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映画『おばあちゃんの家』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『おばあちゃんの家』の概要:都会育ちのサンウは、母に連れられて集落の実家を訪れる。そこには口が利けないおばあさんが一人で暮らしていた。母が就職を決めるまでの間、サンウはおばあさんの家に預けられる。テレビもつかない山奥で、サンウは初め退屈していたが…。孫と祖母の心温まる物語。

映画『おばあちゃんの家』の作品情報

おばあちゃんの家

製作年:2002年
上映時間:87分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:イ・ジョンヒャン
キャスト:キム・ウルブン、ユ・スンホ、ミン・ギョンフン、トン・ヒョフィ etc

映画『おばあちゃんの家』の登場人物(キャスト)

サンウ(ユ・スンホ)
ソウル育ちの7歳。ゲームとテレビが大好きな現代っ子で、何もない山奥の地に嫌気がさす。同年代の子どもには人見知りし、一人で遊ぶことがほとんど。簡単には意思が通じないおばあさんに、最初は苛立つが…。
おばあさん(キム・ウルブン)
ソウルから遠く離れた、山奥の村に暮らす。一度も都会に出たことはない。サンウの母方の祖母で、3ヶ月間サンウの面倒を見ることになる。読み書きと口が利けず、ジェスチャーで他人と意思疎通を図る。
サンウの母(トン・ヒョヒ)
おばあさんの娘。17歳で集落を飛び出す。サンウを産んだ後、シングルマザーとして彼を育てる。ソウルで仕事を探す間、サンウを実家に預ける。
チョリ(ミン・ギョンフン)
集落に暮らす少年。家業を手伝っている。一人暮らしのおばあさんを気にかける心優しい性格。サンウにも親切に接するが、意地を張られてしまう。
ヘヨン(イム・ウンギョン)
集落に暮らす少女。チョリと幼馴染で、相思相愛の仲である。サンウに憧れられる。

映画『おばあちゃんの家』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『おばあちゃんの家』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『おばあちゃんの家』のあらすじ【起】

サンウと母は山奥のヨンドン村に向かっていた。ヨンドン村は母の故郷で、サンウは生まれてから来たことはなかった。バスの乗客は小麦色に焼けた肌で、都会では目にすることがない人々だった。

おばあさんの家は村から更に離れた所に建っていた。古めかしい民家で3ヶ月間過ごすことに、サンウは拒否感を覚える。母がソウルに戻ってしまうと、口の利けないおばあさんとの静かな生活が始まる。娯楽が極端に少なく、幼いサンウには退屈で仕方ない。そして、祖母が何か奇異な存在に思え、サンウは心を開こうとしなかった。

近隣の少年チョリが、おばあさん宅に立ち寄る。同年代のサンウにも好意的に接するが、人見知りのサンウは自己紹介もせず部屋にこもる。サンウはずっと一人遊びをしてきて、同世代の子どもには緊張してしまうのだった。

サンウの唯一の息抜きであるゲーム機が故障する。原因は電池切れで、サンウは必死でおばあさんに電池代をせびる。しかし、ジェスチャーの反応だけでお金はもらえなかった。我慢できないサンウは、家中金を漁る。が、どこにもへそくりはなく“腹いせ”におばあさんにいたずらを仕掛けだす。

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映画『おばあちゃんの家』のあらすじ【承】

サンウは電池を買うため、おばあさんが寝ている間にかんざしを盗んで村の店まで売りに行く。店を一軒一軒回るが、目的の電池はどこにも取り扱われていなかった。帰り道は迷ってしまうが、通りがかったおじさんに家まで連れて行ってもらう。まだかんざしをおばあさんに返すことはできないでいた。

反省したサンウは、おばあさんと徐々に意思疎通を取るようになる。それでも都会っ子のサンウは、フライドチキンが食べたいとごねる。おばあさんは鶏をもらって調理するが、できあがった料理は蒸し鶏だった。サンウは食べるのを拒否するが、夜中に空腹で目覚めると、ためらわずに肉に食らいついた。

翌朝。昨晩雨に打たれて帰宅したおばあさんは、熱を出して寝込んだ。サンウは台所を荒らしながらも、おばあさんに食事を用意してやる。眠るおばあさんの頭を見ると、かんざしの代わりに木の棒が使われていた。サンウはようやくここで、盗んだかんざしをおばあさんの髪に挿し直した。

映画『おばあちゃんの家』のあらすじ【転】

サンウが散歩に出かけると、チョリが暴れ牛に追いかけられていた。早く逃げろ、と声を上げていたのは少女ヘヨン。チョリは何とか暴れ牛をまき、サンウたちは一緒になって喜んだ。そのとき初めてヘヨンと口を聞き、サンウは顔を真っ赤にする。

おばあさんに気を許しだしたサンウは、仕事を手伝うようになる。二人は、町の市場に野菜を売りに行く。そこでサンウはヘヨンを見かけた。可愛らしい服を身に着けた少女に、サンウはときめくばかり。ヘヨンに見られるのを意識して、サンウはおばあさんの商いに手を貸せなかった。

商いの後。おばあさんはサンウに昼食を取らせたり、新しい靴を買ってやったりした。決して収入は多くないのに孫を満足させようという祖母の思いを、サンウははっきりと感じ取る。おばあさんはハンデを持ってはいるが、周囲の人々からは慕われていた。おばあさんのジェスチャーに、人々は優しく反応する。

ヘヨンたちと先に帰宅したサンウは、おばあさんの帰りを待つ。しかしなかなか姿を現さず、サンウはいよいよ不安になってくる。しびれを切らした頃、おばあさんが帰宅する。サンウは最初の頃とは違って、寂しさを祖母に素直に表した。

映画『おばあちゃんの家』の結末・ラスト(ネタバレ)

サンウはヘヨンに淡い恋心を抱き、会いに行く。だが、ヘヨンはチョリと手をつないで歩いていた。芽生えた初恋はあっさり終わり、サンウはチョリに嫉妬する。チョリが気に食わないサンウは、チョリに暴れ牛が来たと嘘を教える。チョリは焦って逃げるが、本当に暴れ牛が現れる。

それ以降もサンウの“暴れ牛脅し”は続くが、チョリはサンウのいたずらに気付く。年上のチョリは手こそ上げないが、サンウに無言の圧力をかけてくる。怯えたサンウは、謝らずに逃げ出してしまう。途中、ヘヨンと出会ってサンウはすぐに機嫌をよくする。

色気づいたサンウは、身だしなみを気にして鏡の自分を見つめだす。ヘヨンの家に招待され、サンウはおばあさんに髪を切ってもらう。数ミリのカットでいいと伝えるが、おばあさんはベリーショートに整えてしまう。サンウはショックを受けて、大泣きする。

ヘヨンの家からの帰り道。サンウは一変してルンルンとした気分だった。道中、出くわしたチョリが暴れ牛の暴走を教えるが、サンウは嘘だと思って聞かない。しかし、本当に暴れ牛が迫ってきた。チョリが間一髪でサンウを助け、サンウはこれまでのいたずらを謝罪した。チョリは、謝らなくていいよ、と穏やかに否定して去る。

サンウは、出かける際におばあさんから渡された包み紙を取り出す。ゲーム機と電池用のお金があり、サンウはおばあさんの心遣いに涙を流した。そして、家で待っていたおばあさんに初めて甘えたのだった。

母から手紙が届き、サンウがソウルに戻る日が近づく。サンウは手紙を出せるようにと、おばあさんに簡単な読み書きとフレーズを教える。「困ったときはいつでも僕が飛んでくるからね」とサンウが言い、二人は別れを惜しんだ。

母が迎えに来る。サンウはおばあさんにお気に入りのポストカードを贈る。サンウたちが去った後、おばあさんはカードの裏面を見る。それにはイラストとサンウが教えたフレーズが書かれていた。これでいつでも、サンウに近況を知らせることができる。娘家族を見送って、おばあさんはゆっくりと家へ帰っていく。

映画『おばあちゃんの家』の感想・評価・レビュー

おばあちゃんは私にとって特別な存在です。何も無いけどおばあちゃんの家に行くと、とても落ち着いてついついお昼寝してしまったり、人付き合いが苦手で口下手な私でも、おばあちゃんとは何時間もお喋りできます。今作は誰もが経験したことのある、おばあちゃんとの「温かい」交流を描いた素敵なお話でした。
私のおばあちゃんの家にも子供が喜ぶものは何も無かったですが、この作品に出てくるおばあちゃんの家は子供が喜ぶものだけでなく、「何も無い」です。そんな不自由で窮屈な暮らしに少しずつ慣れ、おばあちゃんと交流を深めていく少年がとても健気で可愛らしく、心が温かくなりました。(女性 30代)


サンウの、余りに生意気な態度に憤りを感じました。酷い悪餓鬼でしたが、得てして子供はそうやって成長していくものなのでしょう。祖母は一言も言葉を発しません。必要最低限の表情とジェスチャーのみですが、なぜか情感たっぷりで想像力を掻き立てられました。ゲームやファストフードも良いですが、この作品のような温かい触れ合いって物凄く貴重なんだと思います。祖母役のキム・ウルブンは2021年4月に亡くなったそうで、冥福を祈ります。(女性 30代)


おばあちゃんの深い愛情に心を打たれます。孫のサンウは都会育ちのワガママな子。おばあちゃんにも結構ひどいことを言うので「なんて生意気な……」と呆れますが、おばあちゃんは怒ることもなくひたすらサンウの世話を焼き、守ってくれます。
はじめは本当に可愛くないサンウですが、ゲームをやりながらも裁縫の針に糸を通してあげるところが子供らしくて微笑ましかったです。
二人の間に会話はありませんが、少しずつ二人の距離が縮まっていくのがよく分かる演出が印象的でした。何度も観たい、心温まる作品です。(女性 40代)

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