映画『ラスト・ブラッド』の概要:ヴァンパイアの成り損ないであるオニを討伐する少女と、そのオニを統率する統領の戦いを描く。主人公のサヤ役にチャン・ジヒョン、統領オニゲン役に小雪を迎え、アニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』を実写映画化した作品。
映画『ラスト・ブラッド』の作品情報
上映時間:91分
ジャンル:アクション、ホラー
監督:クリス・ナオン
キャスト:チョン・ジヒョン、小雪、アリソン・ミラー、リーアム・カニンガム etc
映画『ラスト・ブラッド』の登場人物(キャスト)
- サヤ(チョン・ジヒョン)
- 16歳の容貌で日本刀を駆使し、オニを倒す少女。主に無表情で、感情はほとんど表に出さない。父親を殺したオニゲンに復讐するため、500年という長い年月を生き延びる。
- オニゲン(小雪)
- ヴァンパイアの成り損ないであるオニを統率する者。女の容貌を持ち、驚異的な力を持つ。オニの起源と言われており強大な妖力をも持つ。
- アリス(アリソン・ミラー)
- 米軍の将軍の娘。サヤがオニを倒す場面に遭遇し、探っている内に巻き込まれる。サヤの理解者となる。
- マイケル(リーアム・カニンガム)
- 秘密組織のサヤの担当者。冷静沈着で慎重派。サヤを諭し、見守っている。
- ルーク(JJ・フィールド)
- 秘密組織でマイケルの補佐をしている。若く攻撃的。人間とオニのハーフであるサヤを嫌っている。
映画『ラスト・ブラッド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ラスト・ブラッド』のあらすじ【起】
その歴史は16世紀、日本の応仁の乱から始まる。オニゲン率いるオニの出現により、脅威に晒された人間達の前に、1人の謎の少女が現れる。彼女は日本刀を自在に操り、オニを駆逐。以降、少女は秘密組織に組みし、オニの駆逐へと勤しむようになる。彼女の名前はサヤと言った。
1970年、日本。深夜の地下鉄内でオニを駆逐したサヤ。秘密組織は彼女が倒した、オニの死骸と現場を徹底的に掃除するのが、主な仕事だ。サヤの目的は、父親を殺したオニゲンを倒し復讐することだった。
秘密組織からの情報で、東京関東のアメリカ空軍基地へと潜入することになったサヤ。組織が用意したセーラー服を着用して向かった。容貌は16、7歳だが、随分と長命なサヤとは、クラスの精神年齢が合わない。
軍将軍の娘であるアリスは、サヤと同じクラスだった。彼女は将軍の娘だからと、いじめられている。サヤは変容前からオニの存在を察知することができる。
剣道部の居残りで、アリスをいじめる少女2名がオニだと察知したサヤは、アリスを体育館から追い出して少女2人を変容前に駆逐した。それをドアの隙間から目撃したアリス。
サヤを密かに探ろうと行動を開始する。
一方、組織の方では、オニゲンが動き出したとの情報を得ていた。オニゲンは航空機で日本へ入国し、配下のオニどもへ餌を与えつつ行動している。少しずつ、サヤの元へと近づいていた。
映画『ラスト・ブラッド』のあらすじ【承】
アリスは剣道部顧問の後を追ってバーに入る。彼を詰問するも、顧問には動じた様子がない。むしろ、彼は嬉々としてアリスを襲おうとする。顧問はオニだったのだ。気付けば客の全員がオニで、バーはオニの巣窟と化していたのだった。アリスは即座に踵を返した。見たこともない異様な者どもが彼女を追いかける。
絶体絶命の危機に瀕したアリス。だが、そこへサヤが登場。彼女はアリスを連れて狭い路地を走る。広場まで出たところでオニたちに囲まれるも、サヤは手にした日本刀でアリスを庇いつつ、オニの大群と戦った。アリスを大籠の中に隠した後もサヤは戦い続ける。
不利な状況になったと察した顧問は、更に全身を変容させてアリスを攫う。その姿は、まるでゴブリンのようなバケモノである。サヤはアリスをどうにか助けることに成功。顧問は空へと翼を広げて逃亡を図った。奴は空軍方面へ行き、今にも飛び立とうとしている飛行機に掴まろうとしている。それを阻止したサヤ。死にかけたオニに自分の血を与えた。すると、オニはたちまち息絶えてしまう。サヤの血はオニを殺す効力を持っている。対して、オニゲンはオニを増やす効力をその血に持っているのだった。
サヤはアリスに全てを忘れるよう言い含め、家に帰した。
映画『ラスト・ブラッド』のあらすじ【転】
その頃、アリスの父親である将軍は、秘密組織を調べようとしていた。だが、そこへルークがやって来て将軍を銃殺してしまう。組織の存在を公にするわけにいかない。
しかし、その場にたまたま帰宅したアリスは、咄嗟にルークを殴り倒してしまう。父親は虫の息でアリスに逃げろと言い、命を落とすのだった。
オニゲンがサヤを探しているという情報が入る。サヤは何百年もの間、オニとの戦いを繰り広げて来た。ようやく奴との決着をつける時がやって来る。
サヤのホテルに突然、アリスが現れた。組織の者に父親を殺されて逃げて来たと訴えるアリス。組織は彼女を亡き者にしようとしていた。咄嗟にアリスを助けたサヤは、追って来たルークに銃を向けられる。ルークはマイケルの部下だったが、好戦的な性格でオニと人間のハーフであるサヤを敵視していた。対してマイケルは、慎重派でサヤを庇おうとする。しかし、ルークはマイケルを銃殺。サヤはルークを殺そうとするも寸前でやめ、アリスを連れて逃亡するのだった。
期せず組織を裏切る形となったサヤとアリス。奪った車で山奥へ来るも、サヤの意識が無い。彼女は銃で腹部を撃たれていた。アリスは近くの山小屋へサヤを運び、自らの血を彼女に飲ませ助けた。
オニゲンに父親を殺されたサヤは、父親の家臣だった男に山奥の隠里で育てられた。やがて来るオニとの戦いに挑むべく、戦う術を教わりつつ育ったサヤだったが、ある歳にオニとして覚醒。このことで隠里がオニゲンに知られてしまう。家臣はサヤを逃がすべく、襲い来るオニどもと戦いを繰り広げ、命を懸けてサヤを逃がしたのだった。
育ての親を殺されたサヤは激情に駆られ、オニを駆逐。以降、彼女はオニゲンを倒すことを目標として長い年月を生きて来たのだった。
映画『ラスト・ブラッド』の結末・ラスト(ネタバレ)
山道を走行中、突如オニに襲われたアリスとサヤ。オニの片目はその昔、サヤが潰してやった。奴とは因縁がある。トラックはオニに襲われて谷底へ。アリスを助けつつ、オニとの攻防を展開。奴を斃した。
谷から這い出たサヤは、周囲を見回して気付く。そこは、かつて自分が隠れ住んでいた里だった。彼女はそこで、生涯を共にしようと誓った少年に出会う。だが、それらは全てオニゲンが作り出した幻想に過ぎない。
悠然と現れたオニゲンと対峙するサヤ。オニゲンは彼女に驚くべき真実を知らせる。サヤを産んだのが、オニゲンだと言うのだ。信じ難い真実に抵抗を示すサヤだったが、オニゲンの力は計り知れず、脅威的である。奴はサヤを次代のオニゲンに据えようと企んでいた。
サヤを追い詰めるオニゲンに攻撃したアリスだったが、容易く反撃されてしまう。サヤは意識のないアリスを助け、怒りに燃えた。新旧の攻防が繰り広げられる。オニゲンはサヤに、私を殺して私になれと唆す。サヤは躊躇わずにオニゲンを殺した。
谷底に落ちたトラックの傍には、アリスだけが発見される。彼女の脳裏に残る最後の記憶。それはオニゲンを倒し、慟哭して泣き叫ぶサヤの姿だった。
回復したアリスは事情聴取されるも、彼女の話など誰も信じなかった。だが、アリスだけはサヤが生きていることを知っているのだ。
映画『ラスト・ブラッド』の感想・評価・レビュー
ヴァンパイアの少女がヴァンパイアの成り損ないを作り人に害を与える同胞を狩っていくという内容。今作ではボスのオニゲン役に小雪が演じている。
どこぞの似たような内容のB級ヴァンパイア映画よりはかなりいい作品だと思う。アクションもなかなか良く、個人的には小雪の美しさと異様さがとても印象に残った。一応、日本人という設定なのだから、主人公も日本人女優から選んで欲しかったというのが本音。多少の違和感はあるが、それでも充分世界観は描けているかと思う。なんだかもったいない気がした。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー