映画『タミー/Tammy』の概要:仕事も夫も失ったヒロインが、アルコール中毒の祖母を連れて旅に出るロードムービー。日本劇場未公開作品。メリッサ・マッカーシーの毒舌っぷりや、これまでのイメージを覆すスーザン・サランドンのハイテンションな演技が笑いを誘う。
映画『タミー/Tammy』の作品情報
上映時間:96分
ジャンル:コメディ
監督:ベン・ファルコーン
キャスト:メリッサ・マッカーシー、スーザン・サランドン、アリソン・ジャネイ、ゲイリー・コール etc
映画『タミー/Tammy』の登場人物(キャスト)
- タミー(メリッサ・マッカーシー)
- 感情的ですぐに怒り出す。その性格により、仕事場の上司や夫からも愛想を尽かされてしまう。かなりの毒舌であると同時に、自分には男を引き寄せる魅力があるのだと信じている。
- パール(スーザン・サランドン)
- タミーの祖母でアルコール中毒患者。同時に糖尿病なども患っている。かなりエキセントリックな性格で、高齢ながら行きずりの男と一夜を共にしたりする。家族から疎まれている。
- レノア(キャシー・ベイツ)
- パールの親友であるレズビアン。大金持ちで、レズビアンを自宅に集めパーティーを開催している。少し危険な仕事にも手を染めている節がある。
- ボビー(マーク・デュプラス)
- タミーが旅先で出会う農場経営者。朴訥とした雰囲気の好青年。病気の母を看病している。タミーに惹かれていく。
映画『タミー/Tammy』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『タミー/Tammy』のあらすじ【起】
いつものように勤務先のハンバーガーショップへ向かうタミーは、道中で鹿と衝突事故を起こす。その事故により遅刻したタミーはクビを言い渡されてしまう。
自宅へ戻った彼女は、夫が隣人の女性を招き食事をしているのを目撃し愕然とする。感情的に家を飛び出した彼女は数ブロック先の母の家へ泣き帰る。
話を聞き同情する母だったが、仕事をクビになったと聞くと態度を一変。「一体、いつまで同じことを繰り返すつもり?」と彼女を叱ってしまう。
誰からも見放された彼女はむきになり家出することを決意。車は事故で大破していたため、代わりに祖母の車を運転しようとしていたタミーだったが、隣室で話を聞いていた祖母パールも一緒に家を飛び出すことに。アルコール中毒で性格の悪い祖母は、近いうちに老人ホームへ入れられる予定だったのだ。はじめは拒否していたタミーだったが、祖母に貯金をちらつかされ仕方なく同行させることに。
二人はとりあえず、祖母の思い出の地であるナイアガラの滝へ向かうことにした。
映画『タミー/Tammy』のあらすじ【承】
途中立ち寄ったBARで、農場経営者の親子と出会う。息子のボビーに、タミーは心惹かれる。ボビーには病に伏している母親が居り、その看病でめったに外へ出ることはなく、未だに独身であるという。
一方で、すっかり意気投合したパールとボビーの父・アールはタミーらを置いてホテルへと消える。残された二人はぎこちない会話を交わすも、母の看病に戻らなければならないとボビーは告げる。互いに後ろ髪引かれながらも、二人は別れた。
翌日、些細なことでケンカしたタミーとパールは、立ち寄った酒屋の前で乱闘騒ぎを起こし警察に掴まる。
祖母の貯金によってタミーはすぐに釈放されるが、パールは違法薬物所持のため刑期が長引くことに。持病の薬を、売人から買っていたのだった。
祖母の病状悪化を知り困惑するタミー。薬を持たず家を出たパールは、このまま拘留され続けたら命を落としてしまうかもしれない。どうにか保釈金を用意できないかとタミーは考える。そんな彼女の視線の先には、一軒のハンバーガーショップがあった。
映画『タミー/Tammy』のあらすじ【転】
即席で作ったマスクを被り、ハンバーガーショップへ突入したタミー。二人の店員を脅すと、店内から1600ドルの現金と大量のアップルパイを強奪し、祖母の元へ向かう。しかしパールは既に、アールによって保釈金が支払われ釈放されていた。
ホテルに戻ると、タミーの起こした強盗事件がニュースになっていた。犯人の特徴を聞き目を丸くするパール。タミーは正直に「おばあちゃんを助けたかったから」と白状する。彼女を抱きしめるパールだったが「お金はちゃんと返さないと」と諭す。
翌日、二人は再びマスクを被り、現金を返した。
車は既に警察に知られてしまっているため処理しなければならない。そこでパールは数年来の友人であるレズビアンのレノアに協力を求める。レノアはパールのためならと快く快諾し、二人の車を処分すると、自宅へ二人を招待した。
レノアの自宅では今夜、レズビアンたちのパーティーが開催される予定だった。タミーとパールもパーティーに参加することに。さらにそこにはパールの計らいでボビーの姿もあった。
パーティーは熱狂のうちに終わりを迎えようとしていたが、酔ったパールがタミーに暴言を吐き、タミーはパーティーを抜け出してしまう。
映画『タミー/Tammy』の結末・ラスト(ネタバレ)
ふてくされているタミーのもとにレノアがやってくる。愚痴を吐いてばかりいるタミーを「少しは自分で変えてみようと努力はした?」と叱責するレノア。タミーはこれまでの自分の生き方を見つめ返した。
タミーを心配し様子を見にきたボビー。彼はタミーに思いを告げるが「私、一応まだ人妻だから」とかわすタミー。以前別れたときのように、再び互いに惹かれ合いながらも二人は別れを告げた。
翌日、容態の悪化したパールを救急車に乗せ、自らは警察に捕まったタミー。パールは搬送される間際「ゆうべはあなたにひどい事を言ったわ」と謝罪する。「気にしないで」とタミーは祖母を許した。
数か月後、刑期を終えた彼女の顔は少しだけ晴れやかだった。
自宅へ戻ると、夫と別れを告げるタミー。過去の思い出に別れを告げた。
あれから老人ホームで暮らしているというパールを再び車に乗せると、二人でナイアガラの滝へと向かう。そこにはレノアとボビーの姿があった。
見つめ合うタミーとボビーはキスをする。
映画『タミー/Tammy』の感想・評価・レビュー
短気なタミーとアル中で破天荒なパールが、2人で家出をする事から始まる物語である。友情といっていいのかは定かではないが、家族というよりは、友達関係に似たような関係値で描かれている。タミーに負けず、高齢のはずのパールも行動派で面白い。登場人物それぞれが癖のあるキャラクターとなっており、とても魅力的である。そんなタミーも最後には淡い恋愛描写があり、ハッピーエンドで締めくくられる。物語を通じて、タミーが少しずつ優しさを持って人に接していくように変わっていく様子は、なんとも微笑ましい。(男性 30代)
タミーは破天荒なんだけれども、優しいところもあってなんだか憎めないキャラクターだった。おばあちゃんの保釈金のために強盗事件を起こすのだが、あまりにもどん臭くて、思わず笑ってしまった。ちゃんとおばあちゃんに怒られて返金するところも、ほっこりした。口喧嘩しながらもちゃんと仲が良い、タミーとおばあちゃんの関係性が素敵。
驚きがあって笑えるストーリーだが、それだけでなくラブストーリーも描かれていたのがおもしろかった。タミーとボビーのじれったい関係に、ハラハラした。(女性 30代)
すぐイライラする孫と、かなり破天荒なアル中おばあちゃんのロードムービー。絶対に仲良くなれないであろう2人が、少しずつお互いを認め合い、孫とおばあちゃんと言うよりも親友のような関係を築いていくのが本当に素敵でした。
タミーのイライラっぷりは、こういう短気な人っているよなぁとしみじみ思ってしまうほどリアルで、もっと上手に生きれば良いのにと少し哀れに思ってしまいました。しかし、タミーの内面にある優しさもしっかり描かれているのでラブストーリーにはニヤニヤしてしまいます。
こういう孫とおばあちゃんの関係も悪くないなと思わせてくれる作品です。(女性 30代)
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