映画『デッドマン・ダウン』の概要:犯罪組織のボスの元に脅迫文が届けられるようになり、調査を依頼していた男が殺された。ヴィクターは向かいに住む女性に、男を殺害している現場を動画で撮られてしまう。女性は動画を使い、ある男を殺して欲しいとヴィクターを脅した。
映画『デッドマン・ダウン』の作品情報
上映時間:118分
ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
キャスト:コリン・ファレル、ノオミ・ラパス、ドミニク・クーパー、テレンス・ハワード etc
映画『デッドマン・ダウン』の登場人物(キャスト)
- ヴィクター(コリン・ファレル)
- ハンガリー人。アルフォンス達に妻子を殺され、復讐するために組織に潜入する。基本的に無口で無表情。傷を負いながらも明るいベアトリスに少しずつ惹かれていく。
- ベアトリス(ノオミ・ラパス)
- エステティシャン。交通事故に巻き込まれ、顔にひどい傷を負う。事故を起こした人間に復讐したいと思うようになり、ヴィクターに接触する。同じように心に傷を負うヴィクターに惹かれていく。耳が不自由な母と暮らしている。
- アルフォンス(テレンス・ハワード)
- 犯罪組織のボス。不動産を主に扱っている。非情で冷酷な人間。アルフォンスの息のかかった者が、ヴィクターの家族を殺害した。
- ダーシー(ドミニク・クーパー)
- ヴィクターの友人。アルフォンスの組織の新人。妻子を養うため、組織の中で伸し上がろうと画策する。
映画『デッドマン・ダウン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『デッドマン・ダウン』のあらすじ【起】
犯罪組織に所属しているポールが殺され、冷凍庫に詰め込まれた状態で発見された。警報器が作動しているにも関わらず、ビルの地下にいつのまに運び込まれていたのだ。ポールの手にはメモが握り締められており、口には小さく切られた写真が押し込められていた。
犯罪組織のボスであるアルフォンスの元に、3か月前から脅迫文と写真が届けられていた。アルフォンスはポールにこの件の調査を命じていた。アルフォンスはポールが握っていたメモと、脅迫文と一緒に送られてきた写真の裏の数字を見て、ジャマイカ人のハリーが犯人だと気づく。ハリーは3か月前にヤクの取り分で揉めた男だった。
アルフォンスは仲間のヴィクター達を連れて、ハリーの部屋を訪ねた。ハリーは自分が犯人ではないと否定し、自分が殺されるのは許さることではないと涙ながらに伝えるが、アルフォンスはハリーを射殺した。ハリーの部下との間で銃撃戦になるが、アルフォンス達は何とか生き残った。
ベアトリスが部屋で煙草を吸っていると、向かいの部屋の男(ヴィクター)と目が合った。手を振って挨拶すると、男もぎこちなく振りかえした。ベアトリスの母はそれに気づき、声を掛けて誘えばいいのにと娘にアドバイスを送った。ベアトリスは自分の部屋に戻り、鏡に映る傷が残った自分の顔を見て涙を流した。
ヴィクターがポストを覗くと、手を振った女性(ベアトリス)から手紙が入っていた。電話を掛けて自己紹介をした後、レストランで会うことになる。ベアトリスは昨年自分の身に起こった出来事を話した。交通事故に遭ったせいで、整形をしても傷をなくすことができない状態になってしまったのだ。
映画『デッドマン・ダウン』のあらすじ【承】
ベアトリスはヴィクターをドライブに誘い、とあるマンションの前で車を停めさせた。そして、男の殺害をばらされたくなければ、マンションにいる男を殺害して欲しいと脅した。ベアトリスはヴィクターが自宅でポールを殺害している所を、動画で撮影していたのだ。ヴィクターは引き受けるのを嫌がるが、ベアトリスも取引を止める様子はなかった。マンションにいる男は、飲酒運転を起こしてベアトリスに怪我をさせた男だった。
ヴィクターは妻の父に会い、頼んでいた武器の状況を確認した。妻子が殺された復讐をするため、14か月もの間アルフォンスの元に潜入して機会を伺っていたのだ。ヴィクターは家に帰ると、妻子の映像をただじっと眺めた。
ヴィクターは男の詳細を聞くため、ベアトリスの部屋を訪ねた。だが、男が失業中でよくバーにいることしか分からなかった。その時、ベアトリスの母が目を覚まし、昔のアルバムを持ち出してヴィクターに話しかけた。傷がない頃の美しいベアトリスは、母の自慢の娘だったのだ。傍で聞いていたベアトリスは居心地悪そうな顔をした後、早く片付けて欲しいとヴィクターに頼んだ。
ハリーが殺された件で、ジャマイカ人達はアルフォンスを狙っていた。友人として詳しい話を聞くため、ロンはアルフォンスを呼び出した。アルフォンスはハリーとのやり取りを話し、正当防衛だと主張した。だが、ロンは厳しい顔で、送られてきた紙を見せた。そこには、勘違いと書かれていた。しかも、アルフォンスが仲間達を裏切り、不正を行っている証拠の写真が同封されていた。
ヴィクターはアルフォンスが乗る筈だった車の運転手を狙撃し、追ってきた手下達を次々と殺していった。ベアトリスはヴィクターをつけており、その現場を見ていた。そして、逃げてきたヴィクターを車に乗せてその場を離れた。
映画『デッドマン・ダウン』のあらすじ【転】
ヴィクターは友人のダーシーが組織で出世するため、脅迫をしていた男を追っていることを知る。それとなく注意を促すが、ダーシーは話を聞こうとはしなかった。
ヴィクターは尾行をしていたベアトリスを叱るが、ベアトリスはヴィクターのことをもっと知りたいのだと、行動を改める気はなさそうだった。仕方なく部屋に呼び、過去の出来事を話した。ヴィクターは仕事を探すため、ハンガリーから妻とアメリカに引っ越してきた。だが、住んでいたマンションがアルフォンスの息のかかった場所で、ある日銃で脅されて家を出て行くことになる。その時、アルフォンスの仲間の撃った弾が、寝ていたヴィクターの娘に当たり死んでしまう。ヴィクターは妻と宣誓証言をする気でいたが、その前に組織が動き、妻は殺されてしまう。ヴィクターも殺されそうになるが、奇跡的に一命を取り留める。話を聞いたベアトリスはヴィクターの気持ちがわかるため、復讐が成し遂げられるようにお守りを渡した。
ヴィクターはアルフォンスの事務所に爆弾を仕掛けるが、警報器を変えた影響で外から作動させることができなかった。もし、作動させるなら、事務所の中にいなければいけなかった。ベアトリスはヴィクターの計画を知ってしまい、お守りを返してもらって別れを告げた。
ヴィクターは監禁していた男を脅し、アルフォンスの地下倉庫に捕らえられているとしゃべらせ、それをビデオに収めた。その後、男を射殺した。ダーシーから調査に進展があったと連絡があったため、ヴィクターはベアトリスにビデオの送付を頼んだ。
映画『デッドマン・ダウン』の結末・ラスト(ネタバレ)
ダーシーがヴィクターの家族の事件を知ってしまう。ヴィクターが残された父親だとばれるのは時間の問題だった。その夜、ヴィクターはベアトリスを連れて、飲酒運転を起こした男がいるバーに向かった。ベアトリスはヴィクターと離れることを嫌がるが、ヴィクターは好きだという気持ちを伝えることができなかった。ヴィクターはベアトリスを車に残し、男の元に向かった。
ベアトリスの家の玄関に手紙が貼られていた。急いで車を走らせ、飲酒運転を起こした男が生きている姿を確認した。手紙はヴィクターからで、「もう少し一緒だ」と書かれていた。ベアトリスは手紙を握り締め、涙を流した。
ヴィクターはアルフォンスの事務所で爆弾のスイッチを持って待ち構えていたが、誰も来なかった。ベアトリスがヴィクターを守るため、ビデオを送付しなかったのだ。その頃、ダーシーがヴィクターの部屋を訪ね、隠し部屋に足を踏み入れていた。アルフォンス達の写真や資料が置かれていることから、ヴィクターが犯人だと気づく。
ベアトリスはヴィクターの部屋を訪ね、家から出てきたダーシーに捕まってしまう。ダーシーはヴィクターに連絡して、アルフォンスの屋敷で待っていることを伝えた。ヴィクターは車ごと屋敷に突っ込み、組織の人間を次々に殺していった。だが、ダーシーのことは殺さなかった。妻子にはダーシーが必要だからだ。ヴィクターはベアトリスを連れて屋敷を後にした。
映画『デッドマン・ダウン』の感想・評価・レビュー
過去、アルフォンスとの関わりの中で、妻子を殺害されてしまっているヴィクターが、アルフォンスの組織へと潜入し、復讐を成し遂げようとする物語。たまたまヴィクターがアルフォンスと通じる人間を殺害しているところを目撃してしまったアルフォンスと出会い、アルフォンスの素性を知り、復讐に加担していく中で、恋愛感情を抱いていく。形は違えど、復讐という名目が鍵となっている。ラストシーンでダーシーを殺さなかったのは、ヴィクターが自分自身が家族を失った時の辛さを経験しているからなのであろう。様々な人間の胸中が絡み合う展開に目が離せない作品である。(男性 30代)
復讐劇を描いているので少し物悲しい物語になるのだが、ヴィクターとベアトリスのロマンスが描かれていることで、希望が感じられるところが良かった。ヴィクターは基本的に無口な男なのだが、目がとても印象的で、妻子を失った悲しみが感じられた。コリン・ファレルの見た目と雰囲気が、ヴィクターのキャラクターに合っていたと思う。物語の最後で、ヴィクターが友人のダーシーのことを殺さなかったことに安堵した。殺していたら、ただの殺戮者になっていたかもしれない。(女性 30代)
家族を殺された復讐をするヴィクター。彼が何を持って復讐を成し遂げたと感じるのか疑問に思っていましたが、最後にダーシーを殺さなかったシーンを見ると、犯人を殺すことよりも自分の気持ちに整理をつけ、納得させることで復讐を成し遂げたのかなと感じました。
もしくは、家族を殺した犯人と同じことをしてはいけないという本能が働いたのかもしれません。どちらにせよ、明るいストーリーでは無いので終始暗く重い雰囲気ですが、キャストが世界観に物凄くマッチしていてとても見やすかったです。(女性 30代)
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