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映画『サラエボの花』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『サラエボの花』の概要:シングルマザーのエスマは、思春期の娘サラと二人暮らし。サラの学年では、近々修学旅行が予定されている。その費用を稼ぐため、エスマはディスコに勤めるが…。紛争の惨禍が残る街サラエボで、傷ついた母娘はやがて許し合っていく。ベルリン国際映画祭ほか、多数の映画賞に輝いた。

映画『サラエボの花』の作品情報

サラエボの花

製作年:2006年
上映時間:95分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ
キャスト:ミリャナ・カラノヴィッチ、ルナ・ミヨヴィッチ、レオン・ルチェフ、ケナン・チャティチ etc

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映画『サラエボの花』の登場人物(キャスト)

エスマ(ミリャナ・カラノヴィック)
サラを女手一つで育てるシングルマザー。国主催の女性トラウマ療法のセッションに参加し、給付手当を受け取る。父をボスニア紛争で亡くし、夫も出征して戦死した。
サラ(ルーナ・ミョーヴィック)
エスマの一人娘。男勝りでやや粗暴。多感な年頃で、エスマとよく衝突する。父親の顔を知らず、エスマに詳細を聞きたがる。髪色が父と同じらしい。対立していたケーナと親密になる。
ペルダ(レオン・ルチェフ)
シャランの部下で、用心棒的仕事を担う。紛争前は大学で経済学を勉強していた。父を失い、老齢の母は老人施設に暮らす。過去にある共通点からエスマと出会っており、彼女に好意を抱くようになる。
ザビーナ(ジャスナ・オーネラ・ベリー)
エスマの旧友で、製靴工場に勤める女性。独身で、夜勤のエスマに代わってサラの面倒を見る。サラの反抗ぶりに手を焼くが、エスマの最大の理解者で味方である。
ケーナ(デヤン・アクルモヴィック)
サラの同級生の少年。当初はサラと不仲だったが、互いに紛争で父を亡くしたことから心を通わす。廃墟を秘密基地にし、サラと時間を過ごすようになる。

映画『サラエボの花』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『サラエボの花』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『サラエボの花』のあらすじ【起】

ボスニアヘルツェゴビナ、サラエボ。エスマは、家計を支えるために夜のディスコでウェイトレスとして働きだす。サラの修学旅行費は自身の仕事だけでは補えず、友人サビーナをはじめ知人に助けを求めていた。

サラは学校で孤立しがちで、男子のケーナとはよく喧嘩していた。サラの父親は、紛争で戦死した「シャヒード」(殉教者)だった。エスマは紛争の傷が癒えず、長年憂鬱さに悩まされていた。女性限定のグループセラピーに参加はしているが、今は旅行費をカバーすることが最大の関心事だった。

初出勤の帰り。店内の喧騒や男女の肉感的なやり取りに、エスマは気分を悪くしていた。店の用心棒であるチェンガが、エスマを車で拾う。エスマは警戒しつつも、疲労から寝落ちする。

自宅前に着き、エスマが足早に車を降りようとすると運転手のペルダが呼び止める。ペルダも紛争の被害者で、父の遺体を捜す間エスマに出会ったという。エスマもペルダのことを覚えていて、二人の間には親近感が芽生える。

映画『サラエボの花』のあらすじ【承】

ケーナの父もシャヒードということが判り、サラはケーナを意識しだす。担任教師から、シャヒードの生徒は親の証明書で旅行費用が安くなると聞く。サラは嬉々としてその旨をエスマに知らせるが、エスマは関心を示さなかった。

ペルダは大学で将来を有望視されていたが、紛争後無気力になってシャランに雇われた。チェンガを乗せて車道を走っていると、プシュカという男に窓越しに声をかけられる。プシュカとは紛争中に従軍していた頃の仲間だった。実業家となったプシュカは、ペルダたちに高報酬の仕事をやると申し出る。それは、ペルダの現上司であるシャランを殺すというものだった。ペルダは内容を聞くや、あっさり依頼を拒否する。

打ち解けたサラとケーナは、学校を欠席して廃墟の秘密基地で友情を深める。ケーナと親しくなる一方、サラは家庭―母に対して強烈な不安を抱いていた。エスマに、「誰とも結婚しないと約束して」と言う。エスマは「絶対にサラを捨てない」と、孤独に怯える娘を抱きしめた。エスマが仕事に出かけると、サビーナが訪ねてくる。サラは何を思ったのか、サビーナを家に入れようとしなかった。

エスマが仕事を終えると、ペルダが彼女を待ち伏せしていた。後日の昼、二人はカフェで互いの過去を語り合う。ペルダは紛争がなければ安定した職に就いていたこと、エスマは医学生で医者になる予定だったこと。そして、ペルダはオーストリアの姉の元に移住する計画を立てていた。ペルダはエスマにも同行してほしいようで、彼女に明らかな好意を抱いていた。

映画『サラエボの花』のあらすじ【転】

サラはケーナから父の形見である拳銃を見せられる。本物の重さに、サラは興奮する。エスマは、ザビーナからサラの様子がおかしいことを聞く。ザビーナの娘への否定的な評価に、エスマは不愉快さを露にする。帰宅すると、サラからザビーナの冷たい対応を聞いて、娘にもう一人で留守番してよいと言った。

エスマはペルダと本格的にデートをした。街が見渡せる丘で昼食を摂りながら、二人は穏やかな時間を楽しむ。ペルダはエスマの心境を見抜いたように、「君は傷ついてる」と優しく言った。エスマは思わず真実を話そうとするが、それは心にしまった。

サラはケーナを家に招いていた。ケーナもまた孤立しており、いつか偉大になっていじめた連中を見返してやるんだ、と目標を明かした。サラはケーナの内に秘めた凶暴性を察知し、拳銃を自分に預からせる。

エスマは、シャランから旅行費用のために給料を前払いしてもらう。上司のシャランは、交換条件として自身の“賭け”のために馬券を買うよう求めていた。そもそもエスマが採用されたのも、面接時にシャランの賭けを予想して見事当てたからだ。しかし、未購入だったことからシャランは逆上してエスマをぶつ。静観していたペルダがそれを止めるも、エスマはぶたれた恐怖から逃げ出してしまう。

映画『サラエボの花』の結末・ラスト(ネタバレ)

エスマは、一目散にザビーナの元に向かう。エスマが涙ながらに経緯を話すと、ザビーナは仕事場の同僚に頼んで、お金を集めて回る。ザビーナは集まったお金を、旅行費用としてエスマに渡す。

サラは、自分の父の遺体が見つかっていないことから費用の免除が受けられないことを知る。彼女を敬遠する女子たちがそれを侮辱すると、サラは怒りをむき出しにする。

エスマの元にペルダがやって来る。ペルダは書類が整ったから、オーストリアに発つと言う。エスマは感情を抑えきれず、ペルダにキスする。二人はさよならも言わず、そのまま別れた。

サラは学校を休むようになっていた。エスマに、証明書の所在と、自分の父親は誰か問い詰める。答えようとしないエスマに、サラはケーナの銃口を向ける。サラはずっと真実が知りたくて苦しんできた。エスマは理性を失い、「サラの父親は敵のセルビア兵で犯されてお前が生まれた」、と激白する。サラは真実を受け入れられず、絶望して泣き叫ぶ。

サラは、鏡に映る「父」と同じ色の髪を憎らしそうに見つめ、丸坊主に刈り上げてしまう。エスマはセラピーに参加し、妊娠した時の心境を語った。お腹の子どもが憎くて仕方ないのに、病院でその顔を見た途端、あまりの純粋さにエスマは心が洗われた。サラという存在が、エスマを立ち直らせていった。

修学旅行の出発日。エスマはサラを集合場所まで送り、謝罪の意も込めてハグする。サラは無言のままバスに乗り込むが、窓越しに母に手を振った。クラスメートたちは「サラエボ」の歌を歌っている。サラも笑顔を浮かべて、その歌を口ずさんだ。

映画『サラエボの花』の感想・評価・レビュー

紛争の傷跡が色濃く残るセルビア、貧しさにあえぎながら懸命に生きる普通の人々の物語。
直接的な戦争の映像はないし、派手なシーンもないけれど、ないからこそ戦争の悲劇というものが母娘の姿を通して痛いほど伝わる。

90年代、ユーゴスラビアだけではなく国の名前がなくなったり、名前が変わったり、小さい国がたくさんできたりと変化が目まぐるしかったことを思い出します。
この映画を観たことでユーゴスラビアで起きた悲劇を知りたくなり、調べて知ることができました。
この映画を観て本当によかった。(女性 40代)


真っ向から対立して言い争い、心の内を相手にぶつけているような母と娘の喧嘩が物凄くリアルでこの演技は素晴らしすぎると感動してしまいました。
扮装で夫を亡くし、シングルマザーとして娘を育てるエスマ。娘のサラは反抗期真っ只中で何においても対立しがちな2人でしたが、彼女たちが生きている環境はお世辞にも良いとは言えず、紛争の描写は無いものの、その爪痕が色濃く残る現実を突きつけられました。
明るいシーンが一切無いので胸が苦しくなりますが、間違いなく忘れられない作品となりました。(女性 30代)

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