映画『ステップフォード・ワイフ(2004)』の概要:ジョアンナは有名なプロデューサーで、仕事を生き甲斐にする女性だった。だがある日、番組に出演していた人物が問題行動を起こしたため、会社をクビになってしまう。ジョアンナは人生をやり直すため、家族を連れて引っ越すことを決める。
映画『ステップフォード・ワイフ』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:フランク・オズ
キャスト:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック、ベット・ミドラー、グレン・クローズ etc
映画『ステップフォード・ワイフ』の登場人物(キャスト)
- ジョアンナ(ニコール・キッドマン)
- 敏腕プロデューサー。出演者に逆恨みされて襲われたことをきっかけに、会社をクビになる。仕事が命のキャリアウーマン。プライドが高く、クビになったことが受け入れられず引き籠りになる。
- ウォルター(マシュー・ブロデリック)
- ジョアンナの夫。ジョアンナと同じテレビ局に勤めていた。家に引き籠った妻の傍にいるため、仕事を辞める。ジョアンナとの間に2人の子供がいる。
- ボビー(ベット・ミドラー)
- 作家。夫と子供がいる。掃除や料理が大の苦手。豪快で明るい性格。ステップフォードでジョアンナと出会い、友人になる。
- クレア(グレン・クローズ)
- マイクの妻。ステップフォードの纏め役。優秀な脳外科医であり遺伝子工学の権威でもあった。夫の浮気を知り、夫と浮気相手を殺害してしまう。夫を愛していたため、ロボットとして蘇らせる。
- マイク(クリストファー・ウォーケン)
- クレアの夫。ステップフォードの街で、男達のリーダー的存在。実はクレアが作ったロボット。
- ロジャー(ロジャー・バート)
- 有名な建築家。ゲイのパートナーがいる。フェミニンで女性らしい言葉遣い。服装も明るくてカラフルな服が多い。ステップフォードでジョアンナと出会い、友人になる。
映画『ステップフォード・ワイフ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ステップフォード・ワイフ』のあらすじ【起】
ジョアンナはEBS開局以来最も成功した局長として有名な人物だった。アメリカ中が注目する中、新しい番組をスタートさせる。番組名は「私はもっと良くなれる」で、幸せな夫婦が南の島で娼婦や男娼と一緒に過ごすという内容だった。夫は妻と帰ることを希望したが、妻は夫を裏切り男娼と南の島に残ることを決める。怒った夫は妻と男娼を襲撃した後、ジョアンナに向けて発砲した。
ジョアンナは全ての責任を背負わされ、クビになってしまう。仕事が生きがいだった彼女は立ち直ることができず、家に引き籠ってしまう。夫のウォルターはそんな妻を心配して、テレビ局の仕事を辞めて妻の傍にいることを決める。ジョアンナは人生をやり直すため、引っ越すことを夫に提案する。
ジョアンナ達は2人の子供を連れてコネティカットに引っ越した。“ステップフォード”と呼ばれる街は、見惚れるほど美しい街で、新しく入居する家も最新鋭の機器が揃っており、移住先として文句なしの素晴らしいところだった。それでもジョアンナの気分は上がることはなく、ずっと塞ぎ込んだままだった。
映画『ステップフォード・ワイフ』のあらすじ【承】
ステップフォードで独立記念日を祝う祭りが開催された。ジョアンナは家族と一緒に出掛けるが、この街に住む女性が苦手ですぐに帰りたがった。カラフルなワンピースを着て、いつもにこにこ笑っている女性達が不気味に見えたのだ。だが、好きな作家(ボビー)と出会えたことにより、ジョアンナに祭りを楽しむ余裕ができる。その時、ダンスパーティー開始のアナウンスが流れた。ジョアンナがウォルターと参加していると、1人の妻(サラ)が激しく回転して倒れてしまう。ジョアンナは救急車を呼ぼうとするが、マイクと呼ばれる男が処置を施し、サラを車に乗せるよう周りの男性に指示を出した。
ジョアンナは男達を支配しているマイクに不信感を抱く。ウォルターに話しても些細なことだと取り合ってくれなかった。ウォルターは住民の優しさを受け入れないジョアンナに愛想を尽かし、家を出て行こうとする。ジョアンナは今まで気が立っていたのが嘘のように落ち込み、ウォルターに謝罪した。ウォルターはジョアンナを慰め、2人は仲直りをした。ジョアンナはウォルターに諭され、仕事を辞めたことを受け入れようとする。手始めに、今まで着ていた黒い服を脱ぎ捨て、カラフルなワンピースを着た。
ジョアンナはボビーとゲイのロジャーとサラのお見舞いに出かけた。返事がないので勝手に家の中に入ると、部屋から情事に耽る夫婦の声が聞こえてきた。ジョアンナ達は階段の下で様子を伺った。声が聞こえなくなった後、階段の傍に「サラ」と書かれたリモコンが落ちているのに気づき、ロジャーは勝手にボタンを押しまくった。すると、階段を下りてきたサラが変な動きをした後、突然停止して後ろに倒れてしまう。ジョアンナ達は後ろを向いていたため、それに気づかなかった。
映画『ステップフォード・ワイフ』のあらすじ【転】
ウォルターは「ステップフォード男性協会」で、ステップフォードで暮らす男性達と楽しい時間を過ごしていた。すると、突然マイクが1人の男に、ウォルターに20ドル渡すよう命令した。男は妻を呼びクレジットカードを渡した。妻はカードを受け取ると、躊躇なく口に咥えた。しばらくすると、妻の口から20ドルが出てきた。ウォルターは驚きのあまり呆然とした。
夕方、ウォルターがボビーの夫と、「ステップフォード男性協会」へ遊びに出かけた。ジョアンナはボビーに誘われ、偵察をするために後を追いかけた。屋敷の中に侵入すると、廊下にステップフォードで暮らす家族の絵が飾られていた。途中でロジャーに会ってしまうが、ジョアンナ達は男達が来る前に何とか逃げることができた。ロジャーは男達に勧められ、部屋の奥へと進んでいった。
ボビーはロジャーと2日間連絡が取れないことを気にして、ジョアンナと家を訪ねた。家の前には、ロジャーが気に入っているD&Gのカラフルなシャツが落ちていた。ゴミ箱には、ロジャーが好きな写真や服が全て捨てられていた。
ロジャーが上院議員に立候補した。今までのフェミニストな雰囲気とは異なり、きっちりとスーツを着て演説をする姿は別人のようだった。ジョアンナとボビー以外の人間は、ロジャーを応援するため声を張り上げた。
ジョアンナはステップフォードの街が気持ち悪くなり、出て行くことを決める。ウォルターは出て行くことを嫌がるが、ジョアンナの気持ちが変わらないことを知り、明日引っ越すことを約束する。
その夜、ジョアンナが眠っていると、ロボット犬が何かを加えてベッドの傍にいた。手に取ってみると、「ジョアンナ」と書かれたリモコンだった。ジョアンナは目を覚まし、ステップフォードについてインターネットで調べてみた。ステップフォードに暮らす女性は、航空会社のCEOや判事など有名なキャリアウーマン達だった。
映画『ステップフォード・ワイフ』の結末・ラスト(ネタバレ)
次の日、ジョアンナがボビーの家に行くと、ゴミ屋敷が見違えるほど綺麗に片付けられていた。ボビーは今までの黒い服ではなく、ワンピースを着て優雅に微笑んでいた。ステップフォードで暮らす女性達のように変えられてしまっていた。
ジョアンナは子供達を連れて出て行こうとするが、ウォルターが連れ去った後だった。「ステップフォード男性協会」に行くと、ジョアンナの家族の絵が飾られていた。ウォルターがジョアンナの目の前に現れ、キャリアウーマンの夫としてどれだけ苦しんでいたか、今までの不満をぶちまけた。ジョアンナはその時初めて夫が苦しんでいたことを知る。
マイクはジョアンナに動画を見せ、プレゼンを行った。根暗で欲求不満な女性でも“女性改造システム”に入れ、ナノチップを埋め込み秘密のスパイスを埋め込むことで、“ステップフォード・ワイフ”を作ることができる。つまり、夫に献身的で欠点のない妻に生まれ変わるのだ。ジョアンナはキカイ人間からの愛など、本当の愛ではないとウォルターに訴えた。ジョアンナは自分にそっくりな機械を間に挟み、ウォルターと向かい合わせに立った。そして、ウォルターの目を見ながら涙を流した。ジョアンナは“ステップフォード・ワイフ”として生まれ変わった。
ウォルターはパーティーのどさくさに紛れて「ステップフォード男性協会」の機械室に侵入した。機械を操作させ、妻達に埋め込まれたナノチップを破壊していった。実はジョアンナは演技をしていただけで、ナノチップを埋め込まれていなかった。怒ったマイクがウォルターを殴ろうとするが、ジョアンナがマイクを殴る方が早かった。ジョアンナに殴られたマイクの頭は、胴体から外れて吹っ飛んだ。マイクは機械でできていたのだ。
マイクの妻であるクレアは、優秀な脳外科医であり遺伝子工学の権威でもあった。そのため、仕事に追われ心身共に疲れ果てていた。ある日、クレアはマイクが家に研究助手を連れ込んでいることを知ってしまう。怒ったクレアは、夫と浮気相手を殺してしまったのだ。クレアはマイクの頭部にキスをするが、感電して死んでしまう。
半年後。ジョアンナはステップフォードで起こったことをドキュメンタリーとして制作し、エミー賞で6部門受賞した。ボビーは体験記を本に纏め、それがベストセラーになった。そして、ロジャーは上院議員に当選した。
映画『ステップフォード・ワイフ』の感想・評価・レビュー
サスペンスチックなコメディ、もしくはその逆という雰囲気の本作。引っ越した先が不気味な場所という設定には、そこはかとない魅力を感じるが、序盤からロボットとしか思えない人々との出会いで不気味さの部分にはネタバレ感があり、実際想像以上の展開はない。キャスティングとしては、ニコール・キッドマンの完璧な美貌がこの映画最大の見どころではある。人間の美意識を集約したしたようなニコール・キッドマンなら、ロボットという発想と結びつけても全く違和感はない。
ラストのスローモーションシーンは、清々しく印象的であり、結末も安心できる内容なので、重たいサスペンスが苦手な人には、おすすめしたい作品。(女性 30代)
非常にパンチのある映画。女性は男性に尽くすもの、男性は絶対的な存在でなければならないという男尊女卑や男性社会に対しての風刺が効いていて面白い作品でした。そして、ニコール・キッドマンの美しいこと…バービー人形みたいな完璧なルックスは本当に綺麗でこの映画の一番の魅力。洋服やお家がカラフルで70年代っぽいレトロな感じで可愛らしい雰囲気も素敵で女子は絶対好きな世界観だと思います。ブラックジョーク満載で面白くサクッと見られる作品。(女性 30代)
本作は、敏腕プロデューサーとして成功を収めたジョアンナが、新番組のために会社を辞めることになり、夫と共に引っ越したステップフォードで体験した悲劇を描いたヒューマンサスペンスコメディー作品。
できる女主人公ジョアンナ役がニコール・キッドマンにピッタリはまっていた。
また、転居先の完璧すぎる奥様方の正体が明らかになってからの展開に臨場感があって面白かった。
奥様の正体がまさか男たちの理想像として作られたロボットだったというのは驚きだが、理想的な男性ロボットがあればいいのにと思うのは皮肉だろうか。(女性 20代)
1975年の作品よりも見やすくて、作品の雰囲気がすごく好きでした。パッケージにはニコール・キッドマンのドアップが採用されているのでそれに惹かれて鑑賞した人も多いはず。
ステップフォードの妻は理想の妻像として描かれていますが、本当にこれが男性の理想なのでしょうか…?パステルで可愛らしい雰囲気の中描かれるロボット妻たちは、確かに献身的かもしれませんが私には納得できません。
この作品を見ると、理想のロボット旦那が欲しいと思う女性もいるのでは無いでしょうか。(女性 30代)
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