映画『サイモン・バーチ』の概要:12歳のサイモンは生まれつき身体が小さい。大人や子どもがからかっても、真っ直ぐな心と神様への信仰はぴか一。そんなサイモンが、「神様の道具」として人々にもたらした奇跡を描く。親友ジョーとの絆が素晴らしく、涙を誘う。
映画『サイモン・バーチ』の作品情報
上映時間:113分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
キャスト:イアン・マイケル・スミス、ジョセフ・マッゼロ、アシュレイ・ジャッド、オリヴァー・プラット etc
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映画『サイモン・バーチ』の登場人物(キャスト)
- ジョー・ウェントワース(少年:ジョゼフ・マゼロ / 大人:ジム・キャリー)
- 主人公。12歳。母と祖母、元メードのヒルダの四人暮らしで、父の顔は知らない。リトルリーグタイガースに所属するが、ポジションは万年補欠。サイモンと強い友情で結ばれている。神様のことは信じていない。
- サイモン・バーチ(イアン・マイケル・スミス)
- もう一人の主人公。先天的に身体が小さく、12歳でも2歳並の等身である。ジョーとは親友で、同じ野球チームに入っている。両親からは無視され、子どもからもおもちゃのように扱われる。信心深く、ときに子どもと思えない言動を見せる。自分は神様のある計画の元、この身体で生まれてきたのだと強く信じている。
- レベッカ・ウェントワース(アシュレー・ジュド)
- ジョーの母親。18歳で未婚のままジョーを産んだ。サイモンを我が子のように扱い、実母との繋がりが弱いサイモンには母親代わり。スタイル抜群の美人で、町中の男たちの憧れの存在。
- ベン・グッドリッチ(オリバー・プラト)
- 演劇科の教師。レベッカと列車で知り合い、恋に落ちる。ジョーにはレベッカとの仲を認められていない。ユーモアに富んだひょうきんな男。
- ラッセル司祭(デビッド・ストラサーン)
- 町の教会の牧師。一見規律正しく温厚な聖職者。だが、サイモンの的を射た発言に眉を捻らせる。
- ミスリーヴィー(ジャン・フークス)
- 日曜学校の女性講師。神経質で頭が固い。愛煙家でニコチン中毒。子どもの指導には手を焼くが、特にサイモンは気に食わない。
- マージョリー(セシリー・キャロル)
- 日曜学校でのクラスメート。優美な美少女で、サイモンに好意的に接する。サイモンが密かに恋心を抱いている。
- バーチ夫妻(夫:ピーター・マックニール / 妻:ホーリー・デニンソン)
- サイモンの両親。サイモンが生まれた時、あまりにも小さなその身体を見て失望する。それ以来、育児への関心を失いほぼネグレクト状態になる。息子とは対照的で、日曜日に教会へ通うことはしない。サイモンは厄介者で迷惑しかかけないと決め付けている。
映画『サイモン・バーチ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『サイモン・バーチ』のあらすじ【起】
大人のジョーが教会の墓地を訪ねている。彼が見つめる墓標には、「サイモン・バーチ」と表記されている。サイモンはジョーが神様を信じるきっかけを与えてくれた。もう現在はこの世にいない親友を、ジョーは12歳の記憶を呼び起こしながら想う。
1964年のメイン州グレイヴスタウン。日曜学校では、子どもたちが睡魔と格闘しながら退屈な講義を聞いていた。サイモン・バーチは生まれつき乳幼児ほどの身長しかなく、子どもたちには恰好のおもちゃにされていた。誕生した時は一日ももたないと言われたのに、12歳になるまで育った。そんなサイモンの唯一の友達は、ジョー。ジョーも年齢よりは小柄で、父親がいないことで周囲から馬鹿にされていた。
親友二人が所属する野球チームタイガースの試合日。意気揚々とグランドへ来たのはいいが、彼らのポジションはシートだった。観客席にジョーの母レベッカが現れる。ナイスバディで美しいレベッカは、途端に男たちの視線を奪う。信心深いサイモンですら、レベッカの前では鼻の下を伸ばした。
しかし、当のレベッカは恋愛に夢中だった。お相手は、列車で出会った演劇教師のベン。サイモンも遊びに来ていた日、ベンが招かれてジョーは初めて顔を合わす。サイモンはベンの明るい人柄を気に入るが、ジョーは複雑だった。
ベンを伴って、サイモンとウェントワース親子は日曜の礼拝へ出かける。ラッセル司祭の「有り難い説教」に、サイモンは異論を唱える。子どもに我流の「教会」論を説かれ、司祭は心中穏やかではない。「お仕置き」として、サイモンは一人聖堂の部屋に閉じ込められてしまう。ジョーは司祭に働きかけるが、サイモンは普通ではない、と司祭は許容の態度を見せない。
一方のサイモンは、粘着質なミスリーヴィーから嫌味攻撃を受けていた。加えて、ミスリーヴィーは「サイモンも両親も教会に相応しくない」と嘲笑った。そこへジョー親子たちが介入し、レベッカがミスリーヴィーに、そんな言動を取るのはサイモンが恐いからだ、と言い当てた。
映画『サイモン・バーチ』のあらすじ【承】
秋も深まる頃のボールゲーム。タイガースの負け記録は更新中だった。そういう状態にも関わらず、なぜかコーチはサイモンをバッターボックスに立たせる。いつもは振らない作戦でフォアボールに繋げていたが、今回コーチはサイモンにバットを振れと指示。そして何と、偶然にもバットに球が当たる。その球は、グランドに到着したばかりのレベッカに当たってしまう。脳髄に直撃されたレベッカは、その場に倒れる。審判がすぐさま脈を計るが、レベッカは息をしていなかった。
レベッカの葬儀が執り行われた。故意ではないにせよ、参加できないサイモンは影からジョーたちを見守った。ジョーは突然すぎる母の死に呆然としていた。葬儀後、ベンがジョーにサイモンから託された彼の宝物を渡す。ジョーは、返してほしいだろうに、なぜこんな大事なものを寄越すのか疑問だった。ベンは、サイモンは申し訳なく思っているからこそ大事なものにしたんだよ、と解説してやる。ジョーは心が和らぐ。ただ、レベッカに当たったボールは、行方不明になっていた。
ジョーは祖母から、自分はもう先が長くなくジョーの後見人は誰もいないと告げられる。ジョーは実父捜しを真剣に検討する。サイモンと共に、心当たりのある男性を片っ端から調査していく。一人だけ可能性が高かったのは、体育科のベイカーだった。
希望を持ったジョーは、ベイカーの職務室に侵入する。戸棚に硬球があり息を飲むが、レベッカに直撃したものではなかった。ジョーは感情が激して、部屋を荒らしてしまう。その後サイモンと警察に連れて行かれ、「罰」として教会の黙想会で子守りをするよう命じられる。
映画『サイモン・バーチ』のあらすじ【転】
クリスマスが近づき、日曜学校ではクリスマス劇のキャスティングが話題にされる。子どもたちは誰しも乗り気でなく、ミスリーヴィーのほぼ独断で配役が決められていった。サイモン憧れのマージョリーはマリア役になる。残ったサイモンは、「サイズが適当」という理由で赤子のイエス役を当てられる。最初は嫌がるサイモンだが、マージョリーの後押しもあり、結局引き受けることに。
だが、芝居の稽古中サイモンはまたもや「大人の反感」を買う発言をしてしまう。聞き付けたラッセル司祭に、「お仕置き」として宝物を没収されてしまう。劇が成功したら返すと言う司祭に、サイモンは突然自分が生まれた理由を問う。自分は神の計画で、道具としてこんな身体で誕生した-「遣わされた」のではないかと推測する。司祭には、サイモンが自身を特別視しているだけにしか聞こえなかった。
劇本番は大荒れだった。高所恐怖症の天使役は、中空から登場するところで気を失う。サイモンはマージョリーとの至近距離で上がっていたが、天使の影響でマージョリーに抱き着く。他の子どもたちや観客も巻き込んで大乱闘に発展する。
サイモンはまたも説教を受ける。司祭は、「聖書の戒律」に従って、サイモンだけは黙想会に行くことを禁じる。サイモンは、「神は僕ら皆に計画を用意しているのか」と聞いた。教えて、と求めるサイモンに、司祭は言葉に詰まって、「わからない」とだけ返した。
翌朝。ジョーは黙想会に出かける前、サイモン宅を訪ねる。しかし、バーチ夫妻から「サイモンは病気だから会えない」と拒まれる。バーチ氏は、クリスマス劇の事態を聞いて、サイモンは厄介者の恥さらしだ、と罵る。それを否定するように、ジョーは「サイモンは英雄だ」と強く言う。バスが発車する時、寝込んでいたはずのサイモンが見送りに現れた。
サイモンは聖堂の司祭室に忍び込む。宝物は返されておらず、サイモンは体調不良を口実に、取り戻そうという考えだった。棚の奥には宝物と、レベッカを直撃したボールがあった。ある事実に気付いたサイモンは、ベンに車を出してもらい、ジョーがいる黙想会の場所へと急ぐ。
一方、黙想会。暖炉で考えにふけっていたラッセル司祭の元に、ジョーが雑用で訪れる。司祭はジョーの顔を見た途端、自分こそがジョーの実父であると打ち明ける。ショックを隠せないジョーは、その場から立ち去る。同時にベンとサイモンが黙想会に到着し、サイモンは落ち込むジョーに寄り添った。
映画『サイモン・バーチ』の結末・ラスト(ネタバレ)
2日間の日程を終え、黙想会のバスは帰路についていた。サイモンもバスに同乗する。道中、小鹿が道路を横切って、運転手は咄嗟にハンドルを切る。しかし、ブレーキを踏み損ねて、バスは凍結した道でスリップ。幼い子どもたちを乗せたバスは、雪が溶けた氷河に放り出されてしまう。恐怖に襲われた運転手は扉を開け、我先に脱出する。車内には冷たい水が流れ込み、子どもたちは大パニックに陥る。
サイモンの中で何かがひらめいた。一人平静な状態で、喚き立てる子どもたちを鎮める。しっかりした口調と指示で、サイモンは子どもたちの脱出を図る。ジョーがその指示に従って、次々と子どもたちを車外へ出した。しかし、一人男の子が取り残される。サイモンは渾身の力を振り絞って、その子を脱出させる。ところが、サイモンは車体ごと激流に飲み込まれる。サイモンは身体が小さいため、自然と水面に浮かんだが意識はなかった。安堵したジョーは、陸に上がって気を失う。
ジョーが目を覚ましたのは、グレイヴスタウンの病院だった。病室の外で待っていた司祭とベンに、サイモンの容態を尋ねる。サイモンは別室で眠っているという。ジョーは案内役に、ベンの手を取った。司祭は、自分の役目はもうないことを悟る。
サイモンの意識は微妙にあった。サイモンはうっすら目を開け、「子どもたちは僕の言葉に従ってくれた。この容姿のおかげだ」と掠れ声で言う。そして、ジョーにサイモンの宝物を分けて貰ってほしいと願った。ジョーは、「君は最高の友達だ」と言葉を贈る。サイモンは穏やかな顔で、「もう行かないと」と最期の言葉を口にした。神様の道具―英雄は、永遠の眠りにつく。
大人のジョーは回想を終える。サイモンと名付けた息子に呼ばれ、ジョーは教会を後にする。ジョーの車が去る時、どこからか優しい風が吹いてきた。
映画『サイモン・バーチ』の感想・評価・レビュー
少し宗教色の強い作品ですが、知る人ぞ知るヒューマンドラマの傑作です。
先天的に障害のあるサイモンと、親を失ったジョーの友情を軸に展開されます。
その見た目から周囲に辛く当たられるサイモンはとても信心深く、そして優しい。
どんなに理不尽な対応をとられても、「きっと理由がある。神様のやることなんだから。」と決して復讐心を持たない辺りは、器量の大きさがよくわかります。
ジョー役はジョセフ・マゼロ。「マイフレンドフォーエバー」でも素朴な少年を演じた彼も素晴らしい。(女性 20代)
涙なしでは観られない傑作です。
ジョー役は『マイフレンドフォーエバー』のジョセフ・マゼロ。今作でも才能を発揮しております。障がいを持っていても、信心深く、頭の良いサイモンとの幼少期の回想が物語の本編です。神についての話が多く出てきて、日本人には馴染みにくい印象もあります。また、宗教画のようなパッケージも作品のイメージをよく現していると思います。道徳的な観念を優しく教えてくれる作品でした。(女性 20代)
サイモンのような障害のある少年の人生を描いた作品はどうしてもお涙頂戴な要素があり苦手です。自分の気持ちとは裏腹にこぼれてしまう涙は本物だと思いますが、ここまで泣かせようとしてくるシーンの連続はあまり好きになれませんでした。
サイモンもジョーも自分の人生や誕生を後悔することなく、決めた生き方を全うしていく姿に心を打たれました。起伏のあるストーリーはとても良かったのですが、もう少し涙無しでも見やすい展開だと良かったなと感じます。(女性 30代)
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