映画『ハンガー・ゲーム』の概要:カットニスは、家族と共に幸せな毎日を送っていた。しかし、ある日突然ハンガー・ゲームの開催が宣言される。それは、最後の一人になるまで殺し合いを強要させる、恐ろしいサバイバルゲームだった。
映画『ハンガー・ゲーム』の作品情報
上映時間:143分
ジャンル:サスペンス、アクション
監督:ゲイリー・ロス
キャスト:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン etc
映画『ハンガー・ゲーム』の登場人物(キャスト)
- カットニス・エヴァディーン(ジェニファー・ローレンス)
- 第12地区に暮らす少女。勇敢な性格で、妹の代わりにハンガー・ゲームの代表となる。
- ピータ・メラーク(ジョシュ・ハッチャーソン)
- カットニスと同じく第12地区の代表選手に選ばれた青年。
- ゲイル・ホーソーン(リアム・ヘムズワース)
- カットニスの幼馴染。カットニスに想いを寄せている。
- ヘイミッチ・アバーナシー(ウディ・ハレルソン)
- かつてハンガー・ゲームを勝ち残った人物。カットニスの指導を担当する。
- プリムローズ・エヴァディーン(ウィロウ・シールズ)
- カットニスの妹。心優しい性格をしている。
- ルー(アマンドラ・ステンバーグ)
- ハンガー・ゲームの参加者。まだ幼い少女。
- ケイトー(アレクサンダー・ルドウィグ)
- ハンガー・ゲームの参加者で、優勝候補筆頭。
映画『ハンガー・ゲーム』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ハンガー・ゲーム』のあらすじ【起】
今より少し未来の話。とある場所に、パネムという独裁国家があった。パネムはキャピトルという富裕層が暮らす巨大都市と、12の隷属地区によって成り立っていた。そして、パネムでは毎年、忌まわしいゲームが開催されていた。その名も『ハンガー・ゲーム』。
12の地区からそれぞれ男女1人ずつを選出し、最後の1人になるまで殺し合いをさせる恐ろしい大会である。戦争を避けるため、という名目のもと行われているその大会であるが、その実全ての国民がキャピトルの支配下にあるようにすることが目的のこのゲーム。
そして、いよいよ今年度、第74回のハンガー・ゲームが幕を開こうとしていた。カットニスという少女は、第12地区で暮らしていた。家族と友人に囲まれ、貧しくも幸せな毎日を送っていたカットニスだったが、なんと妹のプリムローズが第12地区の代表として選ばれてしまったのだ。か弱く、心の優しい彼女が大会を勝ち残ることは絶望的である。そんな中、カットニスは自らが妹の代わりに大会に出ることを名乗り出るのだった。
映画『ハンガー・ゲーム』のあらすじ【承】
そして、男子の代表としてカットニスの同級生、ピーターが選ばれた。2人はゲームに臨むため、キャピタルへと向かう。しかし、実際にゲームが始まる前に、アピールタイムという機会が設けられていた。そのアピールタイムで観客に好印象を残すことができれば、大会中観客からの何かしらのサポートが望めるのだ。
カットニスは、専属のスタイリストが考案した実際の火をまとった衣装で観客の話題をさらう。一方、なんとピーターは観客の前で、自分がカットニスに長年想いを寄せていたことを打ち明けるのだった。カットニスはその発言に対して怒りを表す。自分が、ピーターの売名のために使われたと考えたからだ。
しかし、ピーターのそのアピールは非常に効果的に働いた。2人は周囲から『運命の恋人』と呼ばれるようになり、一躍観客の注目トップに躍り出たのだ。一方、優勝候補は第2地区出身のケイトーという人物だ。なんと彼は、幼い頃よりこの大会で勝ち残るための厳しい訓練を積んできたという。
映画『ハンガー・ゲーム』のあらすじ【転】
そして、それぞれの思惑が交差する中、とうとうゲームが開始した。ゲーム開始と同時に、その場は戦場となる。混戦に巻き込まれないよう、カットニスは一旦その場から退散する。元々カットニスは野生の動物を狩ることに長けており、自然とも馴染み深かった。そんな彼女は、森の中に身を潜ませながらあたりを探っていた。
そして、大会の途中、カットニスはルーという少女と仲良くなる。妹の年齢に近い彼女を守ってやろう、とカットニスは心に決めるのだった。しかし、ルーは他の参加者に殺されてしまったのだ。カットニスは心よりルーを悼み、中継を通してその様子が全国に流された。そして、カットニスは視聴者の心を大きく掴んだのだった。
そのインパクトは、企画側の予想をはるかに超えるものだった。それほどまでに、カットニスには影響力があったのである。そこで企画側は、カットニスの影響を考え、同一地区の選手に限り、男女2人での優勝を認めるというルールを新たに作成した。
映画『ハンガー・ゲーム』の結末・ラスト(ネタバレ)
その放送を聞いたカットニスは、ピーターと集合するべく急いで彼を探す。しかし、他の参加者たちと行動を共にしていたピーターは、仲間割れによって深い傷を負ってしまったのだ。カットニスは、つきっきりでピーターの看病にあたる。その中で、ピーターは自分がカットニスに想いを寄せているのは、アピールではなく事実であることを打ち明けたのだ。そして、その献身的な介護の様子も、中継で多くの視聴者の目にとまっていた。
大会が開始してから暫くたち、参加者の多くが命を落とした。とうとう、生き残っているのはカットニスとピーター、そしてケイトーのみとなる。圧倒的な実力を持つケイトー相手に、カットニスとピーターは協力して、見事勝利を収めるのだった。しかし、ここで非常な通告が彼らの耳に届く。なんと、運営側が勝者は1人のみと変更したのだ。つまり、カットニスとピーターが殺し合いをしなければならない。
しかし、ここで彼らは運営の予想外の行動に出る。2人は毒の木の実を手に取ると、心中をはかろうとしたのだ。このままではゲームの勝利者がいなくなってしまう。運営側は慌てて2人を勝者とし、2人は胸を張って12地区へと戻っていったのだった。
映画『ハンガー・ゲーム』の感想・評価・レビュー
カットニスの強い気持ちや、頭のよさを生かしたからこそ、厳しい戦いや環境に耐えれたのだと感じた。またパートナーのピーターとの相性もよく、想いを寄せている事実を知った上で戦い抜くのはかなり難しいが、二人ならではの勝利の仕方が、さすがだと感心した。特にルーが亡くなったシーンが印象深く、カットニスからすると妹の代わりにハンガー・ゲームに出ているため、妹と同じようにルーを守り助け合うのだが、亡くなったルーの姿を目の当たりにし、悲しさと悔しさが募る感情が共感した。かなり残酷で過酷なシーンがたくさんあるが、強い気持ちや助け合う大切さなど、極端ではあるが教えてくれる映画である。(女性 20代)
近い未来の話、娯楽の一環として生き残りをかけた殺し合いのゲームが行われていた地区があった。カットニスが迷いなく妹の代わりに戦いに出る、という冒頭のシーンだけでも憧れるような女性像である。幼馴染のピーターのなんというか、恋心をこじらせている感じがどうも嫌です。カットニスにはボーイフレンドがいて、それに何よりもピーターの性格はカットニスと合わなさそうで。観ていてモヤモヤというか、イライラというか、してしまいます…。(女性 20代)
アクションシーンよりも、プレイヤーたちの人間関係や心情の変化などの方がメインで描かれており、ドラマ的な部分も楽しめました。さらに、心理戦やスリリングな駆け引きなどハラハラドキドキも味わえ、ラストまで気が抜けませんでした。そして一番の魅力はジェニファー・ローレンス演じるカットニスのキャラクターです。頭が良く、正義感溢れる強く逞しい女性はとてもカッコ良く、憧れました。残酷な描写もあり胸が締め付けられるシーンもあり、印象に残る作品でした。ここからどう展開していくか続編も気になります。(女性 30代)
あらすじを見た時点で『バトルロワイアル』を意識させられたが、あちらと比べて脚本に隙が多すぎる。それもそのはず、アメリカのティーン小説が原作だったらしく、日本で言うところのライトノベルだ。そう思って視聴すれば、「なるほどな」と納得する。
とりあえず、アクションシーンを期待してみるが、印象に残るところは特にない。人間ドラマは安っぽい恋愛ドラマに発展するし、どこが見どころかわからない感じ。続編があるのでとりあえず最後まで見るかという程度。(男性 30代)
めちゃくちゃざっくり説明すると、ハリウッドの力で映像もアクションも何もかもが豪華にアップデートされた『バトル・ロワイアル』。かなり独断と偏見で言うが、スケールが大きくなっただけでやっていることはほぼ同じだと思う。なのでどうしても比べてしまうのだが、最後は自分たちの力でゲームから脱出した『バトル・ロワイアル』に比べ、スポンサーとの心理戦によってなんとか二人生き延びた『ハンガー・ゲーム』はどうしてもオチが弱いというか、もやもやした気持ちになってしまう。終盤までは非常に面白かっただけに残念だった。(女性 30代)
関連作品
次作 ハンガー・ゲーム2
みんなの感想・レビュー
ハンガーゲームを行う理由。
ゲームと名の付く通り、政府や裕福層の大半にとっては、貧困層をターゲットにした娯楽にすぎません。
支援者を獲得させ、ゲーム中の物資援助を可能にするのは、裕福層の側で、賭けのようなことが行われているから。
また、希望を持たせた後に、絶望する情景を望む、ねじれた感受性を持ってしまった人が、裕福層に多く存在しているからと、考えられます。
さらに、政府側には、後に反乱を起こすような、強い意志、身体能力を持つ若者の力を、ゲームによって、最小限に抑え込んでしまおうとする魂胆も見受けられます。
それでも優勝者がいないと困るのは、一人だけ残すことによって、政府への反乱を未然に防ぐため。
「優勝者した者は帰郷させた。これは、決められたペナルティなのだから、選ばれても優勝すればいい。」という印象、逆らえない心理状態を、より強くさせるパフォーマンスと考えられます。
カットニスには、ボーイフレンドがいます。
2人きりで、駆け落ちのジョークを言い合う姿は、恋人の会話としていいと、考えられます。
ピーターは、雨の日に、パンを渡したかったのに、勇気が出なく、投げてしまったのが気がかりだった。
カットニスに想いを寄せている、と言います。
パフォーマンスと言っていますが、彼が、片思いをしていたのは間違いないでしょう。
でなければ、ゲーム開始早々に、カットニスを庇う行動に出る理由がありません。
しかし、肝心のカットニス。
彼女は、つり橋効果、つまり不安定な状況下でのドキドキを、恋愛のドキドキと、勘違いしつつある可能性が高いです。
帰りの列車での「今回あったことは、忘れたほうがいいわ」というカットニスの台詞は、ゲームの過酷さもあるんでしょう。
けれど、カットニスは、故郷に想い人がいる。
ピーターの思いに応えるのは難しいと思う自分、しかし、同じ過酷さを乗り切ったピーターにも、少なからず好意があり、強いヒロインの中にも、揺れる乙女心があるのだと感じられます。
毒が大丈夫な理由。
ゲーム最後、カットニスがピーターに毒を渡して「大丈夫、信じて」と言うシーン。
ルーが毒の実によく似た無害の木の実を、生前にこっそり教えていて、もしくは、カットニス自身に、野草の知識があり、カットニスは、政府側の魂胆を読み裏をかいたと考えるのが、自然ではないでしょうか。
高見広春原作、2000年に深作欣二監督で映画化された、日本映画「バトルロワイアル」によく似ています。
偶然、この映画を目にした時は、「海外版のバトルロワイアル!」と思いました。
しかし、よく見ると、近未来的な首都の景色、裕福層の着ている斬新な衣装、それとは真逆の、第12区の自然の豊かさが魅力的です。
また、カットニスというヒロインの成長も、魅力のひとつです。
どこまで、ハンガーゲームという枠の中で、政府側を欺けるか、ヒロインの成長が楽しみな作品のひとつです。
第2作、第3作と、続編が製作されるようです。
カットニスがお守りにしているブローチにも、何か深い秘密がありそうで、気になるところです。