ!
取り返しのつかない過去と向き合う姿勢が『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と共通。主人公の弱さを容赦なく描きながらも、人間味を失わない点が印象的。深い心理描写を味わいたい人におすすめ。
普通の人々
この映画を一言で表すと?
喪失の後に残された家族の静かな崩壊と再生。
どんな話?
兄の死をきっかけに、家族のバランスが崩れていく。生き残った息子は罪悪感に苦しみ、両親との関係もぎくしゃくする。悲しみと向き合う過程を繊細に描いた家族ドラマ。
ここがおすすめ!
喪失と罪悪感をテーマにした物語は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と深く共鳴する。静かな演出の中に感情の波が宿り、観る者の心に長く残る作品。
レスラー
この映画を一言で表すと?
過去の栄光に縛られた男の、不器用な生き様。
どんな話?
かつて人気を誇ったプロレスラーが、衰えた身体と向き合いながら再起を図る。娘との関係修復を試みるが、過去の過ちが影を落とす。孤独と誇りを描いた人間ドラマ。
ここがおすすめ!
自己破壊的な過去と向き合いきれない主人公像が『マンチェスター・バイ・ザ・シー』と重なる。華やかさの裏にある孤独を描き、簡単な救済を提示しない誠実さが胸に響く一作。



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