この記事では、映画『シャッター アイランド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『シャッター アイランド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『シャッター アイランド』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2009年 |
---|---|
上映時間 | 138分 |
ジャンル | ミステリー サスペンス |
監督 | マーティン・スコセッシ |
キャスト | レオナルド・ディカプリオ マーク・ラファロ ベン・キングズレー ミシェル・ウィリアムズ |
製作国 | アメリカ |
映画『シャッター アイランド』の登場人物(キャスト)
- テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)
- アメリカ連邦捜査官で、依頼を受け精神病棟、シャッター・アイランドを訪れた。病院に違和感を感じ、調査に乗り出す。
- チャック・オール(マーク・ラファロ)
- テディの相棒。テディと共に捜査に乗り出すが…。
- ジョン・コーリー医師(ベン・キングスレー)
- シャッター・アイランドの院長。テディとチャックにレイチェルの捜索を依頼する。
- レイチェル・ソランド(エミリー・モーティマー)
- かつて自身の子供3人を殺害しシャッター・アイランドに入院する事となった。周囲から遮断されている筈のシャッター・アイランドから行方不明となる。
映画『シャッター アイランド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『シャッター アイランド』のあらすじ【起】
1954年、アメリカのボストン湾にある孤島、「シャッター・アイランド」に一軒の精神病施設、アッシュクリフ病院がありました。この病院には犯罪を起こした精神疾患を持つ犯罪者ばかりが収容されています。孤島である為本土とは行き来が難しい環境であるにも関わらず、ある日レイチェルという患者が行方不明となりました。
彼女の行方を追う為、保安官であるテディとチャックが派遣されます。レイチェルはかつて自分の子供3人を殺害しましたが、自分の子供はまだ生きていると信じ、その死体と共に生活をしていたという事でこの病院に入所が決定しました。入所しても彼女の病的な思い込みは治らず、彼女はこの施設が自分の家で、子供達がどこかにいると信じきっています。
そんな中、テディはとある重要な情報を仕入れました。レイチェルの担当医であるシーアン医師が、彼女が行方不明になった時と時を同じくして、この島を立ち去っていたのです。テディはレイチェルの失踪とシーアン医師は何か関係していると思い調査に乗り出します。
映画『シャッター アイランド』のあらすじ【承】
しかし、島を襲う嵐の為、シーアン医師と連絡が取れず操作は行き詰ってしまいます。そこでテディは、この島に来たもう一つの目的、かつて自分の妻を殺した放火犯に面会をする事にします。その男の名前はレディス、彼は放火後この病棟に収監されていました。しかし、彼のファイルデータは何処にも存在せず、他の囚人たちにレディスのことを尋ねても皆が一様に多くを語りません。
テディは、病院側が何らかの理由でレディスに関する情報を伏せているのではないかと考え始めます。そんな中、テディはミセス・カーンズという囚人から「逃げろ」と忠告を受けます。この忠告を受けて、更にテディはこの病院には何かが隠されているという疑念を強くします。
実はこの病院では現在では違法とされている「ロボトミー手術」が行われていました。”人を穏やかにする”というロボトミー手術を囚人達に受けさせ、効果が見られれば全国に発表しようと考えていたのです。テディは、初日に院長に言われなかったC棟に何かが隠されていると踏みC棟へとこっそり向かいました。
映画『シャッター アイランド』のあらすじ【転】
C棟には、ジョージ・ノイスもいう男が収監されていました。テディはジョージにこの病院の秘密について問いますが、ジョージは不敵に笑うばかりです。そしてテディに向かって、「レディスはお前だ」と告げるのです。意味のわからない発言に、テディはジョージを諦めもう一つ案内されていない場所、灯台へと向かう事とします。
何故か相棒のチャックはそれを止めますが、彼の制止を振り切りテディは灯台へと向かいました。すると何と、灯台の近くにある洞窟の中でテディはずっと探していたレイチェルを発見したのです。しかし実際のレイチェルは患者ではなくこの病棟で勤務していた医師でした。
明らかに不審な病院の証拠を抑えるべく、テディは証拠を探し求めます。しかし証拠は見つからず、テディは改めてコーリー院長と顔を合わせる事になりました。すると院長は、テディの本名が「アンドリュー・レディス」であり、この病院の患者であることを告げます。第二次世界大戦に出征したテディはそこで精神を病んでしまったのでした。
映画『シャッター アイランド』の結末・ラスト(ネタバレ)
酒浸りになったテディを見ていられず、妻、ドロレスは鬱病を患ってしまいました。そしてドロレスは3人の子供達を殺し、私を殺して欲しいとドロレスに懇願します。彼女のいう通りにドロレスを殺したテディは完全に精神が崩壊してしまいこの病院に入院する事となったのでした。
今まで彼が追い求めていたものは全て彼が現実から逃避する為に彼自身直作り上げた妄想だったのです。病院側はそんなテディにロボトミー手術を受けさせるかどうか決定する為今回の彼の妄想に付き合っていたのでした。そして正気に戻らなかったテディには手術が施されることが決定しました。
手術を受ける朝、テディは実は彼の担当医であった相棒のチャックことシーアン医師に「モンスターのまま生きるか、善人のままで死ぬかどっちがいいかな」と言葉を零します。実はテディの記憶は既に戻っていましたが、自身の過去に押し潰されそうだった彼は自ら精神障害者を装い、ロボトミー手術が受けられるように仕向けたのでした。そんなテディの後ろ姿を、シーアン医師は呆然と見送りました。
映画『シャッター アイランド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
序盤から終始漂う不穏な空気に引き込まれ、ラストの衝撃に完全に打ちのめされました。観ている途中は「精神病院の陰謀を暴くサスペンス」だと思っていたのに、実は主人公自身が患者だったという展開には唖然。ラストの「怪物として生きるか〜」のセリフは、どちらが“現実”だったのかを観客に問い続ける力を持っています。(20代 男性)
スコセッシ監督の演出とディカプリオの演技が素晴らしかった。夢と現実、妄想と真実の境界が曖昧になっていく構成に、ずっと息を詰めて観ていました。特に、灯台のシーンで真実が明かされた瞬間のディカプリオの表情は圧巻で、哀しさと混乱が入り混じっていた。ラストの選択が“狂気”なのか“救い”なのか、今でも考えてしまいます。(40代 女性)
映画全体に張り巡らされた伏線が、後から何度も見返したくなる理由。テディが患者だったと判明したとき、冒頭からの全ての出来事の見方が変わってしまう。まさに“視点の転換”が鍵の映画で、2回目以降が本番とも言える作品です。心理ミステリー好きにはたまらないし、ラストの余韻も深く残る名作だと思います。(30代 男性)
最初は難解で何が起こっているのか掴みにくかったのですが、後半でのどんでん返しで一気に理解が進みました。看護師や医師の態度、同僚の不自然なやりとり、全てが実は“治療の一環”だったとわかった時の衝撃は忘れられません。精神疾患を抱える人の視点に立つことの怖さと哀しさがよく描かれていて、考えさせられる映画でした。(50代 女性)
大学の心理学の授業で紹介されて観たのがきっかけでしたが、これはすごい…。ラストの「本当は気づいていたけど、それでも現実に戻りたくなかった」っていう解釈が自分の中でしっくりきて、切なすぎて泣きました。精神と記憶、トラウマの絡みが複雑だけど、見終わったあとの余韻がクセになります。おすすめです。(20代 女性)
精神病院を舞台にした映画ってありがちだけど、これは完全に別格。ストーリー構成が緻密すぎて、何度も「やられた」と思わされました。観終わったあとにすぐに解説サイトを読み漁ってしまいました。テディが本当に回復していたのか、それとも演技だったのか、考察しがいがある映画。映画の見方が変わる一作です。(30代 男性)
最初はサスペンスだと思って観ていたけど、実際はものすごく人間の心理に踏み込んだドラマだった。灯台での告白シーンで涙が出てしまった。愛する家族を失った男の心がどれだけ壊れるか、それをどう“治療”するかを問う深い映画。ディカプリオの繊細な演技も素晴らしく、彼でなければここまでの説得力は出なかったと思う。(40代 男性)
ミステリー映画としても心理スリラーとしても完成度が高く、特にカメラワークと音楽が緊張感を煽ってくるのが良かったです。何気ない会話や風景の中にも違和感がちりばめられていて、細部に注意しながら観ると新たな発見がある。2回目以降も楽しめる映画。ディカプリオの表情一つひとつに注目して観てほしいです。(30代 女性)
結末を知った状態で再度観ると、テディの行動や周囲の反応がすべて意味を持ってくるのがすごい。まさに“伏線回収の極致”って感じ。ラストの「どっちがより悪いか」の問いかけは、自分自身に向けられている気がしてゾッとした。エンタメでありながら哲学的でもある、深いテーマを含んだ作品です。(20代 男性)
普段サスペンス映画を観ない私でも、引き込まれるほど面白かった。病院の中が舞台という閉塞感と、どこか不安定なカメラの動きが、主人公の精神状態を表していて、見ていてずっと緊張感が続く映画でした。最後のセリフで一気に世界が反転するあの感じ、映画の中でしか味わえない衝撃だと思います。(50代 女性)
映画『シャッター アイランド』を見た人におすすめの映画5選
ファイト・クラブ(Fight Club)
この映画を一言で表すと?
「現実と幻覚が溶け合う、予測不能のサイコサスペンス」
どんな話?
日々に虚しさを感じる男が出会ったのは、カリスマ的な男・タイラー。2人で「ファイト・クラブ」を立ち上げ、暴力と自由の世界にのめり込んでいくが、やがて現実が崩壊していく――。ラストの衝撃展開は映画史に残る名場面。
ここがおすすめ!
精神の崩壊と自己認識のゆがみをテーマにした作品で、『シャッター アイランド』と共通する“二重構造”が魅力です。何度観ても新しい発見がある緻密な伏線、演技、演出が光る傑作。衝撃のラストを体験したいなら必見です。
シックス・センス(The Sixth Sense)
この映画を一言で表すと?
「あなたはきっと、ラスト5分で全てを覆される」
どんな話?
少年が「死者が見える」能力を持っていると告白したことから、精神科医マルコムは彼の秘密に迫ろうとする。静かに進む物語の中に違和感が積み重なり、最後の“ある真実”が明かされたとき、全てがつながる。
ここがおすすめ!
観終わった瞬間に「もう一度観直したくなる」系の代表作。伏線の張り方や見せ方が非常に巧妙で、『シャッター アイランド』のように視点の反転を楽しみたい方にはぴったりです。切なさと驚きが共存する名作です。
ブラック・スワン(Black Swan)
この映画を一言で表すと?
「完璧を追い求めるほどに、狂気が美しく開花する」
どんな話?
バレリーナのニナは『白鳥の湖』の主役に抜擢されるが、プレッシャーと自己要求の中で精神が次第に壊れていく。現実と幻想が入り混じる演出が美しくも恐ろしい、心理スリラーの名作。
ここがおすすめ!
主演ナタリー・ポートマンの演技が圧巻で、観る者も彼女と一緒に狂気に引きずり込まれる感覚を味わえます。『シャッター アイランド』同様、視覚と心理がシンクロする演出に注目。美と狂気の融合に酔いしれてください。
プリズナーズ(Prisoners)
この映画を一言で表すと?
「善悪の境界が崩れる、極限の心理サスペンス」
どんな話?
ある日、幼い娘が誘拐され、父親は警察の捜査に不満を感じ、自らの手で犯人を追い詰めていく。しかし事態は予想以上に複雑で、真実は一筋縄ではいかない。観る者に重くのしかかる展開が続く緊迫のドラマ。
ここがおすすめ!
『シャッター アイランド』同様、真実に近づくほど心理的な圧が強まる構造が見どころ。倫理観を揺さぶられる展開、ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの鬼気迫る演技が物語に深みを与えています。
ミスティック・リバー(Mystic River)
この映画を一言で表すと?
「過去の傷が未来を歪める、喪失と赦しのミステリー」
どんな話?
少年時代にある事件を経験した3人の男たち。彼らが大人になって再会するも、再び凄惨な事件に巻き込まれることで、抑えていた過去と向き合うことになる。心に重く残るヒューマン・サスペンス。
ここがおすすめ!
心理的トラウマが人をどう変えるかを静かに描いた秀作で、『シャッター アイランド』のような“心の迷宮”に興味がある方には刺さります。監督はクリント・イーストウッド、俳優陣の演技も圧巻。感情を深く揺さぶられます。
みんなの感想・レビュー
この映画を始め他のでもそうだが、2度観なくても1回で理解できますね。
キャラの動きや目線、仕草を見てるとだいたいわかるので。
ん?と思うシーンが多いので。
見終わった後に、あのシーンはそういうことだったのかと。
何度も観ないとわからない人もいれば、1度でわかる人もいるということで…
ながら見ではなく、色々なことに注意して見ると1度でわかりますね。
レオナルド・ディカプリオが謎の事件を追う捜査官を演じた今作。序盤から不穏な空気が立ちこめ、何かがおかしい、何かが怪しいと思いながらもはっきりとした「何か」が分からずこれがシャッターアイランドの雰囲気なのかと解釈して鑑賞していました。物語が進むにつれて徐々に明らかになっていく「おかしさ」の理由。理解しているつもりで見ていましたが、すっかり騙されてしまいました。
ラストのシーンはどちらの「自分」だったのでしょう?驚かせてくるようなホラー要素もあり、何度も見たくなる素敵な作品です。
脱走犯レイチェルと、病院長側の言う事、どちらが真実か。
薬を盛られているから、患者として収容される運命になるでしょう。
島に来てから変な夢を毎晩見たり、白昼夢、手のふるえも症状として出ているあなたは、どうやっても病人になる。
その後、病院長から、君は2年前から患者として、ここに収容されている。
君の名前はレディスだ、と告げられる。
確かに、テディは白昼夢も見ているし、夢も見ている。
銃が使えないことも、薬の影響とも考えられる。
表面だけ見れば、脱走囚レディスのほうが、正しいような感覚になる。
しかし、テディの「電流が流れているフェンスを見たことがある」というセリフ。
これは、病院に収容された時に、一度見ているからこそ言えるのでは?
また、病院に来た時の、刑事2人に対する囚人たちの反応は、知っている人に対してのものとは、考えられないだろうか。
よく見れば、警備の人間たちの目線は、テディに対してのみ過敏に反応している。
看護師や職員も、テディの言動に対し、明らかに半笑いなのである。
警備の人間からすれば、脱走しないよう見張る義務が、職員たちは、テディの妄想につき合わされているだけ、と考えれば、つじつまが合う。
テディはやはり、2年間収容されていたのだろう。
最後、真実を再び忘れ、自分はまだ刑事だと思い込むテディのセリフを、よく考えて欲しい。
「化け物として生きるか、善人として死ぬか」。
このまま、また自分の罪を忘れて、妄想の世界で生きるモンスターになり、わからないうちに手術されるよりも、自分の罪を理解した状態で、手術を受け入れたい。
そういった強い意志を含んだ言葉とは考えられないだろうか?
つまり、再発して妄想世界のテディになったのではなく、アンドリュー・レディス本人として、去っていったと考えられる。
「自分たちのほうが賢い」はつまり、テディに戻ったと思っているなら、自分の勝ちだ、というレディスの宣言にも思える。
ここまで、見る人を選ぶ映画は珍しい!
何度も見て、自分なりに納得できる答えが出せれば、細部までこだわりぬいて作られた傑作。
しかし、気軽に見たい人は、絶対に見ないほうがいい作品。
だって、ミステリーなのに、細部の謎が解けていない!
しかし、それを解くのが好きな人にとっては、何度も見たくなる、素晴らしい映画だ。
病院長と、同僚の医師、テディとチャックの4人でお酒を飲みながら語り合う部屋で、精神病院で行われる治療行為の話には、人間の怖さを感じてしまう。
それから、ロボトミー手術は、かなり昔に禁止されたものだ。
設定が1954年なのは、そのせいだろう。
因みに、レオナルド・ディカプリオは、マーティン・スコセッシ監督の作品に出演することが多い。