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映画『アトランティスのこころ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『アトランティスのこころ』の概要:母子家庭のボビーは、誕生日には自転車が欲しい。ある日自宅の二階に、ブローティガンという男が越してくる。ボビーは、自転車代を稼ぐためにブローティガンの元でちょっとしたアルバイトをすることに…。少年と不思議な老人をめぐる、人の優しさと残酷さが交錯する物語。

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映画『アトランティスのこころ』の作品情報

アトランティスのこころ

製作年:2001年
上映時間:101分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:スコット・ヒックス
キャスト:アンソニー・ホプキンス、ホープ・デイヴィス、デヴィッド・モース、アントン・イェルチン etc

映画『アトランティスのこころ』の登場人物(キャスト)

ボビー・ロバート・ガーフィールド(子ども:アントン・イェルチン / 大人:デイビッド・モース)
11歳。6年前に父親を亡くし、母リズと二人暮らし。内気だが感性豊かで心優しい性格。隣人のブローティガンに心を開き、不思議な交友関係を築く。
テッド・ブローティガン(アンソニー・ホプキンズ)
ボビー宅の二階に越してきた老人。謎めいていて不思議な発言が多い。各地で仕事を経験し、「奴ら」の追手から逃れている。ボビーの人生に重要な影響を及ぼす。
リズ・ガーフィールド(ホープ・デイヴィス)
ボビーの母親。夫を亡くし、一家の稼ぎ手としてビーダーマンの元で働く。華やかな美人で自分磨きに余念がない。少々神経質で、ブローティガンの存在を不審に思う。
キャロル・ガーヴァー(ミカ・ブーレム)
ボビーの幼馴染の少女。明朗快活で愛らしく、ボビーの心を独占している。キャロルも密かにボビーを好いており、両片思い状態にある。
サリー=ジョン(ウィル・ロスハール)
愛称サリー。ボビーとキャロルとは幼馴染。活発で単細胞。リトルリーグに所属していて、愛用のグローブをボビーに贈る、と将来遺書に書くと約束する。

映画『アトランティスのこころ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『アトランティスのこころ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『アトランティスのこころ』のあらすじ【起】

ボビーの元に荷物が届く―古びたグローブが一つだけ入っていた。幼馴染のサリーの訃報通知だった。ボビーは葬儀に参列するが、もう一人の幼馴染キャロルの姿はなく―彼女はしばらく前に亡くなっていた。

傷心のボビーは故郷へ向かう。そして、少年時代の記憶が思い出される―ボビーは11歳の誕生日を迎える。母リズからのプレゼントは無料の図書貸出カード。本当は赤い自転車が欲しかったが、母子家庭の貧しさ故にそれは却下される。同じ日、2階の空き室にブローティガンという男が入居してくる。

誕生日の夜。ボビーはバースデーディナーに出かける予定だったが、リズの残業で中止になる。肩を落とすボビーだが、不思議な隣人ブローティガンから様々な話を聞き、好奇心が刺激される。

ブローティガンはなぜかボビーが自転車を欲しがっていることを知っていた。ブローティガンは、自転車の代金稼ぎにちょっとしたアルバイトをボビーに提案する。ボビーは快諾し、毎週老眼のブローティガンに新聞を読んでやることになった。もう一つの仕事は、危険な「奴ら」を見張りブローティガンにそれを報告すること。奴らはブローティガンを追跡していて、ブローティガンはその追手から逃れて各地を放浪していた。翌日ボビーはリズに仕事の許可を求める。リズは身元不詳なブローティガンに疑心を抱くが渋々了承する。

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映画『アトランティスのこころ』のあらすじ【承】

ボビーのアルバイトが始まる。ブローティガンとの親睦が深まる中、彼はボビーとキャロルがキスをすると予言する。さらに、ボビーの父が観戦に出かけたアメフトの試合風景をまるで見ているかのように語る。ブローティガンには透視能力があるようだった。

ボビーは幼馴染と祭りに出かけるため、その費用を集めて回っていた。リズは頼れずブローティガンを訪ねると、ブローティガンの様子が何やらおかしかった。ブローティガンは奴らが迫り来ることを予見し、ボビーの声かけで我に返る。ブローティガンは、ボビーが触れたことに対しこれからはそうしないよう要求した。

ボビーと幼馴染たちは遊園地で楽しい時間を過ごしていた。カードゲームを披露していた男の元で、ボビーは賭けに挑戦する。ブローティガンからアドバイスされたように「目の奥で気配を感じ」、男のイカサマを見抜く。ボビーは見事賞金を獲得する。キャロルとアトラクションに乗る間、ボビーはブローティガンの予言通り彼女にキスする。二人は、小さな愛情を確かめ合った。

ボビー宅にはキャロルたちが遊びに来ている。サリーは、自身のグローブを死んだらボビーに譲ってやる、と冗談交じりにボビーに約束する。ブローティガンは子どもたちを見守りながら、「幻の国(アトランティス)は大人になれば消える」と呟いた。一方、奴らはボビーの町の至る所に「ペット捜してます」と明記された張り紙を貼っていた。

映画『アトランティスのこころ』のあらすじ【転】

リズが不動産のセミナーで遠地に滞在することになる。その間、子どものボビーはブローティガンに預けられる。ブローティガンには再び異変が起きる。奴らが確実にブローティガンに近づいており、ブローティガンはこの町を去る決意をしていた。

ボビーとキャロルは下校中、上級生のいじめっ子たちに絡まれる。二人は暴力を振るわれかけるが、間一髪でブローティガンが現れる。ブローティガンはいじめっ子のボス格ハリーの名を言い当てた。そして、ボビーたちに謝罪しなければハリーの秘密―女装趣味をもらすと持ちかける。弱みを握られたハリーは、ボビーたちに詫びた。

リズが出発した夜。ボビーとブローティガンは映画館に行った後、繁華街に繰り出す。ボビーには刺激の強い界隈だが、立ち寄ったバーのママからボビーの父について話を聞く。リズは父を酒浸りと評していたが、実際は好人物で道楽者ではなかった。ママから笑顔の父親の写真を受け取り、ボビーは亡き父に思いを馳せる。

帰りのタクシーに揺られていると、奴らの黒い車が通り過ぎた。ボビーはブローティガンから、奴らと目を合わせずに一番好きなもの―キャロルのことで思考を満たせと言われる。ボビーは咄嗟に初恋の少女を思い描く。美しい衣装に身をまとったキャロルは、ボビーに向かって優しく微笑んだ。

ボビーは、ブローティガンから超能力の真実を聞かされる。ブローティガンの体質は、他人に触れると相手の内に眠る特殊能力を目覚めさせるというものだった。ブローティガン曰く「心の窓を開く」力。奴らはボビーのその力を狙っているという。話し終えたブローティガンは、突然キャロルを捜すようボビーに指示する。ブローティガンには、危機が迫っていることが見えていた。

映画『アトランティスのこころ』の結末・ラスト(ネタバレ)

帰路についていたリズは、ひどく疲弊しきっていた。同行した上司のビーダーマンに、宿泊先で無理やり暴かれてしまった。一方、森の川辺で読書していたキャロルは、ハリーに襲い掛かられる。ボビーがキャロルを見つけ出した時は、キャロルは身体の一部を損傷していた。怯える彼女をおぶって、ボビーは必死に土手を上がる。途端、身体の底から不思議な力が湧く。

子どもたちはブローティガンの元に到着する。ブローティガンはキャロルの怪我を治せると断言する。その通り、ボビーの手を借りて、ブローティガンはキャロルの骨折をいとも簡単に治した。リズが同タイミングで帰宅し、その状況を目撃、ブローティガンの行動を誤解する。ボビーたちの説明も聞こうとせず、怒り狂ったリズはブローティガンから子どもたちを引き離す。ブローティガンは冷静で、リズの身に何が起きたかを見抜いていた。

その晩、リズが奴らに密告の電話をかける。ボビーはその光景を目にし、急いでブローティガンに知らせに行く。ブローティガンは荷造りをしていて、立ち去る準備は万全のようだった。別れを悟ったボビーは、せめて奴らに捕まってほしくないと、自分がブローティガンを助けると申し出る。

ブローティガンをバーで待たせている間、ボビーは銀行にお金を取りに行く。奴らに見つかりそうになりながらもバーへ急ぐが、ブローティガンの姿はなかった。ブローティガンの居場所を特定した奴らが、彼を連行してしまった後だった。ボビーはさよならも言えず、ブローティガンと永遠に別れた。

失職したリズはボストンで再就職を決め、ボビーは引っ越すことになる。親子関係は緊張していたが、少しずつ和解に近づく。家を去る直前、ボビーはキャロルに会いに行き、別れのキスを交わす。キャロルは、初めてボビーが好きだと恋心を告げた。ガーフィールドの車には、赤い自転車が積まれていた。

現代―ボビーは朽ちた生家を訪ねていた。そこで、キャロルそっくりの少女に声をかけられる。彼女はキャロルの娘―モリーという―で、感激したボビーはキャロルの少女時代の写真をモリーに譲った。ブローティガンの消息はあれ以来不明だが、彼は確かにボビー少年に大切なものを与えてくれた。ボビーは、決してあの不思議な老人のことは忘れないだろうと思う。故郷を去る大人のボビーと、自転車をこぐ少年ボビーの姿が重なる。

映画『アトランティスのこころ』の感想・評価・レビュー

ひとりの男の回想という形で物語が進むヒューマンドラマです。
ボビー役は後に若くして亡くなったアントン・イェルチェン、不思議な力を持つ老人を演じるのは名優アンソニー・ホプキンスです。レクター博士の印象が良くも悪くも強い彼が魅せる優しい眼差しは、さすがとしか言いようがありません。
現実離れした要素がありますが、ここで伝えたいことはそれ以外にある、と伝わってくる良作です。子どもたちの友情と恋心も甘酸っぱくて可愛らしいです。(女性 20代)


『ハンニバル』の冷酷なキャラクターとは全く違うアンソニー・ホプキンスを見ることができるヒューマンドラマです。ホプキンスの能力に素直に憧れ感動するキラキラした子供から見た世界と、その能力を悪用しようとする大人達の陰謀渦巻くドロドロした世界の対比がストーリーを作っています。

全体的に暗めの作風でコメディ要素はあまりなく、納得のいかない終わり方をしていますが、ホプキンスが優しい眼差しで発する言葉の数々が心に残ります。(女性 30代)


本作は、主人公の少年ボビーが初恋の女性キャロルの訃報を聞いて当時を振り返る姿を描いたヒューマンドラマ作品。
冷戦時代を舞台に、母と二人暮らしのボビーが夏休みに不思議な力を持つ老人に出会う物語だが、謎めいた老人を演じたアンソニー・ホプキンスが渋くて印象的な役どころだった。
テッドとボビーの友愛を見ていると、かけがえのない出会いを大切にしたいと思った。
心優しいボビーを孤独から救い出すような、じんわりと胸を締め付けられる作品。(女性 20代)


さすがスティーブン・キングと言うべき作品でした。この作品の原作は彼。スティーブン・キングと言うとオチのないストーリー展開に酷評をする人も少なくありませんが、「不思議な力」をテーマにした作品が多く、ファンタジーな要素があり私はすごく好きです。この作品にも出てくる不思議な力。とても素敵なストーリーでした。
アンソニー・ホプキンスは本当に素晴らしいです。彼が出ているだけで作品がグッとしまります。
もし私が過去に戻れたら…そんなことを考えてしまう作品でした。(女性 30代)


決して良い話ではありません。テッドは捕まってしまったし、母親も許せないことをした。それでも、ボビーは真っすぐ育っていくだろうと感じる物語でした。ボビー目線でキャロルを映すシーンは本当に良かったです。まるでボビーと心を通わせているようでした。サリーとの友情を序盤に持ってくるのも、見事な構成だなと思います。回想で別れがあっさりだった分、観終えた後遺書とグローブを思い出すとグッときますね。アトランティスは青春の1コマ、どこまでも深い作品です。(男性 20代)

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