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映画『Shall We ダンス?(1996)』あらすじ&ネタバレ感想

社交ダンススクールを舞台とした中高年男女の人間模様をハートフルなコメディタッチで描いた映画。監督は周防正行。主演は役所広司、草刈民代。助演は竹中正人、渡辺えり、他。

映画『Shall We ダンス?』 作品情報

Shall We ダンス?

  • 製作年:1996年
  • 上映時間:136分
  • ジャンル:コメディ、ラブストーリー
  • 監督:周防正行
  • キャスト:役所広司、草刈民代、竹中直人、渡辺えり、草村礼子 etc…

映画『Shall We ダンス?』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『Shall We ダンス?』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『Shall We ダンス?(1996)』のあらすじを紹介します。

東京郊外に家を買い、優しい妻や可愛い一人娘に囲まれ、会社では順調に昇進を重ねている杉山正平は一見何不自由のないサラリーマンだが、仕事と家の往復の毎日にどこか満たされないものを感じていた。そんなある日、電車の中から見えるダンススクールの窓から覗く女性、岸川舞の美しさに目を奪われたことがきっかけとなり、そのダンススクールへ通うことになる。岸川舞はそのダンススクールの教師だが、競技選手として挫折を味わっているところだった。正平はそんな舞の心情は分からず、彼女への仄かな下心が新たな気持ちの張りに繋がりダンススクール通いが続く。しかしそのせいで帰宅が遅くなる為、妻の昌子が浮気を疑い、興信所に調査を頼んでしまう。そんなことは思いもよらない正平は、同じくダンススクールに通っていた同僚の青木富夫や気位の高い中年女性の高橋豊子、上品な老婦人のたま子先生ら個性豊かな生徒や教師と楽しくダンスステップを練習する日々を過ごしていた。練習後のある夜に正平は舞を食事に誘うが、舞から下心を見透かされて冷たく断られてしまう。その事がきっかけで正平はよりダンスに熱中する。舞を見返してやるためだった。舞もそんな正平の純粋さに魅かれていく。そして正平たちは競技会にエントリーすることになり、大会で踊る姿を妻の昌子や娘の千景はこっそりと見に来る。一途に踊る正平の姿に昌子は誤解を解き、娘は父を見直す。

一方、舞は競技選手に復帰することを決意し、記念に正平へダンスを申し込む。

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映画『Shall We ダンス?』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『Shall We ダンス?(1996)』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

洒落た大人の淡いラブストーリー

主人公の中年サラリーマン、杉山正平は40代前半のボタン会社の経理課長という設定で、同期の中では出世頭である。郊外に家も買っているが、会社の持家融資制度でローンを組んだらしくすでに人生の先が見えたような諦観と判で押したような決まった日常に空虚さを感じていた。何故かそこに社交ダンスが登場するのだが、いきなり中年男がダンス教室に通い始めては映画としての説得力が持てないので、日常に飽いているが、決して家庭を壊すことまでしない真面目なサラリーマンが偶々社交ダンスに興味を持つ過程の演出は自然で、導入部として説得力がある。

この映画の話題性として、1流バレリーナであった草刈民代をヒロインとして起用したことだろう。流石にダンスのシーンは姿勢も良く、見栄えがするが、台詞回しはそっけない。女優デヴュー作ということを考えれば十分健闘はしているが。

コメディーの面では何といっても竹中直人の異能ぶりが冴える。竹中演じる独身中年男、青木富夫は杉山正平とは同期で、出世では杉山に大きく水をあけられているが、本人は特に引け目を感じていずマイペースである。しかしダンスには異常に情熱を燃やし、アフター5ではラテンダンスのスターになりきってダンスに没頭することを生きがいとしている。それはおばさんダンサーの高橋豊子(渡辺えり)にも同じことが言え、ダンス教室では人一倍熱心でプライドも高く衣装にもお金をかけているが、その費用を捻出するためにかなり無理して働いている。そんな個性的な人たちが周りを固める中、正平のダンサーとしての成長ぶりと舞との仄かな心の交流を描き、社交ダンスの経験を通して妻との愛情を再確認するという大人の物語に描かれている。


最近こういう映画無いなあと改めて感じ、『Shall we ダンス?』は素晴らしい作品だと思いました。
大人の恋愛を描いた作品は、どうしてもエロティックな要素が加わってしまい、美しさや危うさが重要になってくることが多いとも思いますが、今作は全く違います。
平凡な毎日に希望の光にも似たエッセンスを与えてくれた「社交ダンス」。ダサい、古臭いと思われてしまいがちなテーマをユーモアたっぷりに魅力的に描いていました。テンポや世界観、個性豊かなキャストなど全てが好きな作品です。(女性 30代)


社交ダンスそのものは少なくとも自分にとっては身近な物ではないかもしれない。しかし変わらない日常をなんとなくすごす会社員の気分なら良く知っている。大きな不満があるわけではない。それでももう一度何か心躍るものをどこか探している。そういう人にとってこの映画は響くかもしれない。
きっかけは「気になる人がいた」で良い。それを越えて昨日までできなかったことを今日できるように努力するパワーを持てたらそれは素敵なことだろう。(男性 40代)

映画『Shall We ダンス?』 まとめ

社交ダンスというそれまで古臭いイメージでとらえられていたものを題材に、洗練された大人のプラトニックなラブストーリーに仕立てたところが周防監督の手腕と言える。

この映画が大ヒットしたことで社交ダンスが脚光を浴びたことも副産物だった。アメリカで2004年にリメイクされたことも納得できるようないい意味で日本的なものをあまり

感じさせない映画である。主題曲は「王様と私」のカバー曲で、大貫妙子が歌っている。彼女の透明感ある歌声もこの映画のイメージに合っている。

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